【ペットロス】いつかくる愛犬との別れに向き合う|Stand by you vol.03

【ペットロス】いつかくる愛犬との別れに向き合う|Stand by you vol.03

Stand by you.

飼い主さんが不安になると、ワンコも不安。飼い主さんが笑えば、ワンコも嬉しい。そんな風に飼い主さんとワンコの気持ちは連動しています。

「Stand by you」では、飼い主さんの小さな不安や心の揺らぎに寄り添い、飼い主さんと様々なお悩みを共有しながら、ワンコの幸せ・ご家族の幸せを一緒に考えていきたいと思います。

飛彈 樹里さん

イヌマニック代表。ドッグマインダーとして、ドッグトレーニング、食事・ヘルスケア、シッティング、介護・グリーフケアのトータルドッグケアサービスを通して、パピー期からシニア期のライフステージやそれぞれのご家族に合わせたサポートに取り組んでいる。

ワンコにとっての1年は、私たち人間の7年に相当すると言われています。見た目は子犬の頃と変わらなくても、シニア期に入ると今まで感じなかった心身や行動の変化、あるいは病気と向き合う時間が徐々に多くなる事で、「当たり前の日常」に変化が現れ、愛犬とのお別れを考える機会も出てくるかもしれません。

大切なワンコと過ごす時間をより充実していけるよう、第3回目では改めて愛犬に向き合い、「ペットロス」について皆さんとご一緒に、理解を深める機会にしていきたいと思います。

また、私がドッグライフで大切にしている「グリーフケア」についてもご紹介します。

ペットロスとその症状

ペットロスとはその名の通り大切なペット(ワンコ)を失う事を意味し、ペットが亡くなること以外にも何らかの事情で突然離れ離れになってしまう事なども含まれます。

また、「ペットロス症候群」とは深い愛情で繋がれた大切な家族(愛着関係)であるペット(ワンコ)を喪失した事によって、心身に現れる様々な不調や症状の事を言います。

代表的な症状例

感情面
悲しみ・怒り・自責の念・罪悪感・後悔・抑うつ・無力感 等
身体面
睡眠障害・摂食障害・倦怠感・頭痛・胸痛・めまい 等
行動面
引きこもる・人との交流を避ける・ぼんやりする・過活動 等
認知面
現実逃避・否認・混乱・集中力欠如 等

回復に要する時間や不調・症状は個人差があります。もし少しでも気になる不調や症状がある場合には、一人で抱え込まず専門家や医療機関へお早めにご相談なさってみて下さい。

ペットロスとの向き合い方

「大切な家族の一員」として愛情を注ぎ、かけがえのない時間を共有してきたからこそ「ペットロス」が起こります。

言い換えれば、ワンコを愛するが故の愛情の1つであり、決して珍しいものではなく誰にでも起こり得る正常な反応の1つなのです。

いつか来るお別れへ心の準備をしていても、予期せぬタイミングで突然ワンコを失うと頭が真っ白になってしまい現実を受け入れる事がなかなか難しく、理解しているつもりでも心が追い付かなくなってしまいます。

また「もっとこうしてあげたかった・・・」と後悔や自責の念に駆られ、悲しみや苦しみが更に深くなってしまうこともあるでしょう。

「ペットロス」は個々によって受け止め方や乗り越え方も様々です。同じ飼い主であっても、見送るワンコの性格や過ごしてきた環境によってペットロスとの向き合い方や悲しみがそれぞれだという事を私自身も愛犬たちの看取りやお見送りの経験から感じています。

無理に自分の気持ちを抑えたり、明るく振舞おうとせず、涙したい時には涙し、愛犬を想い出したい時にはその想いに向き合いながらありのままの気持ちを出していきましょう。焦らずゆっくり過ごしていくことも愛犬との別れを乗り越えていくまでの大切な過程となります。

愛犬が使っていた愛用品やお骨をどのようにしたら良いかとご相談を頂く事がありますが、愛用品を早々に処分したりお骨を無理にすぐ手元から離さず、しばらくそばに置いておくことも宜しいと思います。そうすることで愛する我が子を身近に感じられ、「時間薬」と共に気持ちが和らぎ、徐々に現実を受け止め、前に進む勇気にも繋がっていくでしょう。

「こうしなければいけない!」という決まりはありません。飼い主さんの気持ちを最優先していくことが何より大切です。

専門家に相談してみる

「ペットロス」の症状が続くような時には、専門家を頼るという選択肢もぜひご検討ください。自分の気持ちを誰かに話すことに初めは戸惑いを感じたり不安を感じるかもしれませんが、失った辛さや不安感をありのまま話せる存在がいること自体が心の支え、心強い「お守り」になります。

私がカウンセリングを行う際に最も大切にしていることは、飼い主さんのありのままのお気持ちを丁寧に傾聴し、寄り添うことです。感情移入をし、自分の物差しでアドバイスを行うのではなく、ワンコや飼い主さんの目線になって共感していくことも必要不可欠です。

ペットを失くした飼い主さんの喪失感や深い悲しみを、専門的な知識と理解、支援でサポートさせて頂くことで、「ペットロス」軽減の手助けになれば・・・と考えています。もし周りに同じ経験・想いをしたことのある心許せる人がいれば、お話しを聞いていただくことも心を落ち着ける1つの方法かもしれません。

皆さんにぜひ知っておいて頂きたいのが、ワンコを亡くされた方に対して心配のあまり良かれと思って励ますことが、実は「ペットロス」には逆効果になってしまう危険性があります。「まだ泣いてるの?○○ちゃんが心配するよ」、「新しいワンコを迎えたら?」などの言葉掛けは、悪気が無くても励ましの言葉に結びつくとは限りません。ペットを失くした悲しみの度合いや供養の仕方は飼い主さん、ご家庭ごとに違うということも忘れずに。

ある日突然降りかかる愛犬への「不安」

ご覧頂いている皆さんは「グリーフ」という言葉をお聞きしたことはありますか。最近、ワンコライフの中でも少しずつ耳にする機会が増えてきましたが、今回のテーマである「ペットロス」もペットを亡くした時の喪失感という一種の「グリーフ」になります。

つまり身近な存在を亡くした時や大切なものを喪失した体験によって起こる様々な反応を「グリーフ(悲嘆)」といい、「グリーフケア」とは大切なものを喪失した後のサポートだけでなく、「失うかもしれない」という不安が生まれた時、喪失する前から日常生活の中で心身がより安心・安全で自分らしく過ごせるようなサポートのことを言います。

私自身、ペットロスやグリーフケアを学んでいくと、ペットを亡くした後だけでなく、お見送り前の生前から様々な不安や辛さ、悲しみを感じる場面が実は多いということを痛感しました。例えば、いつもと変わらず元気な愛犬に病気が発覚します。

その時に起こる衝撃自体が1つの「グリーフ」であり、愛犬との当たり前の日常が病気によって奪われてしまう、この子を失うかもしれないという先の見えない不安が飼い主さんの中でどんどん増殖し、大きなグリーフになってしまいます。

また、病気が発覚するまで「可愛い〇〇ちゃん」だったのに、今は「病気の〇〇ちゃん」と「病気」というフィルターを通してうちの子を見てしまい、それを理由に楽しい時間や遊ぶ時間、お出かけを控えてしまう。

病気やこれから先のことへの見えない不安に襲われ、他にワンコの名前を呼ぶ回数が減る、飼い主さんの笑顔が減る、抱っこする時間が減るなどワンコの好きなことがどんどん無くなってしまう。

意外と見落としがちですが、これらはどれもワンコにとっての「グリーフ」になり当たり前の日常から少しずつ環境が変わっていくことで「安全感」が揺らぎ、ワンコはさらに不安になってしまうのです。

専門家による「グリーフケア」

病気のことで頭がいっぱいになりワンコ目線で考えられなくなってしまった飼い主さんと、飼い主さんの変化を不安に感じているワンコのQOLや安全感を守り、いつもと変わらぬ日常を1秒でも長く、そしてその子らしく過ごせるよう専門家としてサポートに関わることがあります。

私の場合、飼い主さんに寄り添いながらお気持ちを伺った上で、ワンコと出会った時のお話などを交えながらワンコの「好きなことリスト」をご一緒に作っていきます。病気にはなってしまったけれど、愛するワンコとどう向き合っていくか、何をしてあげられるのかをワンコ目線で考えていただくのです。

そうすることで「病気」というフィルターを掛けてうちの子を見ていた状況から、病気が発覚する前の可愛い〇〇ちゃんとしてうちの子を見ることができ、それにより今までの日常が戻ることでワンコも安心感や喜びを感じるようになっていきます。その笑顔や姿が飼い主さんのパワーにつながり、良い循環が生まれるのです。

もし病気になって歩けなくなっても、抱っこやカートで一緒にお出かけすることで「大好きなお外に出る」という日常を奪わず大好きなことを守っていける、そういった工夫やご提案もグリーフケアの1つになります。

ワンコや飼い主さんが病気に向き合って頑張れる環境を作っていくお手伝いも私たちの大切な役目だと考えています。飼い主さんが 1 人で悩み、悲しみや孤独感に包まれてしまう前に、専門家や第三者のサポートを上手に取り入れながら、これから先も愛犬との幸せなドッグライフを大切に過ごしていただきたいと心から思います。

「グリーフケア」が「ペットロス」の軽減にも繋がっていく

愛犬の生前よりサポート(グリーフケア)を受けていただくことは、愛犬を失くした後の「ペットロス」の予防や軽減にも繋がりなります。

特にターミナルケア期(犬生の最終章に近いところ)で、思うようなケアや寄り添いができなかった場合、飼い主さんの後悔が大きくなり、その結果「ペットロス」が深刻になってしまうケースがあります。

当たり前の日常を大切にしつつ、愛犬がその子らしく安心して暮らせるよう、私たち専門家がサポートすることで、飼い主さん自身も安心して気持ちを整えたり、心身のパワーチャージにも繋がっていきます。

ワンコたちは何より飼い主さんの笑顔や飼い主さんから初めてもらったギフトであるお名前を呼ばれることが大好きです。今、目の前にいるワンコとの一瞬一瞬を慈しみながら過ごしていくことがお互いにとってのハッピーライフになり、その先も「宝物」の時間として刻まれていく事でしょう。そして、お空組のワンコの姿や形は見えなくても、愛犬を想う気持ちはこれからも変わらず永遠に・・・。

「ペットロス」や「グリーフケア」について具体的に相談したい方は、ペットロスやグリーフケアのカウンセラー、動物医療グリーフケアアドバイザーなど専門の有資格者、またはワンコのかかりつけ動物病院に相談してみることをおすすめします。


飛彈さんにご相談したい方大募集!

うちの子の「早食いを治したい!」「怖がりを治したい!」「お泊りでも眠れるようになりたい」などなど…そんな飼い主さんの願いを叶えるお手伝いを飛彈さんと一緒にお手伝いしたいと思います。

飛彈さんにご相談したい方は、お気軽にワンコnowa公式インスタグラムのDMからご連絡ください!

実施方法
直接対面 or オンライン(直接対面の場合:東京原宿)
日程
平日のみ

「Stand by you.」へのご感想やご意見、ご質問も受け付けております。ワンコnowa公式サイトのお問い合わせか、公式インスタグラムのDMからお気軽にお送りください。

参考リンク

Inumanic 飛彈樹里さんに愛犬について相談したい方はホームページをご確認ください。

Contact

ワンコnowa広告掲載の
お問い合わせ

ワンコnowaへの広告出稿・プロモーションなどのご相談は
こちらからお問い合わせください。

この記事に関連するタグ

今、読んでほしい記事

PAGE TOP

  1. TOP
  2. ワンコ記事nowa
  3. ワンコのモノ・コト
  4. 【ペットロス】いつかくる愛犬との別れに向き合う|Stand by you vol.03