ワンコが発信している「痛みのサイン」に気付くことは、とても重要です。どのような行動が痛みのサインといえるのか、サインに気付いたらどのように対処すればいいのか、しっかりインプットしていきましょう。
- 獣医師により判断や考え方が異なります。ここでは原宿動物病院でいつも安藤先生が飼い主さまにお話していることを中心に記載しています。
- 自己判断は危険が伴いますので、少しでも気になる症状があればまずはかかりつけ動物病院を受診しましょう。
要注意な「痛みのサイン」は?
ANSWER 次のような行動が見られたら、ワンコが痛みを感じているサインと捉えましょう。
- 抱っこした時に「キャン」と鳴く(通称、抱きキャン)
- 足を引きずるように歩く
- 固まってプルプル震える
- 足を浮かせたままにする
- いつもよりさらに呼吸が荒くなる
など。
ワンコは痛みをはっきりとは見せないようにすることがあります。サインが出ている時は、ある程度、またはそれ以上の痛みを感じていると考えた方がいいでしょう。痛みの原因となるケガや病気が、水面下で進行しているおそれもあります。
犬が感じる痛みの原因は?
ANSWER 外傷や骨折、関節炎、腰痛のほか、内臓のトラブルからくるものなど様々です。
外傷や骨折、関節炎、腰痛など、さまざまな原因が考えられます。抱きキャンが見られる場合は、軽度の椎間板ヘルニアを発症している可能性もあります。
腰痛や椎間板ヘルニアは、統計的に肥満体型だと発症率が上がるといわれています。体型に関わらず、痩せ型でも、ソファなどから頻繁に飛び降りたり、滑りやすい床で過ごしたりしていると、発症することがあります。また、激しい運動をしたなど、心あたりがなくとも発症することも稀ですが聞きます。
内臓の病気が原因で痛みを感じていることもあります。その場合は、下痢や嘔吐などの症状も見られることあるかもしれません。
サインが見つかったらどうしたらいい?
ANSWER 痛みのサインが見られたら、様子を見ずに、なるべく早く獣医師に診てもらいましょう。
病院に行くべき?
早めの受診が肝心。痛みの原因となるケガや病気は、日に日に進行してしまう可能性があるからです。原因を早期発見できれば、治療期間が短くなる期待が持て、痛みのストレスから早く解放してあげられます。
飼い主さんができる対処法
痛みのサインに気付いたら、「ちょっと様子を見よう」と考えずに、できるだけ早く動物病院に連れていくことです。一度収まったように見えても、痛みは繰り返すことがあるので、しっかり病院で治療してあげることが大切です。
Adviser
原宿動物病院安藤 義史院長
原宿動物病院院長。大学卒業後、馬の体や再生医療に関する研究を行う。2013年から東京都および埼玉県の動物病院で経験を積み、2020年7月に原宿動物病院を開院。“やさしく温かく”をモットーに、診断を重視した安心感のある病院作りに努めている。