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安田美沙子×はんなちゃん
タレントとして活躍するかたわら、2児のママとしての顔も持つ安田美沙子さん。日常の風景を切り取ったInstagramが人気ですが、その写真の中に出てくるビションフリーゼのはんなちゃんも、大切な家族の一員です。安田さんが25歳の時に、おうちに迎えたというはんなちゃん。仕事に邁進していた20代から家庭を築いた現在に至るまで、さまざまな経験をともにしてきたといいます。15年にわたる愛犬との日々を振り返りながら、これからのことにも思いを馳せるひとときを、お届けします。
気づけば、もうおばあちゃんですね。この年齢になると体調にも波があるので、いろいろ考えちゃいます。
でも、今でも1日1回は家の中を猛ダッシュするんですよ。“ビションブリッツ”というビションフリーゼ特有の行動らしいんですが、それができるうちはまだ大丈夫なのかなって(笑)。
子どもの頃からワンコに憧れがあって、ずっと飼いたかったんです。『名犬ラッシー』という作品がすごく好きで、クリスマスにコリーのぬいぐるみをお願いするほどでした。芸能の仕事のために22~23歳で上京した後に、実家でボーダーコリーを飼い始めて、私もいつか飼いたいなって。
母から「25歳になったら、美沙子も責任感が出るんじゃない」と言われていたので、25歳になったらワンコを迎えようと決めました。もともと知り合いのブリーダーさんから迎えたいと考えていた犬種が産まれず、「代わりにこの子に会ってみる?」と写真を見せてもらった子が、はんなだったんです。
そうなんです。偶然の出会いだったんですが、その写真がかわいすぎて、はんなを迎えました。ふわふわした見た目とは裏腹に、めっちゃやんちゃだったんですけどね(笑)。
子どもの頃のはんなは元気すぎて、家中走り回るし、トイレットペーパーは破いて散らかすし、布団もぐちゃぐちゃにするし、とにかく大変。私もノイローゼっぽくなっちゃって、「神様、どうにかして…」って、正座して天を仰いでました(苦笑)。
テレビのお仕事で知り合ったトレーナーさんにトレーニング方法を教わったり、本やネットで調べたりして、いろんな知識を入れながら、ハンナと向き合いましたね。私も走ることが好きだから、一緒に外に出て走ったり遊んだりすることは、まったく苦ではなかったんです。
はんなはやんちゃだけど人懐こい性格で、知らない人やワンちゃんにもやさしくできる子だし、吠えたり噛んだりはしなかったので、そういう部分ではあまり苦労しませんでした。
ダッシュしまくることには驚いたけど、私も上京して数年で不安もいっぱいあったので、はんなが支えになってくれたし、一緒にがむしゃらに過ごしてきたなって感覚です。「ビションフリーゼを飼いたい」って人には、「体力がいるよ」って話すようにはしてます(笑)。
独身の頃に失恋をして、泣き疲れてソファで寝てしまったことがあるんですよ。翌朝、起きたらはんなが部屋の中にいなくて、あわてて探したら、なぜかベランダにいたんです。本当にハラハラした出来事で、その時は「はんながいればいいや」って思って、失恋は吹き飛びましたね。
そうかもしれないですね。フルマラソンを走った時は、はんなが私のスニーカーにあごをのっけてて、「お疲れ様」って言ってくれてるのかなって感じたり。人生の節目には、必ずはんなとの思い出があります。
結婚するまではずっと1人暮らしだったので、仕事から帰ってはんながいると安心できたし、支えられたし、私が甘えてるような関係です。はんなの背中の匂いが好きで、落ち着きたい時に嗅がせてもらってます(笑)。
主人はもともとワンコが苦手だったんですけど、はんなのことは気に入ってくれて、かわいがってます。はんなが人懐こい性格だったのも、大きいと思いますね。
私が産まれたばかりの上の息子と一緒に帰った時に、はんなが「見知らぬ生き物を抱いて帰ってきた」ってびっくりしてた姿は、忘れられないです。下の息子の時は、「また来たか」みたいな慣れた感じでしたけど(笑)。
今は、上の子が「はんなのリード持ちたい」って、散歩させてくれるんですよ。まさか自分の子どもがはんなを散歩させる時が来るなんて、15年前は想像もしてませんでした。はんなと下の子がくっついて遊んでることもあって、微笑ましいですね。
そうなんです。5年前に実家のボーダーコリーが亡くなって、両親は「新しい子は迎えない」と言ってたんですが、心に穴が開いてしまう気がしたんですよね。だから、私が迎えたワンコを預けるという体で、はんなの血筋のビションフリーゼを迎えて、実家に連れていったんです。
今では両親ははんなの妹を溺愛していて、完璧に実家の子になりましたね。その子のおかげで両親の気持ちも明るくなったので、家族を救ってくれてありがとうって、感謝しかないです。
お正月にはんなを実家に連れていくと、2匹で仲良く遊ぶんですよ。はんなはマイペースで気まぐれなところがあるけど、その子はいつでも構ってほしくてついてくるタイプで、姉妹でも性格が違って面白いなって感じます。
なかったですね。ドッグドックに行っても、特に問題はなくて。ただ、最近ヘルニアになったので、少し心配です。できるだけ安静にしていた方がいいのかなって。でも、散歩も運動も好きな子だから、無理しない程度に運動させてあげようかなって、思えるようになってきました。
代々木公園はよく行きます。はんなは自然がある場所が好きみたいなので、土の上を歩けるような場所に行くことが多いですね。
この間、はんなと一緒に家族旅行で葉山に行ったんです。慣れない環境だったからか、最初はあまり走ったりしなかったんですけど、朝の海に行ったら走り回ってくれて、うれしかったですね。やっぱり元気な姿が見られると、安心します。
そうだといいなって思います。まだまだたくさん思い出を作りたいので、主人や子どもと「またはんなと一緒に旅行しようか」って話してるんです。1日でも長くはんなと一緒にいたいし、刺激があるとはんなにもプラスになるんじゃないかなと思うので。
今はできることをしつつ、少しでも一緒にいようと思ってます。だから、前よりスキンシップが増えましたね。はんなと2人きりで散歩する時間も作っていて、互いに向き合える大切な時間になってます。
年齢を重ねると、いろいろな問題が出てくるけど、1個ずつケアしていきたいなと。私も40歳になって、自分のケアをするようになりましたし、同じようにはんなもケアしてあげたいんですよね。ワンコ用のサプリやCBDオイルを試したり、一緒に試行錯誤してます。
はんながいなかったら、私の人生はどうなってたかわかりませんね。若い頃から一緒に過ごしてきた同志という感じです。
インタビュー中、過去を振り返って、安田さんが涙を浮かべる場面もありました。 それも、はんなちゃんと築いてきた道のりがあったから。 2人は、さまざまな感情を共有してきたかけがえのないパートナーなのです。
1982年、京都府出身。20歳でミスマガジンに選ばれてデビューし、『アッコにおまかせ!』をはじめとするさまざまな番組で活躍。2014年に結婚し、現在は2人の男の子のママでもある。健康食コーディネーターやランニングアドバイザーなどの資格も取得し、職や運動に関する活動も精力的に行っている。ライフスタイルブック『安田美沙子のRunから始まる笑顔な暮らし 美・食・走る―私のゆる楽しい日々の習慣』(小学館)が好評発売中。