本記事はペット管理栄養士が執筆・監修を行っております。
ANSWER スイカは犬に食べさせても大丈夫。
基本的にスイカは愛犬に食べさせても大丈夫な野菜です。しかし、食べられるのは実の部分のみです。硬い皮と種は消化が難しいため与えないようにしてください。
その他にも水分量が多かったり、身体を冷やす効果のある成分が含まれているため、与えすぎには注意が必要です。
「腎臓の悪い犬にはスイカを与えない方が良い」という話を聞いたことがある方もいるにではないでしょうか。スイカの約90%は水分で、カリウムも非常に多く含まれています。腎臓が弱っている犬にとっては、スイカの水分とカリウムが負担になります。 腎臓の力が落ちているために、水分やカリウムが尿へきちんと排泄できず、むくみや高カリウム血症を引き起こしてしまうこともあるので、腎臓病などの病気を持つ犬の場合は、特にあげる量に注意が必要です。病気がある子の場合はかかりつけの先生に必ず相談するようにしてください。
また、スイカは、メロンやきゅうりなどと同じウリ科の植物です。 ウリ科の果物や野菜にアレルギーがあるワンコにが注意が必要です。
犬に与えてもよいスイカの量は?
去勢手術済みの成犬の場合に与えて良い量の目安になります。
小型犬の場合 | 20g〜90g程度 |
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中型犬の場合 | 100g〜150g程度 |
大型犬の場合 | 150g〜250g程度 |
子犬の場合 | 月齢や成長度合いによっては消化器官が発達しきっていない可能性もあるため、基本的には与えない方が良いでしょう。どうしても与えたい場合は少量にしておきましょう。 |
老犬の場合 | 老犬と一括りに言っても、健康状態は様々ですので愛犬の体調によって与える量を決めましょう。ただ、成犬の頃よりも消化器官が弱っているケースが多いため、子犬と同様に少量だけ与えるようにしてください。 |
犬にスイカを与える際の注意点は
犬にスイカを与える際は必ず皮を剥いて種を取り除く!
スイカの皮と種は硬いため犬では消化しきれません。与えてしまうと胃や腸などにダメージを与える恐れがあるだけでなく、皮や種が詰まって「腸閉塞」などを引き起こす危険性もあります。皮と種を取り除いて愛犬が食べやすいように小さくカットして与えましょう。また、キンキンに冷えているスイカを与えると健康な犬でもお腹を壊す可能性もあるので、少し常温に戻してから与えるのがオススメです。
犬にスイカをあげる場合は与えすぎに注意!
スイカに限りませんが、与えすぎは健康トラブルの原因です。特にスイカは水分量が多いため、下痢などを引き起こす可能性があります。
腎臓病のある犬にスイカを食べさせないこと
腎臓に何かしらの健康トラブルがある場合は、スイカなどのカリウムが多く含まれる食材を与えないように注意する必要があります。
腎臓の力が落ちているために、水分やカリウムが尿へきちんと排泄できず、むくみや高カリウム血症を引き起こしてしまうこともあるので、なるべくスイカは与えないようにしましょう。
犬のスイカアレルギー
人間と同じように犬にもスイカアレルギーが発症するケースがあります。スイカを初めて与える場合は少量だけ与えて体調に変化がないかを注意深くチェックしてください。もしも下痢や嘔吐、目の充血、元気がないなどの症状があった場合は、すぐにかかりつけ動物病院に相談するようにしましょう。
犬の尿管結石にスイカを与えてはダメ?それとも予防になる?
スイカに含まれている「マグネシウム」は、筋肉の伸縮に必要な成分のため、適量であれば良い働きをしてくれるため、積極的にとりいれていきたい成分なのですが、これまではマグネシウムを大量に摂取すると「ストルバイト結石(尿管に詰まる結石)」が作られやすくなると言われてきました。
そのため、尿管結石の持病がある犬にはスイカを与えない方がよいという情報をご存知の飼い主さんも多いかと思います。
しかし、最近の研究ではスイカのエキスを摂取することで尿路結石を予防する可能性があるといけ論文も(出典:スイカエキス飲料がイヌの血清および尿成分に及ぼす効果)。この研究では水分やカリウム、シトルリンを多量に含んでいるスイカを摂取することで、尿量が増加し結石の形成を予防できるのでないかということが述べられています。
実際は、与えない方が良い、予防できるので与えた方が良いというどちらの説もあるというのが現状です。愛犬が尿管結石で心配な方は、かかりつけ動物病院に相談してからスイカを与えるようにしましょう。
Adviser
星野 崇希(ホシノ タカキ)
「Petime.Plus」代表。愛犬2匹と暮らすペットの専門家。犬の管理栄養士や愛玩動物救命士、ペット防災アドバイザーなどペットに関する資格を多数保有。ペットフードやペット商品の監修、ペット事業のコンサルティング等を通じて、「飼い主さんとペットの幸せが1%でも増えるお手伝いをしたい」という想いで活動しております。