【愛犬のためのマッサージ講座】vol.02 老犬の健康寿命を伸ばすための「介護カウンセリング」とは?

【愛犬のためのマッサージ講座】vol.02 老犬の健康寿命を伸ばすための「介護カウンセリング」とは?

老犬の飼い主さんのための「介護カウンセリング」を取材してきました

シニア期に入った愛犬の体のことや心のことで疑問や不安が募るものの、どのように対応したらいいかわからないという飼い主さんは多いでしょう。そんな時に頼れる存在が、ペットケアマネージャーです。今回は、複数の病院で「シニアケアプログラム」を行っているペットケアマネージャー・平端弘美さんに密着し、シニアケアや介護に関するカウンセリングの様子を見学してきました。

老犬の健康寿命のために、「今日からできること」を伝える介護カウンセリング

老犬と飼い主さんのための「介護カウンセリング」とは?

まずは、介護カウンセリングについて、平端さんに教えてもらいました。

「愛犬にずっと健康でいてもらうため、『今日からできること』『若いうちからやっておくといいこと』を飼い主さんに伝えるプログラムです。

その内容は多岐にわたっていて、散歩の途中やおうちの中でできる運動、体づくりのためのごはんや水分の摂り方、ワンコの姿勢を整えるためのマッサージ法など、飼い主さんの要望とワンコの状態に合わせて、伝える情報やノウハウを選択していきます。『足腰が弱ってきたけど、どうしたらいいですか?』と悩む飼い主さんもいれば、『認知症予防について知りたい』と話す飼い主さんもいます。

相談のために1回だけ利用される方もいますし、複数回いらっしゃって、運動やマッサージを教わる回、食事について聞く回、整体を受ける回と分ける方もいます。シニアケア全般について、実践を交えながらお話しし、ワンコの健康維持とQOLの向上を目指していくのが介護カウンセリングです」

実際の介護カウンセリングに密着!

平端さんが行う「シニアケアプログラム」に訪れたのは、ミニチュアダックスフンドのエルモくん(10歳)とラムちゃん(9歳)。2匹ともに動物病院で「心臓に雑音が聞こえる」と診断されたことがきっかけで、飼い主さんはカウンセリングを受けることを決めたそうです。

「将来、寝たきりや認知症にならないためにはどうしたらいいですか?」という飼い主さんの質問に対して、平端さんが提案したのは、おうちでできる運動。毎日少しずつでも運動を継続することで、筋力が鍛えられ、健康寿命を延ばすことにつながるからです。

まずは「毎日どんな運動をさせていますか?」と、ヒアリングから始まります。エルモくんはボール投げが大好きで、ラムちゃんは運動をあまり好まないとのこと。

そこで平端さんが取り出したのは、バランスディスク。その上に前足だけを乗せて立つことで、後ろ足の筋肉やインナーマッスル、バランス感覚を鍛えることができます。また、筋肉や関節を使う作業が、脳への刺激にもなるのだとか。やや前傾気味のラムちゃんは、後ろ足を鍛えることで姿勢がよくなるそう。

続いては、ワンコに障害物をまたがせるラダートレーニング。ワンコの脚の長さに合わせた高さに棒を設置してまたがせることで、足腰の筋力トレーニングになります。おやつで誘導すると、エルモくんもラムちゃんも難なくクリア。

子ども用のトンネルのおもちゃを体勢を低くして通らせるのも、足腰のトレーニングになるそうです。ただ歩かせるだけでなく、障害物を設けていろいろな姿勢にさせることが大切なんですね。

「運動がうまくできたら大好きなおやつをあげるなど、モチベーションが上がる工夫をすると、ワンちゃんも楽しみながら運動を続けてくれるようになりますよ」

実践だけでなく相談する時間も

飼い主さんが「やっぱり散歩は毎日した方がいいですか?」と相談すると、平端さんは「もちろんできたらいいですが、気候によっては絶対ではありません」と、話します。見学に伺った日は、まだまだ真夏日が続いていた時期だったため、「暑い日の散歩はワンちゃんも飼い主さんも大変なので、代わりに家の中で運動や遊びをしてあげましょう」とアドバイス。

さらに、「これから気候が落ち着いて散歩しやすくなったら、平坦なコンクリートの道だけでなく、さまざまな場所を歩くことが大事」とのこと。

例えば、階段や段差を上り下りすると、足腰の強化につながります。ただし、ワンコの脚の長さより低い段差で行うことがポイント。斜面や砂利道、芝生などを歩くことで筋力強化を狙うとともに、脳へのいい刺激も期待できるそう。足元が安定しない落ち葉の上もいいトレーニングコースとなるようです。

介護カウンセリングを受けてみて

エルモくん・ラムちゃんの飼い主さんに、「シニアケアプログラム」を受けた感想を伺いました。

「先代のワンコが短命だったこともあり、この子たちには楽しく健康に長生きしてほしいという思いで、このプログラムを受けました。家でできる運動や散歩の仕方、初めて伺うお話ばかりだけど自分でもできそうで、将来への不安が解消されてきましたね。軽い運動を毎日続けるだけでも、変わってくるんだなって。ワンコについて相談できる人もなかなかいなかったりするので、今後も平端さんを頼りにさせてもらえたらと思っています」

トレーニングを上手に楽しんだエルモくんとラムちゃん

介護カウンセリングで大切にしていること

平端さんに「シニアケアプログラム」で大切にしていることについても、お聞きしました。

「もっとも大切なのは、飼い主さんが何を望んでいるか。ワンコによって体の状態や性格は異なるので、全員が同じことをすれば健康になるとは限りません。その中でワンコの様子を見ながら、飼い主さんの理想の将来を伺い、そこに向けて適した運動や食事、マッサージなどを伝えていくことが私たちの仕事だと考えています。もっとペットケアマネージャーの名前を広めて、より多くの飼い主さんをサポートできるようになることが目標ですね」

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平端 弘美 さん

Hello doggie代表。2013年にジャパンドッグアカデミーでドッグトレーナーの資格を取得し、出張トレーニングやイベントを実施。2019年にペットケアマネージャーの資格を取得し、現在は主に老犬の訪問介護、動物病院でのケア・リハビリ、シニア犬に関するセミナーを行っている。

平端 弘美
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