日本のみかんと西洋のオレンジ。どちらも爽やかな柑橘系の香りと人を選ばない甘くて酸味のある味を好きな方も多いのではないでしょうか？
みかんとオレンジが大きく異なる点は、皮の厚さです。みかんは皮が薄くとてもむきやすく、また外側の皮だけでなく内側にある薄皮も柔らかいので、むくことなくそのまま食べることもできます。 みかんの味はオレンジより淡くて甘味よりもしっかりとした酸味がたっているという特徴があります。現在ではみかんでも糖度が高い品種もたくさん出ています。
ちなみに、みかんは日本の果物と思っている方も多いのではないでしょうか？実はみかん類の原産地は、約3000万年も前のインド、タイ、ミャンマー周辺と言われています。最初に栽培を始めたのは中国で、そこから日本にみかんは渡ってきた果物なのです。今では特に冬には欠かせないみんなに愛される果物ですね。
オレンジは、原産地インドからヨーロッパを経由し明治時代に日本に入ってきたと言われています。ダイダイなど酸果種の「サワーオレンジ」と、甘果種の「スイートオレンジ（和名アマダイダイ）」との2つがあり、私たちは日本でよく食べるオレンジは「スイートオレンジ」になります。オレンジはさわやかな香りや、酸味と甘みの豊かな風味、果肉の食感が幅広い層に人気の果物で、そのまま食べるのはもちろん、オレンジジュースとしても楽しまれています。
そんな美味しくて人気のみかんやオレンジは、愛犬にも食べさせて大丈夫なのでしょうか？
ANSWER みかんもオレンジも愛犬に食べさせても大丈夫な果物です
「みかん」も「オレンジ」も愛犬に食べさせても大丈夫な果物です。
犬が中毒を起こすような成分は含まれていないため、与えても基本的には問題ありません。柑橘類のにおいや酸味を苦手とする犬もいますが、みかんやオレンジなどの果物は、低カロリーながら果糖を含み甘みがあるので、好む犬も多い食べ物です。食欲が落ちている愛犬の手軽なビタミンや水分、糖質が補給にも有効です。またオレンジには便通促す効果がある食物繊維「ペクチン」が豊富なので、便秘の犬に食べさせると、便秘の解消が期待できます。
みかん、オレンジに限らずですが、もちろん与えすぎは禁物です。食べ過ぎや丸呑みが消化不良につながるリスクもありますので、特に子犬やシニア犬には少量ずつ与えてください。 また、みかんアレルギーを起こす犬や持病のある犬、特に腎臓病を持つ犬は、カリウムの排泄機能が落ちていることがありますので、与える際に注意が必要です。また、皮、種、葉は消化しにくいので与えるのは避けましょう。とくに皮には農薬や防腐剤が付着している危険性もあるので、食べさせないように気をつけましょう。
このページではそんなみかん・オレンジについて、愛犬のために一緒に勉強していきましょう。
みかん・オレンジの主な栄養素・成分
ビタミンC
粘膜の強化、体内組織の修復、ストレスの軽減、免疫力のアップ、コラーゲン生成の補助など多くの機能や効果があります。ただし大量に摂取することで軟便や下痢の原因になることがあるので、注意しましょう。
β-クリプトキサンチン（みかん）
β-クリプトキサンチンは、骨粗しょう症やガン予防に良いとされているため、老犬のおやつとしても役立ちます。
ペクチン
水溶性の食物繊維です。食物繊維は腸内で善玉菌のエサとなり、腸内環境を整える働きをします。
ほか。
みかん・オレンジを犬が食べた際の犬への効果・影響
- 疲労回復
- 抗酸化作用
- 整腸作用 など
みかん・オレンジを犬に食べさせる際の注意点！
外皮、薄皮は必ず剥いてから与えましょう！
みかんやオレンジは、犬の消化の負担にならないように、必ず外皮、薄皮ともむいたものを与えてください。外皮はワックスなどが付いている可能性もあるので、必ずむきましょう。種も取り除きます。
子犬や老犬には絞った果汁を
子犬やシニア犬には、絞った果汁を飲ませるのがおすすめです。酸味で胃腸を荒らさないように少量にとどめましょう。
持病のある犬は事前に獣医師に相談を
持病のある犬は、与える前に獣医師に相談します。
犬の手の届かないところに保管を
丸呑みする恐れがあるので、犬が届かない場所に保管してください。
トッピングやおやつとして、犬が1日に必要とする総カロリーの10％程度にしましょう。
Adviser
伊藤 悦子さん
麻布大学獣医学部環境畜産学科（現・動物応用科学科）出身。ペット栄養管理士・家畜人工授精師（牛）資格所持。動物医療発明研究会会員。NPO法人「NEWSつくば」記者。犬は5匹、猫は6匹の他にモルモットやセキセイインコ、文鳥たちと暮らしてきました。現在は17歳になる茶トラの猫「りんごちゃん」がいます。人とペットの幸せを願って執筆しています。
