【埼玉で保護犬に出会える場所】動物愛護も学べる「さいたま市動物愛護ふれあいセンター」に訪問してきました

【埼玉で保護犬に出会える場所】動物愛護も学べる「さいたま市動物愛護ふれあいセンター」に訪問してきました

Stand by you.

飼い主さんが不安になると、ワンコも不安。飼い主さんが笑えば、ワンコも嬉しい。そんな風に飼い主さんとワンコの気持ちは連動しています。

「Stand by you」では、飼い主さんの小さな不安や心の揺らぎに寄り添い、飼い主さんと様々なお悩みを共有しながら、ワンコの幸せ・ご家族の幸せを一緒に考えていきたいと思います。

飛彈 樹里さん

イヌマニック代表。ドッグマインダーとして、ドッグトレーニング、食事・ヘルスケア、シッティング、介護・グリーフケアのトータルドッグケアサービスを通して、パピー期からシニア期のライフステージやそれぞれのご家族に合わせたサポートに取り組んでいる。

保護犬について新しい家族を迎え入れる際に考えたい「保護犬」という選択肢

前回のStand by you 05では、愛犬の別れとの向き合い方についてお話しましたが、今回は、新しいワンコを家族にお迎えしたいと考えている方と一緒に、「保護犬」という選択肢について考えてみたいと思います。

以前に比べ、「保護犬 」の存在を知る機会が多くなりましたが、動物愛護センターに行かれたことがある方はどのくらいいらっしゃるでしょうか?

最近では保護犬の譲渡会や保護犬と出会えるカフェなどが増えたこともあり、『次にワンコを家族に迎え入れるなら、保護犬を迎えたい』というお声を聞くことも増えました。保護犬や保護活動に関心を持って身近に考えていただけることは、保護・譲渡に関わる一員としては嬉しく思います。

一方で、動物愛護センターに対しては、まだまだハードルが高いという声も少なくありません。各地の動物愛護の拠点でもある動物愛護センターは何らかの事情で保護された動物が収容される場所だけでなく、様々な情報が集まる場所でもあり、保護犬に関心がある方には、自治体の動物愛護センターを「学びの場・出会いの場 」として活用して頂くこともおすすめ致します。

今回、私たちはさいたま市動物愛護ふれあいセンターを訪問し、職員の皆さんから詳しいお話を伺ってきました。これから保護犬を家族にと考えている方はもちろん、現在ワンコと暮らしている皆さんに愛護センターの役割やセンターにいる動物たちのことをお伝えしていきたいと思います。

さいたま市動物愛護ふれあいセンター動物愛護センターは、動物愛護を学べて、保護犬にも会える場所

犬の見学には事前連絡と譲渡前講習の受講が必要です。

自治体が運営する動物愛護センター は少し暗くて怖い、足を踏み入れにくい場所、そんなイメージをお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。今回訪問のさいたま市動物愛護ふれあいセンターは平成18年に開設され、第一に「動物愛護の普及啓発」を目的に掲げていることもあり、ワンコをモチーフにしたかわいい入口がお出迎えしてくれます。センターのエントランスも明るくてどなたでも訪問しやすい雰囲気で入口のかわいさやエントランスの壁画に思わず足を止めて見入ってしまいました。

2階の展示コーナーでは小さなお子さんをはじめ、幅広い年代の方でも分かりやすく学べる工夫があり、犬や猫の習性はじめ動物愛護に関するパネル展示の他、ボタンを押すと内容ごとに人形が切り替わる操作卓や図書コーナーも併設され、間近で見ながらワクワクの連続でした!火~土曜日の13時~15時は一般開放されているので、楽しみながら知識を身につけたい方やお子さんがいらっしゃる方にもぜひオススメしたい場所です。

施設の名称に「ふれあい」という言葉が入っていることからも分かるように動物とのふれあいを重視しておられます。現在は犬猫の収容頭数が少ないなどの理由でモルモットのみになっていますが、ご関心をお持ちの方はホームページをご確認ください。

埼玉県で保護犬の里親に保護犬を家族に迎え入れるために
〜さいたま市の場合〜

動物愛護センターから保護犬の譲渡を受けるには、各自治体が定めた条件があります。

さいたま市から犬を譲り受けるには、

  • 主に飼育する人は市内在住の20歳以上、概ね65歳以下であること。
  • 同居家族全員の同意を得ていること。
  • 飼育可能な環境であること。
  • センターで開催する譲渡前講習会を受講すること。
  • 不慮の事故などの場合や飼い主が終生飼養できなくなった場合に、代わりに飼い主となる「飼養引受人(家族・親族など)」から同意の署名が得られること。

などが飼い主となる私たちに求められます。

もちろん法令に則った畜犬登録や狂犬病予防注射、鑑札と注射済票を首輪につけることや、不妊・去勢手術を施すこと、十分な世話、しつけ、健康管理などを行い終生、適正飼養できること、ルールとマナーを守ることなども定められています。詳細はホームページをご確認ください。

これらの条件は自治体により異なりますので、保護犬の譲渡を希望される方はお住まいの自治体の情報を確認ください。

埼玉県で保護犬の里親に現在、センターに収容されている保護犬は1頭

取材当日、譲渡可能な犬はさいたま市にはいませんでした。センターができた直後の2008年度には年間461頭の犬がセンターに収容されていましたが、犬はリード等に繋いで飼うなど飼い主さんの意識の変化や民間ボランティア団体の活動、自治体の様々な取り組みにより、昨年2022年には収容頭数が39頭にまで減少されました。

またこの年は31頭が飼い主さんの元へ戻ることが出来たそうです。マイクロチップが装着されていたり、首輪などに鑑札や注射済票、迷子札などが付けられていればスムーズに飼い主さんに連絡ができるのですが、上記のような身元が分かるものが無い犬が大半とのことでした。

どのように飼い主さんを見つけているのかとお聞きしたところ、さいたま市では迷子犬を飼い主さんの元へ戻すためにホームページや役所の掲示板などに情報を公示する一方、犬が発見された近辺で同じ犬種や性別の犬を飼っている方に1本1本電話をして「ワンちゃんはお家にいますか?」とたずねるなどの努力をセンターの職員さんが行っており、1秒でも早く飼い主さんの元に戻れるよう手を尽くされています。

このような地道な対応をされていることに、1飼い主としても迷子対策の重要性を改めて強く感じました。

取材当日、さいたま市では譲渡可能な犬はいませんでしたが、センター内には1頭の犬がいました。金太郎という仮の名前がつけられたオスの柴犬です。2ヶ月ほど前に保護されましたが、足の靱帯が切れていて、センター内での処置だけでは難しいため、近隣の協力病院へ通いながら治療を継続しているとのことです。

さいたま市のセンターでは、収容される頭数が少なくなったことで、1頭1頭に必要な時間等をかけてケアすることが可能になったとお話くださいました。獣医師の資格を持つ職員さんはじめ、施設の職員皆さんが、人と動物の共生のために日々努力されていることがお話からも伝わってきました。

初対面でも穏やかで笑顔がキュートな金太郎はとても人に慣れていて、ここに来る前は人と暮らしていたのだろうと思われます。怪我の治療が終わり次第、新しい飼い主さんの募集を始めるそうです。さいたま市にお住まいの方で、ご興味のある方はセンターのホームページをぜひご覧になってくださいね。

「保護犬」を増やさないために、今日からできることを

うちの子を保護犬にしないためにワンコと暮らしている皆さんが今日からできることがあります。是非、金太郎くんのような子を増やさないために、そして、迷子になってもおうちにちゃんと帰れるように、対策をしていきたいですね。

さいたま市の保護犬の現状気になるさいたま市の犬の殺処分頭数は

センターが開設された直後の2008年度には収容される頭数が今よりはるかに多かったこともあり、年間226頭もの犬が殺処分されていました。理由は様々ありますが、回復の見込みがない病気などにより動物の苦痛が長引いている、治療見込みのない感染症にかかり他の動物へ感染させる恐れがある、安全を確保できないほどの強い攻撃性があり、市民への譲渡が不可能などの理由によるものでしたが、2020年以降、犬の殺処分頭数はゼロを継続されています。ただし、殺処分ゼロを目指しているが上記のような犬が収容されれば、動物福祉上の観点から行うこともあり得るとおっしゃっていました。

現在、さいたま市では薬剤を用いて動物たちが苦痛なく眠りにつくような方法を行なっていますが、処分される頭数が多かった時代には「ガス室」も使っていたと装置が設置されている施設にもご案内頂きました。ガス室を見る機会は初めてではありませんでしたが、いつも思うことはこの場で2度と命が失われることがないこと。このことを切に願っています。

現在、ガス室が使用されていないのに装置が置かれていたのが気になったのですが、実は大切な理由がありました。それは、万が一 「狂犬病 」が発生した時のためです。致死率ほぼ100%の狂犬病の対応には装置の稼働が必要になるようで、その為に定期的なメンテナンスも行われているそうです。感染症が多い今の時代、「狂犬病」の予防も飼い主の責任としてしっかり行う事が「処分機」と呼ばれる装置を稼働させないためにも大切ですね。

動物愛護ふれあいセンターさんからのメッセージ保護犬のために何かしたいと考えてくれる皆さんへ

最後にセンターの職員さんからワンコnowaをご覧になっている皆さんへのメッセージをいただきました。『保護犬のために何かしたいという方には、まずはご自身が一緒に暮らしている愛犬の面倒を一生みていただくことをお願いしたいです。また周囲の人たちから見て素敵な飼い主さんとワンちゃんだと思ってもらえるようにマナーを守って楽しく生活してください。』とのことでした。

愛犬を家族の一員として愛情を注ぎ、その一生涯を責任を持って飼養することが大切なのはもちろん、1人1人が「適正飼養」を自分ごととして考え、グッドオーナーを目指して実践することが幸せなワンコを増やし、保護犬を増やさないことにも繋がるということですね。

また、これから飼う方には「この先十数年、自分の生活環境が変わっても必ず一緒にいるという覚悟を持って迎えて欲しいです。それでも万が一のこと、災害や自身の体調変化など、が起きた時にどうするのかを考え、備えておいて欲しい。」「特に災害対策については自治体も様々な啓発資料を作っているので、改めてチェックしてください。」と大切なメッセージをいただきました。

私自身も終生飼養、適正飼養を昔も今も変わらず大切にしながら活動しています。収容されていた金太郎くんのように、身元が分かるもの=所有者明示がないために飼い主さんの元に戻れないワンコを目にすると「飼い主としての責任(飼養者の責務)」 を一人でも多くの飼い主さんに知っていただき、実践していただけるような取組みをこれからも継続し、更に広めていきたいと思います。

Stand by you.をお読みいただいている皆さんに今回の記事を通して自治体の動物愛護センターの役割を知っていただき、また、新たにワンコを家族として迎えたいと考えている皆さんには、ワンコと出会う選択肢の1つとして施設にいる保護犬の情報収集や足を運んでいただくきっかけとなりましたら嬉しく思います。

動物愛護センターのイメージが変わるような細部まで親近感を感じる開かれた施設でした。動物愛護について学びたい方、保護犬を家族に迎えたい方は、機会があれば是非一度足を運んでみてはいかがでしょうか?

さいたま市動物愛護ふれあいセンター

開館時間
8時30分から17時15分
休館日
日曜日、月曜日、祝日、年末年始

保護犬を家族にと考えている皆さんへ保護犬を家族に迎えることへの不安について

保護犬を家族に…と考える方にとって、「迎えたいけれど不安がある」と伺うこと機会があります。

よく伺う内容として…

  • 今まで過ごしてきた環境がよく分からない
  • 人馴れするのかな?
  • 攻撃性がありそう
  • 健康かどうか分からない
  • 成犬や老犬はトレーニングができない

など様々です。

保護犬もそうでないワンコも不安を感じることは実は同じですし、どちらも同じ「犬」に変わりありません。ただ、保護犬に対して特にそう感じるのは、「保護犬」に対して抱いているイメージが知らぬ間にフィルターとなり、その事で様々な不安を重ねてしまっているのかもしれません。

一緒に暮らしていく中で、最初から順風満帆にすべてが思い通りにいくことはそう簡単ではないですよね。同じ共通語を持った人同士であっても初めからすべてがうまくいくことは滅多にないと思います。
もし、不安に感じている場合にまず行って頂きたいことは、「何に対して不安を感じているか」を1つずつ整理してみることです。
対策を取ることでクリアできるのか、それとも難しいのかが見えてくると思います。そうすることで、保護犬とのとの暮らしをよりイメージできることにもなるでしょう。

保護団体や愛護センターから保護犬を迎える場合には、不安に感じていることをぜひ相談してみて下さい。

保護犬に関わる側からのアドバイスやサポートは、不安を感じている方にとっては心強い味方になってくれますし、一緒に考えていくことで保護犬との暮らしが一歩近づいたり、コミュニケーションを深めていくことにも繋がっていくでしょう。

『質問をしたり不安を打ち明けたりするのは申し訳ない・・・』と感じるようでしたら、全くそんなことはありません!サポート側の目線で考えた時、こうした不安を打ち明けて頂き、一緒に考えていけることも大切なプロセスですし、サポート側の大事な役割だと思っています。

また、保護犬との暮らしでは「結果を急がないこと」も大切です。最初にいた環境から保護施設や預りさんのご自宅、そして希望者様のご自宅へと短期間の中で環境が目まぐるしく変わることは、私たち以上に保護犬自身も不安がいっぱいです。

心地よく落ち着ける場所を作り、私たちが安心できる存在になれるよう、その子のペースで焦らずじっくり向き合っていけるといいですよね。『今まで辛かった分、楽しい経験をたくさんさせてあげたい!』『早く慣れてほしい!』などとつい気持ちが前のめりになりそうですが、ゆっくりと絆を深めていくことを最優先していくことで、不安や怖さを感じていたことが少しずつ軽減することにも繋がっていきます。

気になる保護犬の性格や普段の過ごし方、すきなことやちょっとニガテなことなどを事前に伺っておくのもお互いにとっての安心材料になるのでおすすめです。

不安に感じるということは、それだけ真剣に考えているからこそ。
気負いすぎずその子自身のありのままを受け入れ、寄り添いながら「家族」になっていって下さいね。皆さんのハッピーなワンコライフを心より応援しています!

Photo Thanks!

ぷっちくん

@peki.putchikun

今回、お写真提供してくれた、元保護犬ペキニーズのぷっちくん。とても幸せそうな笑顔に癒されます。一頭でも多くぷっちくんのような幸せさんがふえますように。


飛彈さんにご相談したい方大募集!

うちの子の「早食いを治したい!」「怖がりを治したい!」「お泊りでも眠れるようになりたい」などなど…そんな飼い主さんの願いを叶えるお手伝いを飛彈さんと一緒にお手伝いしたいと思います。

飛彈さんにご相談したい方は、お気軽にワンコnowa公式インスタグラムのDMからご連絡ください!

実施方法
直接対面 or オンライン(直接対面の場合:東京原宿)
日程
平日のみ

「Stand by you.」へのご感想やご意見、ご質問も受け付けております。ワンコnowa公式サイトのお問い合わせか、公式インスタグラムのDMからお気軽にお送りください。

参考リンク

Inumanic 飛彈樹里さんに愛犬について相談したい方はホームページをご確認ください。

Contact

ワンコnowa広告掲載の
お問い合わせ

ワンコnowaへの広告出稿・プロモーションなどのご相談は
こちらからお問い合わせください。

この記事に関連するタグ

今、読んでほしい記事

PAGE TOP

  1. TOP
  2. ワンコ記事nowa
  3. 【埼玉で保護犬に出会える場所】動物愛護も学べる「さいたま市動物愛護ふれあいセンター」に訪問してきました