セツサチアキのワンコが読む絵本 Onestory 第17話アレルギーっ子のホントの悩み

「いいな〜」

「食べたいモノが食べられて」「このクッキーおいしいね」「うんうん」

「たら〜ん」

「それでね、フレブルさん」

「ごめんなさいマスター、何か言った？」

「来週おやつの試食会を開催するのでフレブルさんも遊びに来てください」

「やだ！楽しそう」「行く、行く！」

「すごく楽しそうだけど私は遠慮しておくわ」

「小麦もチキンも私のカラダに合わなくて食べると…」「かゆいよ〜」

「なので、みなさん楽しんでね」

「アレルギー持ちって大変ね」「お気の毒だわ」

「フレブルさん…」

試食会の日「あら、マスターからメール？」

「フレブルさんも楽しめる試食会なのでお待ちしていますってどういうこと？」

「で、結局来ちゃった」

「あ！フレブルさん！」

「お待ちしていました！こちらのクッキーいかがですか？」「え？」

「オイモと米粉のクッキー♪小麦アレルギーのワンコでも大丈夫です」「あとこちらはサメ肉のジャーキー」

「マスターこのクッキーは柔らかくて食べやすいね」「シニアさんにもう喜んでもらえるよう工夫しました」

「サメ肉ジャーキーは低脂肪だからダイエット中の僕にぴったり！」「あ、でも食べ過ぎはダメですよ」

「米粉のクッキーおいしい」「ホント！これおいしいよね」

「ぐすん」「え？泣くほど！」

「わたしね、アレルギーになって一番悲しかったのは」

「みんなと一緒に『これ、おししいね！』って言えなかったことなの」

「フレブルさん」「やだ、泣けちゃう」

「さあ、今日は思いっきり食べ物トークしましょう」「そうよ、サメ肉ジャーキーもいただきましょう」

「え〜！もう空っぽ！」

「絶対ジャックさんの仕業よ！」「え！フレブルさんまた泣いてる？」「だってこんな会話も嬉しくて」