【ドッグスリング専門店 erva(エルバ)徹底取材】飼い主さん達を魅了するドッグスリングの秘密!

【ドッグスリング専門店 erva(エルバ)徹底取材】飼い主さん達を魅了するドッグスリングの秘密!

ココを掘るワケ!ユーザーの声をもとに進化を続けるドッグスリング(犬用抱っこひも)とは?

erva代表の黄瀬さんと愛犬のムアちゃん

さまざまなメーカーが展開しているドッグスリング(犬用抱っこひも)の中でも、とりわけ人気が高いのがドッグスリング専門店「erva(エルバ)」の製品。ワンコnowa編集部のスタッフも愛用しているので、アイテムの魅力は感じていたのですが、機能性が高いドッグスリングはどのように開発されたのでしょうか。

ervaを立ち上げた黄瀬知美さんに、専門店をスタートした経緯やドッグスリングのこだわりをお聞きしました。

愛犬との出会いについて

erva立ち上げのきっかけから、お聞きできますか?

ervaは、愛犬のノアとムア(通称ノンムー)なしでは誕生しなかったですね。

愛犬のノアちゃんとムアちゃん

きっかけとなったノアちゃん、ムアちゃんとの出会いは?

私の実家が赤ちゃん用の抱っこ紐やスリングのメーカーなんですが、その3代目の父が、某クリエイターさんのアトリエの様子をテレビで見たらしいんです。そのアトリエにはワンちゃんがいて、すごく雰囲気が良かったみたいで、「うちにもワンコを迎えよう」と、言い始めたのがきっかけです。

母がアレルギー体質だったので、毛が抜けにくいトイプードルがいいんじゃないかということで、大阪のトイプードル専門のブリーダーさんのところから迎えたのがノンムーでした。

実際にワンコを迎えて、いかがでした?

本当に職場の雰囲気が良くなったんですよ。会議で意見がぶつかったりすると、険悪な空気になったりするじゃないですか。でも、ストレスを抱えたスタッフがノンムーと1~2分遊ぶだけで、すごく癒されてて。ワンコが潤滑剤になってくれるんだなって実感しましたね。

その中でふと、私はこの子たちに幸せにしてもらってるけど、この子たちを幸せにできているんだろうかって疑問が湧いたんです。ノンムーの家族がどうしているのかが気になって、インターネットで調べる中で、ワンコの生体販売の実情を知りました。

厳しい現実を目の当たりにして、ワンコたちに申し訳ない気持ちになりましたね。そこで、どうしたら私も役に立てるんだろうって気持ちが芽生えたんです。

ドッグスリング専門店erva立ち上げのきっかけ

ワンコの役に立ちたいという思いから、ervaの立ち上げに動かれたのですか?

いえ、最初はワンコの保護施設を運営しようと考えました。その準備として、保護活動をされている方や保健所でワンコの殺処分を担当されている職員さん、ペットの遺産相続を進めている行政書士さんなど、いろいろな方に会いに行ったんです。

現場を見に行くと、保護施設の方々は周囲から「寄附金はワンコのためだけに使いなさい」「ごはんはこのグレードでないとダメ」と、さまざまなことを言われて、疲弊していました。現状の保護活動では継続性が見出せなくて、別のアプローチで何か役に立てないかなと。

この頃、ノンムーを職場や動物病院に連れていく時に、赤ちゃん用のスリングに入れていたんです。その姿を見て、「何に入れて抱っこしてるの?」と、興味を持ってくださる飼い主さんが多かったんですよ。

飼い主さんの言葉が、ドッグスリングにつながるんですね。

そうなんです。たまたま実家が赤ちゃん用の抱っこ紐のメーカーで、サンプルのスリングにノンムーを入れていたことで、ドッグスリングというアイテムの可能性に気付けました。

ドッグスリング開発のこだわり

現在は多機能ドッグスリングとシンプルドッグスリングを展開されていますが、先に開発されたのは?

シンプルドッグスリングからですね。私は家業を継いで、赤ちゃん用のスリングに携わっていた時期があるので、シンプルドッグスリングのハードルは低かったんです。生地屋さんや職人さんのルートも揃っていたので、形にするのも苦労することなく。

ただ、私はノンムーを育てた経験しかないので、ノンムーが使う範囲でしか用途を考えられなかったんですよね。そんな私にとってヒントになったのが、ペットイベントなどで出会うユーザーさんの「こういう機能がほしい」という声でした。その声をもとに、シンプルドッグスリングも何度か改良しています。

いつだったか、身長差のあるご夫婦が「ひとつのドッグスリングを共有したい」と話していたんですが、シンプルドッグスリングだとサイズによってフィット感が異なるので、体格に差があると共有が難しいんですよ。だから、サイズ調節ができる多機能ドッグスリングを開発しました。

ユーザーさんの声から生まれたものなんですね。

個々のライフスタイルにフィットする、本当に使えるものを届けたいので、積極的にペットイベントに出展して、ユーザーさんの生の声を聞くようにしています。社内のメンバーだけで開発していると、視野が狭くなってしまうので。

ドッグスリングの用途も、もともとはおでかけ用と考えていたんですが、ユーザーさんから「家の中でも使える」と教えていただいたんです。分離不安症の子や大きな音が苦手な子、パパやママが大好きでずっと一緒にいたい子をドッグスリングに入れて抱っこすると、飼い主さんは両手が空いて家事や仕事ができるし、ワンコは抱っこしてほしい気持ちが満たされて、Win-Winなんですよね。

小型犬と中型犬で使い方が異なることも、ユーザーさんから学びました。小型犬はおでかけで使われるケースが多いのですが、中型犬だとちょい抱きが多いそうなんです。1階から2階に上がる時や、家から駐車場までの移動の間だけ抱いたり。中には、ワンコが散歩コースの途中の橋を恐がるから、その橋だけ抱っこするという方もいました。

ワンコによって違いがあるとなると、さまざまな飼い主さんの意見は重要になりそうですね。

そうなんですよ。ワンコによって犬種も体格も性格も違いますし、飼い主さんも器用な方がいれば不器用な方もいて、筋力も人それぞれ違います。ワンコを抱っこしすぎて腱鞘炎になったという方もいます。それぞれに合う形を見つけるには、さまざまなご意見をいただくしかないんですよね。ドッグスリングって奥が深いんです。

erva(エルバ)のドッグスリングのここがスゴイ!を深掘り

ワンコを抱っこいやすいフロントオープンシステムがスゴイ!

多機能ドッグスリングは前面に2つのファスナーが付いていますが、これは何のためのものですか?

これもユーザーさんの声をもとに、取り入れたものなんです。ワンコが重かったり、腱鞘炎でワンコを持ち上げられなかったりして、「スリングに入れられない」という声がありました。それなら前面がガバッと開けばいいんだと思い付いて、ファスナーを付けたんです。

ありそうでなかった機能ですよね。

さらに、ユーザーさんから別の活用法を教えてもらいました。小さいワンコを抱っこする時に、ファスナーを途中まで開けて深さ調節するというものです。小さいワンコも顔を出せるようになって、苦しくないんですよね。開け閉めしたところでロックがかかるファスナーを採用しているので、ワンコの体重で自動的に開いてしまうこともなく安全です。

大きい子と小さい子を一緒に抱っこしたい場合は、小さい子の顔が出るほうのファスナーだけ開けて調節することもできます。


飼い主さんの負担を減らす“痛くない”バックルがスゴイ!

多機能ドッグスリングのバックルは、独特な造りになっていますよね。

多機能ドッグスリングの開発には2年かかっているんですが、このバックルに2年かけたといっても過言ではありません。右肩にも左肩にもかけられるように、バックルの両サイド、どちらでも長さ調節できるようになっています。

バックルの下にクッションパッドを入れる構造は、当社のバッグデザイナー・金谷 信がひらめいたもので、バックルが肩に食い込みません。アウトドアリュックにも使われているクッションパッドなので、中型犬を抱っこしても負担を感じにくいと思います。


これが欲しかった!かゆいところに手が届く機能がスゴイ!

多機能ドッグスリングは、小物を引っかけられるところも魅力的です。

「できるだけ両手をフリーにしたい」という方が多いので、カラビナを付けることでお水やおやつ、トイレ袋などをつるせるようにしました。

スリングの底にあるループ紐には、リードも引っかけられます。老犬とパピーを飼っているという方であれば、老犬はスリングで抱っこして、パピーはリードでつないで散歩させるという使い方も考えられます。

シンプルドッグスリングも、ユーザーさんの声から生まれた機能はありますか?

スリングの前面と後面に付けたポケットです。「(飼い主さんの)体に触れる面が、ワンコの体温で熱くなる」という声があったので、保冷剤を入れるために付けました。前面のポケットにも保冷剤を入れるとワンコの体も冷やせるので、特に夏場は使ってみてほしいですね。


ワンコの快適性を追求した生地がスゴイ!

シンプルドッグスリングは、播州織・デニム・帆布の3つの生地で展開されているんですね。

もともと赤ちゃん用の抱っこ紐をつくっていたので、スリングに向いている生地、向いていない生地はわかっています。この3つの生地は、ワンコが快適で、飼い主さんも扱いやすいものという基準で選びました。

ドッグスリングによく使われているスウェット生地も柔らかくていいのですが、伸びたり摩耗しやすかったりするので、長く使えるものではないんですよね。

私たちは生地もひとつひとつのパーツも第三者機関で強度テストを行い、目指す強度をクリアしたものだけを販売しています。ervaを立ち上げてからまだ7年ではありますが、初期のものを今も問題なく使ってくださっているユーザーさんもいますよ。

ちなみに、兵庫県西脇市の伝統的な織物・播州織のシンプルドッグスリングは、職人さんと一緒に糸から開発したもので、西脇市のふるさと納税の返礼品に選んでいただきました。


ファッションの一部となる質感とカラバリがスゴイ!

カラーバリエーションが豊富で、ナチュラルな色味がステキですが、ここもこだわっている点ですか?

そうなんです。スリングは飼い主さんの上半身を覆うものなので、ファッションの一部なんですよね。だから、飼い主さんの服装を邪魔しないカラーやデザインを意識しています。


購入後のアフターフォローがスゴイ!

いざドッグスリングを購入したものの、うまく抱っこできないというお問い合わせはありませんか?

いただきますね。私たちとしても売って終わりという関係はイヤなので、質問や不安を伺うビデオ相談を行っています。予約制ではありますが、無料で受け付けているので、ぜひ活用していただきたいです。

試着をした後でも返品・交換を受け付けているので、サイズが合わない、ワンコがスリングに入ってくれないという場合は、ご連絡いただけたらと思います。


発売予定の新作がスゴイ!

今後予定している新たな展開などはありますか?

ワンコをドッグスリングで抱いて、登山やスキーをされる飼い主さんもいるんですよ。その方々から「撥水加工されているとうれしい」という声をいただいたので、ナイロン生地のシンプルドッグスリングを2023年8月に発売する予定です。

そのタイミングでシンプルドッグスリングを改良して、ワンコが安定するようにふちを絞れる機能や、リードを引っかけられるループ紐を追加しようと考えています。

編集部が本音で聞いてみた!

とても便利そう!どんなワンコでもドッグスリングを使えば抱っこできますか?

ドッグスリングは魔法の道具ではないので、普段から抱っこが苦手なワンコは、ドッグスリングを使ったからといって抱っこできるようになるわけではありません。

ワンコが重いなどの理由で飼い主さんが抱っこできない場合も同様です。飼い主さんが腰痛を抱えているなど、体に不調がある場合は、ワンコを抱っこすることで体の負担が増してしまうので、ペットカートなどを活用するほうがいいかもしれません。

私たちの目標はワンコと飼い主さんが一緒に過ごす時間の創造であり、その時間を生み出す手段はドッグスリングでなくてもいいと考えています。ワンコと飼い主さんに合うものを見つけてほしいです。

買うのに躊躇…他社のドッグスリングと比べると高いなと感じるのですが…

他社と比べて高価格なので、購入をためらわれる方がいるのも事実です。私たちは、「日本製」で品質の良いものを提供したいという考えがあります。

大企業であれば、海外で大量に作って安く作る事もできるかもしれません。しかし私たちは小さな企業であると同時に、創業当初から“日本の物作りに貢献したい“という思いがあります。

日本の縫製工場さん(職人さん)をリスペクトしているからこそ、無理な値下げ交渉はせず、お互いが持続可能な関係を作っていきたいんです。

またお客様から修理のご要望をいただいた際には、迅速に対応できるのも国内工場の良いところです。品質の高い商品を適正価格で販売し、アフターフォローも手厚くする。
こんな私たちの考えにご納得いただけるお客様にだけ、商品をお届けできればと考えています。近江商人の「三方よし」ですね!

ひとつ伝えておきたいのは、低価格の製品が悪いというわけではないことです。手軽に購入できる価格のものがワンコや飼い主さんにマッチするのであれば、それ以上のことはありません。

ervaのドッグスリングに興味はあるものの、価格がネックになっているという飼い主さんは、ドッグスリングを取り扱ってくれている販売店さんで試してみてください。私たちが出展するドッグイベントでも、試着していただけます。

日々使うものだから…ドッグスリングのお手入れって簡単にできますか?

特殊な生地は使っていないので、生地に付いたワンコの毛はカーペットクリーナー(コロコロ)で取れます。

また、多機能ドッグスリング、シンプルドッグスリングともに洗濯機で洗えるので、清潔に使っていただけます。多機能ドッグスリングのクッションパッドは生乾きだとカビが生えてしまうので、しっかり乾かしてください。クッションパッドを外して洗濯することもできます。

このアイテムを通じて広げたい“wa”は?

私自身、いち飼い主としてワンココミュニティに何度も助けられてきました。2年前にノアが亡くなったのですが、介護をしている時期にワンコ友達やユーザーさんが勇気付けてくださって、すごく支えられました。そういう飼い主さん同士の輪を、いろんな人にも持っていてほしいです。

ervaとしては、ワンコを子どもや恋人、親友のように感じていて、ワンコとの生活をもっと幸せにしていきたいと思っている方とつながっていきたいです。そして、その輪に対して、私たちができることをどんどん提供していきたい。

ノアと過ごした11年間、ほとんどの時間を共有できたことで、私は救われました。後悔や寂しさがないとは言いません。でも、一緒に同じ時間を過ごしてノアの性格を深く理解していたから、ノアのためにできることがたくさんあったし、後悔の少ない最期を迎えられたんだと感じています。飼い主の皆さんにも、ワンコとたくさんの時間を共有してほしい。そのための手段を提供し続けていけたらと思っています。


取材をおえて

ワンコnowa編集部スタッフが使っている様子を見るだけでも、ervaのドッグスリングのクオリティの高さは感じていましたが、その本質は機能性だけではありませんでした。

「本当に役に立つものを届けたい」という姿勢、「魔法の道具ではない」と伝える誠実さ、黄瀬さんの思いが伝わってくるからこそ、多くの飼い主さんが魅了されるのだと感じました。

インターネットでも購入できますが、できることならペットイベントのervaのブースに遊びに行って、黄瀬さんと話しながら、購入を検討してみてほしいです。

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