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ふとした拍子にワンコが異物を飲み込んでしまったら、きっと気が動転してしまいますよね。そんな時にもあわてないように、どのような対処法があるのか、確認していきましょう。また、日頃から誤飲を防ぐための対応策についても、教えてもらいます。
- 獣医師により判断や考え方が異なります。ここでは原宿動物病院でいつも安藤先生が飼い主さまにお話していることを中心に記載しています。
- 自己判断は危険が伴いますので、少しでも気になる症状があればまずはかかりつけ動物病院を受診しましょう。
犬の誤飲で多いものは?
ANSWER ワンコの誤飲は、異物だけに限りません。食べ物であっても、ワンコにとっては中毒症状が出てしまうものがあるので要注意です。
中毒症状を引き起こす食べ物
- たまねぎ
- チョコレート
- ぶどう、レーズン
- キシリトール など
誤飲しやすい異物
- 針(釣り針、裁縫用の針)
- 紐状のものや糸
- ワイヤレスイヤホン、ボタン
- ゴミ袋
- タオル、シーツの一部
- ピアスなどの細かなもの
- おもちゃや人形の一部
- ペットシーツの一部
- 飼い主様が服用しているお薬
- 乾燥剤(シリカゲル等)
- 輪ゴム
- ビニール袋
- 梅干しなどの種
- 石(大小さまざま)
- 避妊具(コンドーム) など
実際に病院で診察した誤飲の例です。
誤飲を放置した場合
中毒症状を引き起こす食べ物を食べたままにすると、量にもよりますが、腎不全や貧血などを起こすおそれがあります。中毒症状は中毒物質により多岐にわたり、命に関わるものもあります。
また誤飲の場合、異物が胃や腸に留まってしまうと、胃炎や腸閉塞、膵炎などを起こすかもしれません。縫い針やフォークなどの尖ったものだと、とても危険があるといえます。
誤飲してしまったら?
ワンコが誤飲したことがわかったら、すぐに動物病院で診てもらうことが重要です。事前に電話して、飲み込んだものやワンコの状態を伝えておくと、診断がスムーズに進むでしょう。
中毒症状を引き起こす食べ物の場合は、できる限り迅速な対応が重要です。異物の場合、吐かせて取り出す、便で排出されるのを待つ、内視鏡で取り出すという方法がありますが、どの処置も大小リスクが伴います。獣医師と相談して、どの方法を選択するか考えましょう。開腹手術が必要になるケースもあるでしょう。
誤飲したか定かではない場合も、ものがなくなっていたりワンコの様子がおかしかったりしたら、獣医に相談してみましょう。
動物病院で、状況に応じてレントゲン検査や超音波検査を受けましょう。画像検査上、映らない素材のものもありますが、もしそこて誤飲してないことが分かったら、なくなったものをもう一度よく探してみましょう。
誤飲の予防法は?
誤飲に関しては、住まいの環境や育て方が大きく影響するといえます。次のようなことに注意しましょう。
実際の診察時にお伝えしている誤飲の予防法
すぐにできること
- ワンコの手の届くところに食べ物を置かない
- ワンコがゴミ箱をあされるようにしない
長期間にわたる行うこと
- キッチンやダイニングテーブルにワンコを上らせない
- 人の食べ物をワンコにあげない
これらの予防法の積み重ねで、ワンコが異物や危険性のある食べ物に近付かなくなるので、誤飲の危険性も減っていきます。
Adviser
原宿動物病院安藤 義史院長
原宿動物病院院長。大学卒業後、馬の体や再生医療に関する研究を行う。2013年から東京都および埼玉県の動物病院で経験を積み、2020年7月に原宿動物病院を開院。“やさしく温かく”をモットーに、診断を重視した安心感のある病院作りに努めている。