INDEX
- 短毛種とは
- 代表的な短毛種20犬種
- 01. チワワ
- 02. ミニチュアピンシャー
- 03. ミニチュア・ダックスフント
- 04. ボストン・テリア
- 05. パグ
- 06. イタリアン・グレイハウンド
- 07. ジャックラッセルテリア
- 08. 柴犬
- 09. フレンチ・ブルドッグ
- 10. ビーグル
- 11. スタッフォードシャー・ブル・テリア
- 12. ウイペット
- 13. サルーキ
- 14. ダルメシアン
- 15. ボクサー
- 16. ブルドッグ
- 17. ワイマラナー
- 18. ラブラドール・レトリバー
- 19. イングリッシュ・ポインター
- 20. ドーベルマン
- 短毛犬と暮らす上での注意点
- 毛が短い犬と暮らす上でのポイント
- まとめ
短毛種とは
犬のタイプを分類するときに考慮されるのが被毛の長さです。犬の被毛の長さには、短毛、中程度の長さ、長毛の3タイプがあります。短毛は長さが約2.5cm以下、中程度の長さは約2.5cmより長く5cmより短い、長毛は5cm以上とされています。海外の犬種クラブやドッグショーなどでは、短毛種はショートコートやスムースコートと表されます。このほかに中程度の長さがミディアムコート、長毛種はロングコートと呼ばれています。なお、チワワやミニチュアダックスフントのように、スムースコートとロングコートの両方のタイプがある犬種もいます。
短毛種の特徴は、全身が短い被毛で覆われ、骨格や筋肉のつき方などボディラインがはっきりと視認できるところ。狩猟や生きていくために進化した結果誕生したと考えられている短毛種には、狩猟欲の強い犬種や敏捷性・スピード性に優れている犬種が多くいます。
この記事では、小型犬〜大型犬まで代表的な20種類の短毛種をご紹介します。
代表的な短毛種20犬種
01チワワ
世界中で人気の超小型犬がアメリカ最古の犬種チワワです。クリクリの大きな瞳と大きな耳が特徴で、一人暮らしや集合住宅でも飼育可能なことも人気の秘密。チワワは、メキシコにあるチワワ州にちなんで付けられた名前で、古代からメキシコで飼われていた犬テチチがチワワの祖先犬です。古代に野生として生活していた祖先犬の血を引くチワワは、見た目の可愛さからは想像できないアクティブで勇敢な面があります。
チワワの被毛は、長毛のロングコートと短毛のスムースコートの2タイプ。短毛のスムースコートチワワは、ビロードのような手触りで滑らかな被毛とシングルコートが特徴です。どちらのタイプも換毛期にはたくさん抜け毛が出るため、念入りなケアが必要です。
02ミニチュアピンシャー
ミニピンの愛称で親しまれているミニチュアピンシャーは、ヨーロッパでは小型犬の王様(キングオブトイ)と呼ばれているドイツ原産の犬種です。正確な犬種誕生の経緯は不明ですが、18世紀にはネズミ狩り、番犬として農場で活躍していたツベルク(超小型)・ピンシャー(テリア)とも呼ばれていた犬種です。ダックスフンド、イタリアン・グレーハウンド、ジャーマンピンシャーが基礎犬となって作出されたと考えられています。硬い短毛、シングルコート、立ち耳がトレードマークです。
短く硬い被毛は、柔らかめのブラシで週に1度程度ブラッシングすることで、ツヤツヤの美しさをキープすることができます。また、馬車を引くハクニーという品種の馬と同じように前足を高く上げ、速歩で歩くハクニー歩様と呼ばれる独特の歩き方が特徴です。馬のように前足を織り込んでフセの体勢をとるのもミニチュアピンシャーならではの行動です。
03ミニチュア・ダックスフント
胴長短足の姿と気品ある顔立ちから人気沸騰中のミニチュア・ダックスフント。ドイツ原産で短足胴長が特徴のミニチュアダックスフントは、最小の狩猟犬としてヨーロッパでは現役で活躍している犬種です。ウサギやアナグマの巣穴に入ることができる特徴的な体型ながら、運動能力に優れ、勇敢かつ従順な性格が世界中の人に愛されている理由です。
ミニチュア・ダックスフントは、品種として確定するまでにさまざまな犬種を育種に使用したため、スムースヘアード、ロングヘアード、ワイヤーヘアードと3種類の毛質があります。もともとは狩猟に向くスムースタイプが作出され、狩猟パートナーとして活躍していましたが、寒冷地向けに日本で人気があるのは柔らかく光沢がありウエイブがかったロングヘアードタイプが作出されたのです。ミニチュア・ダックスフントは、どのタイプも抜け毛が多いことで知られていますが、スムースヘアードはハンドグローブなどで簡単にケアできます。
04ボストン・テリア
ボステリの愛称で親しまれている人気の鼻ペチャ犬がボストン・テリアです。テリアの名がつきながらも、愛玩犬グループに分類されているボストン・テリアは、闘犬から愛玩犬へと品種改良を重ねて作出されたアメリカ原産の犬種です。イングリッシュ・ブルドッグとホワイト・テリアの掛け合わせによってアメリカのボストン地域で中型犬サイズに改良され闘犬として誕生したボストン・テリアですが、家庭犬として小型化が図られ、現在では、超小型犬1タイプ、小型犬2タイプと3タイプのサイズが登録されています。
日本で人気があるのは、ブラック&ホワイトのタキシードカラータイプの小型犬です。フレンドリーで愛情深い性質で、適応力に優れていることから集合住宅での生活にも適しています。また、抜け毛もすくなく、ゴムのブラシやグローブ型のブラシで週に1回程度ケアすることで、なめらかさを保ち被毛の成長を促進することができます。
05パグ
シワシワの顔にクリクリした大きな瞳につぶれた鼻がなんとなく困り顔に見えるパグ。中国原産の犬種で、古くから上流階級の愛玩犬として可愛がられてきました。パグは、人間にとって最良のパートナードッグとなるために、性格、容姿ともに古代より改良が重ねられてきた犬種です。
元祖鼻ぺちゃ、ブサカワ犬として世界中で人気沸騰中のパグ。パグの人気の秘密はその特徴的な表情だけではありません。パグ走り、パグ座りなど独特な行動もパグの魅力のひとつ。パグを一度飼うと他の犬種には目がいかなくなることから「パグ菌」とも呼ばれることもあるとか。短くなめらかなパグの被毛は、ゴム製やグローブ型のブラシでケアすることで、抜け毛を取り除くことができまた光沢ある被毛を保つことができます。
06イタリアン・グレイハウンド
グレイハウンドを小型化したイタリアン・グレイハウンドは、「イタグレ」と呼ばれ親しまれているイタリア原産の犬種です。飼い主に忠実で繊細な容姿ながら、警戒心が強く追跡本能が高いことが特徴です。コーシングハウンド(獲物を追い捕らえる)として古代の王族や貴族のステイタスシンボルとして大切に飼育されてきたイタリアン・グレイハウンドは、現在でも動くものを見ると素早く追いかけてしまいます。
最小のサイトハウンドのイタリアン・グレイハウンドのトレードマークは、細く長い足と短毛でスレンダーなボディ。その体型を生かした俊足は、時速40kmにも及びます。被毛がとても短いため、寒さや湿度の高い気候が苦手で、季節に適した洋服は必需品です。なお、シャンプーや定期的なブラッシングといったこまめなケアは必要ありません。
07ジャックラッセルテリア
ジャックラッセルテリアは、スムースのフォックステリアを基にして、ビーグルやブルテリアなどさまざまな犬を交配して作出された犬種で、キツネ狩りの熱狂的な愛好家だったジョン・ラッセル牧師によって作出されたイギリス原産の犬種です。巣穴に潜っているキツネを追い出し、噛みつくまたは仕留めることを使役としているため、テリアならではの気性の強さと何にもひるまない勇敢な性格を持ち、小型犬ながら中型犬以上の体力も兼ね備えています。
ジャックラッセルテリアには、スムース、ワイヤード、ラフと3種類の被毛タイプがあります。この中で日本で多く見かけるのはスムースタイプ。粗く硬い耐候性のある被毛で、密集していることが特徴です。抜け毛も少なく、お手入れは週に1度程度のブラッシングで十分ですが、ジャックラッセルテリアはテリア気質が強い性格のため、子犬の頃から触られること、ブラッシングされることに慣れさせておくことが大切です。
08柴犬
その人気の高さから日本犬の代表とも言える犬種が天然記念物の柴犬です。もっともオオカミに近いDNAを持つとされている柴犬は、猟犬や番犬として古来から日本人と共に暮らしてきました。忠誠心が強く、自信家で独立心旺盛な性質から有能な猟犬として活躍していたことでも知られています。頑固な一面や警戒心の強さから、しつけが難しい犬種とも言われています。
そんな柴犬で最も有名なことが、抜け毛の多さ。短毛で厚いダブルコートの柴犬は、換毛期はもちろんのこと、毛の成長期間が短いため年間を通して毛が抜けてしまいます。被毛ケアとして、毎日のブラッシングが基本ですが、換毛期には特に念入りにブラッシングをしてあげることが大切です。
09フレンチ・ブルドッグ
その名の通りフランス原産の犬で、イギリスから持ち込まれたブルドッグに、パグやテリアを交配して作られた犬種がフレンチ・ブルドッグです。「コウモリの耳」と称される大きな立ち耳がトレードマークで、筋肉質のがっちりした体型が特徴です。いかつい顔ながら一部の愛好家には「ブヒ」の愛称で親しまれています。
家族と一緒に過ごすのが大好きなフレンチ・ブルドッグの最大の持ち味は、飼い主のタイプを選ばないという性質です。遊ぶことは好きですが長時間の運動を必要とする犬種では無い上、抜け毛が少なく被毛ケアも週に一回程度のブラッシングで済むことから、高齢の方や子どものいる家庭でも飼うことができます。感情表現豊かで飼い主と一緒にいることが大好きな犬種です。
10ビーグル
大きな垂れ耳がトレードマークの世界的人気のキャラクター「スヌーピー」のモデル犬として一躍有名になったビーグルはイギリス原産のセントハウンドで、吠え声に特徴がある犬種です。セントハウンドは、優れた嗅覚にプラス追跡への情熱を持ち合わせている狩猟犬として古くから活躍していた犬種です。中でもビーグルは、好奇心旺盛でエネルギッシュな性質から、現在では探知犬のスペシャリストとして、麻薬探知犬などとして空港をはじめさまざまな場面で活躍しています。短毛のビーグルですが、ダブルコートが特徴で換毛期にはたくさんの抜け毛が出ます。そのため、定期的な被毛ケアが必要です。
11スタッフォードシャー・ブル・テリア
世界最強の犬と称されるアメリカン・ピット・ブル・テリアとそっくりで間違われることも多い犬種がスタッフォードシャー・ブル・テリアです。日本では、スタッフォードシャー・ブル・テリアよりもアメリカン・ピット・ブル・テリアの方が一般に知られていますが、実はアメリカン・ピット・ブル・テリアを作出する過程で基礎犬に加わっていた一頭がスタッフォードシャー・ブル・テリアなのです。
スタッフォードシャー・ブル・テリアは、19世紀初頭にイギリスのスタッフォードシャーで誕生した犬種です。当初は、害獣駆除のために小さく敏捷かつ人に優しくフレンドリーな犬種としてブル・ドッグを基礎犬にブラック・テリアやタン・テリアなどのさまざまなテリア種を交配して作出されました。残念ながら、その攻撃性がクローズアップされ、闘犬として注目を集め飼育されるようになったのです。しかし、イギリスでスタッフォードシャー・ブル・テリアクラブが結成され、健全性、性質などが細かく規定され、繁殖を行うように定められたのです。
現在のイギリスではスタッフィーの愛称で親しまれ、ラブラドールの人気をも凌ぐ「トップドッグ」として家庭犬の地位を確固たるものにしています。短くビロードのような滑らかな毛質のスタッフォードシャー・ブル・テリアは、抜け毛が少なく、被毛ケアも楽なことが特徴です。
12ウィペット
流線型に走る姿が美しいウィペットは、典型的な視覚(サイト)ハウンドのボディを持つイギリス原産の犬種です。全犬種中最速記録を持つグレーハウンドを基礎犬として作出されたウィペットは、その俊足を受け継ぎ少し前まではドッグレースの犬として知られていました。
穏やかで愛情深く、部屋でリラックスして過ごすことが大好きなウィペットですが、持ち前の俊足を生かして何かを追いかけて走ることを忘れてはいません。そのため、定期的に思いっきり走らせてあげることが必要な犬種です。逆Sの字のボディラウンが美しく、ほとんど吠えないウィペットは、短毛のため被毛ケアも週に一度程度のブラッシングで済むため、家庭犬として世界中から愛されています。
13サルーキ
羽のような飾り毛をなびかせて走る姿が印象的で別名「風のハウンド」と呼ばれるサルーキは、世界最古の犬種のひとつ。まさにクールビューティーというイメージがぴったりのサルーキは、アラブの王族に愛され、唯一宮殿内で飼育することが認められた犬種なのです。犬であって犬にあらずとまで言われたサルーキは、絹のような滑らかなコートが特徴のスムースタイプとスムースのボディに尻尾、耳、足に飾り毛のついたフェザータイプの2種類。
中東の砂漠地帯で誕生したサルーキは、スムースタイプ、フェザータイプどちらのタイプもアンダーコートのないシングルコートで、細くてシルクのような短毛が特徴です。毛量が特に多いわけではありませんが、抜け毛や毛玉ができることがあります。特に、フェザータイプのサルーキは、羽毛のように長くて柔らかい被毛がもつれやすく毛玉になりやすいので、こまめなブラッシングでもつれや毛玉を防いであげましょう。
14ダルメシアン
ディズニー映画「101匹わんちゃん(英語タイトルは「101ダルメシアン」)によって一躍人気犬種となったダルメシアン。古代エジプトから存在していたと推測されているとても古い犬種ですが、原産国は現在でも不明です。
ダルメシアンは、国境の見張り番として、また牧畜犬、ネズミ捕りの犬、狩猟犬として古くから活躍していたことから、狩猟犬である嗅覚ハウンドグループに分類されています。しかし、馬車とともに走り、馬が通過できるように群衆を引き離す役割を担うために品種改良が行われ、世界で唯一のコーチドッグとして現在に至っています。また、消防車が登場する以前は消防隊の馬を引く犬として活躍していたため消防隊のマスコットと呼ばれています。
ダルメシアンの特徴は、何と言っても短毛の白いボディ全体に黒や茶色の班が入っているところ。班の入り方はすべて異なっていて一頭として同じ模様の犬がいないことも特徴です。また、不思議なことに、この班は出生時には現れず、生後2週間から1歳以上になる間に出現することがわかっています。原産国、基礎犬、遺伝的聴覚障害までさまざまな謎に包まれているダルメシアンですが、被毛ケアはゴム製のブラシなどを使い週に一度程度ブラッシングすることで、美しい斑点の模様がキープできます。
15ボクサー
軍用犬のイメージが強いドイツ原産のボクサーは、ブレンバイザーと呼ばれた大型動物専門の猟犬を基礎犬として、小型のマスティフタイプの犬種などと選択繁殖が繰り返され誕生した犬種です。
ブサカワ犬の中でも珍しい大型犬ですが、勇敢かつ明るく愛情深く賢い上警戒心が強い性格が特徴で、アメリカでは人気の犬種となっています。光沢のある短毛は、週に1〜2回程度のグルーミングで艶やかさをキープすることができます。
16ブルドッグ
「勇猛で粘り強い」という意味を持つイギリス原産のブルドッグは、イギリス国民の象徴的存在と言われイングリッシュ・ブルドッグとも呼ばれています。もともとは、雄牛と戦う(ブルベイティング)ために育種された獰猛で勇敢な性質を持つ犬種でしたが、ブルベイティングが禁止されると、ブルドッグの存在理由がなくなってしまい、一時は絶滅の危機に瀕しました。その後、愛好家たちによって家庭犬に向く穏やかなブルドッグが育種され、今ではイギリスの国犬として多くのセレブにも愛される人気犬種となっています。
現在のブルドッグは、温和で勇敢かつ忠誠心の強い性格が特徴です。明るく陽気ですが、マイペースで頑固な一面があり訓練には不向きな犬種と言えます。ツヤのある被毛を保つには、柔らかめのブラシやゴム製のブラシで毎日10分程度のブラッシングが効果的です。
17ワイマラナー
1830年代にドイツのワイマール宮廷で飼育されていたことから名がついたドイツ原産のワイマラナー。ワイマラナーは、特殊な才能を持つHPR犬種でポインター・セッターグループに分類されている狩猟犬種です。HPR犬種とは、ハント(狩る)、ポイント(鳥を見つけハンターに教える)レトリーブ(回収)の3役をこなせる犬種のことで、ワイマラナーの他にスパニエル種などもこれにあたります。
ワイマラナーは特に嗅覚に優れ、水中での作業能力も得意、訓練性が高いことが特徴です。知的で好奇心旺盛かつ活発な犬種のワイマラナーは、ビロードのような短毛と大きな垂れ耳が魅力です。シングルコートで撥水力の高い被毛は、定期的にブラッシングして抜け毛を取り除くことが必要です。
18ラブラドール・レトリバー
日本でも人気のあるラブラドール・レトリバーは、カナダ・ニューファンドランド島のウォータードッグを基礎犬としてイギリスの狩猟家が求めていた有能な鳥猟犬として作出されたイギリス原産の犬種です。訓練性が高く人に忠実で優しく、そして自分でオン・オフの切り替えができる柔軟性を持っているラブラドールレトリバーは、犬の中でのオールラウンダーとも言える存在です。
使役犬として多方面で活躍していることは周知の事実ですが、飼い主や家族はもちろん、小さな子供や赤ちゃん、同居のペットとも仲良く暮らすことができる性質が人気の秘密です。バランスのとれた頑丈な体のラブラドールレトリーバーは、水の中で舵として機能するカワウソの尾と呼ばれている太く先細りの尻尾とダブルコートで撥水性の高い厚い被毛が特徴です。
19イングリッシュ・ポインター
イギリス貴族の狩猟パートナーとして作出されたことから、類まれな狩猟能力を発揮するイングリッシュポインター。筋肉質で引き締まったボディと優れた嗅覚、高い運動能力、従順な性格が大きな特徴です。
すぐれた狩猟能力を持つイングリッシュポインターの役割は、鳥をみつけると片足を上げて(ポイント)ハンターに教えること。さらに、トレーニング次第ではポイントから撃ち落とした鳥を回収するレトリーブまで、鳥猟犬として必要な役割を全て果たすことができる高い能力が備わっています。スレンダーで無駄がなく、均整のとれた筋肉質の体型と絹のようになめらかな短毛がイングリッシュポインターの魅力です。
被毛には、模様のあるタイプや無地のタイプなどさまざまですが、どのタイプも光沢のある短毛が密集して生えているため、抜け毛を取り除くために、週に一回程度柔らかい毛のブラシなどを使ってブラッシングすることがおすすめです。
20ドーベルマン
700〜800種あると言われている犬の世界で、「貴族」と呼ばれている犬種がドイツ原産のドーベルマンです。多くの犬が猟犬として作出されていますが、ドーベルマンは税務署員でありブリーダーでもあったルイス・ドーベルマン氏によって警備犬として作出された犬種です。
育種に使用された犬種の詳細は不明ですが、ジャーマン・ピンシャー、ロットワイラーなどが基礎犬となっていると考えられています。勇敢で賢く忠誠心が高い性格と、筋肉質でスレンダーなボディラインと艶やかな短毛が特徴で、世界最高の警護犬と言われています。艶やかな被毛を保つためには、毛の短いブラシなどで毎日ブラッシングすることが効果的です。
短毛犬と暮らす上での注意点
01熱中症に要注意
短くスエードのような滑らかな被毛に覆われていることが特徴の短毛種で、また、走るときに受ける風からの抵抗が少ないため、敏捷で足が速い犬種が多くいます。狩猟能力に優れている短毛種は、運動能力が高いアクティブな犬種と言えます。また、一般的に短毛種は長毛種よりも体温が高いとされ、夏の暑さにも比較的強いことが特徴です。しかし、紫外線を直接皮膚に受けてしまいやすいため、長時間日光にさらされることで、体温が上がり過ぎてしまい熱中症を発症しやすくなります。特に、短毛の短頭種は体の構造上、熱中症にかかりやすいため注意が必要です。また、短毛種に限らず室内で暮らすことが増えてきている犬たちにとって、気温や湿度の変化を感じにくくなる傾向があるため、季節に関係なく年間を通じて熱中症のリスクを負っていると考えましょう。気がつきにくいですが、冬の暖房による熱中症が増えてきているため、室内の温度管理に気をつけることが大切です。
02寒さ対策をしてあげる
犬の被毛は、体温調節の役割をもっています。短毛・長毛関係なくダブルコートの犬種は、冬の寒さから体を守り夏には体温が上がり過ぎないように被毛が働きます。しかし、短毛でシングルコートの犬種は、被毛で体を温めることができないため、冬の寒さが苦手です。短毛の犬には、寒さ対策として体全体を覆う洋服や保村性の高いジャケットなどを着せることがおすすめです。
03皮膚病や怪我に気をつける
毎日のブラッシングや毛玉のケアといったお手入れの必要が少ない短毛種のメリットですが、短毛のためのデメリットもあります。短毛種の場合、皮膚を保護する被毛がないため皮膚病にかかりやすいとされています。また、ダニやノミなどに刺されやすい、怪我をしやすいなどのリスクが長毛種よりは多くあります。毛が短いため、皮膚の状態が確認しやすいことが短毛種のメリットでもあるので、週に一度程度は丁寧にブラッシングをしながら皮膚の状態をチェックすることがおすすめです。
毛が短い犬と暮らす上でのポイント
01抜け毛対策はしっかり
長毛種のような定期的な被毛ケアを必要としない短毛種ですが、犬種によってはたくさんの抜け毛が出ます。毛玉や絡まりなどはありませんが、定期的なブラッシングで死毛をしっかり取り除くことが必要です。特に、短い被毛はカーペットなどの中にな入り込みやすく、通常の掃除では取りきれないこともあるため、換毛期は特にこまめなブラッシングや洋服を着せるなどして抜け毛対策をしましょう。
02短毛だからこそ適切なブラッシングを
短毛種の場合は、トリミングや毎日の被毛ケアの必要がありませんが、定期的なブラッシングによってツヤのある健康な被毛をキープしてあげることが大切です。光沢のある美しい被毛をキープするためには、ラバーブラシに加えて柔らかい獣毛の仕上げ用ブラシを使うことが効果的です。また、ブラッシングによって皮膚へ刺激を与えることができるため、血行を促進し健康な皮膚を保つこともできます。
03運動不足にならない気配りを
短毛種の多くは、有能な狩猟犬として活躍してきた犬種です。そのため、運動能力が高く、持久力もある犬種が多くいます。また、家庭犬として生活をしていても猟欲が強く残っている犬種もあります。このような運動欲求の高い犬種にとって、運動不足が一番のストレスです。ストレスから、むだ吠えが増えてしまったり、皮膚病を発症してしまうこともあるため、小型犬でもたっぷりの運動をさせてあげることが大切です。
まとめ
手間のかかる被毛ケアは必要なくても、抜け毛予防や健康な皮膚を保つためにこまめにケアをしてあげたい短毛種。短毛種の特徴は、撥水力が高く、ホコリや汚れがつきにくい硬く粗い被毛など、実用性の高い被毛タイプであること。トリミングの必要がない犬種が多くいますが、艶のある美しい毛並みは、短毛種のチャームポイントです。定期的にメンテナンスをして、健康な被毛をキープしてあげてください。