愛犬を介護している方へ。愛犬の介護を経験した今、伝えられること|stand by you vol.01

愛犬を介護している方へ。愛犬の介護を経験した今、伝えられること|stand by you vol.01

ワンコのモノ・コト

Stand by you.

飼い主さまが不安になると、ワンコも不安。飼い主さまが笑えば、ワンコも嬉しい。そんな風に飼い主さまとワンコの気持ちは連動しています。

これからはじまる「Stand by you」では、飼い主さまの小さな不安や心の揺らぎに寄り添い、飼い主さまと様々なお悩みを共有しながら、ワンコの幸せ・ご家族の幸せを一緒に考えていきたいと思います。

飛彈 樹里さん

イヌマニック代表。ドッグマインダーとして、ドッグトレーニング、食事・ヘルスケア、シッティング、介護・グリーフケアのトータルドッグケアサービスを通して、パピー期からシニア期のライフステージやそれぞれのご家族に合わせたサポートに取り組んでいる。

愛犬を介護している方へ

ワンコと暮らしている皆さま、はじめまして。パピーからシニア犬のトレーニング・ヘルスケア・介護・シッティング等、ワンコと飼い主さまのトータルドッグケアサポートを行っているドッグマインダーの飛彈樹里です。私の活動やワンコへの想いについては、上記のインタビューをお読みください。

この連載「Stand by you」では、飼い主さまからご相談いただくことが多いお悩みについて、私自身が実際に行っているサポートや自身の経験、様々な専門家によるアドバイスやお役立ち情報をお届けします。

お読みくださった皆さんが少しでも心が軽くなったと感じていただければ大変嬉しいです。ご感想やご意見、ご質問も受け付けておりますので、ワンコnowa公式サイトのお問い合わせか、公式インスタグラムのDMからお気軽にお送りください。

愛犬の介護体験6頭のワンコの飼い主である私のはじめての介護経験

私が最初に愛犬の介護に直面したのは10年前、7歳を目前にしたミニチュアダックスフンドが椎間板ヘルニアと診断された時です。治療当初は投薬治療を行いましたが思うように回復せず、結果的に手術を受けました。しかし、術後は想像していたものとは裏腹に後ろ足に麻痺が残ってしまい、後肢不全と排尿障害を抱えることに。そんな愛犬を前に「介護はもっと高齢になってから」と考えていた私は頭が真っ白に。

「以前のように自分の足で歩けるようになって欲しい」と、今よりも犬の介護に関する情報が少ない中、試行錯誤を繰り返します。しかし「以前のように元気に走って欲しい自分の足で歩けるようになって欲しい」と、今よりも犬の介護に関する情報が少ない中、試行錯誤を繰り返します。

そんな時、犬のリハビリ施設があると知り、我が家のリハビリ生活がスタートしました。水中トレッドミルでは初めはゆっくりと足を動かす事から始め、徐々に特別な錘を付けて負荷を掛けていくのですが、途中で歩くことを止めてしまいます。飼い主としては「何とか歩けるようになって欲しい!」という一心で取り組んでいましたが、愛犬としては『なんでこんなことをやらなきゃいけないの?』という違和感満載だったでしょう。

一方、プールのリハビリではトレッドミルの時とは別犬のようにインストラクターさんと楽しそうにリハビリに取り組む姿が。そんな愛犬を見て1年半通っていたリハビリでしたが、「うちの子が喜ばない介護はやめよう」と決意しました。

今になってみれば、「愛犬目線」よりも「飼い主目線」が優先になっていたことに気付きますが、当時は愛犬が歩けるよう、ただただ必死になっていました。愛犬が喜ぶのは自分の意思で自由に動けることだと考え、賛否両論あった犬の車椅子(当時は車椅子を使うと筋肉が衰えるので良くないというネガティブな意見もあったのです)にチャレンジ。最初は固まって動けなかったのが、コツを掴むとどんどん走れるように。かつてのように自分の足で動けるようになったイキイキと喜ぶ愛犬の表情を見て、様々な情報が全てのワンコに当てはまるものではないことを痛感し、目の前にいるワンコと向き合うことが、より良い介護にも繋がると確信を持てるようになりました。

愛犬の介護が始まると起きることある日突然、ワンコが要介護になったら
〜飼い主と愛犬の気持ち〜

飼い主さんの視点

「昨日まで元気だったのに・・・」という戸惑いの中で、様々な介護ケアが始まります。私の場合も退院後すぐに歩行をはじめとした日常生活のサポートや排泄の介助がスタート。治るのかな?という不安と、これまでの愛犬との楽しい日常が突然なくなってしまった喪失感の中で、いつまで続くのか分からないケアは非常に辛いものです。

愛犬の視点

自分の体の状態がワンコ自身もわからない、受け入れられていないので、以前のように動けると思って無理に動いて怪我をしてしまうこともあります。
また自分が思うように動けないイライラから吠えたり、噛むなどの「問題行動」が生じることも。
ワンコも突然身体を自由に動かせなくなり、不安や不自由さを感じます。

飼い主さんの視点

「自分に何ができるのだろう?」とネットや本で情報を集め、良し悪しも分からず色々と取り組むように。「愛犬の為なら何でもやってあげたい!」という気持ち、飼い主ならだれでもそう思うでしょう。ただ、愛犬に合わない方法を選んでしまうと逆効果になってしまう恐れやもっと良い方法があるのに時間ばかりとられ、飼い主さんの日常や自由な時間がなくなってしまうことも。

愛犬の視点

飼い主さんから笑顔や優しい声掛けがなくなり、ワンコもリハビリなどに取り組むやる気や元気が湧いてきません。表情もどんどん曇ってしまいます。

飼い主の視点

そんなワンコを目にすると更に悲しくなり、一生懸命な方ほど「自分の頑張りが足りない」と考えてしまいます。こんな状況で誰かに頼るなんてワンコに悪い、愛情が足りないと自分を責めてしまうケースも。

こうなってしまうと負のループに落ちていってしまいます。皆さんにはこうなる前に、早い段階で是非専門家に頼っていただきたいのです。

愛犬の介護をサポートしてくれるプロ介護が必要な愛犬と飼い主さまに専門家ができること

私も経験があるのですが、介護の当事者になると、目に前に起こっていることへの対処で、いっぱいいっぱいになってしまいます。また、今までの愛犬との暮らしが失くなってしまうことへの不安で気持ちが押し潰されてしまうことも。そんな時に頼っていただきたいのが専門家です。実は最近見送った愛犬の介護中に私自身もある専門家に相談し、とても助けられました。プロの私でもプロに頼ることで、自分のケア方法の「答え合わせ」ができて心が軽くなりました。日々の中で少しでもアレ?と思った時に専門家を頼る事は、介護ケアのノウハウだけでなく飼い主さんの心を整えることにも繋がります。

私が介護サポートで大切にしているのは、飼い主さまとワンコの喜びや楽しみを見つけ、心身安心した環境づくりを考えること。また、今ある状態を1秒でも長くキープすることを目標にワンコと向き合い、飼い主様の不安なことや困っていることを伺いながらご提案・サポートをしていくことです。

例えば以前のように外で散歩することが難しくなったなら、自分の知識・経験からオススメできる介護グッズの情報やカートの使い方と合わせて、お家でできるエクササイズやケア方法などもご提案させていただきます。リハビリに通ったり、介護グッズを買い揃えることは時間・労力・金銭面でもご負担が大きくなりますよね。まずはお家にあるものの中から介護ケアに活用できそうな物を取り入れながら、介護に楽しく向き合い、出来る限りの負担が軽減できるようサポートしていきます。それに加えてお家の中の環境整備(家具の角にカバー付ける)など、飼い主さまにとっては毎日すごしている当たり前の場所での危険を事前に察知しアドバイスさせていただく事もあります。

専門家が介護に関わることは、ワンコにもメリットがあります。介護生活になると、普段は飼い主さんやご家族との触れ合いのみになってしまいますが、第三者の介入が良い刺激にもなります。また、犬の介護を心得ている専門家だからこそ、例えば食事介助の場面では、飼い主さまに食事の与え方のコツ(食事中の姿勢、差し出す向きやスピード、一度に食べさせる量、スプーンの素材など)をお伝えする他、様々なアドバイスやサポートで、以前よりも食べる量が増える事も!飼い主さまに知識を持っていただき、実践いただくことでワンコのQOLも上がり、「うちの子がよく食べてくれるようになった!」と飼い主さまも笑顔になってくださるのです。そんな報告をいただけることが、飼い主さまとワンコの笑顔が戻ってきたことが、私の1番の喜びです。

ワンコの快・不快にいち早く気付き、今あるお悩みの改善とワンコ・飼い主さまそれぞれの安心・安全で心地よい暮らしを目指しています。それはまるで宝探しでもするような気持ちですが、これがより良い介護や愛犬との絆を深める事にもつながると考えています。

愛犬の介護の専門家と出会おう愛犬介護の専門家の選び方

ワンコの介護の専門家についてはマッサージ等の身体ケアが得意な人、カウンセリングやアドバイスが得意な人、シッテイングでの訪問介護が得意な方など専門家の中でも様々です。また、老犬介護士、ペットケアカウンセラー、ペットケアアドバイザーなどの名称がありますが、どの資格を持っていれば良いとは一概には言えません。サービスを提供されているお店のホームページを参考にしたり、初回カウンセリングを利用しながらご自身とワンコに合う専門家を探していただくことが現在は多いかもしれません。介護経験があるイヌ友さんや動物病院からの推薦、紹介があればより信頼感がありますね。

様々な資格を持っていたり有名な専門家だとしても、ご自身とワンコに合うかどうかはわかりません。サービス内容に見合う資格や知識、経験があるかどうかは事前に確認していただくと安心です。介護に関する専門的な知識はもちろんの事、話をしっかり聞いてくれて、ワンコとご家族に寄り添い、ご家族現在の状況に合った提案、サポートをしてくれるのかを見極めながら、最終的には飼い主さまやワンコとのフィーリングでお決めいただくと良いでしょう。ちょっとした事でも気負わず何でも相談できる存在こそが飼い主さまとワンコにとっての心強い「専門家」だと思います。

愛犬の介護の専門家と出会って専門家のサポートを受けている飼い主 三阪佳子さん

2020年の夏、ご縁があった保護犬のフク(チワワ・当時10歳)を家族に迎えました。繁殖引退犬だった彼女は様々な病気を抱えていましたが、一緒に暮らし始めて間も無く左目を失明してしまいました。同じく繁殖引退犬だった先住犬を亡くした後、ペットロスになってしまった私はあの後悔を繰り返さないために、現在飛彈先生から老犬の介護について学んでいます。

正直なところ、勉強する前の私の介護に対するイメージは、辛いことや大変なことがいっぱいでとても悲しい、ネガティブなものでした。でも飛彈先生の「シニア期は愛おしさがギュッと詰まった愛あふれる素晴らしいライフステージ!変化の多いシニア期は彼ら自身が戸惑うことも・・・ちょっとした変化に気づき、今必要なことを、大好きな笑顔と優しさと共にサポートを行うことは、彼らにとって何よりのシニアケアになるのですよ!」という話を伺い、大好きな飼い主の笑顔と優しさで大きく包み込むことがワンコの介護、ケアには欠かせないことを知りました。

また知識を得たことで、「飼い主目線ではなく犬目線で考える」、「日々の観察で少しの変化を見落とさず早めのケア・対応を心掛ける」、「手助けしてあげたいという気持ちを抑え、犬が自分でできることは見守り自信を奪わない」などをフクとの暮らしの中で実践しているところです。

先住犬の時にも飛彈先生のような専門家からサポートを受けていれば、体調の変化にもっと早く気付くことができ、私の不安な気持ちも共有してもらえることで、後悔が残らなかったと思います。そもそも当時は、犬の介護の専門家がいることも知りませんでした。もし愛犬のケアや介護で悩んでいる方には、是非とも身近な専門家に相談していただきたいです。私自身も少しでもお力になれるよう、これからも学び続け、引き出しを増やしていけたらと思っています。

愛犬の介護に向き合い方心が暗くならない介護、生活の質が落ちない介護

愛犬を介護した経験を振り返ると、肉体的な疲れや睡眠不足は頑張りで何とか乗り切れても、気力が削がれてしまうと思考力・判断力が落ちたり、十分なケアをしてあげられなくなってしまいます。そんな時に専門家の力を借りることで、私自身も介護に向き合う勇気とパワーが再び湧いてきました。専門家に頼ることは愛犬への愛情が足りないと感じてしまう方もいらっしゃるかもしれませんが、決してそんな事はありません。専門家の力を借りる事は恥ずかしい事でも難しい事でもありません。そうする事で飼い主だけでなく、確実にワンコの頑張るパワーにも繋がっているのだと、私自身も愛犬を通して体感したからこそ皆さんにお伝えしたいのです。私も一専門家として、飼い主さまの心の栄養チャージとワンコと飼い主さま双方の笑顔と幸せを守るワンコ版アンパンマンのような存在を目標に、これからも心を込めてサポートさせて頂きます。

参考リンク

Inumanic 飛彈樹里さんに愛犬について相談したい方はホームページをご確認ください。

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