本記事はペット管理栄養士が執筆・監修を行っております。
ANSWER とうもろこしは犬に与えても大丈夫!
とうもろこしは犬にとって有害な成分が含まれていないため、与えても大丈夫です。
しかし、食べ過ぎると体に不調をきたす可能性がある成分が豊富に含まれているため、与え方や与える量を守らなくてはいけません。
また、とうもろこしは缶詰などの加工製品も販売されていますが、とうもろこし以外の調味料が含まれている可能性があるため注意が必要です。
このページでは犬にとうもろこしを与える場合の注意点や与える量などについてペット栄養管理士が解説します。
犬に与えてもよいとうもろこしの量は?
小型犬の場合 | 60g(1/4本) |
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中型犬の場合 | 120g(1/2本) |
大型犬の場合 | 240g(1本) |
子犬の場合 | 消化器官が未熟な状態の子犬には与えない方がいいでしょう。 |
老犬の場合 | 腎臓病がある場合は避け、健康な犬であっても少量ずつ与えましょう。 |
とうもろこしの犬への効果は?
とうもろこしにはたくさんの栄養が含まれており、特に食物繊維が豊富なので便秘解消に効果的だと考えられています。
また、初めて摂取する食べ物に対してアレルギー反応を示すことがあります。
しかし、とうもろこし含有のドックフードは多数販売されているため、すでにとうもろこしを口にしたことがある愛犬も多いという、とうもろこしならではの利点があります。
一度摂取したことがあれば、とうもろこしを進んで食べてくれる可能性が高く、アレルギー反応も見られないでしょう。
食物繊維
食物繊維には、水に溶けやすい水溶性食物繊維と水に溶けにくい不溶性食物繊維があり、とうもろこしにはどちらも含まれます。
水溶性食物繊維は腸内環境を整え、血糖値の上昇を抑えてコントロールする働きがあり、そして不溶性食物繊維には蠕動運動を活発化して排便を促進したりする働きがあります。
とうもろこしは水溶性食物繊維より不溶性食物繊維の方が多く含まれているため、便秘解消に効果的だと考えられています。
ただし、摂取しすぎると排出が間に合わず消化不良を引き起こす可能性があるため注意が必要です。
糖質
とうもろこしの主成分である糖質は、約1gで4キロカロリーを生み出す貴重なエネルギー源です。ただし、過剰摂取で余った糖質は脂肪組織に蓄積されるため、食べる量に注意してください。
葉酸
水溶性ビタミンの葉酸は補酵素として体内のエネルギー代謝をサポートします。
また、赤血球の生成やアミノ酸の合成、細胞の産生と再生にも大きく関わっているため、特に妊娠中の女性は積極的に摂るべき栄養素だといわれています。
ビタミンB1
水溶性ビタミンであるビタミンB1は、糖質の代謝を促します。余分なビタミンB1は尿中から排出されるため、過剰が生じるのは稀です。
むしろ、補酵素としても働くビタミンB1が足りないと、食欲不振や体重減少が起きるといわれているため、不足に気をつけましょう。
犬にとうもろこしを与える際の注意点は?
芯から実を外して与える
犬にとうもろこしの芯が付いたまま実を与えてはいけません。
誤飲をするおそれがあり、のどに詰まらせ呼吸困難になったり腸に詰まって腸閉塞を起こしたりする危険性があります。必ず芯から実を取って実の部分だけを与えましょう。
おもちゃの代わりに芯を与えるのも危険ですので気をつけてください。
食べ過ぎ注意
とうもろこしは野菜の中でもカロリーが高く、食べ過ぎると肥満の原因になります。
食物繊維が多いという面でも、上手く消化できずに消化不良を引き起こす可能性があるため、過剰摂取は危険です。1日に与えていい量をきちんと確認してから愛犬に食べさせるようにしましょう。
缶詰などの加工品は原材料に注目
とうもろこしは未調理の生の状態だけでなく、缶詰や粉末など加工食品としても販売されており、さまざまな添加物が使用されている可能性があります。
加工食品は塩分が多く含まれていることが多いため、犬に与えるのはあまり好ましくありません。もちろん、原材料がとうもろこしだけなら問題ないので、まずは何が入っているか確認し、安全だと分かった上で与えるようにしましょう。
子犬や老犬の与え方
消化器官が備わってきた子犬や健康な老犬であれば、とうもろこしを与えることは健康促進につながるでしょう。
ただし、食べにくい、消化に時間がかかるといった面では、成犬よりも与え方で上手にフォローする必要があります。もちろん生のまま与えてはいけないので火を通し、ペースト状に細かく潰すと子犬でも老犬でも食べやすくなります。
水分不足気味の愛犬であれば、ミキサーにかけてスープにして与えてもいいかもしれません。与えすぎには注意してください。
こんな時は犬にとうもろこしを食べさせないこと
アレルギー持ちの愛犬には、とうもろこしを与えてはいけません。初めて食べる時は少量ずつ与え、もしも嘔吐や下痢、痒みなどの症状が見られた場合は直ちに与えるのをやめましょう。それでも症状が治まらない場合は、すぐに獣医師の診断を受けてください。
また、腎臓病の愛犬はうまくカリウムを排出できないため、腎臓病や高カリウム血症を持っている愛犬も食べない方がいいでしょう。
Adviser
ペットフーディスト 佐々木なるみ
愛犬の偏食をきっかけに資格を取得。これまでに4匹のわんちゃんと暮らしてきた。動物愛護に関心を寄せ、犬を含む多くの動物が幸せに暮らせる日本を目指している。