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小麦粉と水、少量の塩を合わせ、こねたり薄くのばしたりして作られるうどん。日本の伝統食ともいえるうどんは、全国各地で食べられているものの、その形や太さ、味付けは地域によって異なります。
私たち人間は、体調を崩したりお腹の調子が悪かったりしたときによく食べますが、はたして犬に与えても大丈夫なのでしょうか。
この記事では、うどんに含まれる栄養素や与える量、与え方を詳しく紹介します。犬の手作り食を与えている飼い主さんや、これから挑戦しようと考えている飼い主さんは、ぜひ参考にしてくださいね。
ANSWER 基本的にうどんは愛犬に食べさせても大丈夫です。
うどんには、犬にとって害のある成分は含まれていないので、与えても大丈夫な食べ物です。ただし、スーパーで販売されているうどんの中には、犬にとって食べにくく消化に悪いものもあります。与える際は、うどんの形や太さに注意する必要があります。
うどんの主な成分や栄養素について解説
タンパク質
タンパク質は皮膚や筋肉を作り、エネルギー源になることから、犬にとって必要不可欠な栄養素です。タンパク質の栄養価を科学的に示す指標のアミノ酸スコアは100に近ければ近いほうがいいといわれており、うどんはこのアミノ酸スコアが90と比較的高い数値です。
炭水化物
炭水化物とは3大栄養素のひとつで、体内に吸収されてエネルギー源になる糖質と、消化吸収されないがお腹の調子を整える食物繊維の2つに分けられます。体の中で1gあたり約4キロカロリーのエネルギーを生み出します。
ビタミンE
脂溶性ビタミンであるビタミンEは、体内の脂質の酸化を抑制する抗酸化作用を持ちます。細胞の老化を防ぐ効果も期待できることから、免疫力の向上や動脈硬化予防につながるといわれています。
ナトリウム
ビタミンのひとつであるナトリウムは、体内の水分量や細胞外液の浸透圧を調整する役割を持ちます。また、栄養素の吸収や輸送といった働きがあることも分かっています。
うどんを犬が食べた際の犬への効果・影響
うどんは栄養バランスが良いうえに脂質が少ないので、健康をサポートしてくれる働きが期待できます。癖のないシンプルな味なので、食べ続けても愛犬の食生活に大きな影響を与えることはないでしょう。また、うどんはやわらかく消化に良い食べ物なので、食欲が落ちている愛犬や胃腸が弱い愛犬にぴったりです。
犬に与えてよいうどんの量は?
小型犬の場合 | 25~40g |
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中型犬の場合 | 40~110g |
大型犬の場合 | 150g |
子犬の場合 | 消化器官が未熟なため、多くても10g程度。 |
老犬の場合 | 少量ずつ与える。 |
犬にうどんを与える際の注意点
うどんのおすすめの与え方
しっかり茹でてカットしてから与えよう
人間の赤ちゃんに与えるつもりで、しっかり茹でて柔らかくしてから与えましょう。犬は麺をのどに詰まらせてしまう恐れがあるので、フニャフニャくらいがちょうど良いです。讃岐うどんのようなコシのあるうどんは避けてくださいね。
また、そのまま与えるのではなく短くカットしてから与えると、歯のない犬でも食べやすくなります。3cm程度の長さがベストです。
茹でたうどんは水で洗おう
うどんは塩分の多い食べ物です。茹で終わったうどんを冷水で洗うことで、うどんの表面に付いた塩分を洗い流すことができます。
また、茹でたうどんは熱く、そのまますぐに食べると火傷する恐れがあります。一度食べ物で嫌な経験をすると、他の食べ物に対しても拒否反応を起こす可能性があります。愛犬が楽しく食生活を送られるように、しっかりうどんの熱を取るのも忘れないでくださいね。
ネギやつゆは与えない
ネギワサビ、七味などを犬が食べると、中毒症状を引き起こす危険性があります。お湯やつゆの中にこれらの薬味を入れてしまうと、中毒成分が溶け出している可能性が高いため、水分を一緒に与えるのもNGです。
また、つゆには塩分が多く含まれています。塩分を過剰摂取すると高血圧になったり腎臓に負担をかけたりしてしまいます。「自分は薄味でうどんを作るから大丈夫」だと過信せずに、犬にうどんを与える際は、うどんのみを食べさせましょう。
主食にせずトッピングまたはおやつとして与えよう
うどんには炭水化物が多く含まれているため、食べ過ぎると肥満になる可能性があります。総合栄養食であるドッグフードを食べていれば、必要な栄養素は十分摂取できているため、うどんを毎日の主食する必要はありません。うどんが好きな愛犬であれば、うどんを与える際はトッピングにしたりおやつであげたりするといいでしょう。トッピングする場合は、1回の食事の10%を目安に与えてくださいね。
こんな時は犬にうどんを食べさせないこと
小麦アレルギーの愛犬にうどんを与えてはいけません。その他、何かしらのアレルギーを持っていれば他の食べ物に対しても反応しやすくなるため、注意が必要です。
また、塩分摂取量に制限がある愛犬にも、与えるのは控えましょう。腎臓病や心臓病、高齢の犬には、少量にうどんでも体に大きな負担がかかる可能性があります。うどんを与えて体調が崩れた場合は、速やかに獣医師の診察を受けてくださいね。
まとめ
うどんは消化に良く栄養価も高い食べ物なので、犬に与えても大丈夫です。お腹の調子が悪い愛犬や歯が少ない愛犬に与えるといいでしょう。しかし、与えすぎると塩分過多になったり肥満になったりする恐れがあるため、小さくカットして少量ずつ与えてくださいね。
Adviser
ペットフーディスト 佐々木なるみ
愛犬の偏食をきっかけに資格を取得。これまでに4匹のわんちゃんと暮らしてきた。動物愛護に関心を寄せ、犬を含む多くの動物が幸せに暮らせる日本を目指している。