【中型犬の種類】飼いやすい中型犬はどんな犬種？

中型犬の人気犬種とは？中型犬は飼いやすいの？

中型犬と聞くと、柴犬を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか？個体差はありますが、柴犬は中型犬が多い日本犬の中で唯一、小型犬に分類される犬種です。これとは逆に、小型犬と思われがちなフレブルの愛称で人気のフレンチ・ブルドッグは中型犬に分類されています。

運動能力の高い犬種が多い中型犬は、狩猟犬として育種・作出された犬種がほとんどです。そのため、飼い主と一緒に遊ぶことが大好き。中型犬と暮らすのであれば、まずは愛犬の持つ狩猟本能を理解することも大切です。ここでは、犬とアクティブに楽しみたい人たちにも人気の中型犬をご紹介します。

中型犬の種類 1甘えん坊で遊び好き、愛嬌のある顔が人気のフレンチ・ブルドッグ

飼いやすさ：初心者もOK

その名の通りフランス原産の犬で、イギリスから持ち込まれたブルドッグに、パグやテリアを交配して作られた犬種がフレンチ・ブルドッグです。筋肉質でがっちりした体型ですが、一部の愛好家には「ブヒ」の愛称で親しまれています。家族と一緒に過ごすのが大好きなフレンチ・ブルドッグの最大の特徴は、飼い主のタイプを選ばないというところです。遊ぶことは好きですが長時間の運動を必要とする犬種では無いので、高齢の方や子どものいる家庭でも飼うことができます。感情表現豊かで飼い主と一緒にいることが大好きな犬種です。

中型犬の種類 2お尻フリフリで歩く姿が可愛いウェルシュ・コーギー・ペンブローク

飼いやすさ：初心者もOK

短足胴長、元気いっぱいお尻フリフリで歩くコケティッシュな容姿のコーギーは、常に人気ランキング上位に位置する犬種です。イギリス原産のコーギーには「ウエルシュ・コーギー・ペンブローク」と「ウエルシュ・コーギー・カーディガン」の２種類があります。どちらも本来は牛や羊を追う牧羊犬として作出された運動能力の高い犬種です。コーギーの使役は、牛や羊をのかかとを噛んだり、吠えながら走って誘導すること。小さなカラダながら、牛や羊にひるむことの無い勇敢な性格が特徴です。明るく愛情表現が豊かなため、甘やかしてしまいがちですが、吠える、噛むという本能があるため、きちんとしたしつけが必要です。

中型犬の種類 3全犬種の中でトップの賢さと運動性能の高さが魅力のボーダーコリー

飼いやすさ：上級者向け

スコットランドとイギリスの国境（ボーダー）で羊の群れを走り回りながら追い立て、誘導する牧羊犬として誕生した犬種がボーダーコリーです。多種多様な牧畜・牧羊犬の中で、最も優秀な能力を持ち、作業能力の高さが魅力の犬種です。牧羊犬らしく飼い主には従順で忠実なため、飼い主からの指示によって仕事をすることが好きです。また、飼い主との信頼関係をとても大切にするので、飼い主はしっかりとしたリーダーシップを発揮することが必須です。その反面、知能が高いだけにズル賢いところもあります。抜群に高い運動能力と高い知能を兼ね備えていることから、しつけ方法を間違えると問題犬に発展する可能性があります。ボーダーコリーを飼う上で最も大事なことは、運動不足にさせないこと。優れた牧羊犬としての資質を満足させられるように飼い主としてもさまざまな工夫が必要となります。

中型犬の種類 4スヌーピーのモデルになった小さな狩猟犬ビーグル

飼いやすさ：中級者以上向け

家庭犬としてすっかり定着したビーグルですが、本来は臭いで野ウサギを追う猟犬として作出された犬種で、嗅覚ハウンドのグループに分類されています。ハウンドドッグの中で最も小さいサイズのビーグルですが、狩猟本能が強く大胆でスタミナと決断力を持つことが特徴です。ハウンドドッグの特性でもある独立心の強さがありますが、群れを大切にする性質で協調性も持ち合わせています。小さいながらも、筋肉質のビーグルに毎日の運動は不可欠で、とにかく走ることが大好きなため、アクティブな飼い主向けと言えます。

中型犬の種類 5アメコカと呼ばれることもある長い耳が特徴のアメリカンコッカースパニエル

飼いやすさ：中級者以上向け

中世の英語でスペインという意味を持つスペイン系の鳥猟犬がスパニエル種です。鳥をターゲットにした猟を行う鳥猟犬は、ハンターが銃で鳥を撃つサポートをします。スパニエル種はフラッシングドッグと呼ばれ、鳥を脅かして飛び立たせ、その居場所をハンターに教える役割を担っています。鳥猟犬の中で最も小さなアメリカンコッカースパニエルは、ディズニー映画「101匹わんちゃん」のレディ役として一躍人気を集めた犬種です。長い耳とゴージャズな被毛が魅力ですが、見た目の優雅さとは裏腹に筋肉質で運動能力に優れています。そのため、一定量の運動が必要な犬種で、通常のお散歩だけでは運動不足となってしまいます。飼い主と一緒に遊ぶことが大好きなので、狩猟犬としての好奇心や能力を満足させられるアジリティなどのドッグスポーツを楽しみたい人に向いている犬種と言えます。

中型犬の種類 6イギリスのシンボル的存在のブルドッグ

飼いやすさ：中級者以上向け

「勇猛で粘り強い」という意味を持つイギリス原産のブルドッグは、イギリス国民の象徴的存在と言われイングリッシュ・ブルドッグとも呼ばれています。もともとは、雄牛と戦う（ブルベイティング）ために育種された獰猛で勇敢な性質を持つ犬種でしたが、ブルベイティングが禁止されると、ブルドッグの存在理由がなくなってしまい、一時は絶滅の危機に瀕したのです。その後、愛好家たちによって家庭犬に向く穏やかなブルドッグが育種され、現在では多くのセレブにも愛される人気犬種となっています。現在のブルドッグは、温和で勇敢かつ忠誠心の強い性格が特徴です。明るく陽気ですが、マイペースで頑固な一面があり訓練には不向きな犬種と言えます。

中型犬の種類 7スレンダーなボディと優しい性格が特徴のウィペット

飼いやすさ：中級者以上向け

流線型に走る姿が美しいウィペットは、典型的な視覚（サイト）ハウンドのボディを持つ犬種です。全犬種中最速記録を持つグレーハウンドを基礎犬として作出されたウィペットは、その俊足を受け継ぎ少し前まではドッグレースの犬として知られていましたが、現在では、家庭犬として世界中から愛されています。穏やかで愛情深く、部屋でリラックスして過ごすことが大好きなウィペットですが、持ち前の俊足を生かして何かを追いかけて走ることを忘れてはいません。そのため、定期的に思いっきり走らせてあげることが必要な犬種です。

中型犬の種類 8見た目の可愛さと明るく活発な性質で人気のイングリッシュコッカースパニエル

飼いやすさ：中級者以上向け

コッカースパニエルには、アメリカンタイプとイングリッシュタイプの2タイプがあります。もともと、イギリスでヤマシギ狩りの鳥猟犬として作出された犬種がイングリッシュコッカースパニエルです。一方、イングリッシュコッカースパニエルがアメリカに渡り家庭犬として改良が重ねられ誕生した犬種がアメリカンコッカースパニエルです。この2犬種の違いは、顔つきや被毛タイプに現れていますが、大きな違いはその性格です。イングリッシュコッカースパニエルは、鳥猟犬の中でも、フラッシングドッグと呼ばれる茂みに隠れている鳥を飛び立たせる役割をする犬種のため、深い茂みなどに躊躇なく入り込むなど勇敢で活発な性質が特徴です。また、猟犬の特徴でもある飲み込みの早さ、飼い主の意思を汲み取ることが得意なため、アジリティなどのドッグスポーツを楽しみたい人に向いている犬種です。

中型犬の種類 9大谷選手の愛犬として一躍注目を集めているコーイケルホンディエ

飼いやすさ：中級者以上向け

コーイケルホンディエは、鴨をおびき寄せる鳥猟犬としてオランダで誕生したとても古い犬種です。オランダのスパニエルとも呼ばれ、かつては優秀な鳥猟犬として活躍していました。現在では、その機敏で活発、タフでエネルギッシュな性質を生かし、スポーティングドッグとして能力を発揮しています。明るくがまん強い性格で飼い主には忠実ですが、警戒心が強いことも特徴です。

中型犬の種類 10アニメや映画、シューズブランドのキャラクターとして人気のバセットハウンド

飼いやすさ：中級者以上向け

長く垂れ下がった耳や顔に胴長短足、一度見たら忘れられないユニークな容姿の犬種がバセットハウンドです。主に、ウサギやシカを追跡するハンターのパートナードッグとして、フランスでスピードよりも持久力を重視して育種されたバセットハウンドは、ゆっくり荒地を歩きながら匂いを嗅いで獲物を探す使役をしていました。愛情豊かで温厚、家族を大切にする性格ですが、頑固な一面と大きく響くほえ声が特徴です。

日本犬の多くは中型犬

日本犬は、古来より存在しオオカミにより近い犬種であると言われているスピッツ属に分類されています。スピッツとはドイツ語で「尖った」を意味し、尖ったマズルが特徴で、オオカミのような巻尾、立ち耳が特徴です。家庭犬として人気の日本犬もいますが、警戒心が強く独立心が強い性質が特徴で、しつけが難しいとされている犬種が多くいます。日本犬保存協会に登録され天然記念物に指定されている日本犬は6犬種あり、そのうち大型犬の秋田犬、小型犬の柴犬を除く以下の4犬種が中型犬です。

日本犬の中型犬 1北海道犬

飼いやすさ：上級者向け

テレビCMで一躍脚光を浴びた白い犬が北海道犬です。真っ白な日本犬のイメージが強い北海道犬ですが、胡麻、赤、黒などの被毛カラーがあり柴犬とよく似ていることから、間違えられることもあります。柴犬よりひと回り大きい北海道犬は、エゾジカ、クマなどの獣猟犬としてアイヌの人々と共に暮らしてきた歴史があります。忍耐強く忠実で、筋肉質、頑健な体つきが特徴です。有能な狩猟犬らしく飼い主から仕事を与えられることに喜びを感じる上、アウトドアで体を動かすことが好きなため、キャンプやハイキング、登山など犬と一緒にアクティブに楽しみたい人に向いています。また、飼い主に忠実なことから競技会に挑戦したい人にもおすすめです。

日本犬の中型犬 2甲斐犬

飼いやすさ：上級者向け

山梨県の山岳地帯（甲斐地方）の土着犬で、愛好家によって作出固定されたことから甲斐犬と名付けられた日本犬です。イノシシや鹿狩りの狩猟犬として活躍してきた甲斐犬は、飼い主に忠実で警戒心が強い狩猟犬ならではの性質を色濃く残す犬種です。また、賢く独立心があることや縄張り意識が強いことも特徴で、飼い主に対して忠誠心を見せる性質から、マンツーマンでリーダーシップを発揮できる飼い主を必要としています。

日本犬の中型犬 3四国犬

飼いやすさ：上級者向け

高知の山岳地帯に生息していた「ヤマイヌ」と呼ばれていた土着の犬が猟犬として育てられ、誕生したのが四国犬です。絶滅してしまったニホンオオカミに最も近いと言われている四国犬は、一見するとオオカミと見間違うほど凛々しい顔立ちと野性味あふれる風貌が特徴です。日本犬の中でも抜群の運動能力を持つ狩猟犬で、初心者には飼育が難しい犬種として知られています。

日本犬の中型犬 4紀州犬

飼いやすさ：上級者向け

和歌山県、三重県など紀州地方の山岳地帯で誕生した非常に古い犬種が紀州犬です。忍耐強く、勇敢で警戒心を強く持つ性質から現在でもイノシシ猟の犬として活躍しています。紀州犬は飼い主やその家族には忠実ですが、よそ者を強く警戒するため番犬にも向いています。白い被毛で凛々しい外観から人気がありますが、自治体によっては危険犬種に指定されている地域もあるため、安易に飼うことはできません。

そのほかの中型犬

狩猟犬として現役で活躍している犬種が多い中型犬は、筋肉質でアクティブ、飼い主に忠実な性質が特徴です。中には、大型犬以上に運動量を必要とする犬種もいるため外観だけを見て可愛いからと安易に飼うことはおすすめできません。

そのほかの中型犬 1イングリッシュ・スプリンガー・スパニエル

飼いやすさ：上級者向け

ふわふわの飾り毛が美しく愛らしい見た目ながらスタミナ、エネルギー、敏しょう性と高い能力を持つイングリッシュ・スプリンガー・スパニエルは、運動欲求の高さが特徴の犬種です。賢く、人を喜ばせることが大好きで、飼い主には忠実な気質ですが、イタズラ好きな面もあるため、しっかりとしたトレーニングをすることが大切です。また、走ることだけではなく水泳も大好きなため、一緒にさまざまなドッグスポーツなどアクティブに楽しみたいと考えている人に向いていると言えます。

そのほかの中型犬 2ブリタニースパニエル

飼いやすさ：上級者向け

フランスブルターニュ地方が原産の鳥猟犬がブリタニースパニエルです。日本ではあまり出会うことがない犬種ですが、欧米では家庭犬として人気があります。本来の働きは鳥の居場所を教えるポイントドッグですが、嗅覚、回収能力ともに優れていることから、ガンドッグの中でも数少ないオールマイティな鳥猟犬であるHPR（ハント、ポイント、レトリーブ）犬種として認められています。フレンドリーで明るい性格ですが、とにかく動き回ることが大好きで、好奇心旺盛なため、動くものに瞬時に反応してしまうため、運動欲求を満たすことができる飼い主に向いています。

そのほかの中型犬 3ウェルシュ・コーギー・カーディガン

飼いやすさ：初心者もOK

ウェルシュ・コーギー・カーディガンの歴史は古く、紀元前より牧畜犬として限られた地域で暮らしていました。家庭犬として人気のウェルシュ・コーギー・ペンブロークは、このウェルシュ・コーギー・カーディガンを基礎犬として作出されています。ペンブロークとカーディアンの違いは、尻尾の長さとその性格です。断尾されるペンブロークに対して、カーディガンは長くフサフサの尻尾を持っています。また、ペンブロークに比べ落ち着きがあるとされています。英国王室で飼育されているのはこのカーディガンです。初心者にも飼いやすい性質ですが、日本では登録数が少ない犬種です。

人気犬種のサイズ違いも

日本ではあまり見かけませんが、中型犬には人気犬種のサイズ違いの犬もいます。代表的な犬種がトイプードルより一回り大きなミディアムプードル、ミニチュアダックスフントの基礎犬となったスタンダードダックスフンド、ミニチュアピンシャーの祖先犬であるジャーマンピンシャーなどで、欧米では人気があります。