マスクメロンや夕張メロンなど種類も多く、甘くて美味しいメロンは、大好きな方も多いのではないでしょうか。そんなメロンは、野菜か果物、どちらかご存知ですか?
1年生の草本植物で、栽培方法が野菜と同じメロンは、農林水産省では野菜に分類されているんです。メロン以外にも、スイカやいちごもなど野菜に分類されるものがあり、このようなものを「果実的野菜」といいます。
メロンは、果肉の色から「青肉」「赤肉」「白肉」の3種類に分類され、とても香り高く、ジューシーで品のある甘さが特徴で、旬は春~夏になります。メロンの見た目の特徴である皮の網目は、果肉が肥大するときに皮がはじけてヒビができ、そのヒビがかさぶた状になったものです。この網目(ネット)があるものとないもので、ネット系、ノーネット系と分けられています。有名な「夕張メロン」はネット系メロンで、濃厚な甘味で香りが強くとても人気ですよね。
そんな美味しくて人気のメロンは、愛犬にも食べさせて大丈夫なのでしょうか?メロンの栄養素や成分、愛犬に与える際の注意点や与える場合の量について、犬の管理栄養士マスターが解説しますので一緒に勉強していきましょう。

ANSWER メロンは愛犬に食べさせても大丈夫な果物です
基本的に「メロン」は愛犬に食べさせても大丈夫な果物です。成分的にも犬にとって中毒症状を引き起こすものは含まれていないため、メロンアレルギーを持つ犬でなければ食べても問題はありません。また、メロンは体内の水分調整を行うカリウムや、疲労回復効果のあるビタミンCが含む他、水分が非常に多く約90%を占めるため、暑い夏など犬の食欲がない際にもおすすめの果物です。
ただし、メロンはスイカやきゅうりなどと同じウリ科の植物でもありますので、ウリ科の果物や野菜にアレルギーがあるワンコにが注意が必要です。
またメロンに限らずですが、もちろん与えすぎは禁物です。愛犬のサイズに合わせながら、愛犬とコミュニケーションを取りつつあげるのもよいでしょう。
メロンの主な栄養素・成分

カリウム
体内の水分調整を行い、ナトリウム(塩分)を体外に排出する働きがある成分。血圧を下げる効果や、腎臓病の予防効果が期待できます。
ビタミンC
ビタミンCは疲労回復効果や肌の健康を維持する効果だけではなく、抗酸化作用、抗ストレス効果、免疫力アップなどの効果もあると言われています。皮膚疾患に悩んでいる愛犬や、老犬に補ってあげると良い栄養素です。
クエン酸
クエン酸は体内に入ってきた糖分をエネルギーに代えて、カルシウムやミネラルを吸収しやすくする働きをもつ栄養素です。
ペクチン
水溶性の食物繊維です。食物繊維は腸内で善玉菌のエサとなり、腸内環境を整える働きをします。
メロンを犬が食べた際の犬への効果・影響
- 利尿作用
- 水分補給
- 整腸作用 など
メロンを犬に食べさせる際の注意点

皮、種をのぞいて果肉のみ与えましょう
メロンの皮や種は意外と固く消化されにくいため、皮は厚めに剥き、種もていねいに取り除き、果肉部分のみを食べやすい大きさにカットして与えましょう。子犬や老犬の場合は特に小さめにカットしてあげるとよいでしょう。
愛犬がメロンを吐いた場合はすぐ病院に相談を
「愛犬にメロンを与えたら嘔吐してしまった!」という飼い主さんの声をよく聞くことがありますが、これはメロンに含まれる「ククルビタシン」という成分が嘔吐や下痢と胃いった中毒を引き起こすためと言われています。万が一、愛犬がメロンを食べた後に嘔吐や下痢をした場合は速やかにかかりつけ動物病院に相談しましょう!
持病のある犬には与えない
カリウムは、人間にとっても犬にとっても、バランスが大切なミネラルです。腎臓病などで腎臓の働きが低下すると、それによってカリウムを正常に排出できず、高カリウム血症などを引き起こすこともあります。腎臓病や高カリウム血症など、持病のある犬の場合は、必ず与える前に獣医師に相談しましょう。
与える量は適度に!
メロンのおよそ90%が水分で、水分補給に向いていますが食べ過ぎるとお腹を壊してしまいます。
メロンの量は、1日に必要とする摂取するエネルギー量の約10%に収まる程度にしてください。
アレルギーに注意
メロンには少量ですが、タンパク質が含まれているため、食物アレルギーを起こしてしまう可能性もあります。メロンを食べたあと、口の周囲をかゆがったり、嘔吐したりした場合はアレルギーの可能性があります。動物病院を受診してください。