甲斐犬の基本データ
原産国 | 日本 |
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サイズ | 中型犬 |
犬種グループ | スピッツ・原始 |
飼いやすさ・しつけのしやすさ | 中級 |
運動量 | 中 |
トリミング | 不要 |
ブラッシング | 週1回程度 |
お散歩 | 1日2回×1時間以上 |
飼育費用 | 月1〜3万円程度(医療費別途) |
かかりやすい病気・怪我 | アレルギー性皮膚炎、外耳炎、白内障 |
甲斐犬の歴史
南アルプスの山岳地方で猪や鹿猟で活躍しており、昭和初期に山梨県の甲斐地方で発見されました。日本犬の中でも甲斐犬は特に警戒心が強く他犬種を寄せ付けなかったことから、交配することなく純血が守られてきたと言われています。1934年に天然記念物として登録されました。
甲斐犬の性格と特徴・飼いやすさ
飼い主には忠誠心が強いため、信頼関係さえうまく築くことができれば愛情深く接し、しつけなどにもそれほど困らないでしょう。
ただ他の犬や人には警戒心が非常に強く、心を開こうとしません。そのため攻撃的になってしまう可能性もあるため、幼少期からいろいろな人や犬、場所に慣らし社会化をしておくことが大切です。
日本犬の中でも特に感覚が鋭く警戒心が強いため、飼うにはそれなりの知識と経験が必要でしょう。
甲斐犬の被毛と種類
“甲斐虎”とも呼ばれる、虎柄の被毛が特徴的です。
黒虎
黒ベースに茶褐色の虎模様。
赤虎
赤茶ベースに黒の虎模様。
虎
薄黒ベースに茶褐色の虎模様。
甲斐犬の大きさ・平均体重
中型犬でありながら、骨太でがっちりした体格をしています。筋肉がよく発達した頑丈な体つきが特徴です。
性別 | 甲斐犬の体重 | 甲斐犬の体高 |
---|---|---|
オス | 11〜25kg | 50cm |
メス | 11〜25kg | 45cm |
体高は上下3cmまでは許容される
甲斐犬の平均寿命と人間年齢
甲斐犬の平均寿命は14〜16歳と言われており人間に換算すると88歳前後になります。犬の中でも日本犬は長寿の傾向があり、平均寿命が長くなっています。
人間に換算した場合の年齢は下記の表をご参照ください。
犬の年齢 | 人間に換算した年齢 | 成長ステージ |
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3か月 | 4歳 | 子犬 |
6か月 | 7歳半 | |
9か月 | 11歳 | |
1歳 | 16歳 | |
1歳半 | 19歳半 | |
2歳 | 23歳 | 成犬 |
3歳 | 28歳 | |
4歳 | 33歳 | |
5歳 | 38歳 | |
6歳 | 43歳 | シニア犬 |
7歳 | 48歳 | |
8歳 | 53歳 | |
9歳 | 58歳 | |
10歳 | 63歳 | |
11歳 | 68歳 | |
12歳 | 73歳 | |
13歳 | 78歳 | |
14歳 | 83歳 | 高齢犬 |
15歳 | 88歳 | |
16歳 | 93歳 | |
17歳 | 98歳 | |
18歳 | 103歳 | 超高齢犬 |
19歳 | 108歳 | |
20歳 | 113歳 |
甲斐犬がかかりやすい病気や怪我
甲斐犬がかかりやすい病気や怪我 1アレルギー性皮膚炎
アレルギーによって引き起こされる皮膚疾患の一つで、原因によりさまざまな種類に分けられます。ほぼ全てに痒みがあり、さまざまな部分に赤みや脱毛などが見られます。
原因によって治療が異なるため、皮膚などに症状が見られた際は動物病院へ行き原因を特定することが大切になります。
痒みなどはストレスにもつながるため、早期発見しなるべく早く治療してあげましょう。
甲斐犬がかかりやすい病気や怪我 2外耳炎
耳の外耳という部分に炎症が起こる病気です。主に細菌、真菌、異物、湿気、寄生虫、アレルギーなどが原因とされており、治療が遅れると慢性化してしまう可能性があるので早期治療が大切です。
頭を頻繁に振る、耳を床にこすりつける、後肢で耳を頻繁にかくなどといった症状や、耳の悪臭、膨張、赤みなども見られます。少しの異変でも感じた場合は動物病院で診てもらいましょう。
甲斐犬がかかりやすい病気や怪我 3白内障
目の水晶体が白く濁ることで視力の低下につながる病気です。甲斐犬は白内障を発症しやすい犬種の一つだと言われており注意が必要です。
老化と共に発症するイメージがありますが若齢でも発症することがあり、主に進行を遅らせる目薬などの治療が一般的ですが、若齢で発症した際は外科手術を行う場合もあります。
定期的な健康診断などを行い、早期発見につなげましょう。
甲斐犬は凶暴?初心者には飼うのは難しい?
甲斐犬は警戒心が非常に強いため、知らない人や犬には攻撃的に出てしまうことがあります。そのためしつけをしっかり行い、いざというときに飼い主の指示に従えるようにしておくことがトラブルの回避につながります。
飼い主が毅然とした態度でしつけることで上下関係がはっきりし、信頼関係をうまく築くことができますが、それにはある程度の知識と経験が必要です。
しつけ中などに犬に対して少しでも隙を見せてしまえば、感覚が鋭い甲斐犬は自分が上だと思ってしまいコントロールが難しくなってしまう可能性もあるため、初心者には難しいと言えるでしょう。
甲斐犬は天然記念物?
1934年1月に甲斐犬が天然記念物として登録されました。現在では甲斐犬愛護会という保存団体が存在し、天然記念物指定甲斐犬愛護会展覧会という甲斐犬の単独展などを定期的に行っています。
4月の第一日曜と10月の最終日曜に山梨県で開催されており、単独犬種展としては日本最多の開催歴で、世界中の甲斐犬愛好家が集まる誇り高い展覧会となっています。
甲斐犬の飼い方・飼う際の注意点
甲斐犬の飼い方・飼う際の注意点 1子犬の頃に信頼関係を築く
飼い主との良好な信頼を築くことが、甲斐犬とうまく付き合っていくことの重要な一つです。そのため子犬の頃からしつけを始め、その際には毅然とした態度で接し、常に飼い主が主導権を握るようにしましょう。そうすることで上下関係がはっきりし、成犬になった時でも指示に従ってくれるようになります。
また一日中、気を張って毅然とした態度で生活するのはNGです。オンオフをはっきりし、しつけの際とそれ以外をきっちり分け、無邪気に遊んだり甘えられる時間なども作ってあげましょう。
甲斐犬の飼い方・飼う際の注意点 2社会化を大切に
犬の社会化期は生後1ヶ月〜3ヶ月と言われています。この頃に体験したことは成犬になってからも順応しやすいとされており、他の犬や人、場所などに最も慣らしやすい時期になります。
甲斐犬はもともと警戒心が強く、他のものを寄せ付けない性格を持っているため、トラブルを防ぐためにもこの社会化期にいろいろなものに慣らしておくことが非常に重要となります。
この社会化期での生活が成犬になった際の性格などに直結するため、この生後1ヶ月〜3ヶ月を大切にしましょう。
甲斐犬の飼い方・飼う際の注意点 3毎日の運動は欠かさずに
活発なため毎日の運動は欠かせません。散歩は1回1時間以上1日2回行うのがベストです。歩くだけでなくジョギングや、斜面、階段などのアップダウンも取り入れると刺激にもなり良いでしょう。
またドックランなどの全力疾走できる環境に連れていったり、ボールやおもちゃを使って遊ぶなども定期的に行うとストレスの発散にもなるため取り入れると良いでしょう。
甲斐犬の飼い方・飼う際の注意点 4定期的なブラッシングを
甲斐犬はダブルコートなため、抜け毛も多く定期的なブラッシングが必要です。週1〜2回を目安に行い、換毛期には週3〜4回程度のブラッシングを行いましょう。
抜け毛を放置しておくと、皮膚病の原因になったり体温調節がしにくくなることから熱中症のリスクが上がってしまいます。そのため定期的なブラッシングを行い、皮膚を清潔に保ち抜け毛を取り除くことが大切です。
甲斐犬の飼い方・飼う際の注意点 5夏の暑さには要注意
冬の寒さには強いですが、夏の暑さには弱い犬種です。そのため夏場などはクーラーなどを使い温度調節が必要です。また散歩や外出などの時間帯も、涼しい早朝や日が暮れてから行うと良いでしょう。
また炎天下のアスファルトは60度以上になり、肉球のやけどの原因になります。そのため夏場など外出する際は地面を触って大丈夫な温度か確かめるようにしましょう。
甲斐犬の値段・価格の相場
甲斐犬の子犬の価格相場は約20万円前後です。毛の色や血統などの違いで値段は変動します。
甲斐犬をお迎えする方法
甲斐犬を家族としてお迎えする際の2つの方法を紹介します。
ブリーダーさんからお迎えする
甲斐犬専門の優良ブリーダーをネットなどで検索してみましょう。ブリーダーから子犬をお迎えする場合は両親が明らかなので、毛色や体格、性格などがわかるメリットがあります。
また、お迎え後もブリーダーさんに困った時に相談ができたり、兄弟犬の輪が広がったりとサポートしてもらえる繋がりがもてるのも心強いポイントです。
保護犬の甲斐犬を探して里親になる
動物保護施設や動物愛護ボランティア団体などでは、繁殖犬を卒業して保護された子や、飼い主の事情で手放されて保護されている甲斐犬を見つけることができるかもしれません。事前にサイトやSNSなどで探してみるのがおすすめです。
まとめ
甲斐犬は日本犬の中でも勇ましい印象を持ち、美しい虎柄の被毛で人々を魅了しています。性格的にも経験と知識がある方向けであり、誰でも簡単に飼えるというわけではありませんが日本犬の中でも人気な犬種であり世界中から愛されています。