ココを掘るワケ!“歩くことが楽しくなる” ペットカートとは?
ワンコnowa読者の皆さんをはじめ、ワンコの飼い主さんの多くから「おすすめ」と教えていただいたのがエアバギー。ワンコの乗り心地、飼い主さんの押し心地が抜群に良いとのことですが、ほかのペットカートとどのような違いがあるのでしょうか。
興味が湧いたワンコnowa編集部は、エアバギーを製造・販売するGMPインターナショナルに伺い、広報の富山友理子さんにエアバギーの性能と魅力を聞いてきました。
ベビーカーから始まった
「AIRBUGGY(エアバギー)」について
エアバギーは、もともとベビーカーだったと思うのですが?
はい、もともとはベビーカーのメーカーとしてスタートしました。現在もベビーカーを主軸に展開しつつ、2010年にペットカートの販売を開始したんです。
エアバギーには、どのような特徴があるのでしょう?
快適な乗り心地と走行性を考え、国内メーカーで唯一、エアタイヤを採用しています。また3輪スタイルの低重心フレームや高性能のブレーキを採り入れ、安全性と使いやすさを追求したベビーカーです。
一般的なベビーカーと比べて耐用年数が長く、定期的にメンテナンスすることで10年は使い続けられる製品になっています。
ベビーカーだと10年使い続けるケースは稀だと思うのですが、なぜ耐久性を追求されたのですか?
当社はもともと、ランニングしながら走れるベビーカーをアメリカのメーカーから輸入し、販売していたのですが、そのベビーカーはタイヤもボディも大きく、日本の生活環境には馴染まなかったんです。
ただ、そのベビーカーで取り入れられていた3輪構造やエアタイヤは、快適な乗り心地につながる可能性があると感じ、独自に小型化、軽量化を試みたんです。開発の元となったランニング用ベビーカーが堅牢なアルミフレームで作られおり、フレームの強度とがたつきの無い設計は押し心地に大きな影響を与えることもわかっていました。そのためエアバギーも自ずと強度と耐久性の高いフレームがベースとなりました。
エアバギーは、ベビーカーに関する安全基準の中でもっとも厳しいといわれるヨーロッパの安全規格「EN1888-2」に適合しているのですが、非常にハードルの高いテストをクリアするためにフレームの耐久性は欠かせない条件になっています。
ペットカートを開発したきっかけ
ベビーカーを展開する中で、なぜペットカートも手掛けるようになったのですか?
ベビーカーは長くても4~5年、短ければ1~2年で役目を終える可能性があるものです。10年使える製品を作っても、数年で使われなくなってしまう。その現実がとても残念で、社内で長く使ってもらえる方法を探す動きが出てきました。
その中で、当社代表の飯田美恵子が「ワンちゃんが乗れるカートを作ってみよう」と言ったのが、ペットカートの始まりでした。飯田もワンちゃんを飼っているので、ひらめいたのだと思います。
そこから現在の形につながっていったのですね。メインビジュアルになっている「DOME3」は、フレームがベビーカーと同じですよね?
用途を変えながら長く使ってほしいという思いから、フレームに乗せるものを変えることで、ペットカートとしてもベビーカーとしても使用できる形にしました。ショッピングカートとしても使用できるんですよ。ベビーカーと同様に安全規格「EN1888-2」に適合しているので、安心して使っていただけます。
子どもがベビーカーを卒業したら、ペットカートに変身できるんですね。
そうなんです。もちろん愛犬専用にしているユーザーさんもたくさんいます。中には、ワンちゃんを迎えた時点でエアバギーを購入し、10年以上ワンちゃんとのおでかけで使い続けてくれた方も。ライフスタイルに合わせて、長く使ってほしいですね。
AIRBUGGY PET(エアバギーペット)開発のこだわり
ペットカートでもエアタイヤは珍しいですが、やはりワンちゃんの乗り心地に影響するのでしょうか?
一般的には、樹脂製の硬いタイヤが採用されていると思います。樹脂製タイヤは軽量でコストも抑えられるので、低価格で軽いペットカートを作れるのですが、路上を走行するとガタガタ揺れやすいんですよね。
一方で、エアタイヤは衝撃を和らげるので、でこぼこした道でも衝撃が伝わりにくく、ワンちゃんの乗り心地も飼い主さんの押し心地も格段に良くなります。実際に押してみると、スムーズな走行性を実感してもらえると思います。
(でこぼこした道を走行しながら)確かに、これまでのペットカートのイメージとはまったく違って、振動が腕に伝わってこないです。
樹脂製タイヤだと小さな段差でも超えるのが大変ですが、エアタイヤだとスムーズに進めますよね。コンクリートだけでなく、芝生や砂利道も問題なく走行できます。ユーザーさんからは、「海岸に行く時もエアバギーに乗せています」「キャンプにも必ず持っていきます」という声もいただいています。
エアバギーはブレーキが手元にあるので、坂道などでスピードを調整できるところもポイントです。
AIRBUGGY PET(エアバギーペット)の
ここがスゴイ!を深掘り
実際にエアバギーを触らせてもらうと、押し心地の良さを実感しますね。
カートを押しているというよりは、カートが支えてくれている感覚がありませんでしたか?
確かに、エアバギーが軽く前に進むから、自然と足が出る感覚でした。
エアバギーのタイヤには、自転車に用いられるベアリングを組み込んでいるので、ひと押しするだけで自然とタイヤが回転するようになっています。そのため、押し心地が軽いんです。またタイヤの円周を人の歩幅と同じ1周70㎝にするなど、スムーズに歩ける工夫も施しています。
エアバギーを押していると、ひと駅分くらいだったら歩いちゃおうかなと、歩くことが楽しくなってくると思いますよ。
3輪構造で、前方のタイヤは360度回転するので、小回りが利くところも特徴です。エレベーターなどの狭い場所でも、その場で回転できます。
使い勝手が良さそうですね。エアバギーを触った後だと、富山さんのお話もすごく納得感があります。
まずはエアバギーに触ってもらうことが一番ですよね。ショップなどで見かけたら押してみてほしいですし、直営店では試乗やレンタルも実施しているので、体験してみてください。
押している飼い主さんに振動が伝わらないということは、乗っているワンちゃんもより振動を感じにくいということですよね。
おっしゃる通りです。これは赤ちゃんの例ではあるのですが、私は出産した際に海外製の軽量タイプのベビーカーを最初に使ったんです。そのベビーカーはすぐに段差につまづくし、赤ちゃんもすごく揺れました。そこで試しにエアバギーにのせてみたら、赤ちゃんがほとんど揺れなくてびっくりしたんです。
ワンちゃんも同じで、ほかのペットカートからエアバギーに変えると、違いがより実感できると思います。
ワンちゃんも、揺れが大きいと乗るのをイヤがってしまいますしね。「DOME3」は、ワンタッチでコットだけ取り外せるのもうれしいところです。
コットだけで持ち運ぶこともできるので、おでかけ先や旅行先でハウス代わりになります。車載ベルトを取り付けたら、車の中でも使用可能です。日頃から慣れさせておくことで、災害時に避難する際にもワンちゃんが安心できる場所になるのではないかと考えています。
「DOME3」は、コット下のバスケットなどの収納もついているんですね。
標準装備として、17Lの大容量バスケット、500mlペットボトルが入るドリンクホルダーといった収納に加え、エアタイヤに空気を入れるためのエアポンプが付いています。
そのほかのアクセサリーは別売りにはなりますが、抗ウイルス・制菌・消臭作用のあるアゴ乗せクッションや虫よけ加工を施したマットなど、ワンちゃんや飼い主さんの好みに合わせて選んでいただけるアイテムを用意しています。
また、エアバギーらしい人気アイテムとして「2WAY BOARD」があります。「DOME3」のフレーム後部に取り付けるもので、小さなお子さんを乗せて一緒に散歩を楽しめます。
家族みんなで出かけられるのがうれしいですね。
エアバギーといえば、スタイリッシュなデザインと豊富なカラーバリエーションも魅力ですよね。
多くの方に評価していただいているポイントです。直営店では、フレームやハンドル、コット、フロントボード、ドリンクホルダー、タイヤのリムの色を自由に選んでいただけるカスタマイズサービス「BUILD(ビルド)」を行っていて、とても人気です。
年2回ほど不定期で開催している「AIRBUGGY COLOURS(エアバギーカラーズ)」というイベントでは、限定カラーのフレームが登場するので、ぜひチェックしてみてください。
「DOME3」以外にも、ペットカートを展開していると聞いたのですが。
はい、2022年に発売したばかりの「WIZ(ウィズ)」は、一般的なペットカートに近い樹脂製タイヤの4輪タイプ。「DOME3」と比べて軽量かつコンパクトで、旅行などにも持っていきやすいモデルです。
樹脂製タイヤなのでDOMEシリーズと比べるとワンちゃんに多少振動が伝わりやすいのですが、走行バランスのいいタイヤを選び、フレームの太さや丈夫さにもこだわって、できるだけ走行性のいいペットカートを目指しました。
「DOME3」と「WIZ」でユーザーさんが分かれることを想定していたのですが、いざ発売してみると、「DOME3」のユーザーさんが旅行や電車移動のために「WIZ」を購入されるケースが多くて、これはいい意味で想定外でした。
シチュエーションに合わせて使い分ける方が多いのですね。ただ、「DOME3」や「WIZ」だと、大きいワンちゃんは乗せられないですよね?
ユーザーさんからも「エアバギーを使いたいけど、うちの子は乗せられない」という声をいただいたので、中型犬がのびのびと乗れる「TWINKLE(トゥインクル)」、大型犬用の「CARRIAGE(キャリッジ)」も開発しました。専用のジョイントパーツで自転車と接続できる「NEST BIKE(ネストバイク)」も用意しています。
「TWINKLE」「CARRIAGE」「NEST BIKE」の3種は、ワンちゃん自ら乗り降りできる設計になっているので、抱き上げるのが大変な子でも問題なく使っていただけます。
エアバギーは、折りたたむとどのくらいのサイズになりますか?
「WIZ」は、エアバギーの中でも特にコンパクトになります。「DOME3」は「WIZ」と比べるとやや大きいですが、畳むと厚さが30㎝になるので玄関にも置けます。ベビーカーをたたんだ時のサイズに近いイメージです。どちらも、女性でも簡単にたためる構造になっています。
「TWINKLE」「CARRIAGE」「NEST BIKE」も、ハンドルやタイヤを外して、ボディをおりたためるので、車のトランクなどに入れて持ち運べますよ。
編集部が本音で聞いてみた!
その悩みにお応えするひとつの選択肢として、「WIZ」を開発しました。「DOME3」よりも軽く、折りたためばコンパクトになるので、持ち運びしやすいモデルです。
また、私たちは「持って軽い」よりも「押して軽い」ことにこだわっています。ペットカートを持ち上げるより、押して歩く時間のほうが長いですよね。そのため、押した時に軽く、操作性がいいものの方が使いやすく、安心して使っていただけると考えています。
多少高額だと思うのですが、メンテナンスを行えば10年使用できる製品です。安価なものを2~3年で買い替えることを思うと、そこまで大きな差はないと考えています。実際に使用していただくと、押しやすく歩きやすいという価格に見合った価値に気付いていただけると思います。
また、タイヤやハンドル、ブレーキ部品などを新品交換するメンテナンスパッケージも用意しているので、これまで使用されていたエアバギーを新品のように生まれ変わらせ、家族や友人に譲るという形で使い続けてくださっているユーザーさんもいます。
主にメンテナンスが必要なのは、エアタイヤです。月1回程度、付属のエアポンプでエアタイヤに空気を入れてください。空気が抜けたまま走行するとタイヤの内側のチューブが摩耗し、パンクのリスクにつながってしまうからです。
エアタイヤは使用頻度にもよりますが2年に1回のペースで点検することをおすすめしています。直営店にお持ち込みいただければその場で点検して部品交換を行っています。またオンラインでタイヤパーツの販売をしているので、ユーザーさんご自身で交換される方も多いです。
エアバギーのことでお困りのことがあれば、まずサポートデスクにお電話ください。すぐに対応させていただきます。私たちはアフターフォローにも力を入れていて、自社でメンテナンスセンターを完備しています。
タイプによって耐荷重が異なるので、ワンちゃんの大きさや飼っている頭数に合わせたチョイスをおすすめしています。
ワンコの大きさに合わせて、おすすめのAIRBUGGY PET(エアバギーペット)を教えて!
小型犬におすすめのエアバギーペットはこちら!
小型犬には「WIZ」と「DOME3」レギュラーサイズがぴったりです。どちらも耐荷重12㎏で、小さなワンちゃんであれば多頭でもOK。持ち運びが多い人には軽量な「WIZ」がおすすめ。芝生の公園などアウトドアを楽しみたい飼い主さんには「DOME3」が良いでしょう。
中型犬におすすめのエアバギーペットはこちら!
中型犬1匹であれば、「DOME3」ラージサイズがちょうどいいサイズだと思います。抱き上げるのが大変な子には、ワンちゃん自身で乗り降りできる「TWINKLE」もいいでしょう。多頭飼いしている子たちを一緒に乗せたい場合は、耐荷重の大きい「CARRIAGE」や「NEST BIKE」をおすすめします。
大型犬におすすめのエアバギーペットはこちら!
大型犬1匹が広々と乗れるカートは、耐荷重55kgの「CARRIAGE」。ワンちゃん自身で乗り降りできるタイプなので、飼い主さんが抱き上げなくても大丈夫です。自転車でけん引したい場合は、専用のジョイントパーツで繋いで「NEST BIKE」に乗せてあげてください。
このアイテムを通じて広げたい“wa”は?
エアバギーは歩くことが楽しくなるペットカートです。ワンちゃんとの行動範囲を広げていろんな場所に出かけて様々な経験をし、愛犬との思い出の輪を広げて欲しいです。エアバギーのホームページでは、ユーザーさんから届いたおでかけスポット情報をまとめた「おでかけガイドマップ」を掲載しているので、参考にしてみてください。
最近は、エアバギーユーザーさん同士のつながりも増えてきています。エアバギーを介して、飼い主さんの輪も広がっていったらうれしいです。
取材をおえて
エアバギーがほかのペットカートと比べてどのように違うのか、ホームページの情報だけではわからない部分もありました。
しかし、実際にエアバギーに触れ、押してみた瞬間に「全然違う!」とびっくり。愛犬を乗せていろいろな場所に出かけたい、そう思わせてくれるペットカートだと知りました。
この記事を読んでエアバギーに興味を持った方には、とにかく実物に触れてほしいです。きっと、私たちのこの想いが伝わることでしょう。