栗は、ブナ科クリ属の落葉樹になる果実の総称です。世界中に数多くの品種がありますが、大きく分けると日本栗(和栗)をはじめ、中国栗、ヨーロッパ栗、アメリカ栗があります。中でも日本栗は自生する芝栗を改良したもので、粒の大きさはダントツです。秋のくだもので、その甘くほくほくした味が、大好きな方も多いのではないでしょうか。栗おこわやモンブラン、栗きんとんに栗の渋皮煮、マロンパイなどお料理方お菓子まで美味しい栗料理はたくさんありますよね!
そんな美味しくて人気の栗は、愛犬にも食べさせて大丈夫なのでしょうか?

ANSWER 栗は愛犬に食べさせても大丈夫な果物です
「栗」は愛犬に食べさせても大丈夫な果物です。
栗は果物か野菜かどちらかわかりにくいですが、実は栗は「果樹」の仲間です。あの黄色い身の部分は栗の種子なのです。そんな栗には、犬が中毒を起こすような成分は含まれていないため、与えても基本的には問題ありません。ただし、加熱していない状態の栗はとても硬く消化しにくいので、必ず柔らかくなるまで煮たものを細かく切って与えるようにしてください。また、渋皮の部分はとても苦く、タンニンという成分も含まれていますので、犬への与えやすさや消化の面から渋皮は取り除いてあげるのがよいでしょう。
栗に限らずですが、もちろん与えすぎは禁物です。愛犬のサイズに合わせながら、愛犬とコミュニケーションを取りつつ与えてあげましょう。また、栗の加工品については注意が必要です。原材料が栗のみの場合は与えてもOKですが、人間用に味付けされた缶詰や甘露煮などは与えないようにしましょう。記載されている原材料をよく確認し愛犬に与えてよいものか飼い主さんがしっかりと判断することが大切です。
このページではそんな栗について、愛犬のために一緒に勉強していきましょう。
栗の主な栄養素・成分

食物繊維
食物繊維は、腸内環境を改善させ、正常な腸の機能を保ちます。
ビタミンC
粘膜の強化、体内組織の修復、ストレスの軽減、免疫力のアップ、コラーゲン生成の補助など多くの機能や効果があります。ただし大量に摂取することで軟便や下痢の原因になることがあるので、注意しましょう。
炭水化物
主要成分である炭水化物(デンプン)は、犬が生きていくうえで必要なエネルギー源になります。
栗を犬が食べた際の犬への効果・影響
- エネルギー源
- 疲労回復
- 整腸作用 など
栗を犬に食べさせる際の注意点!

柔らかく茹で、鬼皮・渋皮をしっかり取り除いたものを小さく刻んで与えよう
栗はやわらかく茹で、鬼皮、渋皮を取り除いたものを小さく刻んで与えてください。
固い鬼皮がついたままの栗は、喉に詰まったり腸閉塞を起こしたりする恐れがあります。丸呑みしないように十分注意しましょう。万が一飲み込んだ場合は、動物病院を受診してください。
無糖の茹で栗も与えOK!
スーパーやコンビニエンスストアなどで販売されている、無糖の茹で栗を与えてもかまいません。
与えすぎには注意を
高カロリーなので食べ過ぎると肥満の原因になります。適切な量は1日の総カロリーの10%です。
Adviser
伊藤 悦子さん
麻布大学獣医学部環境畜産学科(現・動物応用科学科)出身。ペット栄養管理士・家畜人工授精師(牛)資格所持。動物医療発明研究会会員。NPO法人「NEWSつくば」記者。犬は5匹、猫は6匹の他にモルモットやセキセイインコ、文鳥たちと暮らしてきました。現在は17歳になる茶トラの猫「りんごちゃん」がいます。人とペットの幸せを願って執筆しています。
