万が一、愛犬がケガをしてしまった時、家庭でできる応急処置はあるのでしょうか。飼い主としてまずするべきこと、そして普段から心がけておきたいことを、安藤先生に伺います。また、愛犬の元気がなさそうな時にどうすればいいか、その対応方法も聞いてきました。
- 獣医師により判断や考え方が異なります。ここでは原宿動物病院でいつも安藤先生が飼い主さまにお話していることを中心に記載しています。
- 自己判断は危険が伴いますので、少しでも気になる症状があればまずはかかりつけ動物病院を受診しましょう。
愛犬が段差から転落して怪我!どうしたらいい?
ワンコが高さのあるイスや階段、ソファなどから転落してケガをしたり、痛がっている時は、どのように対応するといいでしょうか。
飼い主さんが行うべき対応
ワンコが段差から転落し、ケガをしたり動かなかったりする場合は、むやみに触ったり動かしたりしないこと。まずはかかりつけの獣医師に電話をして、指示を仰ぎましょう。
病院にいくべき?
転落したら、必ず病院に行きましょう。たとえワンコが元気そうだったとしても、見えないところをケガしている可能性があります。自己診断はキケンなので、獣医師に診てもらうことをおすすめします。動物病院に連れていく時は、キャリーバッグでも抱っこでも問題ありません。ワンコが痛がらないなるべく安定して安全な運び方で連れていきましょう。
日頃からできる対処法
段差からの転落は、意図せず起こってしまうものです。そのような状況になっても焦らずに対応できるよう、いざという時に連絡できる動物病院をいくつかピックアップしておくことをおすすめします。かかりつけの病院だけでなく、休診日に連絡できる病院、夜間に連絡できる病院もあらかじめ探してリストアップしておくのも良いでしょう。
愛犬がほかのワンコに噛まれて怪我!どうしたらいい?
ANSWER 散歩中やドッグランで遊んでいる時にほかのワンコに噛まれたら、必ず病院で診てもらいましょう。
おでかけ先で噛まれたら?
感染症のおそれがありますが、まずはケガの治療を優先すべきなので、すぐに動物病院に連絡をし受診しましょう。遠出している場合は、利用しているドッグランやペットと泊まれるホテルのスタッフさんに聞くと、最寄りの動物病院を教えてもらえるかもしれません。また、あらかじめ滞在先の近辺の動物病院をピックアップしておくのもおすすめです。
飼い主さんができる対処法
大切なのはこの二つです。
- 噛んでしまった犬の飼い主さんと連絡をとれるようにしておくこと。
- 獣医師の指示をあおぐこと。
相手のワンコが狂犬病や感染症といった病気を抱えている可能性があるかもしれないので、飼い主さんに名前と連絡先を聞き、連絡が取れるようにしておきましょう。
愛犬の元気がない、調子が悪そう。どうしたらいい?
愛犬がいつもより元気がない気がする…。そんな飼い主さんの直感は、侮れないものです
愛犬の元気がないサイン
元気がないワンコは運動量が減る、食欲が落ちるといった変化が伴うこともあります。具体的には、歩きたがらない、歩いてもすぐに止まる、散歩してもすぐに帰りたがる、しっぽを振らない、好きなエサも食べないといったことが挙げられるでしょう。
考えられる原因
元気がないサインは、どのような病気でも見られる症状です。かぜをひいていても、がんを患っていても、出てくるといっていいでしょう。サインとあわせて発熱や発疹、吐き気といった症状も出ているようであれば、必ず獣医師に診てもらいましょう。
飼い主さんができる対処法
元気がないサインが続くようであれば、動物病院を受診しましょう。客観的所見が乏しい診察結果や検査結果がでる場合もありますが、納得するまで検査を行うか、様子を見るかは獣医師と相談して決めていくことになります。また、日頃から定期的に健康診断を行うことも大切。健康な状態のデータを取っておくことで、具合が悪くなった時の原因を突き止めやすくなることもあります。年1~2回は健康診断を行うことをおすすめします。
Adviser
原宿動物病院安藤 義史院長
原宿動物病院院長。大学卒業後、馬の体や再生医療に関する研究を行う。2013年から東京都および埼玉県の動物病院で経験を積み、2020年7月に原宿動物病院を開院。“やさしく温かく”をモットーに、診断を重視した安心感のある病院作りに努めている。