地面の下や穴の中に住むキツネやアナグマなどを見つけ、巣穴から追い出し狩ることを仕事とする小型獣猟犬として登録されている犬種がテリアです。日本では、ジャックラッセルテリア、ヨークシャテリア、ボストンテリアなどが家庭犬として人気があります。
イギリスで誕生したと考えられているテリアですが、同じテリアと名がつきながらも、サイズや容姿が大きく異なることを不思議に思う方もいるのではないでしょうか。実は、テリアとは単一の犬種を指すのではなく、キツネやネズミ、うさぎ、アナグマなどの小型の害獣を退治するために育種、飼育された犬の総称で、JKCをはじめ各国のケネルクラブではテリアグループとして分類しています。多くの種類があるテリアですが、どのテリアも活発でエネルギッシュ、気が強いなど独特の性格と硬い毛に覆われた筋肉質の体が特徴です。
この記事では、テリアの歴史から日本でも馴染みのあるテリアそれぞれの特徴についてご紹介します。
テリアの意味とは?テリア犬種の歴史と特性について。
アースドッグと呼ばれていた初代のテリアは、嗅覚を使い地面の下やトンネルなどに作られたキツネやアナグマの巣穴を探し、潜り込み、相手を脅かして狩る、毛が粗い小型犬としてスコットランドで活躍していました。15世紀初頭に発表された狩猟に関する論文で紹介されている「テロウレス」と呼ばれる犬が、テリアの原種と考えられ、16世紀にラテン語で「地球」を意味する「terra(テラ)」に由来しテリアと名付けられました。
初期のテリアは、キツネとアナグマ専門の狩猟犬でしたが、イギリス諸島の各地域に住む農民や労働者によって、狩猟の目的別に繁殖されたことから地域名を冠した犬種名が付けられていることが特徴です。
ネズミ捕り専門のテリアの誕生
テリアにはさまざまな種類がありますが、その誕生には複雑な経緯があり、はっきりと記録が残っていない犬種もあります。当初イギリスでは、ネズミ取り用のテリアとキツネ狩り用のテリアは別々に発達しました。ネズミ取り専用の犬として誕生したラットテリアはすべて、イングランドのオールドイングリッシュホワイトテリア(絶滅種)とオールドイングリッシュブラックアンドタンテリアが起源とされています。その後、帆船によって世界へ進出したイギリス人は、船に出没するネズミ退治のために、体の小さなラットテリアを乗せ、オーストラリアやアメリカへと渡って行くことになります。イギリス人とともにオーストラリア、アメリカへと渡ったラットテリアは、現地でさまざまな犬種と交配が行われ、その土地に合うテリアが誕生しました。
キツネ狩り用テリアの誕生
一方、キツネ狩り用のテリアとして誕生した犬種がパーソンラッセルテリアです。イギリスの純血種として認められたパーソンラッセルテリアですが、オーストラリアの一部の人たちにジャックラッセルテリアと呼ばれ、そっくりなオーストラリアのテンター・フィールド・テリアと交配されたことから、混乱が生じてしまいました。そのためジャックラッセルテリアは、原産国イギリス、開発国オーストラリアと登録されているのです。
テリアの特性
小型で可愛らしい容姿から家庭犬として人気のあるテリアですが、本来は嗅覚を使う猟犬として選択繁殖され育種された犬種です。サイズや外観は異なりますが、見た目の可愛らしさとは裏腹に、勇敢で気が強く、エネルギッシュ、好奇心旺盛で大胆不敵、攻撃性の高さがテリアの特徴で「テリア気質」と呼ばれています。
テリア犬種の種類|小型犬から大型犬まで全32種類!
現在、JKCには32種類のテリア犬種が登録されています。テリアはその使役から多くの犬種が小型犬で、登録されているテリア犬種のうち15犬種が小型犬です。また、エアデールテリアの他にブルテリアタイプの中型のテリア種が7犬種登録されています。
なお、アメリカのAKCには33種類そして、誕生の地であるイギリスのUKCには44種類ものテリア犬種が登録されていますが、FCI(国際畜犬連盟)ではイギリスのテリアを中心に34犬種が公認されています。
今回はそんな種類豊富なテリア犬種の中から、日本でも馴染みのある15犬種を原産地別にご紹介します。
イングランドのテリア
グレートブリテン島の南部を占め、マンチェスターやバーミンガムといった主要都市があるイギリス経済や商業の中心地であるイングランドが、イングリッシュ・テリア発祥の地です。
イングリッシュテリアは、絶滅種であるオールドイングリッシュホワイトテリアとオールドイングリッシュブラックアンドタンテリアが基礎犬となって誕生した犬種であると考えられています。現在、テリア犬種として人気のある犬たちのほとんどがイングランド原産のテリアなのです。
01ジャックラッセルテリア
可愛らしい容姿から家庭犬として人気のジャックラッセルテリアですが、犬種名が確定されるまで複雑な経緯をたどっています。イギリスで、フォックステリアブリーダーの父と呼ばれ、イギリス初のケネルクラブの創設メンバーでもあるパーソン・ジャック・ラッセル牧師によって作出された犬種がパーソンラッセルテリアです。
このパーソンラッセルテリアがオーストラリアに渡り、ジャックラッセルテリアと名付けられたのです。両者の違いは、体調と脚の長さで、それ以外はほぼ同等のスペックとなっています。ジャック・ラッセル牧師は、猟犬と一緒に狩りができ、キツネが住む狭く細い巣穴やトンネルを通り抜けられる柔軟な体を持つフォックステリアとして、ジャックラッセルテリア(パーソンラッセルテリア)を作出しました。
小型獣猟犬の中でも選ばれしエリートともいえる能力を持つジャックラッセルテリア。キツネの小さな巣穴に潜り、キツネを追い出し、逃げようとするキツネに噛みつくまたは噛み殺せるだけパワーを小さなカラダに秘めています。そのため可愛らしい容姿とは裏腹に、噛み癖、吠え癖、家の中でもじっとしていない、攻撃性、呼び戻しがきかないなど、家庭犬としてはしつけのしにくい犬ナンバー1と言われることもあります。
特に、問題視されているのが噛みつきです。獲物に噛みつくことを使役として作出されているため、小型犬とは思えないほど強靭な顎を持っていることが特徴です。また、怖い者知らずで大型犬にも負けない闘争心と強い精神力、そして自己判断能力の高さもジャックラッセルテリアの大きな特徴と言えます。
02ワイヤーフォックステリア
18世紀、イギリスでキツネ狩りが全盛だった時代に作出されたフォックステリアの一種がワイヤーフォックステリアです。テリアの中では珍しく、巣から追い出したキツネを広い野原でハンターやフォックスハウンドと一緒に走ることができる犬種として開発されたました。
キツネと間違われないように、主に白をベースにした毛色と速く走れる足の長さが特徴で、敏捷で好奇心が強く、些細なことにも反応するテリア気質を強く持つ犬種です。人懐っこいですが、警戒心が強く怖いもの知らず、プライドが高い性質のためしつけには苦労するかもしれません。
03エアデールテリア
キングオブテリアと呼ばれテリア種の中で一番大きなカラダを持つエアデールテリア。イギリス、南ヨークシャー地方のエア川にある渓谷(デール)で、かわうそ猟に適したテリアを作出しようと水辺での作業が得意なオッター・ハウンドと大きめのテリア系の犬を交配して誕生した犬種がエアデールテリアです。その後、さらにアイリッシュテリアなどのが育種に加わり、現在のエアデールテリアが完成したと考えられています。
当初は、ウォーターサイドテリア、ピングリーテリアなどと呼ばれていましたが、1878年、地名にちなんでエアデールテリアと名付けられました。飼い主に忠実で賢い性格で、作業能力に非常に優れていたため、警察犬、軍用犬としても活躍しています。明るく活発な性格のエアデールテリアですが、プライドが高く独立心が強い面があります。また、頑固、気難しい、興奮しやすい、気が強いなどテリアならではの性格も持ち合わせていますが、高い知能と勇敢さが魅力です。
04ウエルシュテリア
容姿がそっくりなことから、小型のエアデールテリアと思われることも多いウエルシュテリアですが、最も古い純血種のテリアの1種で、発見された当初からほとんど変わらない容姿がそのことを物語っています。
ブラックアンドタンテリアを基礎犬として小型の猟犬として作出されたウエルシュテリアですが、当初、同じ種類の犬がオールド・イングリッシュブラックアンドタンテリアとしても登録されていたため、ウエールズの人たちによって犬種クラブが設立されウエルシュテリアに統一されました。
テリアの中でも古い犬種であるウエルシュテリアのはっきりとした誕生の経緯は不明ですが、19世紀にウエールズ地方の高山や深い渓谷でキツネやアナグマ、カワウソを見つけ、しとめるオールラウンドに働く犬として育種された考えられています。猟犬と共に追いつめた獲物を小さな穴や巣穴に追い込み、とどめをさす「ストッパー」と称されるウエル・シュテリアですが、陽気で明るく、好奇心旺盛かつ勇敢な性格を持ちながら、テリア種の中で最も穏やかな性格であることが特徴です。
05ノーフォークテリア
テリアの中で最小のグループに属するノーフォーク・テリアは狩猟犬として優れた能力を持つ犬種です。20世紀初頭ロンドンの北に位置するノーフォーク郡の東にある町ノーリッチで、げっ歯類などの小動物やキツネを追う狩猟欲が強く背が低い猟犬として作出された犬種がノーフォークテリアとノーリッチテリアです。
テリア種の中で最小サイズのノーフォークテリアとノーリッチテリアは、元来同一犬種として登録されていましたが、イギリスのケネルクラブによって、立ち耳をノーリッチテリア、垂れ耳をノーフォークテリアと別犬種として登録されました。
小さな体からは想像ができないほど勇敢で警戒心が強く、また独立心の強さが特徴です。いたずらっ子なテリアらしい活発さがあるため、運動不足は大きなストレスとなります。どちらもテリア気質を強く持っているため、小さいながら元気いっぱいで、物怖じしない性質が特徴です。
スコットランドのテリア
イギリスの最北端に位置するスコットランドは、山岳地帯であり渓谷や湖が点在する自然豊かな国です。高地や険しい谷でキツネやカワウソなど地中の獲物を狩るワーキングドッグとして働いていた犬がスコットランド原産のテリアです。
現在では、以下にご紹介する3犬種に加えスカイテリアがスコットランド原産のテリアとして登録されていますが、19世紀頃には全てスコティッシュテリアと呼ばれていました。時代や使役の目的とともに、独自の容姿と特徴を持つ犬種として改良されていったと考えられています。
06スコティッシュテリア
スポーツブランドはじめ数々のブランドでアイコンに使用されている犬種がスコティッシュ・テリアです。スコッティの愛称で知られるスコティッシュ・テリアは、イギリス西海岸にあるスカイランドの土着犬であることからスコティッシュテリアと名付けられました。短い足でちょこちょこと歩く姿は可愛らしいですが、キツネやアナグマを狩るためにスコットランドの高地で作出されたイギリス固有の最も古い犬種です。
テリア気質が非常に強く、自分よりも大きな動物にも勇敢に向かっていく粘り強さから「ダイハード」の異名を持ちます。賢く、勇気があり、独立心旺盛で自信にあふれた性質で、狩猟本能が強く短足ながら早歩きすることが特徴です。その他のテリアと同様にテリア気質を強く持っていますが、攻撃性は比較的少なめです。
07ウエストハイランドホワイトテリア
ウエスティの愛称で親しまれている真っ白な被毛と大きな瞳が魅力的なウエストハイランドホワイトテリアは、スコティッシュテリアとともに、さまざまなブランドのアイコンに起用されているスコットランドを代表するテリアです。
見た目の可愛さとは裏腹に、小さいながら筋肉質な体を持ち、独立心が強くテリアらしいマイペースな気質が特徴です。スコットランド北西部でネズミ捕りの犬として作出されウエストハイランドホワイトテリアは、白いケアーンテリアが基礎犬であると考えられています。
ぬいぐるみのような可愛さを持ちながらも勇気とタフさを兼ね備えた性質で、動くものは何でも追いかけたいという探究心の強い犬種です。また、小さいながら運動が大好きで体力もあることからアジリティなどを一緒に楽しみたい飼い主に向いています。
08ケアーンテリア
ノーリッチテリアと混同されることもあるケアン・テリアは、スコットランドの狩猟保護区や農場を巡回していた最古のテリアの1種です。犬種名のケアーンは、げっ歯類が多く住む境界に使用されている石塚をケルンと呼ぶことに由来しています。キツネをはじめアナグマやウサギなどの小動物を巣穴から追い出すために品種改良を重ねて作出されたケアーンテリアは、穴掘りを得意とする好奇心旺盛で警戒心の強い犬種です。
アイルランドのテリア
イングランド、スコットランド、ウエールズとともにイギリスの一地域である北アイルランドは、グレートブリテン島に隣接する壮大な自然を有するアイルランド島の北東部に位置する地域です。古くから犬とともに暮らしていたアイルランドの人々。中でもテリア種は農作業のパートナーとして活躍し、4種類のアイルランド独自のテリア種が作出されています。
09アイリッシュテリア
アイリッシュテリアはアイルランドで最も古い犬種です。アイルランドの平均的な農民とともに暮らしていたアイリッシュテリアは、昼間はネズミ捕りの小型獣猟犬として、また夜には敷地内を巡回する警備犬として活躍していました。使役犬として野生そのままの気質と容姿を受け継いできたアイリッシュテリアは、エアデールテリアにも似た容姿ですが、輝きのあるレッドの毛色が特徴で、たくましく忍耐力がある丈夫な犬種として尊重されています。
10ケリーブルーテリア
アイリッシュブルーテリアとも呼ばれるケリーブルーテリアは、アイルランド南西部のケリー州が原産地です。難破船から泳いでたどり着いた犬が基礎犬になっていると考えられているケリーブルーテリアは、野生動物のハンターとして優れていることはもちろん、エネルギッシュで好奇心旺盛、泳ぐことが得意な犬種です。
小型犬が多いテリア種の中では中型サイズのケリーブルーテリアは、ブラックの毛色で生まれ、18ヶ月齢の頃から成長とともに毛色がブルーに変化するとても珍しい特性を持つ犬種です。また、脚と鼻先に暗い斑点が現れた場合は「ハーレクイン・テリア」と呼ばれます。
国境地域のテリア
18世紀、イングランドとスコットランドの国境の丘陵地帯にある農村では、害獣であったキツネを狩るために力強く機敏なテリア種が作出されていました。これらのテリア種は、太古の昔から山岳地帯を走り回る屈強なテリア種を基礎犬に開発されたと考えられています。
この国境地帯でワーキングテリアとして作出されたテリア種は4種類で、キツネ狩りの役割を持つボーダーテリアとレイクランドテリア、また同一犬種から目的別に作出されたペドリントンテリアとダンディ・ディンモントテリアがいます。
11ボーダーテリア
カワウソにそっくりな頭部を持つボーダーテリアは、足の長いワーキングテリアからキツネの巣穴の中でも簡単に方向転換できるよう細く長い小型のテリアに改良されて誕生したテリア種です。
ボーダーテリアの役割は、柔らかい土の中の巣穴からキツネを追い出すことで、場合によっては一晩中でも土の中にとどまることができることが特徴です。日本では見かけることがない犬種ですが、タフで勇敢ながら愛情深い性質です。
コンパニオンドッグ・愛玩犬としてのテリア
テリアの名がつきながら、AKCなどのケネルクラブではコンパニオンドッグとしてグループ分けされているテリアがいます。日本でも家庭犬として人気の高いヨークシャテリアは、コンパニオンドッググループ、また愛玩犬グループに分類されている犬種がボストンテリアです。
12ヨークシャテリア
長くシルキーで美しい被毛のヨークシャテリアは、ヨーキーと呼ばれ多くの人から愛されている犬種です。小型タイプのテリアの中では最も魅力的な犬種として人気の高いヨークシャーテリアですが、誕生の経緯は不明です。
19世紀にスコットランドからヨークシャーにネズミ捕りの犬として持ち込まれたブロークンヘアード・スコッチ・テリアとヨークシャー原産のウォーターサイド・テリアが基礎犬となり、オールドイングリッシュ・ブラック・アンド・タンテリア、ラフコート・イングリッシュ・テリア、スカイテリア、マルチーズなど数種類のテリアが育種に貢献したと考えられています。
その美しい容姿から、多くの人に愛されているヨークシャテリアですが、小さいながら、勇敢でエネルギッシュ、賢く粘り強いテリア気質を持つ犬種です。
13ボストンテリア
アメリカン・ジェントルマンと呼ばれる賢いボストンテリアは、ボステリの愛称で親しまれている人気の犬種です。テリアの名がつきながらも、愛玩犬グループに分類されているボストンテリアは、闘犬から愛玩犬へと品種改良を重ねて作出されたアメリカ原産の犬種です。
ブルドッグとブルテリアの掛け合わせによって中型犬サイズに作出されたボストンテリアですが、家庭犬として小型化が図られ、現在では、超小型犬1タイプ、小型犬2タイプと3タイプのサイズが登録されています。
日本で人気があるのは、ブラック&ホワイトのタキシードカラータイプの小型犬で、フレンドリーで愛情深い性質で、適応力に優れていることから集合住宅での生活にも適しています。また、賢いためしつけも比較的入りやすく、アメリカでは最も人気のある犬種となっています。
狩猟犬のテリア種とは異なるブルテリア種
テリア種は元来、ネズミやキツネなどの小型の害獣猟犬として作出された犬種ですが、俊敏さや勇敢さ、そして攻撃性から闘犬に向く犬種と考えられ作出された犬種がブルテリア種です。13世紀からイギリスで人気を博していた娯楽の一つに闘犬があり、より強い闘犬を生みだすためにブルドッグとテリアの交配が行われたのです。
現在、オリジナルのブルテリアの他にミニチュアブルテリア、スタッフォードシャーブルテリア、アメリカンスタッフォードシャーブルテリアと4種類のブルテリア種があります。
14ブルテリア
闘犬が禁止された19世紀半ば、ブリーダーのジェームズ・ヒンクス氏に見いだされた一頭のブルテリアから、現在の家庭犬としてのブルテリアが生み出されたため、イギリスでは現在のブルテリアをジェームズ・ヒンクス種と呼び、闘犬タイプのブルテリアと区別されています。
独特の卵型の頭部を持つブルテリアの誕生には、絶滅種であるイングリッシュホワイトテリア、ホワイトブルドッグ、ダルメシアンが主に関わっています。
闘犬としてではなく、ショードッグとして作出された真っ白なホワイトブルテリアは、遊び好きでフレンドリーながら頭脳派の一面を持つ犬種です。現在では、白の他にブリンドルやレッドなど有色の毛色も認められています。
イギリス国外で開発されたテリア種
テリア種は16世紀にイギリスで誕生した犬種です。イギリスで誕生したテリアは、すべてオールドイングリッシュホワイトテリアとオールドイングリッシュブラックアンドタンテリアを基礎犬として、ネズミやキツネ狩りの猟犬として作出されています。そんなイギリスで誕生したテリアは、帆船に乗り世界中へと渡りました。中でも、オーストラリアには多くのテリアが上陸し、ミニフォクシーと呼ばれ人気の犬種となったのです。そして、オーストラリア各地域に根付いた犬種へと改良され、現在では3犬種が登録されています。
15オーストラリアンシルキーテリア
ヨークシャーテリアと見違えそうなほどそっくりな外観のテリアが、オーストラリア原産のオーストラリアンシルキーテリアです。ヨークシャーテリアより大きく、オーストラリアンテリアより小さなオーストラリアンシルキーテリアはシドニーテリアとも呼ばれ、オーストラリアのブリーダーによって、オーストラリアンテリアとヨークシャーテリアを交配して作出されました。
小さいながらもテリア気質を強く持つため、小動物には敏感で勇敢でエネルギッシュ、用心深い性質が特徴で番犬としても活躍できます。また、明るく飼い主に忠実な性質で学習能力が高いことからテリア種の中ではしつけがしやすい犬種とされています。
テリア犬種を飼う際に気をつけたいポイント
穴の中に住む小動物専門の狩猟犬として作出されたテリアは、小型犬ながら自分の体より大きな動物を仕留めることを使役としているため、テリア気質と呼ばれる勇敢で好奇心旺盛、気の強い一面がある性質が特徴の犬種です。
見た目の可愛さから家庭犬として人気がありますが、どの犬種も狩猟犬としての本能を強く持ち、気が強く頑固な性質が特徴のため、甘やかしてばかりでは問題犬となる可能性があります。また、気の強さに加え攻撃性も高いため、噛みつきには特に注意が必要です。
テリアの飼育のポイント!テリアの上手なしつけの方法。
小さいカラダながらエネルギー溢れるテリアは、運動欲求の高い犬種です。運動不足になると、いたずらや噛みつきなど、ストレス発散の対象を飼い主や周囲の人に向けてしまいます。そのため、朝夕の十分な散歩だけではなく、ドッグランなどで自由運動をさせることや大好きな穴掘りができる環境を作ることが大切です。さらに、噛みたいという本能を満足させられるように、かんでも良いオモチャを与えるなどして、ストレスを溜めない生活環境を作ってあげましょう。
どの犬種にも言えることですが、特に狩猟犬の性質を色濃く残すテリアをしつけする際には、リーダーシップをしっかりと発揮することが必要です。学習能力の高いテリアなので、飼い主をリーダーとはっきり認識できれば、信頼関係を構築することができ、良きパートナーとなります。