毛が抜けない犬種・毛が抜けにくい犬種11選

毛が抜けない犬種・毛が抜けにくい犬種11選

ワンコの魅力の一つがもふもふ、フワワフの被毛です。しかし、この被毛は換毛期以外にも抜け落ち、時にはアレルギーの元となってしまうことも。「ワンコと暮らしたいけれど、抜け毛が心配。毛の抜けない犬っていないの?」そんな抜け毛のお悩みを持つ方も多いのではないでしょうか。実は、抜け毛の量は犬種によって異なります。そこでこの記事では、どんな犬種が毛が抜けない、抜けにくいのか、詳しくご紹介します。

毛が抜ける犬と抜けない犬の違いは?

わんこの毛は、生まれ育った環境、原産国や使役によって生え方が異なります。また、犬種によっては品種改良が行われ、その結果、その犬種に最適な生え方となっていることもあります。

わんこの被毛は長さだけではなく、被毛の構造によっても異なります。被毛の長さは、短毛、中程度の長さ、長毛、ヘアレスの4タイプに分けられます。これにストレート、ウエイビー、カーリー、ワイヤードなどの毛質が加わります。さらに、被毛の構成を表すダブルコートとシングルコートの2つのタイプに分けられます。また、一定の長さから伸びない犬種や人間と同じように時間とともに毛が伸び続ける犬種もいるのです。このうち、毛が抜ける、抜けないの判断材料となるのが、被毛の構成であるシングルコートとダブルコートです。ここでは、シングルコートとダブルコートの違いについて解説します。

オーバーコートとアンダーコートとは

わんこのカラダ全体をおおうオーバーコートは、太くてしっかりとした毛質の被毛で、紫外線や雨、雪などが直接皮膚に影響を与えないように体を守る役割があります。また、衝撃や怪我に加え虫や細菌など有害なものから体を保護する役割もあります。

アンダーコートとは、オーバーコートの下に柔らかく密に生えている毛のことを指します。寒い地方で誕生した犬種の多くは、このアンダーコートが密集して生えていることが特徴です。アンダーコートの役割は、主に体温調節です。細い密集した毛の間に、多くの空気を含むことで、寒さからや冷たい風、水から体が冷えるのを防いでいるのです。また、夏を迎える前に冬毛が抜け落ち夏毛と生え変わります。夏毛は軽いため、風通しが良くなることで体温の上昇を抑えるのです。さらに、適度な湿度を保つことができるので、皮膚の乾燥を防ぐ役割もあります。

シングルコートとは

白や茶、黒など犬種ごとに特徴を表す色がある被毛がオーバーコートです。このオーバーコートのみが生えている一重構造のタイプをシングルコートと呼びます。シングルコートのわんこは、春と秋に毛が生え変わる換毛期がないため、比較的抜け毛が少ないことが大きな特徴です。

ダブルコートとは

オーバーコートとアンダーコートの2重構造のわんこがダブルコートです。ダブルコートのわんこは、春と秋の2回換毛期があります。換毛期とは、冬毛と夏毛が入れ替わる時期で、この時期になると大量のアンダーコートが抜け落ちます。

毛が抜けにくい犬もケアは必要?

毛が抜ける犬種の場合は、換毛期のブラッシングはもちろんのこと、毎日のブラッシングやトリミングが必要となります。もちろん毛が抜けない犬種でも、定期的なケアは必要です。特に、プードルやシュナウザーのように被毛が伸び続ける犬種は、定期的なトリミングが欠かせません。毛が抜けにくいといっても全く抜けないわけではないため、毛玉防止や死毛(抜け毛)を取り除くために、定期的にブラッシングするなどのケアが必要となります。ブラッシングをすることで、マッサージ効果も期待できるため美しくツヤのある被毛をキープすることができます。毛が抜けない犬種でも定期的にブラッシングなどの被毛ケアをすることが大切です。

毛が抜けない犬種11選

毛が抜けない犬種の多くはシングルコートですが、全く毛が抜けないというわけではありません。また、毛は抜けないかわりに伸び続ける犬種や被毛自体がない犬種、さらにダブルコートでも毛が抜けにくい犬種もあります。そこで、毛が抜けない・抜けにくい犬種を特徴ごとに分けてご紹介していきます。

シングルコートで毛が抜けない犬種

犬の毛は、1つの毛穴から平均すると7〜15本の毛が生えています。その内訳は2〜5本の太い毛と複数の細い毛といった割合です。この太い毛は硬めで、上毛またはオーバーコート(トップコート)と呼びます。このオーバーコートのみが生えている犬種がシングルコートです。

サルーキ

羽のような飾り毛をなびかせて走る姿が印象的で別名「風のハウンド」と呼ばれるサルーキ。まさにクールビューティーというイメージがぴったりのサルーキは、アラブの王族に愛され、唯一宮殿内で飼育することが認められた犬種です。犬を不浄なものとするイスラムの国で、サルーキだけが室内で暮らすことを許された背景には、神からの贈り物であると考えられている以外に、サルーキの特徴の一つである体臭が少ないこと、抜け毛が少ないことが挙げられます。

中東の砂漠地帯で誕生したサルーキは、絹のような滑らかな被毛のスムースタイプとスムースのボディに尻尾、耳、足に飾り毛のついたフェザータイプの2種類があります。どちらのタイプもシングルコートが特徴です。細くてシルクのような短毛が特徴のサルーキに換毛期はありませんが、被毛の抜け変わりや絡まりはあるため、家庭でケアをしてあげましょう。特に、フェザータイプの場合は、羽毛のように長くて柔らかい被毛がもつれやすく毛玉になりやすいので、こまめなブラッシングでもつれや毛玉を防いであげましょう。

ワイマラナー

1830年代にドイツのワイマール宮廷で飼育されていたことから名がついたドイツ原産のワイマラナー。このワイマラナーをはじめとするHPR犬種はポインター・セッターグループに分類されている犬種です。HPR犬種とは、ハント(狩る)、ポイント(鳥を見つけハンターに教える)、レトリーブ(回収)の3役をこなせる犬種のことで、ワイマラナーは特に嗅覚に優れ、水中での作業能力が得意で、訓練性が高いことでも知られています。

ワイマラナーには、短毛のスムースコートタイプと長毛のロングコートタイプの2種類の被毛タイプがあり、日本ではスムースコートのワイマラナーが主流です。どちらのタイプもシングルコートで、毛が抜けにくいことが特徴です。スムースコートの場合は、マッサージ効果も期待できるラバーブラシで週に2〜3回程度ブラッシングしてあげることがおすすめです。

バセンジー

「コンゴ・テリア」「吠えない犬」として欧米で人気のバセンジー。古代犬を基礎犬にもつバセンジーは、19世紀にイギリスの調査団によって発見され、最初のバセンジーがイギリスに持ち込まれました。視力、嗅覚ともに非常に優れまた走るスピードの速さから万能なハンターのバセンジーは、狩猟犬の中でも勝ち気で活発な性格で、テリアに似ていると言われることもあります。

短毛で筋肉質のスリムボディに長い脚が特徴のバセンジーは、シングルコートで抜け毛が少ないことが特徴です。綺麗好きですが、こまめなシャンプーやトリミングの必要はなく、週に2回程度ブラッシングをして毛艶をキープしてあげましょう。

シングルコートで抜け毛は少ないけれど毛が伸び続ける犬種

ダブルコートの犬種に比べ、抜け毛が少なくケアも簡単なことから人気犬種の上位となっているシングルコートの犬種ですが、毛が伸び続けるためトリミングが必要不可欠な犬種があります。

プードル

くるくるの巻き毛、バリエーション豊富な被毛カラーが特徴で、ぬいぐるみのような可愛さから13年連続人気犬種1位(アニコム損害保険)に輝くトイプードルに代表されるプードルは、シングルコートで毛が抜けにくい犬種として知られています。プードルには、トイプードルの他にスタンダードプードル、ミディアムプードル、ミニチュアプードルとサイズの違うタイプがありますが、どのタイプも毛が抜けにくいことが特徴です。

本来、水辺や水中で作業をする鳥猟犬として作出されたプードルの原産国はドイツ。ドイツ語で水しぶきを表す言葉「プデリン」がプードルの名前の由来です。そんなプードルの被毛は、水をはじき、汚れにくい粗く太い巻き毛で、毛が抜けにくいことが特徴です。毛が抜けにくいことが魅力のプードルですが、毛が細く絡みやすいため毎日のケアは必須で、さらに毛が伸び続けるため月に1回程度のトリミングが必要となります。トリミングでは、テディベアカットやマッシュルームカットなどいろいろなカットアレンジを楽しむことができます。

マルチーズ

シルクのように美しい真っ白な被毛が人気のマルチーズは、3000年以上の歴史がある古代犬とされていますが、その詳しい発祥は解明されていません。優美な外見から「犬の貴族」との異名を持ち、イギリス王室に愛されたことから、人類にとって初めての愛玩犬として貴婦人たちに人気が高まりました。

前述のように、マルチーズの魅力はなんといっても純白の美しい被毛です。シングルコートで抜け毛が少ないマルチーズですが、カットをしないと地面に引きずるほど伸びてしまいます。美しい被毛をキープするためには、毎日のケア、定期的なカットやトリミングが必要となります。

ヨークシャーテリア

ヨーキーの愛称で親しまれているヨークシャーテリアは、イギリスのヨークシャー地方でネズミ狩りの犬として誕生した犬種です。愛らしい見た目とは裏腹に、テリア独特の気質を合わせもッッタヨークシャーテリアは、使役犬としてだけではなく愛玩犬として上流階級の人々に愛された歴史があります。

ヨークシャーテリアの魅力は、シルキーコートとも呼ばれるストレートなロングヘア。成長とともに毛色が変わることも特徴で、生涯かけて7回色が変化すると言われています。絹糸のように細い毛質のシングルコートで毛が抜けにくい犬種ですが、伸び続ける性質のため定期的なトリミングが必要です。

ダブルコートながら毛が抜けにくい犬種

春と秋の換毛期には、柔らかく細いアンダーコートが大量に抜けるのが、一般的なダブルコートの犬種です。しかし、中にはダブルコートでありながら換毛期がなかったり、被毛の性質から毛が抜けにくい犬種もいるのです。ここではそんなダブルコートで毛が抜けにくい犬種をご紹介します。

シュナウザー

ドイツ原産で口ひげが特徴のシュナウザー。ドイツ語でマズルの事を指すシュナウズが名前の由来で、シュナウザーとはひげを生やしたマズルという意味があります。シュナウザーには3タイプがあり、ミニチュアの他にジャイアント、スタンダードがあります。中でも日本で最も人気のある犬種がミニチュアシュナウザーです。ミニチュアシュナウザーは、農場で活躍していたスタンダードシュナウザーとアーフェンピンシャー、ミニチュアプードルとの交配によって誕生した犬種で、日本のみならず世界中で「理想的な家庭犬」と呼ばれ愛されています。

長毛種で固くワイヤーのような毛質のシュナウザーは、ダブルコートで伸びの早い豊富な毛量が特徴です。通常、ダブルコートの犬種には大量の毛が抜ける換毛期がありますが、シュナウザーにはこの換毛期がないとされてることから、毛が抜けにくい犬種と言われているのです。なお、シュナウザーは毛玉ができやすい毛質のため、毎日のブラッシングはもちろん、定期的なトリミングが必要です。トリミングでは、単なるカットだけではなく、専用のナイフを使うプラッキングと呼ばれる手法で、短い毛や伸びきった毛を処理していきます。

シーズー

美しい被毛と鼻ぺちゃの愛らしい顔、穏やかで友好的な性格が人気のシーズーは、中国語でライオンドッグを意味するシーズークウと名付けられた中国原産の犬種です。中国の宮廷では数々の皇帝から寵愛を受け、かの西太后からは溺愛されていたと言われ、宮廷から門外不出の犬として、宮廷内で繁殖が行われていました。しかし、アヘン戦争後絶滅の危機に瀕したシーズーは、イギリスに渡り、イギリス王室で保護され家庭犬として普及したと言われています。

ふわふわの被毛が特徴のシーズーは、ダブルコートながら毛が抜けにくい犬種です。また、成長とともに被毛の色が変化していく珍しい犬種なのです。シーズーは、被毛の伸びるスピードが速いため、定期的にトリミングが必要で、カットをしないとあっという間にロングヘアになってしまいます。日本では、短くカットしたスタイルのシーズーを多く見かけますが、海外では美しく伸ばしたロングヘアスタイルが人気です。

ビションフリーゼ

コットンボールのような白くてふわふわした被毛が特徴で人気犬種となっているビションフリーゼは、イタリアのボロネーゼ、キューバのハバニーズそしてマルチーズと同じグループにカテゴリー分けされている犬種です。ウォータースパニエルの子孫として地中海にあるテネリフェ島で誕生したと考えられていますが、詳しい起源は解明されていません。

ふかふかの柔らかい巻き毛が可愛いビションフリーゼは、ダブルコートの犬種です。柔らかく密度の高いアンダーコートに柔らかいオーバーコートとの二重構造ですが、比較的温暖な地中海で誕生した犬種のため抜け毛が少ないと考えられています。ただし、巻き毛のオーバーコートは、毛玉になりやすいため、定期的にトリミングを行う必要があります。

ヘアレスドッグ 生まれつき毛のない犬種

毛がほとんどないヘアレスドッグは現在世界中で7種類と言われています。全身にほとんど毛がない犬種の他に、しっぽや頭などの一部だけに毛が生えている犬種もいます。これらのヘアレスドッグは、毛がないため毛が抜ける心配はありません。

チャイニーズクレステッドドッグ

独特の外観が人気のチャイニーズ・クレステッド・ドッグには、頭、尻尾の先、足の周り以外には毛のないへアレスタイプと、細く長い毛に覆われたパウダーパフタイプの2種類がいます。日本で見かけるのはヘアレスタイプです。原産地には諸説あり、はっきりとしたことはわかっていませんが、中国または中南米が原産とされ、チワワの祖先犬とも言われています。

毛のない犬種の最大の特徴は、何といっても被毛がほとんどないことです。そのため、抜け毛やフケが少なく、特にアレルギーを持つ人に向いていると言われています。また、古くから愛玩犬として親しまれていただけではなく、体温が高いため、湯たんぽや温湿布のような役割を果たしていたと言われています。その効果から、古代エジプト人は毛のない犬種に特別な力があると信じていたのです。

ウォータードッグ 水辺で作業をする犬種

水鳥や水辺に生息する小動物の猟を行う犬種は、水をよく弾く性質の被毛に覆われていることが特徴です。猟をする地域によって、毛が抜けるダブルコート、抜けにくいシングルコートの2タイプがいます。

エアデールテリア

JKCに登録されている32種類のテリア種の中で最もサイズが大きく「キングオブテリア(テリアの王様)」とも呼ばれている犬種がエアデールテリアです。イギリス北部にあるヨークシャー州にある風光明媚なエア渓谷(エアデール)が発祥の地とされています。主に小動物をターゲットとした猟で活躍していたエアデールテリアは、鋭い嗅覚を持つことが最大の特徴です。エアデールテリアは、テリア種に加えハウンド種の性質も持ち合わせているため、狩猟犬だけではなく水猟犬としても高い能力を発揮することから、19世紀のイギリスでは高い人気を得ていました。オッター・ハウンドの持つ水中での作業能力を継承しているため、かわうそ猟に対して抜群の能力を発揮することで知られています。

粗く固いワイヤーのようなトップコートと、柔らかく密度の高いアンダーコートに覆われているエアデールテリアですが、換毛期がないため抜け毛が少ないことも特徴です。ただし、剛毛で短い被毛は絡まりやすく、ワイヤーブラシや櫛などで定期的に被毛の絡まりをほぐしてあげることが大切です。また、健康で美しい被毛を保つために、1〜2ヶ月に一度は、無駄なアンダーコートを抜くプラッキングが必要です。

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