ぶどうは犬に絶対に与えてはいけない果物です。犬がぶどうを食べてしまった場合の中毒症状や、誤って食べてしまった場合の対応について解説していきます。
初夏から旬を迎えるぶどう。巨峰やピオーネなどが種類も多く、大好きな方も多いのではないでしょうか。
そんな美味しくて人気のぶどうは、愛犬にも食べさせて大丈夫なのでしょうか?
ANSWER
ぶどうは犬に絶対に与えてはいけない果物です。
犬がぶどうを食べた場合、中毒症状を起こす可能性があります。誤って食べた場合はすぐに動物病院に相談しましょう。
基本的に「ぶどう」は犬に食べさせてはいけない果物です。ネギやチョコなどと同様に、犬に食べさせてはいけない危険な食べ物の一つです。犬にぶどうを絶対たべさせてはいけません。
ぶどう類は犬に有害であることが立証されている食べ物で、犬がぶどうを食べた場合接種から2〜3時間後から嘔吐、下痢、腹痛を引き起こし、さらに重度の場合は急性腎不全になる恐れがあります。場合によっては命にかかわる場合もあります。
ぶどうを食べた犬が急性腎不全になった報告があります。嘔吐や下痢などのほか、うとうとと寝てばかりいる、食欲がないなどの症状が起きるようです。まったく無症状の犬もいると報告されていますが、ブドウを食べた場合は必ず動物病院を受診してください。
さらにぶどうだけでなく、マスカットや加工されたレーズン、レーズンパン、ぶどう入りヨーグルトやジュース、ゼリーなども犬が食べないように気を付けましょう。
このページではそんなぶどうについて、愛犬のために一緒に勉強していきましょう。
ぶどう(葡萄)の主な成分や栄養素
- カリウム
- クエン酸
- タンニン
- ポリフェノール ほか
ぶどう(葡萄)を犬が食べてしまった際の中毒症状例
犬がぶどうを食べた場合、接種から2〜3時間後までに急性腎不全が疑われる症状として、初期では以下のような症状が現れます。急性腎不全は、たった1日の間に急速に腎不全が進行して腎臓の機能が低下する、命に関わるとても重篤な病気です。
- 嘔吐や下痢など消化器症状
- ぐったりする
- 水を大量に飲む
- 食欲低下
- 寝てばかりいる
- 元気がない
- おしっこが少ない、出ない
- 急性腎不全 など
ぶどう(葡萄)の注意点!
ぶどう中毒を起こす可能性があるためぶどうは犬に絶対に与えないでください!
犬にぶどうを絶対たべさせてはいけません。急性腎不全になる恐れがあります。場合によっては命にかかわる場合もあるのです。
ぶどうを食べた犬が急性腎不全になった報告があります。嘔吐や下痢などのほか、うとうとと寝てばかりいる、食欲がないなどの症状が起きるようです。
まったく無症状の犬もいると報告されていますが、ブドウを食べた場合は必ず動物病院を受診してください。
レーズンやレーズンパン、ぶどう入りヨーグルトやジュース、ゼリーなども犬が食べないように気を付けましょう。
犬がぶどうをどのくらいの量を食べたら危険?ぶどうを食べた際の致死量。
犬がぶどう食べてしまった場合の致死量は、犬の個体差にもよりますが体重1kgあたり3〜32g、換算するとぶどう2〜3粒という計算になります。とても少ない量で致死量に至るということがわかります。また、生のぶどうだけでなく、ぶどうジュースやぶどうゼリー、ぶどうパンなどに入っているレーズンなどにも注意が必要です。レーズンなどドライフルーツの場合は、1kgあたり10gとさらに少ない量で致死量となります。
食べてしまった量が少なく、誤食直後は無症状だったとしても、数日後に症状がでたり、何も症状があらわれなくても体の中で腎臓に不要な負担をかけている可能性があります。
少量でもぶどうは愛犬にとって危険ということを忘れず、与えないだけでなく犬の手の届くところにぶどうを置かないようにしましょう。
もし犬がぶどうを食べてしまったら、今すぐ動物病院へ。
ぶどうを食べてしまった場合はすぐにかかりつけの動物病院に相談しましょう。もしまだ口の中にはいっている場合は落ち着いてぶどうを取り出しましょう。
犬がぶどうを食べてしまった場合、飼い主さんができるような応急処理はほとんどありません。ぶどうを摂取してしまった場合は速やかに動物病院に連れていきましょう。たとえ少量食べただけで、その時はなんともなく無症状だったとしても、数時間後以降に中毒症状がでる場合もありますので、少しでも異変を感じた場合は必ずかかりつけの動物病院に相談しましょう。
大量の水を飲ませたり、飼い主さん自身で無理矢理吐かせたりなど誤った処置をせず、獣医師さんに相談することが一番大切です。
動物病院にいった際には下記を冷静に伝えましょう。
- いつ食べたのか
- どんなぶどうをどのくらい食べたのか
- 現状の症状(動画を撮れていると尚よし)
食べたぶどうや嘔吐したものが残っていればスマートフォンで撮影したものを持参しましょう。
まとめ
ぶどう以外にも、私たち飼い主にとっては美味しくて栄養価も高い食べ物でも、実は犬にとっては有害になる食べ物が多く存在します。
机に置いてあったお菓子や食材を食べられてしまった経験はないでしょうか?私たちが食べている食べ物の中で、犬が食べると中毒などを引き起こしてしまう危険な食材があるので、キッチン周りやダイニングのテーブルなど、人間の食べ物を食べられないように気をつける必要があります。
誤飲やいたずらで食べてしまった場合、症状は犬の個体差が大きく、症状が出ない犬もいれば、わずかな量で症状がでる犬もいます。万が一食べてしまった場合は、自己判断をせず必ずかかりつけの動物病院に相談をしましょう。
今回はぶどうについて詳しくご紹介しましたが、愛犬のために絶対に覚えておきたい犬に食べさせてはいけない危険な食べ物を下記の記事にまとめていますので、特に始めて犬を飼う方はぜひ参考にしてみてください。
Adviser
伊藤 悦子さん
麻布大学獣医学部環境畜産学科(現・動物応用科学科)出身。ペット栄養管理士・家畜人工授精師(牛)資格所持。動物医療発明研究会会員。NPO法人「NEWSつくば」記者。犬は5匹、猫は6匹の他にモルモットやセキセイインコ、文鳥たちと暮らしてきました。現在は17歳になる茶トラの猫「りんごちゃん」がいます。人とペットの幸せを願って執筆しています。
犬に食材を与える際の注意点
その食材が犬に与えて良いものかどうかを調べましょう。
食材には以下の4つのパターンがあります。食材を与える際にはそれがどれにあたるかを把握する必要があります。
01.中毒・アレルギーを起こす絶対に与えてはいけない食べ物。
犬に与えると「テオブロミン」という成分が、嘔吐や下痢などの中毒症状を引き起こすチョコレート、「アリルプロピルジスルフィド」という成分が、貧血症状や下痢、嘔吐を引き起こすねぎや玉ねぎ。それ以外にもぶどう・レーズンや、アボカド、マカダミアナッツ・クルミ、キシリトールなど、食材の中には犬に与えると重篤な症状を引き起こすものがあります。
犬に手作りご飯や食材トッピングなどをする際は必ずこの犬に与えてはいけない食材を把握しておくようにしましょう。下記の記事でも詳しく解説しておりますので、参考にしてみてください。
02.与える際に注意が必要な食べ物
食材の中には基本的には与えても大丈夫ですが、与え方によっては注意が必要なものがあります。例えばじゃがいも。じゃがいもは犬に与えても大丈夫ですが、じゃがいもの芽や皮には「ソラニン」「チャコニン」という毒素が含まれていますので、与える際には芽や皮をしっかり取り除く必要があります。また、豚肉や刺身なども犬に与えて良い食材ですが、生の豚肉を食べると細菌やウイルスに感染してしまうリスクがありますし、人間用として処理された刺身は犬に与えても大丈夫ですが、食中毒などの危険性があるため、なるべく加熱してから与える方が良いでしょう。
それ以外にも、魚を与える際は骨をとる、野菜・果物を与える際は種やヘタを取り除くなど、食べられる食材の中にも与え方によって注意が必要な食べ物もあります。
03.人用に加工された食べ物
たとえば、その食材自体は食べさせられるものであったとしても、ジュースや缶詰、ドライフルーツ、ジャーキーなど人用に加工されたものは、油や調味料、糖分などが多く含まれており、犬に与えない方が良いものがほとんどです。食材は与えて大丈夫なものでも、与える前には人用に加工されたものではないか確かめるようにしましょう。
04.健康な成犬に与えても大丈夫な食べ物
犬に与えても大丈夫な食べ物もあります。ただし、子犬や老犬に与える際には小さく刻んだり、茹でて柔らかくして与えてあげましょう。また持病のある犬については特に注意が必要です。新しい食材を与える前にはかかりつけの獣医師さんに相談してから与えるようにしましょう。また、元気な成犬でも与える量については注意が必要です。どんな食べ物も食べ過ぎには注意しましょう。適度な量を愛犬に合わせて少しずつ与えてあげるようにしましょう。
フードに食材をトッピングする際の注意点
いつものフードに食材をトッピングしている飼い主さんも多いのではないでしょうか?トッピングがうまく活用することで足りない栄養素を補えたり、愛犬のフードの食いつきを高めることができます。ただし、与える際には下記のことに注意が必要です。注意すべき食材や栄養バランス、摂取量に十分注意しながら、上手にバランスの良い食事を心がけましょう!
処理やサイズなど与え方に注意を。
特にトッピングする際には、愛犬が喉に詰まらせないよう食べやすい大きさにカットして与えるようにしましょう。固い野菜などは茹でて柔らかくしてかけてあげたり、すりおろしてあげるのもおすすめです。また果物や野菜をトッピングする際には、皮や芯、種やヘタをしっかり取り除いてからあげましょう。特に種や芯には、犬が中毒を引き起こす成分が含まれる場合があるのでしっかりした下処理が大切です。
フードと合わせたカロリーバランスを考える。
フードに混ぜて、トッピングする場合のトッピングの適正量は多くても1日の摂取カロリーの10%までといわれています。
愛犬に与えているフードのカロリーや栄養素を調べ、愛犬の体重と年齢などに合わせ1日の栄養・カロリーがトッピングと合わせてバランスよくなるように調整することが大切です。心配な場合は与えている量とトッピングの内容をかかりつけ動物病院の先生に相談してみましょう。
初めて与える食材は少しずつ
どんな食材でも犬によってはアレルギーを起こす可能性があります。初めて与える食材の場合は少量を与え体調の変化がないかを見るようにしましょう。特に持病のある犬については特に注意が必要です。新しい食材を与える前にはかかりつけの獣医師さんに与えて大丈夫か相談してから与えるようにしましょう。