犬はパイナップルを食べても大丈夫です。犬にパイナップルを与える場合の注意点や与える量、そして犬のパイナップルアレルギー症状などについて解説します。
パイナップルは、熱帯アメリカ原産のパイナップル科の多年草で草食性の植物に実をつけるため、バナナやメロンなどと同様に果実的野菜に分類されており、実は果物と思われがちですが野菜です。パイナップルという英語名は、果実の形が松の実の松かさに似ていて、味がりんごのように甘いことから、パイン(松の実)、アップル(りんご)、それぞれの言葉を組み合わせて「Pineapple」と呼ばれるようになりました。パイナップルはフィリピンからの輸入ものが多いですが、国産パイナップルの旬は、石垣島産で4月下旬~7月下旬、沖縄本島産で5月中旬~8月初旬頃となっています。
甘くてみずみずしいパイナップルには、ビタミンB1をはじめ、ビタミンA、ビタミンCが豊富!特に多く含む成分であるビタミンB1は新陳代謝を促し、疲労を回復させる働きがあります。 またクエン酸も豊富なので、食欲を刺激し、消化を良くする働きもあり、健康や美容のために朝食などに取り入れている方も多いと思います。
ところで皆さんは美味しいパイナップルの見分け方をご存知ですか?美味しいパイナップルにはいくつかの特徴があり、①お尻の部分がふっくらと下膨れした形をしていること。②甘い香りがすること。③お尻の部分に弾力があり乾燥したり、柔らかすぎないこと。だそうです。パイナップルは果皮は緑色でも甘くて完熟しているものもあるため、形・香・弾力で美味しいものを見分けると良いそうです。是非、パイナップルを選ぶ際は参考にしてみてくださいね。
トロピカルフルーツとして人気のパイナップルは、スーパーやコンビニエンスストアでカットされたものも売られ、手軽に食べられることも魅力の一つ。トロピカルで甘い味と香りが大好きな方も多いのではないでしょうか。そんな美味しくて人気のパイナップルは、愛犬にも食べさせて大丈夫なのでしょうか?
パイナップルを犬に食べさせても大丈夫か、パイナップルの栄養素や成分、愛犬に与える際の注意点や与える場合の量について、犬の管理栄養士マスターが解説しますので一緒に勉強していきましょう。
ANSWER
パイナップルは犬に食べさせても大丈夫な果物です。
皮は与えず、果肉だけ適量を与えましょう。
「パイナップル」は愛犬に食べさせても大丈夫な果物です。犬が中毒を起こすような成分は含まれていないため、与えても基本的には問題ありません。
パイナップルには肉や魚のタンパク質を分解する「ブロメライン」という酵素が果実と茎に含まれています。この「ブロメライン」は、食物繊維とともに胃や腸の調子を整えてくれるため消化不良や便秘の子にオススメです。
ただし、パイナップルで嘔吐や下痢といった症状の食物アレルギーを起こす犬もいます。初めてパイナップルを愛犬に与える場合には、まずは少量を与えて様子を見てみましょう。
また、パイナップルには食物繊維が豊富なため便秘の解消に役立ちますが、食べすぎると下痢や消化不良を起こしてしまう犬もいますので与える量には注意が必要です。
パイナップルに限らずですが、与えすぎは禁物です。食べすぎは体に悪影響を及ぼします。愛犬のサイズに合わせながら、愛犬とコミュニケーションを取りつつあげるのもよいでしょう。
パイナップルの主な栄養素・成分
ビタミンC
粘膜の強化、体内組織の修復、ストレスの軽減、免疫力のアップ、コラーゲン生成の補助など多くの機能や効果があります。ただし大量に摂取することで軟便や下痢の原因になることがあるので、注意しましょう。
ペクチン
水溶性の食物繊維です。食物繊維は腸内で善玉菌のエサとなり、腸内環境を整える働きをします。
β-カロテン
βカロテンは、犬の体内でビタミンAに変換されて活用されます。ビタミンAは、おもに視力、皮膚、被毛を健康な状態に保つほか、丈夫な粘膜や歯をつくるのに役立ちます。
ブロメライン
ブロメライン(ブロメイン)は消化酵素で、お肉などのタンパク質を分解して柔らかくし、消化吸収しやすくしてくれます。
パイナップルを犬が食べた際の犬への効果・影響
- 疲労回復
- 抗酸化作用
- 整腸作用 など
パイナップルを犬に食べさせる際の注意点
犬にパイナップルを皮のまま与えるのはNG!パイナップルの皮と芯は犬に与えないようにしましょう!
パイナップルのは葉、皮、芯はとても硬く、皮部分にがトゲもあるため、皮のまま愛犬に与えるのがやまめしょう。皮のまま与えてしまうと、皮のトゲで口や消化管を傷めてしまったり、芯を詰まる喉に詰まらせたり、消化不良になる可能性があります。パイナップルは皮と芯をとり、小さくカットしてから与えましょう。皮はトゲがあり、口や消化管を傷めるので与えないようにしましょう。
犬のパイナップルアレルギーの症状に注意を!
パイナップルに含まれるたんぱく質分解酵素プロメラインによって嘔吐や下痢といった症状の食物アレルギーを起こす犬もいます。初めてパイナップルを愛犬に与える場合には、まずは少量を与えて様子を見てみましょう。また「ブロメライン」が原因で舌や口の中を刺激され、口を気にしたり、よだれをたらしたりする子もいます。そのような場合は動物病院を受診してください。
食物繊維豊富なパイナップルを犬に与えすぎると下痢や消化不良にも!
パイナップルは消化酵素「ブロメライン」や食物繊維が多く含まれているため、犬の胃や腸の調子を整えてくれる働きがあります。しかし、逆に一度に食べ過ぎると下痢や消化不良になりお腹を壊す恐れがあります。愛犬に与えるのはごく少量にしましょう。
パイナップルの缶詰など加工品にはご注意を!
パイナップルは愛犬に与えても問題ありませんが、パイナップルの缶詰やパイナップルジュース、パイナップルゼリーやドライフルーツなどパイナップルの加工品には注意が必要です。
人間用に加工された缶詰やゼリーなどには加工品には砂糖やシロップが多量に使用されているため、糖分が多く、カロリーオーバーで肥満の原因にもなるので犬に与えるのはやめましょう。また、パイナップルのグミやガムなどの加工品には、犬が中毒を起こす成分であるキシリトールが配合されていることもありますので与えないよう注意しましょう。
胃腸が弱い犬や持病のある犬は事前に獣医師に相談を
パイナップルにはタンパク質を分解する「ブロメライン」という酵素が果実と茎に含まれています。この「ブロメライン」は、食物繊維とともに胃や腸の調子を整えてくれるため消化不良や便秘の子にオススメです。ただし食べすぎると下痢や消化不良を起こしてしまう犬もいますので与える量には注意が必要です。
特に胃腸の弱い犬や老犬の場合には、少量であってもおなかの調子を崩してしまうかもしれません。必ずかかりつけの動物病院で一度相談してから与えるようにしましょう。
冷凍パイナップルはあげても大丈夫!
生のパイナップルは切るのが面倒でいつも冷凍パイナップルを購入しているという飼い主さんもいらっしゃると思います。加工されていない、素材そのものを冷凍されただけのパイナップルも犬に与えて大丈夫です。パイナップルはほかの果物に比べても冷凍のものでも果肉が柔らかいため、夏の犬用のおやつとしても最適です。
パイナップルのレシピ「夏におすすめの氷タンフル」!
今流行りの氷タンフルを、ワンコ用にアレンジして編集部でも作ってみました。
ムシムシ暑い夏の水分補給にもぴったり!ヤギミルクに冷凍のパイナップルとやフルーツを入れてかき混ぜ凍らせたら出来上がり!簡単に作れるのでぜひ作ってみてくださいね。
- 体質によりお腹がゆるくなる場合がありますので、愛犬に与える際にはご注意ください。
- 冷たいおやつなので、少量ずつ愛犬の体調をみて与えてください。
まとめ
パイナップルは100年以上前から、主にブラジルで栽培されていたフルーツです。
その後、大公開時代にスペインやアフリカ、アジア、フィリピンなどに渡米、日本には江戸時代末期にオランダ船によって運ばれてきたと言われています。骨や関節を強くするマンガンや、糖質の分解やエネルギー変換を助けるビタミンB1が豊富なほか、ビタミンB2、C、クエン酸も含むため疲労回復や老化防止に役立つフルーツです。
そんなパイナップルを食べるたくさん食べると舌が痛くなることがあります。これは未熟なパイナップルには多量の酸や針状結晶のシュウ酸カルシウムが含まれているためで、人も食べすぎると口の中舌が荒れてしまいます。
栄養満点のパイナップル。与え方や量に注意しながら是非愛犬と楽しんでみてくださいね。
Adviser
伊藤 悦子さん
麻布大学獣医学部環境畜産学科(現・動物応用科学科)出身。ペット栄養管理士・家畜人工授精師(牛)資格所持。動物医療発明研究会会員。NPO法人「NEWSつくば」記者。犬は5匹、猫は6匹の他にモルモットやセキセイインコ、文鳥たちと暮らしてきました。現在は17歳になる茶トラの猫「りんごちゃん」がいます。人とペットの幸せを願って執筆しています。
犬に食材を与える際の注意点
その食材が犬に与えて良いものかどうかを調べましょう。
食材には以下の4つのパターンがあります。食材を与える際にはそれがどれにあたるかを把握する必要があります。
01.中毒・アレルギーを起こす絶対に与えてはいけない食べ物。
犬に与えると「テオブロミン」という成分が、嘔吐や下痢などの中毒症状を引き起こすチョコレート、「アリルプロピルジスルフィド」という成分が、貧血症状や下痢、嘔吐を引き起こすねぎや玉ねぎ。それ以外にもぶどう・レーズンや、アボカド、マカダミアナッツ・クルミ、キシリトールなど、食材の中には犬に与えると重篤な症状を引き起こすものがあります。
犬に手作りご飯や食材トッピングなどをする際は必ずこの犬に与えてはいけない食材を把握しておくようにしましょう。下記の記事でも詳しく解説しておりますので、参考にしてみてください。
02.与える際に注意が必要な食べ物
食材の中には基本的には与えても大丈夫ですが、与え方によっては注意が必要なものがあります。例えばじゃがいも。じゃがいもは犬に与えても大丈夫ですが、じゃがいもの芽や皮には「ソラニン」「チャコニン」という毒素が含まれていますので、与える際には芽や皮をしっかり取り除く必要があります。また、豚肉や刺身なども犬に与えて良い食材ですが、生の豚肉を食べると細菌やウイルスに感染してしまうリスクがありますし、人間用として処理された刺身は犬に与えても大丈夫ですが、食中毒などの危険性があるため、なるべく加熱してから与える方が良いでしょう。
それ以外にも、魚を与える際は骨をとる、野菜・果物を与える際は種やヘタを取り除くなど、食べられる食材の中にも与え方によって注意が必要な食べ物もあります。
03.人用に加工された食べ物
たとえば、その食材自体は食べさせられるものであったとしても、ジュースや缶詰、ドライフルーツ、ジャーキーなど人用に加工されたものは、油や調味料、糖分などが多く含まれており、犬に与えない方が良いものがほとんどです。食材は与えて大丈夫なものでも、与える前には人用に加工されたものではないか確かめるようにしましょう。
04.健康な成犬に与えても大丈夫な食べ物
犬に与えても大丈夫な食べ物もあります。ただし、子犬や老犬に与える際には小さく刻んだり、茹でて柔らかくして与えてあげましょう。また持病のある犬については特に注意が必要です。新しい食材を与える前にはかかりつけの獣医師さんに相談してから与えるようにしましょう。また、元気な成犬でも与える量については注意が必要です。どんな食べ物も食べ過ぎには注意しましょう。適度な量を愛犬に合わせて少しずつ与えてあげるようにしましょう。
フードに食材をトッピングする際の注意点
いつものフードに食材をトッピングしている飼い主さんも多いのではないでしょうか?トッピングがうまく活用することで足りない栄養素を補えたり、愛犬のフードの食いつきを高めることができます。ただし、与える際には下記のことに注意が必要です。注意すべき食材や栄養バランス、摂取量に十分注意しながら、上手にバランスの良い食事を心がけましょう!
処理やサイズなど与え方に注意を。
特にトッピングする際には、愛犬が喉に詰まらせないよう食べやすい大きさにカットして与えるようにしましょう。固い野菜などは茹でて柔らかくしてかけてあげたり、すりおろしてあげるのもおすすめです。また果物や野菜をトッピングする際には、皮や芯、種やヘタをしっかり取り除いてからあげましょう。特に種や芯には、犬が中毒を引き起こす成分が含まれる場合があるのでしっかりした下処理が大切です。
フードと合わせたカロリーバランスを考える。
フードに混ぜて、トッピングする場合のトッピングの適正量は多くても1日の摂取カロリーの10%までといわれています。
愛犬に与えているフードのカロリーや栄養素を調べ、愛犬の体重と年齢などに合わせ1日の栄養・カロリーがトッピングと合わせてバランスよくなるように調整することが大切です。心配な場合は与えている量とトッピングの内容をかかりつけ動物病院の先生に相談してみましょう。
初めて与える食材は少しずつ
どんな食材でも犬によってはアレルギーを起こす可能性があります。初めて与える食材の場合は少量を与え体調の変化がないかを見るようにしましょう。特に持病のある犬については特に注意が必要です。新しい食材を与える前にはかかりつけの獣医師さんに与えて大丈夫か相談してから与えるようにしましょう。