枝豆は発芽した大豆を未成熟期に収穫したものを指し、鮮やかな緑色をしている夏野菜です。
数ヶ月後、枝豆が成熟すれば茶色く乾いた大豆になりますが、含まれている栄養素やその量が異なります。
また、食感や味も違い、枝豆は塩茹でしてそのまま食べたり、潰して枝豆豆腐として食べたりするなど、アレンジしやすいのも特徴です。
現在は枝豆用と大豆用に種子が分かれていることが多く、その数400種類以上にも上ります。畑の肉と呼ばれる大豆と比較すると、それらの栄養価は怠りますが、枝豆にも期待できる効果はさまざまです。はたして、犬に与えても大丈夫な野菜なのでしょうか。
枝豆は犬に与えても大丈夫!
枝豆は犬が食べても大丈夫な野菜です。

枝豆はタンパク質だけでなくさまざまな栄養素が含まれており、人間と同じような効果が期待できることから、犬が食べてもいい野菜です。
しかし、枝豆の皮やさやは犬にとって食べにくい部分なので、与えない方がいいでしょう。
人間と同じように調理して与えても大丈夫なのか詳しくご紹介しますので、ぜひこの記事を参考にしてみてください。
枝豆の主な成分や栄養素について解説

タンパク質
皮膚や筋肉を作り、エネルギー源として体の中で働く成分です。犬にとって枝豆に含まれる植物性タンパク質は、動物性タンパク質と比べて消化しにくい特徴を持ちますが、低カロリーなのが特徴です。
ビタミンC
抗酸化作用に加えて、骨や腱のコラーゲンの生成をサポートするビタミンCは、大豆と違って、枝豆にたくさん含まれています。ビタミンCは肝臓で体内合成が可能ですが、ストレスや加齢、肝機能の低下によって合成が追い付かなくなると、食べ物から摂取する必要があります。
ビタミンK
ビタミンKは出血を止める働きである血液凝固作用を持ちます。さらに、ビタミンK不足は骨粗鬆症や骨折の治りが遅くなるなどの危険性があるため、骨を形成する上で大切な栄養素です。
カリウム
体内の余分な塩分を排出してナトリウムとのバランスを調節し、細胞内液の浸透圧の調整する働きを持ちます。また、心筋や筋肉の機能維持に役立つとも考えられています。
枝豆を犬が食べた際の犬への効果・影響
- 抗酸化作用
- 骨粗鬆症の予防
- 身体をつくる
犬与えてよい枝豆の量は?
小型犬の場合 | 14~23粒 |
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中型犬の場合 | 23~40粒 |
大型犬の場合 | 50~60粒 |
子犬の場合 | 4~9粒(細かく潰す) |
老犬の場合 | 4~9粒(細かく潰す) |
犬に枝豆を与える際の注意点
枝豆のおすすめの与え方

茹でるよりも電子レンジや蒸し器を使うのがおすすめ
枝豆は生ではなく必ず火を通し、柔らかくしてから与えましょう。
枝豆にはタンパク質の分解を妨げる、トリプシンインヒビターという成分が含まれており、摂取すると下痢などの症状を引き起こす危険性があります。
このトリプシンインヒビターは熱に弱い性質を持ち、火を通せば健康上問題ないと考えられます。茹でて与えてもいいですが、茹でると枝豆に含まれるビタミン類が水に溶けだすため、電子レンジや蒸し器を使って柔らかくするのがおすすめです。
実の部分だけを与えよう
枝豆のさやは、固くて消化が難しいので与えないようにしましょう。
また、薄皮には栄養素が豊富に含まれますが、さやと同じく消化しにくいため、子犬や胃腸が弱い愛犬には控えた方がいいでしょう。
子犬や老犬だけでなく、チワワのような超小型犬はのどに詰まらせたり、食べにくくて吐き出したりする犬がいるかもしれません。茹でたら実の部分だけを取り出し、できるだけ細かく潰して与えましょう。
冷凍食品は塩分に注意
さや付きのままスーパーに並ぶこともありますが、夏以外は冷凍食品の枝豆を購入することが多いと思います。
しかし、冷凍食品には塩分がたくさん含まれている恐れがあるので、洗い流してから与えてください。ただ、枝豆を洗うと本来豊富に含まれているビタミン類が失われる可能性があるため、サッと洗い流す程度にしましょう。
また、スーパーの総菜売り場に置かれている枝豆のように、人間は塩を振ってお酒と一緒に食べることが多いですが、同じように犬に与えると塩分過多になります。塩をかけず、また茹で汁の中にも塩を入れずに茹でて与えましょう。
枝豆をすり潰せばアレンジし放題
粒が小さい枝豆は、愛犬が丸呑みして未消化のまま排出される可能性があるため、ミキサーを使って細かく刻み、食べやすくしてあげましょう。栄養吸収においても効率的です。
すり潰した枝豆は、ドックフードのトッピングにしたり、イモ類と混ぜて固めておやつにしたりするなど、自由にアレンジがききます。愛犬のためのオリジナルレシピを作って、飼い主とペットの距離がより一層縮まるかもしれません。
こんな時は犬に枝豆を食べさせないこと
大豆アレルギーの愛犬に与えてはいけません。
枝豆は緑色で大豆の未成熟期に収穫した野菜ですが、大豆アレルギーを持っている犬が枝豆を食べると下痢や嘔吐などの症状を引き起こす危険性があります。
まとめ

枝豆は栄養が豊富な野菜なので、犬に与えても大丈夫です。
しかし、生の枝豆にはタンパク質の消化吸収を阻害するトリプシンインヒビターが含まれているため、必ず火を通して与えましょう。
茹でるのもいいですが、枝豆に含まれるビタミン類が溶け出すため、電子レンジや蒸し器を使って柔らかくすることをおすすめします。その際、塩を加えず、細かく潰してから与えると食べやすいでしょう。
もしも枝豆を食べて下痢や嘔吐などの症状が現れた場合は、獣医師の診断を受けましょう。もちろん、大豆アレルギーの犬には与えてはいけないので、注意してください。
Adviser
ペットフーディスト 佐々木なるみ
愛犬の偏食をきっかけに資格を取得。これまでに4匹のわんちゃんと暮らしてきた。動物愛護に関心を寄せ、犬を含む多くの動物が幸せに暮らせる日本を目指している。
