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【愛犬薬膳ご飯】乾燥と冷えに!ワンコのお腹も温める「ほっこり豆乳クリームシチュー」

【愛犬薬膳ご飯】乾燥と冷えに!ワンコのお腹も温める「ほっこり豆乳クリームシチュー」

黒川栄子さん

黒川 栄子さん

ペット栄養管理士、ペット薬膳管理士、APNAペット食育士1級の資格を持つワンコの手作りごはんの専門家。2017年に「わんこのための手作りごはん教室Nerine’s Kitchen」をスタートし、ワンコのごはんに関する情報や手作りごはんのレシピを発信。“頑張らない、気張らない、無理しない”をモットーに、愛犬の健康を考えつつ、飼い主さんが楽しみながら続けられるごはん作りを伝えている。

▼ そのほかの黒川さんのレシピはこちらから!

冬本番!愛犬に必要なのは?寒くなり始めは「おなかの調子」に注意!

今年の立冬は11月8日。暦の上では季節は冬に突入です。晴れた日の昼間は暖かくても、朝晩は冷え込む日もありますね。寒くなり始めの時季は、おなかの調子を崩す子も多いです。おなかが冷えやすいわんちゃんは体を温める食材を使ったり、腹巻をしたりと、体の中からと外から、両方の対策をしてあげましょう。

前回、前々回で、秋の大敵は『乾燥』とお伝えしました。冬には、そこに『寒さ』もプラスされます。乾燥対策、寒さ対策をして、大切なわんちゃんの健康を守ってあげましょう。

秋冬に愛犬におすすめな食材は?おうちのワンコの体に合わせた食材を摂りましょう

秋冬は乾燥対策と寒さ対策が前提として考えられますが、実は潤い食材は控えた方がよい子もいます。

それは夏に溜まった体内の余分な水分がまだ抜けきれておらず、今の季節にお腹がゆるく、うんちがねっとりしている子。余分な水分が溜まっていると体がそこから冷えてしまいます。背中部分の皮をつまんでひっぱると戻りが遅かったり、舌がぼってりとむくんだりしていませんか?そのような子は体を潤す食材は少し控えめにして、まずは余分な水分を排出する食材を摂りましょう。(別の理由で下痢をしている子への対応は異なりますのでご注意下さい)

おうちのわんちゃんの体に合わせて、必要な食材を選んであげたいですね。

秋冬のおすすめ 1乾燥対策の潤い食材例

豆腐、豆乳、れんこん、さつまいも、納豆、えのきだけ、おくら、かぼちゃ、ごぼう、小松菜、しいたけ、しめじ、チンゲンサイ、まいたけ、山芋、豚肉 など

秋冬のおすすめ 2寒さ対策の温性の食材例

鶏肉、鶏レバー、鹿肉、豚レバー、アジ、鮎、いわし、かじきまぐろ、かつお、鮭、ぶり、まぐろ、ムール貝、納豆、かぼちゃ、紫蘇、生姜、金柑、桃、栗、アジ など

秋冬のおすすめ 3水分を排出する食材例

はとむぎ、あずき、黒豆、きゅうり、冬瓜、キャベツ、トマト、茄子、白菜、水菜、もやし、レタス、いんげんまめ、さば、あおさ、あさり など

愛犬の消化器系に働きかける、豆乳クリームシチュー

今回ご紹介するのは、ほっこりおいしい豆乳クリームシチューです。

寒くなり始めに調子を崩しやすい消化器系に働きかける食材を多く使い、潤い食材や温性の食材も適度に使いました。とろみをつけることで、シニアさんも食べやすくなります。また、体に余計な水分が溜まっている子には上記の食材を参考に、食材を代用したり追加したりしてお作りください。

愛犬薬膳ご飯の材料とレシピほっこりおいしい『豆乳クリームシチュー』の材料

豆乳クリームシチュー
成犬(体重5kg前後・避妊去勢済)の1食分
鶏むね肉 40g
さつまいも 40g
にんじん 20g
かぶ 40g
しめじ 20g
ブロッコリー 20g
パセリ(あれば) ひとつまみ
黒すりごま ひとつまみ
本葛もしくは片栗粉 小さじ1
無調整豆乳 大さじ2
  • 体重5キロの成犬(避妊去勢済)の約1食分を想定した量です。
  • 豆乳は必ず無調整のものをお使いください。調整豆乳は人が飲みやすいように砂糖などが添加されている場合があります。

愛犬薬膳ご飯の材料とレシピ「豆乳クリームシチュー」の作り方

STEP 1

材料のカットと下拵えをします。

ブロッコリーは別茹でして、細かくしておきます。にんじん、しめじはみじん切りに、かぶ、さつまいもは5ミリ四方にカットし、さつまいもは水にさらしておきます。鶏むね肉は野菜よりも少し大きめにカットします。本葛は大さじ1の水によく溶かしておきます。

STEP 2

鍋に水150cc~200ccを入れて火にかけ、沸いたらカットした具材(ブロッコリー以外)を入れて煮込みます。

STEP 3

食材がしっかり柔らかくなったら、水溶きの本葛を入れてとろみが出るまで混ぜます。

STEP 4

とろみが出たら火を止めて豆乳を加え、ブロッコリーを入れます。(冷凍のブロッコリーをお使いの場合は火を止める前に入れて下さい。)

STEP 5

器によそって、黒すりごまと刻んだパセリを散らしたら完成です。

愛犬薬膳・PICKUP食材鶏肉のチカラ

今回は、レシピNo.1の『カラフルスープごはん』に続き、鶏のむね肉を使いました。

鶏肉はやわらかくて消化吸収もよく、ワンコも好んで食べてくれるので、手作りごはんでは最も使用頻度の高いお肉ではないでしょうか。

もも肉、むね肉、手羽先、レバー、砂肝、ハツ…など、様々な部位がありますが、それぞれに少しずつ栄養や薬膳的効能が異なります。

鶏肉は、温性で栄養価が高く、胃腸に優しい為、特に秋冬の寒い季節におすすめのお肉です。消化がいいので、病中病後の食事や胃腸が弱い子、シニアさんにもおすすめです。アミノ酸がバランスよく含まれているので筋肉の強化にも適しています。皮の下に集中している脂質は、極力取り除いてあげましょう。むね肉は皮膚や粘膜を健康に保つナイアシンやビタミンAなどが豊富に含まれます。ささみは高たんぱくで低カロリーですが、他の部位に比べてリンが高いので与えすぎには注意が必要です。手羽先・手羽元、鶏軟骨などはコラーゲンやグルコサミンが豊富で、関節ケアや毛艶をよくして若さを保つのに有効です。

レバー部分は肉と同じ温性で、血を補う働きがあり肝臓を強化してくれます。鶏レバーに含まれるビタミンAは牛や豚のレバーよりも多く、ビオチンや葉酸も多く含みます。また、砂肝は温性ではなく平性(体を温めも冷やしもしない)の性質をもち、消化器系を健やかにする働きが期待できます。

このように、ワンコにもとても与えやすいイメージがある鶏肉ですが、特に肉の部分は体を温める働きが強く、体質によっては余分な熱が体にこもりやすくなると言われています。気温が高くなくても暑がっているような子やハァハァしている子、舌が赤い子、体が熱い子などには注意が必要です。また、内臓部分はコレステロールが高い為、頻度や量に気をつけましょう。

愛犬薬膳代用食材おすすめの代用食材

徐々に本格的な寒さに向かい、乾燥する今の時季におすすめの代用食材は以下の通りです。色々な食材を摂ることで栄養のバランスも取れやすくなります。代用食材も活用して、アレンジをお楽しみください。

鶏肉の代用食品

鮭、 かつお、さんま、鯛、ほたて、牡蠣、ムール貝、豚肉、鹿肉、鴨肉 など

野菜類の代用食品

かぼちゃ、れんこん、キャベツ、芽キャベツ、ごぼう、モロヘイヤ、カリフラワー、冬瓜、アスパラガス、チンゲンサイ、白菜、大根、小松菜 など

きのこ類の代用食品

エリンギ、えのきだけ、しいたけ、黒きくらげ、白きくらげ、まいたけ など

黒川さんのメッセージ体にも心にもしみわたる優しいシチューは老犬にもおすすめ!

クリームシチューって『ほっこり』という言葉がぴったりですよね。じんわりとおなかに染みる感じが私もとても好きで、14歳の愛犬にも実際によく作るメニューです。わんちゃんの分を取り分けた後、コンソメや塩コショウなどで味付けをして、飼い主さんもお召し上がり頂けます。

消化器系に働きかける食材が多いので季節の変わり目にはおすすめですし、とろみをつけることでシニアさんの誤嚥も防げます。必要に応じて、食材を細かくしたり、スムージー状にしたり、おうちのわんちゃんが食べやすいようにしてあげてくださいね。本格的な寒さに向けて、いまのうちに体の調子を整えておきましょう♪

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