ボルゾイの基本データ
原産国 | ロシア |
---|---|
サイズ | 大型犬 |
犬種グループ | サイトハウンド(視覚獣猟犬) |
飼いやすさ・しつけのしやすさ | 中級 |
運動量 | 高 |
トリミング | 必要 |
ブラッシング | 週1回程度 |
お散歩 | 1日2回×1時間程度 |
飼育費用 | 月1〜3万円程度(医療費別途) |
かかりやすい病気・怪我 | 胃捻転、外耳炎、眼疾患 |
ボルゾイの歴史
ロシアン・ウルフハウンドと呼ばれていた時代があり、1936年にボルゾイ(ロシア語で俊敏さを意味する)という正式名称がつけられました。
絶滅したラップ・スレッド・ドッグとコリーの間に生まれた犬が祖先とされており、ロシア貴族の元でオオカミ狩りとして活躍していました。
ボルゾイの性格と特徴・飼いやすさ
ボルゾイは大型サイトハウンドに分類されていますが、物静かでおとなしい性格から家庭犬としてでも飼育できると言われています。飼い主にはもちろん子供などにも優しく対応でき、寄り添ってくれるでしょう。
また頭も賢く、しつけをするにもそんなに苦労はかからないですが、感受性が非常に鋭く神経質な子も中にはいるため、そういった子にはしつけの仕方にも工夫が必要になるでしょう。
無駄吠えなども少なく穏やかなため屋内での飼育も問題ないですが、体が大きいためそれなりのスペースを用意してあげましょう。
ボルゾイの被毛と種類
ボルゾイの被毛は柔らかくしなやかで、ウェーブや短いカールがかかっていたりなど個体によりさまざまです。またブルーとブラウンの2色を除いたあらゆるカラーの組み合わせが認められており、毛色は多色にわたります。
カラーのバリエーションは下記のように多岐にわたります。
- ホワイト
- 様々な色調の淡い色(レッド・フォーン、グレー・フォーン、シルバー・フォーン・淡いライト・グレーなど)
- 毛の根元は明るいレッド、もしくは明るいグレーで地色はよりダークなレッドもしくはグレー。レッドの地色にブラックのオーバーレイ
- グレー(灰色から黄色がかったグレー)
- ブリンドル
- レッド
- ブラック
- レッドとブラック間の移行色
白が人気
白やグレー、ブラックなどブルーとブラウン以外の毛色は全て存在します。その中でも人気なのが白ベースでグレー、レモン、ブラック、クリームなどの斑点模様が入った毛色です。
ボルゾイの大きさ・平均体重
後ろ脚で立つと人の肩まで届く大きな体格をしていますが、速さを求められた犬種なため体重はそれほど増えません。
細く引き締まった流線型ボディが特徴的で、筋肉質で丈夫な骨格を持ちますが重量感はそれほどありません。
性別 | ボルゾイの体重 | ボルゾイの体高 |
---|---|---|
オス | 35〜45kg | 75〜85cm |
メス | 27〜40kg | 68〜78cm |
ボルゾイの平均寿命と人間年齢
ボルゾイの平均寿命は10〜12歳と言われており、人間に換算すると65歳前後になります。大型犬は体の割に内臓が小さく、そのため内臓への負担が増えるため小型犬などより短命であると言われていますが、ボルゾイはその大型犬の中でも特に短命になります。
中には15歳まで生きたボルゾイもいるため、高温多湿が苦手なため温度管理を徹底したり、ストレスを極力与えないような生活を心がけ、長生きにつなげましょう。
ボルゾイの人間に換算した場合の年齢は下記の表をご参照ください。
犬の年齢 | 人間に換算した年齢 | 成長ステージ |
---|---|---|
3か月 | 4歳 | 子犬 |
6か月 | 7歳半 | |
9か月 | 11歳 | |
1歳 | 16歳 | |
1歳半 | 19歳半 | |
2歳 | 23歳 | 成犬 |
3歳 | 28歳 | |
4歳 | 33歳 | |
5歳 | 38歳 | |
6歳 | 43歳 | シニア犬 |
7歳 | 48歳 | |
8歳 | 53歳 | |
9歳 | 58歳 | |
10歳 | 63歳 | |
11歳 | 68歳 | |
12歳 | 73歳 | |
13歳 | 78歳 | |
14歳 | 83歳 | 高齢犬 |
15歳 | 88歳 |
ボルゾイがかかりやすい病気や怪我
胃捻転
胃がねじれることでガスが溜まってしまいショック状態に陥る病気です。大型犬での発症が多く、命に関わる病気なため発症した際は早急な処置が必要になります。
ご飯の一気食べ、水のガブ飲み、食後すぐの運動などが原因とされており、発症するとよだれ、空ゲップ、お腹の膨張、元気消失などの症状が現れます。
このような症状が見られたらすぐに病院へ行きましょう。
外耳炎
ボルゾイは垂れ耳なため耳の中が蒸れやすく、外耳炎にかかりやすくなっています。
夏場は特に蒸れやすいため注意が必要です。耳を頻繁にかく、頭を振る、耳を床にこすりつけるなどの症状がある場合は外耳炎の可能性が高いため病院で診てもらいましょう。
耳の中の毛を抜く、耳周りの毛を刈る、定期的な耳洗浄を行うなどで避けることができるため日常的なケアが必要になります。
眼疾患
ボルゾイは眼疾患にかかりやすいと言われており、その中でも「非加齢性白内障」「進行性網膜萎縮症」に注意が必要です。
どちらも視力が低下してしまう病気なため、早期発見が大事になります。しかし非加齢性白内障は目薬などで進行を遅らすことができますが、進行性網膜萎縮性は治療法がありません。
なので発症してしまうと視力が落ちてしまうことは避けられません。視力が落ちてしまった際は、家具などを動かさない(見えていた頃のままを維持)、怪我しそうな角などは保護するなど生活しやすくサポートしてあげましょう。
ボルゾイとアフガンハウンドとの違い
ボルゾイとアフガンハウンドはどちらもサイトハウンド犬であり大きさや細長い体など似ている部分もあり、どちらも歩いていると目を引く美しい外見をしており、なにが違うのか?と疑問に思ったこともあるのではないでしょうか。
違いといえばまず被毛の違いです。ボルゾイよりアフガンハウンドの方が長毛であり、足回りの毛も長いのが特徴です。どちらも美しい被毛を保つためにはお手入れは欠かせないでしょう。
また穏やかで人懐っこい性格のボルゾイに比べ、アフガンハウンドは一人が好きでプライドも高いと言われています。そのため子供がいる家庭などにはボルゾイが向いているでしょう。
大型犬に絶対必要なのが訓練ですが、どちらも賢くあまり時間はかからないでしょう。ですがアフガンハウンドは束縛や強制を嫌う一面もあるので、ボルゾイよりも根気や工夫が必要になるでしょう。
ボルゾイの飼い方・飼う際の注意点
ボルゾイの飼い方・飼う際の注意点 1子犬の頃からしつけをしましょう
子犬のときはいたずらでやんちゃな部分が見えるでしょう。遊ぶ時としつけをする時のオンオフをはっきりし、しつけの際は集中させることが大切です。成犬になった際、体が非常に大きくなるため力では勝てなくなるため、しつけをしっかり行い飼い主の指示に従うようにしておくといざという時も安心でしょう。
ボルゾイは感受性が非常に鋭く、神経質な子も中にはいるため、体罰や怒鳴るといったことは絶対にNGです。できないから怒るのではなく、できた時に褒めるといったように、次もしたくなるようなしつけの仕方が良いでしょう。飼い主が全力で褒めてあげるのもいいですが、おやつなどを併用するとより効果的です。
ボルゾイの飼い方・飼う際の注意点 2十分な運動量が必要
ボルゾイが必要とする運動量は非常に多く、毎日の散歩は欠かせません。散歩の理想は1〜2時間程度を1日2回程度になります。
また散歩以外にも定期的にドックランなどで全力疾走させてあげることも大切です。フリスビーやボール遊びなども良いでしょう。俊敏なため時速50kmの速さで走ることができ、一度走り出すと人間の力では追いつけません。そのため脱走などには十分に注意しましょう。マイクロチップを入れたり、首輪に迷子札をつけるなどの対策をしておくと安心です。
ボルゾイの飼い方・飼う際の注意点 3散歩中の猫や鳥には要注意
ボルゾイはサイトハウンドに分類されているだけあり、非常に視力が良く、視力を頼りに狩りを行っていました。そのため散歩中などに、猫や鳥などと遭遇し獲物と認知してしまうと、狩りのモードに入ってしまうことがあります。いきなり走り出したりしてしまうため、飼い主の転倒やそのまま迷子になってしまうことも。
そうならないために、子犬の頃から猫や鳥など違う動物にも慣らしたり、制止するしつけを徹底するなどしておくと良いでしょう。
ボルゾイの飼い方・飼う際の注意点 4定期的にブラッシングを
ボルゾイは毛艶が綺麗なダブルコートの被毛をしています。そのため抜け毛が多く、毛玉にもなりやすいため定期的なブラッシングをしましょう。週に1回、換毛期などでは週2〜3回程度行うと良いでしょう。
またブラッシングはコミュニーケーションやボディチェックのいい機会になるので信頼関係の構築や病気の早期発見などにもつながります。ブラッシングと共に月1回程のシャンプーもしましょう。体が大きいため自宅でのシャンプーが難しい場合はドッグサロンに連れていきプロにお任せすることもできます。
ボルゾイの飼い方・飼う際の注意点 5落ち着ける空間を作ってあげましょう
感受性が非常に鋭いため、神経質な子が多く気配や物音に敏感です。そのため静かな落ち着ける空間にベッドなどを置いてあげましょう。
窓際や人の出入りが多いところなどでは落ち着けず、ストレスになってしまうこともあります。ドーム型のベッドや小屋タイプなども、覆われていることから安心感につながるためおすすめです。
ボルゾイの値段・価格の相場
ボルゾイの子犬の値段相場は約25万円前後です。チャンピオン犬の親を持つ子犬は大幅に上がり、約50万円前後にもなる傾向があります。
参考:みんなのブリーダー
ボルゾイをお迎えする方法
ボルゾイを家族としてお迎えする際の2つの方法を紹介します。
ブリーダーさんからお迎えする
ボルゾイ専門の優良ブリーダーをネットなどで検索してみましょう。ブリーダーから子犬をお迎えする場合は両親が明らかなので、毛色や体格、性格などがわかるメリットがあります。
また、お迎え後もブリーダーさんに困った時に相談ができたり、兄弟犬の輪が広がったりとサポートしてもらえる繋がりがもてるのも心強いポイントです。
保護犬のボルゾイを探して里親になる
動物保護施設や動物愛護ボランティア団体などでは、繁殖犬を卒業して保護された子や、飼い主の事情で手放されて保護されているボルゾイを見つけることができるかもしれません。事前にサイトやSNSなどで探してみるのがおすすめです。
まとめ
歩いているだけで一目を引く、美しい外見を持つボルゾイ。性格も穏やかで争いを避ける傾向があるので体が大きい割には飼いやすい犬種だと言えます。
また神経質な一面も持つので、極力ストレスを与えないようサポートしてあげましょう。
子供に対しても優しく愛情深く接しますが、体が大きいため子供と接する場合は飼い主が見守ってあげることをおすすめします。