えびにはさまざまな種類があり、たとえば祝い事や正月に食べる伊勢海老や車海老などがあります。和食や洋食など幅広い料理に使え、私たち日本人にとっても馴染みのある魚介類です。
産卵後は身がスカスカになるため産卵期以外が食べ頃で、えびの種類だけでなくオスとメスで旬に差があるのも特徴です。
人用でも生食用なのか加熱用なのか記載されていて、食べ方に注意する必要があります。はたして犬にエビを食べさせてもいいのでしょうか。
ANSWER えび(海老)は愛犬に食べさせても大丈夫です
火を通したえびであれば、犬に与えても問題ありません。しかし、生のえびは犬の体内でビタミンB1欠乏症を起こすチアミナーゼが含まれているので、絶対に与えてはいけません。
また、えびの殻で消化不良になる可能性もあるので、与え方や与える量に注意しなければなりません。
この記事では、えびの栄養素や与える際の注意点を詳しく紹介します。特に犬に手作りご飯を与えている人は、参考にしてみてくださいね。
タンパク質
三大栄養素のひとつであるタンパク質は、皮膚や筋肉を作る重要な構成成分です。吸収されたたんぱく質はアミノ酸に分解された後吸収され、エネルギー源として体の中で効果を発揮します。不足すると健康面でさまざまな支障が起きることから、毎日継続的な摂取が欠かせない栄養素です。
ビタミンE
脂溶性ビタミンであるビタミンEは、細胞膜にダメージを与える活性酸素を抑制する抗酸化作用を持ちます。細胞の老化を防ぐ効果も期待できることから、免疫力の向上や動脈硬化予防につながると考えられています。
ビタミンB12
ビタミンB12は神経や血液細胞の健康を保つ働きがあります。タンパク質の合成やヘモグロビンの生成に関わり、老化防止や貧血防止などに役立つといわれています。
タウリン
タウリンとは魚介類に多く含まれるアミノ酸に似た成分です。コレステロールを減らす、肝臓や心臓の機能を高める、高血圧の予防、視力の回復などの効果があると考えられています。体内で生成することも可能ですが、必要量に達しないことから食事からの摂取が必要です。
えび(海老)を犬が食べた際の犬への効果・影響
えびにはタンパク質やビタミン類が多く含まれているので、エネルギー補給や体の機能を整える効果が期待できます。与え方に注意が必要な食べ物ではありますが、積極的に摂る必要があるタウリンも含まれているので、ドッグフードのトッピングとして少量のせるといいでしょう。
犬に与えてよいえび(海老)の量は?
小型犬の場合 | 21~42g(中サイズ2~4尾) |
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中型犬の場合 | 48~96g(中サイズ4~8尾) |
大型犬の場合 | 119~237g(中サイズ5~20尾) |
子犬の場合 | 消化器官が未熟のためなるべく与えないほうが良い |
老犬の場合 | 少量。胃腸が弱い場合は避ける。 |
犬にえび(海老)を与える際の注意点
えび(海老)のおすすめの与え方
生えびNG
生えびに含まれるチアミナーゼは、ビタミンB1を分解してビタミンB1欠乏症を起こす危険性があります。愛犬が生えびを食べた時に、下痢・嘔吐を引き起こす、食欲の低下が起きる、痙攣するなどの症状がみられたらすぐに獣医師の診察を受けてください。
必ず加熱して与える
先述の通り、犬が生えびを食べた場合、健康を害する危険性があるので、必ず火を通してから与えましょう。茹でたり焼いたり、食べ方はどんなものでも構いません。ただ、油を大量に使って炒めてしまうと、肥満の原因になるおそれがあるので注意してくださいね。
殻は与えない
えびの殻は犬にとって消化しにくい食べ物です。大きめのえびの殻であれば、のどに詰まらせたり傷つけたりするおそれもあるので、必ず殻を取ってから与えましょう。大型犬であっても、日頃から固いものに食べ慣れていなければ、そのまま丸呑みしてしまう可能性もあります。犬種や体の大きさに関わらず、えびの身の部分だけを与えたほうがいいでしょう。
また、桜エビや小エビのような小さなエビは皮をむくことが難しいのでそのまま与えても問題ありません。しかし、小さいからといって与えすぎないように注意してくださいね。
人用お菓子は塩分過多になりやすい
私たち人間は乾燥えびやえびせんべいなどの加工品もよく口にするでしょう。加熱してあるので犬に与えてもよさそうですが、これらの加工品は塩分が多く含まれています。
一度与えてしまうと、犬はその味を覚えてまた欲しいとねだってきます。塩分は心臓や腎臓に大きな負担をかけるおそれがあるので、与えないほうがいいでしょう。
こんな時は犬にえび(海老)を食べさせないこと
甲殻アレルギーを持つ愛犬には決してあげてはいけません。加熱したえびであってもアレルギー反応は出るので注意してください。下痢や嘔吐が続いたり、顔や口の周りを痒がったりするなどの症状がみられた場合は、直ちに獣医師の診察を受けましょう。
アレルギー反応は、前回出なかったからといって次も出ないとは限りません。ドッグフード以外の食べ物を普段から与えない場合は、少量ずつ様子を見ながら与えましょう。
まとめ
エビは生の状態だとビタミンB1欠乏症の原因物質であるチアミナーゼが含まれているので、かならず火を通してから与えましょう。その際、殻も取ってあげてくださいね。
ただ、えびにはタンパク質やビタミン類が豊富に含まれており、健康を促進する働きも期待できます。消化管が未熟な子犬や、胃腸が弱い老犬は食べるのを控えたほうがいいですが、健康な犬であれば少しずつ様子を見ながら与えてみるといいですよ。
エビは生の状態だとビタミンB1欠乏症の原因物質であるチアミナーゼが含まれているので、かならず火を通してから与えましょう。その際、殻も取ってあげてくださいね。
ただ、えびにはタンパク質やビタミン類が豊富に含まれており、健康を促進する働きも期待できます。消化管が未熟な子犬や、胃腸が弱い老犬は食べるのを控えたほうがいいですが、健康な犬であれば少しずつ様子を見ながら与えてみるといいですよ。
Adviser
ペットフーディスト 佐々木なるみ
愛犬の偏食をきっかけに資格を取得。これまでに4匹のわんちゃんと暮らしてきた。動物愛護に関心を寄せ、犬を含む多くの動物が幸せに暮らせる日本を目指している。