ドーベルマンの基本データ
原産国 | ドイツ |
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サイズ | 大型犬 |
犬種グループ | 牧畜犬・牧羊犬 |
飼いやすさ・しつけのしやすさ | 上級 |
運動量 | 高 |
トリミング | 不要 |
ブラッシング | 週1回程度 |
お散歩 | 1日2回×1回1〜1時間半 |
飼育費用 | 月2〜5万円程度(医療費別途) |
かかりやすい病気・怪我 | 胃捻転、心筋症、ウォブラー症候群 |
ドーベルマンの歴史
ドーベルマンという名は、最初の繁殖者フリードリッヒ・ルイス・ドーベルマンから取られました。
19世紀後半にドイツの在来種にロットワイラーなどを掛け合わせてこの犬種が作られ、また能力の高さから20世紀の初めには警察犬として正式に認められました。その他にも現在は軍用犬、麻薬探知犬、家庭犬などでも活躍しています。
ドーベルマンの性格と特徴・飼いやすさ
見た目とは反対に、性格は甘えん坊で穏やか、かつ好奇心旺盛です。飼い主や家族に対しての忠誠心も強く心強い存在になります。
その反面警戒心が非常に強く、他人や知らない犬などには攻撃的に出てしまうこともあるのでそういった場合は慣れるまでに時間が必要です。
体が大きく力も強いため、子犬の頃からのしつけが大切になりますが、知的で賢いためそんなに時間はかからないでしょう。
また運動不足によるストレスが問題行動につながることもあるので、毎日の運動はしっかり行ってください。毎日の散歩や、ドックランで走らせるなど日々の運動も非常に大切です。
ドーベルマンの被毛と種類
ドーベルマンの被毛は、短く、堅い毛質をしており、光沢が美しいスムースコートです。
またシングルコートと言われる、体温調節の機能を持つアンダーコートが生えていない犬種になるので、ブラッシングなど日々の手入れはそれほど必要がありませんが、寒さに弱い傾向があります。そのため冬の寒い時期の散歩や外出などでは服を着せるなど、寒さ対策をしてあげましょう。
また毛色は主に2種類で、ブラックタンとブラウンタンになります。その他にも、イザベラ(薄茶)、アルビノ(クリーム)、ブルー(暗い灰色)などが存在しますがこれらはミスカラーと言われており、特定の疾病を発症しやすいためJKCが公認していないカラーになります。
ブラック・タン
黒が被毛がベースで、タン(赤褐色)の斑模様が入った毛色です。ドーベルマンでは一番人気かつポピュラーな毛色です。眉上、両頬、喉、胸などにタンが入っています。
ブラウン・タン
やや明るめの茶色の被毛がベースで、タン(赤褐色)の斑模様が入った毛色です。希少な毛色のため、あまり見かけることは少ないでしょう。ブラックタンと同じく、眉上、両頬、喉、胸などにタンが入っています。
ドーベルマンの大きさ・体高・体重
子犬の時期は丸みのある体格ですが、成犬になるにつれスマートな引き締まった体格になります。
光沢があり美しいボディラインが魅力とされており、穏やかで甘えん坊な性格とはギャップのある見た目も人気の理由の一つでしょう。
頑丈で筋肉質なたくましい体格で、引き締まったボディラインが特徴です。
性別 | ドーベルマンの体重 | ドーベルマンの体高 |
---|---|---|
オス | 40〜45kg | 68cm〜72cm |
メス | 約32〜35kg | 63〜68cm |
ドーベルマンの平均寿命と人間年齢
ドーベルマンの寿命は10〜13歳と言われており、人間に換算すると96歳前後になります。
現在のドーベルマンの最高齢は18歳とされており、平均よりも5歳上回っています。
大型犬は小型犬、中型犬よりも短命と言われていますが、病気などの早期発見、環境下の温度管理、ストレスのない生活などを心がけることが寿命を少しでも伸ばす秘訣なのかもしれません。
人間に換算した場合の年齢は下記の表をご参照ください。
犬の年齢 | 人間に換算した年齢 | 成長ステージ |
---|---|---|
3か月 | 4歳 | 子犬 |
6か月 | 7歳半 | |
9か月 | 11歳 | |
1歳 | 15歳 | |
1歳半 | 19歳半 | |
2歳 | 23歳 | 成犬 |
3歳 | 28歳 | |
4歳 | 33歳 | |
5歳 | 40歳 | |
6歳 | 47歳 | シニア犬 |
7歳 | 54歳 | |
8歳 | 61歳 | |
9歳 | 68歳 | |
10歳 | 75歳 | 高齢犬 |
11歳 | 82歳 | |
12歳 | 89歳 | |
13歳 | 96歳 | |
14歳 | 113歳 | 超高齢犬 |
ドーベルマンのかかりやすい病気
ドーベルマンのかかりやすい病気 1胃捻転
胃が拡張し、捻転することで発症します。急激なショック状態に陥るため、非常に危険で迅速な処置が必要になります。胸が深いと言われている大型犬、超大型犬に発症しやすく、食後すぐの運動などは避けましょう。
ドーベルマンのかかりやすい病気 2心筋症
心臓のポンプ機能がなんらかの不具合でうまく働かず、全身の血液の循環ができずに心不全を起こします。
心筋症にもさまざまなタイプがありますが、ドーベルマンが発症しやすいと言われているのは、犬の中で最も多い拡張型、拡大型になります。
拡大型心筋症は犬での発症は稀と言われており、多くの場合が無症状です。しかし不整脈や失神、突然死などを引き起こす可能性もあるので注意が必要です。
ドーベルマンのかかりやすい病気 3ウォブラー症候群
別名頚椎すべり症とも言われ、大型犬、超大型犬での発症が多く見られます。
頸部の脊髄を圧迫してしまうことで、頸部の痛み、四肢麻痺、跛行を引き起こし支障をきたします。
ドーベルマンでは中高齢で発症しやすく進行性の病気であり、重度であると手術をしても改善が見られない場合もあるので、歩き方などで少しでも異変を感じた場合はすぐに動物病院に行きましょう。
ドーベルマンの耳について
元々ドーベルマンは垂れ下がった長い耳に、長い尻尾を持っていますがよく目にするのは短く立った耳、短い尻尾だと思います。
それは生後3日程で断耳、断尾をされるためです。ドーベルマンは昔護衛として生活しており噛まれたり、走る時の邪魔になったりなどの弱点を少しでも減らすため断耳、断尾されたのが始まりと言われています。
その名残で今でも断耳、断尾をされていることが多いですが、近年ではドイツやヨーロッパ諸国ではこれを禁止しており、海外では垂れ耳で尾長なドーベルマンが多く見られます。
日本でもブリーダーなどから飼う場合、断耳、断尾を行わずに引き取れることもあるので、断耳、断尾をせずに飼いたいという方はブリーダーに相談してみることをおすすめします。
ドーベルマンとシェパードの違いは?
ドーベルマンとシェパード、共にその知能の高さから警察犬や災害救助犬、麻薬探知犬などで活躍しています。体格も比較的同じで、似ている犬種というイメージがありますよね。
ドーベルマンとシェパードの違いと言えば、まず被毛でしょう。ドーベルマンはアンダーコートがないシングルコートですが、シェパードはアンダーコートを持つダブルコートです。なので、ドーベルマンは暑さに強く寒さに弱い、反対にシェパードは暑さに弱く、寒さに強い犬種となっています。
また知能が高い2頭ですがしつけのしやすさが違います。シェパードは比較的作業意欲が強いため、訓練中はしっかりスイッチのオンオフができると言われています。
それに比べドーベルマンは持続力、忍耐力がシェパードよりも劣っているため、飼い主の根気が必要だと言われています。しかしやはり個体差もあるため、その子の性格次第になるでしょう。
ドーベルマンの飼い方・飼う際の注意点
ドーベルマンの飼い方・飼う際の注意点 1子犬の時からしつけましょう
ドーベルマンは非常に賢いためしつけするのにあまり苦労はしないでしょう。子犬の時からのしつけが非常に大切で、特に大型犬ではなにかあった時に制止させれるようにしておくと安心です。
ドーベルマンは甘えん坊な一面もありますが、他人などに対して攻撃的に出てしまう場合もあります。そのような場面に出くわした際に対処できるようにしておくと良いでしょう。
またドーベルマンは賢く飲み込みも早いですが、忍耐力があまりないと言われています。そのためしつけ中に飽きてしまったり、集中が切れてしまうことなどもあるので、おやつやおもちゃをうまく使ったりしつけ時間を短時間にしオンオフをしっかりしてあげるなどしつけにも工夫してあげるとなお良いでしょう。
ドーベルマンの飼い方・飼う際の注意点 2毎日の運動は欠かさずに
大型犬は運動量も非常に多いです。毎日の散歩は欠かさず、週に1回程ドックランに連れていくなどたくさん運動させてあげましょう。
散歩は1回1時間程度、1日2回が目安です。運動不足になると、ストレスがたまり問題行動や自傷行為につながってしまいます。
家の中でもおもちゃで遊んであげたり、知育玩具(頭を使うおもちゃ)などを使うと飼い主とのコミュニケーションも取ることができるためおすすめです。
ドーベルマンの飼い方・飼う際の注意点 3金銭的な負担は大きい
大型犬は体が大きい分、飼い主の金銭的負担も大きくなります。
毎月のドックフード代は高くて3万円程になることもあります。ドックフードにもさまざまな種類があり、安価なものから高価なものまで幅広く、そのためできるだけ下げようと思えばできるでしょう。
しかし安価なドックフードは犬の体にあまりよくないものが入っているためおすすめできません。体に合う合わないもあるので高価なものが良いとは言えませんが、できるだけ添加物が入っていないドックフードが良いでしょう。また病院代の負担も大きいです。
体が大きい分、薬の量が増えるため小型犬などより倍以上費用がかかることもあります。年に1度ワクチンや、狂犬病の予防注射の費用も必要になります。
“大型犬が欲しく飼ったけど金銭的に難しくなったため飼えない”ということにならないよう、金銭的な余裕を持ってから迎えましょう。
ドーベルマンの飼い方・飼う際の注意点 4胃捻転には要注意
上記でも挙げましたが、ドーベルマンは胸が深い骨格状の関係で、胃捻転に非常にかかりやすいと言われています。
胃がねじれることで、ガスが溜まりショック状態に陥ってしまいます。主な症状としては空ゲップ、吐こうとするが吐けない、お腹が膨れる、落ち着きがない、よだれが出るなどです。
胃捻転は非常に緊急性が高く、迅速な処置が必要になり最悪の場合、命を落としてしまうことも少なくありません。なので近くの動物病院、夜間の動物病院なども把握しておきましょう。
また胃捻転を防ぐため食後すぐの運動、ご飯の丸呑み、水のガブ飲みなどは避けるようにしましょう。
ドーベルマンの飼い方・飼う際の注意点 5定期的なお手入れ
ドーベルマンは短毛ではありますが、抜け毛が多い犬種です。そのため週に1回程度のブラッシングで、抜け毛の対策が必要です。
その際、短毛なためスリッカーブラシでは皮膚を傷つけてしまうので、ラバーブラシという短毛用のブラシを使いましょう。
ブラッシングの際、体に異常がないかボディチェックを行うと病気の早期発見にもつながるので同時に行うことをおすすめします。
また皮膚のトラブルを防ぐために月1回程度のシャンプーも必要です。頻繁にやりすぎると必要な油分までなくなってしまい、皮膚のトラブルにつながるため良くありません。なのでシャンプーの間隔の中で汚れたりしてしまった場合は、濡れタオルやボディタオルなどで拭いてあげることをおすすめします。
ドーベルマンをお迎えする方法
ドーベルマンのブリーダーさんからお迎えする
ドーベルマン専門の優良ブリーダーをネットなどで検索してみましょう。ブリーダーから子犬をお迎えする場合は両親が明らかなので、毛色や体格、性格などがわかるメリットがあります。
また、お迎え後もブリーダーさんに困った時に相談ができたり、兄弟犬の輪が広がったりとサポートしてもらえる繋がりがもてるのも心強いポイントです。
保護犬のドーベルマンを探して里親になる
動物保護施設や動物愛護ボランティア団体などでは、繁殖犬を卒業して保護された子や、飼い主の事情で手放されて保護されているドーベルマンを見つけられるかもしれません。事前にサイトやSNSなどで探してみてくださいね。
ドーベルマンの値段・価格の相場
ドーベルマンの子犬の値段相場はおよそ15〜30万円です。訓練競技会やショーでの実績を持つ親犬の子犬はもう少し高くなる傾向があります。
まとめ
威厳で勇ましい見た目からは想像できない、甘えん坊で愛情深い性格を持っているドーベルマン。このギャップが人気の理由の一つでもあり街中を歩いているだけを目を引くでしょう。
しかし安易な気持ちで飼える程簡単な犬種ではありません。ある程度の犬への知識があり、金銭的にも余裕があることが必要です。