長い身体と短い脚がチャーミングポイントのダックスフンド。
長い鼻とつぶらな瞳も魅力で、一度虜になってしまうと抜け出せない可愛さのある人気の犬種です。
原産国はドイツで、ドイツ語でアナグマを意味する「ダックス」と、犬を意味する「フンド」に由来すると言われています。19世紀になり「ミニチュア・ダックスフンド」が誕生するとその可愛らしさからペットとしても愛されるようになりました。
犬の血統書の登録や発行などをおこなっているJKC(ジャパンケネルクラブ)が毎年発表している「2023年犬種別犬籍登録頭数」より、小型犬で登録頭数の多い犬種では堂々の3位にランクインするほどの人気があります。
最近ではダックスとチワワと掛け合わせたチワックスや、ダックスとトイプードルを掛け合わせたダップーなど、ダックスと他の犬種を掛け合わせたミックス犬も増えてきましたよね。
ダックスというと一般的には小型犬のミニチュア・ダックスフンドを想像する方が多いかと思いますが、実は3種類の大きさに分けることができるのをご存知でしょうか?
平均体重3.5kg未満で一番小さいサイズがカニーンヘン・ダックスフンド、平均体重3.5〜5kgで真ん中のサイズがミニチュア・ダックスフンド、そして平均体重6.5〜11.5kgで一番大きなサイズがスタンダード・ダックスフンドとなっています。
また、ダックスには「スムースヘアード」「ロングヘアード」「ワイアーヘアード」の3種の毛のタイプがあります。
スムースヘアードは、滑らかで光沢のある短毛が特徴です。毛が伸びることがないため、カットは必要ありません。
ロングヘアードは、長くて細く、緩やかなウェーブがかかっていているのが特徴です。耳に生えた長い飾り毛も特徴的で、胸毛やお尻周りの毛もふわふわと長く生えるため、カットをして整えてあげることができます。
そして最後がワイヤーヘアードで、短くてゴワゴワとした毛質、立派な眉毛とあごひげをたくわえ、凛々しい印象なのが特徴です。ワイヤーヘアードのダックスは、スムースやロングヘアードと比較すると活発な性格の子が多いと言われています。
ロングヘアードのダックスの毛質とは全く異なる独特の剛毛は、藪や小動物の巣穴などに入っても傷つかないように発達したもので、猟犬としての気質が表れています。
ダックスフンドの被毛は一定の長さまで伸びたらそれ以上は伸びないので、基本的にトリミングは必要ありません。
しかし、ある程度伸びた場合は、足先周りを整えたり、汚れやすい箇所の毛を短くしたりして、清潔を保つ程度のカットが必要です。
足周りの毛を放置してしまうと滑りやすくなってしまい、怪我の原因となってしまうことも。
トイプードルやビションフリーゼのようにもこもこふわふわの毛質ではないため、カットで見た目を変えるには難しい犬種ですが、耳の毛をカットしたり、尻尾の毛をカットしたりすることでイメージチェンジすることができます。
一体どんなカットが人気なの?どんな種類のカット方法があるの?といったカットスタイルが気になっている飼い主さんや、うちの子はダックスとのミックス犬なのでトリミングの参考にしたい!という飼い主さん、カニーンヘン・スタンダートダックスフンドだけどカット方法を参考にしたい!という飼い主さんに、今回は人気なカット方法をわかりやすく写真と一緒にご紹介します。
ぜひお気に入りのカットスタイルを見つけてくださいね!
トリミングサロンでは理想カットの写真を見せよう!
「いつもより少し短くカットしてください」そう言ってサロンに預け、数時間後ウキウキでお迎えに。いざ愛犬と対面したらびっくり、想像以上に愛犬がツルツルに短くカットされていてショック!そんな経験のある飼い主さんも多いのではないでしょうか?
それもそのはず。「少し短く」といってもバリカンで丸刈りにするのか、ハサミでいつもより1mm短く仕上げるのか、どの部分をどれくらい短くカットするのかは人によって思い描くスタイルが違うのです。
そんな失敗を防ぐために大切なのが理想のカットスタイルの写真です。
もちろんワンコによって毛量や毛質、毛の流れなどが異なるので、写真を見せても他のワンコと全く同じカットにすることは不可能です。ですが写真を見せてトリミングをお願いすることで、言葉で説明するよりも理想に近い形に仕上がるといえるでしょう。
また、逆に「このカットだけはやめて欲しい!」とトリマーさんに伝えるのも一つの手です。
尻尾のボリュームだけはこだわりたい!だったり、お耳のカットスタイルだけはこだわりたい!など、こだわりたい部分が具体的に決まっている場合には、理想のカットスタイルだけでなくこれだけはやめて欲しいというカットスタイルも事前に見せておきましょう。
そうすることで認識の差異が少なく、好みのスタイルに仕上がることが多くなるでしょう。
ダックスフンドのカット集お耳カット
まず初めに第一印象を決める最も重要なお顔に一番近い「お耳」のカットをご紹介します。
01おかっぱカット
おかっぱカットの特徴
おかっぱは、毛を真っ直ぐに切り揃えたヘアスタイルのことで、河童に似ているということに由来しています。
お耳のラインに揃えて切るとすっきりとしたイメージに。お耳のラインよりも長めに切るとよりおかっぱらしいヘアスタイルになります。
02ラインカット
ラインカットの特徴
お耳の形に合わせて丸くカットするスタイルです。横から見ると人気キャラクタースヌーピーのシルエットのようにお耳の形や大きさがよくわかるカット方法です。丸みを帯び、可愛らしい印象になります。
03サマーカット
サマーカットの特徴
お耳の毛を全てバリカンで切ってしまうカット方法です。お耳の毛が長いダックスだと食事中に食器の中にことが多くありますが、サマーカットにすることで汚れにくくなり、中耳炎などの耳の病気にかかってしまった際にも気付きやすくなります。
04アシメカット
この子はトイプードルです。
ダックスとは毛質が異なるため、サロンでお願いする際にはトリマーさんに相談しましょう。
アシメカットの特徴
アシメはアシンメトリー(左右非対称)を意味しています。その名の通り片側は毛を長く伸ばしふんわりと整え、もう片方はさっぱりと短くするスタイルです。見る方向によって印象がガラリと変わります。
背中(胴)周りカット
背中(胴)周りのカットは、アレンジが自由自在で無限大なのが一番の特徴です。
アレンジカットした場所をカラーリングすることでカットスタイルが際立ち、さらに可愛く変身しているワンコも多くいます。
海外のダックスでは豹柄にカラーリングして変化を楽しむワンコも。星マークを入れたり、イニシャルを入れてみたりとうちの子だけの個性を思う存分発揮できる場所なので、ぜひお気に入りのカットスタイルを見つけてくださいね!
05ハイエナカット
ハイエナカットの特徴
ハイエナカットは、背中の真ん中ラインだけを残し、他はバリカンで短く刈り上げるスタイルのことです。
ワイルドでかっこいい印象を与えるので男の子におすすめです。毛玉になりやすい脇もすっきりと刈り上げるため、ワンコも快適に過ごせます。
06ライオンカット(ライオンクリップ)
ライオンカットの特徴
ライオンのタテガミをイメージしたカット方法です。耳や胸毛はカットせず、胴体のみを短くバリカンで刈り上げます。好みやお手入れの頻度に合わせてタテガミのボリュームや短さを調整することができます。
ライオンクリップやタテガミカットで検索してみてくださいね!
07サマーカット
サマーカットの特徴
全身をバリカンで短く整えるスタイルです。毛玉ができやすいワンコや、皮膚病などでお手入れが必要な時におすすめなカット方法です。サマーカットは文字通り夏に行う飼い主さんが多くいますが、夏は紫外線が強く、皮膚が通常よりも日光や紫外線にさらされやすくなるというデメリットがあります。
また毛質が変わってしまい癖が強くなってしまったり、艶がなくなる、毛が生えなくなることも。デメリットとしっかりと理解した上で施術を行うよう気を付けましょう!
08デザインカット
デザインカットの特徴
その子の毛量や毛質によっても異なりますが、背中にイニシャルをデザインしたり、リボンや天使の羽、お尻にハートを入れたりと、さまざまなアレンジが可能です。
ダックスでデザインカットをしているワンコは少ないため、デザインを探す際にはトイプードルなど他の犬種で探してみるのがおすすめです。
この子はトイプードルです。
ダックスとは毛質が異なるため、サロンでお願いする際にはトリマーさんに相談しましょう。
足周りカット
手足周りは全体で見たときにデザインの要となる部分の一つです。
ダックスの場合カットは不要な部分ですが、短くすることで毛玉を防いだり、皮膚トラブルを見つけやすくするなどの利点もあります。
また、足回りの毛が長いと気になって舐めてしまう子や、自分でかじってしまうワンコは短くカットしてあげるのもおすすめです。
09飾り毛カット
飾り毛カットの特徴
飾り毛と呼ばれる長くふわふわとした毛があります。そのまま伸ばしておいても問題ありませんが、飾り毛をカットすることで全体が丸く、スッキリとした印象に変わります。
癖が強くボサボサになりがち、というワンコはぜひ飾り毛カットをしてみるのがおすすめです。
10マイアミカット
マイアミカットの特徴
足の付け根から途中まではしっかりと刈り上げ、足先と尻尾にポンポンのように丸く毛を残すスタイルがマイアミカットです。
ダックスの場合足が短く刈り上げをする部分がないため、ポンポンだけが残るスタイルになりますが、体をスッキリと刈り上げることでポンポン部分が際立ち、おしゃれに仕上がります。足先もバリカンで刈り上げましょう。
11チキン足カット
チキン足カットの特徴
チキンカットは、足先の毛を刈り上げるスタイルです。お散歩やお出かけから帰ってきた後でも足裏をささっと洗うだけで綺麗になり、お手入れしやすいと人気です。
手足に疾患があり、薬を塗るなどのケアが必要なワンコにぴったりなスタイルです。愛犬の爪切りを自分で行う飼い主さんであれば、爪がしっかりと見えるようになるので切りすぎて怪我をさせてしまうこともなくなるでしょう。
お尻・しっぽカット
お尻周りと尻尾カットをご紹介します。
12ツルツルカット
ツルツルカットの特徴
バリカンで全ての毛を短く刈り上げるスタイルです。お散歩中に尻尾の毛に落ち葉や枯れ葉がたくさんついてしまい、困っているという場合におすすめです。
ただし、バリカンで全ての毛を刈り上げることによって毛が生えてこなくなることも。心配な場合には長さを調整するだけ、など愛犬に合わせてあげましょう。
13ライオンカット
ライオンカットの特徴
ライオンの尻尾のように、先端にボリュームを残し、他の部分を短く刈り上げるスタイルです。
全部を刈り上げたくはないけど、ある程度毛を抑えたい場合や、デザインとして楽しみたいという場合におすすめなカット方法です。残す毛のボリュームを変えるだけでも見た目が大きく変わります。
14桃尻カット
桃尻カットの特徴
桃尻カットとは、名前の通り、まるで桃のような形にお尻周りの毛をカットするスタイルのことです。
肛門周りの汚れやすい場所を短くカットするので、おトイレ後のお手入れもしやすく、部分カットになるのでワンポイントとして取り入れやすいのがポイントです。
トイプードルのようにふんわりとしたシルエットを作るのは難しいですが、毛のボリュームがあるワンコであれば可愛い形に仕上がります。
まとめ
いかがでしたか?
ぜひ記事を参考にして、愛犬だけのお気に入りスタイルを見つけてくださいね!