本記事はペット管理栄養士が執筆・監修を行っております。
ANSWER バナナは犬に食べさせても大丈夫です。
「バナナ」は愛犬に食べさせても大丈夫な果物です。犬が中毒を起こすような成分は含まれていないため、与えても基本的には問題ありません。バナナは整腸作用など犬の健康に役立つ効果も期待されています。
食道に詰まったり、消化が追い付かずに嘔吐や下痢を起こしたりしかねませんので、子犬・老犬の場合は小さくカットしたり、すり潰して与えるようにしましょう。バナナに限らずですが、もちろん与えすぎは禁物です、食べすぎは体に悪影響を及ぼします。バナナも日常的に食べすぎると、消化不良や便秘にもつながり、肥満や糖尿病といった疾患リスクを高めます。愛犬とコミュニケーションを取りつつ与えてあげましょう。
このページでは犬にバナナを与える場合の注意点や与える量、そして犬のバナナアレルギー、腎臓への影響などについてペット栄養管理士が解説します。
犬に与えてもよいバナナの量は?
避妊・去勢手術済みの成犬の場合に与えて良い量の目安になります。
小型犬の場合(10kg未満) | 1/4〜1/2本程度 |
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中型犬の場合(10kg以上~25kg未満) | 1/2〜1本程度 |
大型犬の場合(25kg以上) | 1〜1.5本程度 |
子犬の場合 | 少量のみ愛犬の様子を見ながら与えましょう。 |
老犬の場合 | 少量のみ愛犬の様子を見ながら与えましょう。 |
バナナの犬への効果は?
バナナを犬が食べると、整腸効果や疲労回復効果が期待できます。犬のエネルギー補充にも向いている果物です。また、バナナには下記のような栄養成分が含まれています。
ブドウ糖
運動やストレスなどで消費してしまった犬のエネルギーを補給します。
果糖
果糖は腸での吸収が遅く、消化のスピードがゆっくりになるため、血糖値の上昇がゆるやかになります。
オリゴ糖
腸内細菌を助け、腸内環境を整える仕組み
カリウム
体内の水分調整を行い、ナトリウム(塩分)を体外に排出する働きがある成分。血圧を下げる効果や、腎臓病の予防効果が期待できます。
ペクチン
水溶性の食物繊維です。食物繊維は腸内で善玉菌のエサとなり、腸内環境を整える働きをします。
犬にバナナを与える際の注意点は?
バナナは子犬・老犬には潰して与えましょう。
超小型犬や子犬やシニア犬の場合は、食道に詰まったり、消化が追い付かずに嘔吐や下痢を起こしたりしかねませんので、バナナを小さくカットしたり、食べやすいようにつぶしてから与えてあげましょう。
バナナは皮を剥いて小さくカットして与えましょう!
バナナの皮には、犬にとって有毒な成分は含まれていませんが、しかし消化が悪く腸に詰まって腸閉塞を引き起こす可能性があるためバナナは皮をむいて、食べやすい大きさに切ったものを与えてください。
またバナナの皮は硬くそのまま飲み込んでしまうと、小型犬などは喉に詰まられてしまう危険性もあるので、必ず皮は剥いてから愛犬に与えるようにしましょう。
バナナは糖分が高いので犬への与えすぎには注意を
バナナはカロリーは低めですが、糖分は高めです。口当たりがいいので食べ過ぎに注意してください。肥満の原因になります。与える量は1日の総カロリーの10%が目安です。持病のある犬は、与える前に獣医師に相談してください。どの食材も与えすぎには注意が必要です。
腎臓など持病のある犬の場合は事前に獣医師に相談しましょう。
カリウムを多く含むバナナは、腎臓病や高カリウム血症を持っている犬には要注意です。健康な犬であれば問題ありませんが、腎臓の弱い犬や高齢で腎機能が弱っている老犬の場合は、カリウムの排出がうまくできない場合があります。カリウム摂取すると血液中のカリウム濃度が上昇し、高カリウム血症を引き起こす恐れがあるため注意が必要です。
愛犬が腎臓などに持病のある場合は、必ずかかりつけの動物病院で一度相談してから与えるようにしましょう。
犬のバナナアレルギーに注意しましょう
バナナには犬にとって中毒となる成分は含まれていませんが、バナナでアレルギーを起こす人がいるように、犬もバナナでアレルギー症状を引き起こす可能性があります。バナナを初めて与える場合は少量だけ与えて体調に変化がないかを注意深くチェックしてください。
もしも下痢や嘔吐、皮膚のかゆみが出るなどの症状があった場合は、すぐにかかりつけ動物病院に相談するようにしましょう。
Adviser
伊藤 悦子さん
麻布大学獣医学部環境畜産学科(現・動物応用科学科)出身。ペット栄養管理士・家畜人工授精師(牛)資格所持。動物医療発明研究会会員。NPO法人「NEWSつくば」記者。犬は5匹、猫は6匹の他にモルモットやセキセイインコ、文鳥たちと暮らしてきました。現在は17歳になる茶トラの猫「りんごちゃん」がいます。人とペットの幸せを願って執筆しています。