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そうめん(素麺)とは、小麦粉を細く引き伸ばして作られた麺のこと。さっぱりとした味わいとツルツルとした喉越しが特徴です。主に乾麺として流通するため、一年を通して入手することができますが、そうめんといえば夏をイメージする人が多いように、暑い時期に食べる食べ物として認識されています。
私たちは、湯がいた素麺を冷やし、めんつゆにつけて食べることが多いですが、はたして犬はそうめんを食べても大丈夫なのでしょうか。
ANSWER 基本的にそうめんは愛犬に食べさせても大丈夫です。
犬は、そうめんを食べても問題ありません。そうめんの原料である小麦粉、塩、水、少量の油は、全て犬が摂取しても大丈夫な食材です。毎日のご飯とのバランスを考えながら与えれば、愛犬の健康維持に貢献する可能性もありますが、そのためには与え方や与える量に注意しなければなりません。
この記事では、そうめんに含まれる栄養素や与える際のポイントなどを詳しく解説するので、ぜひ参考にしてくださいね。
そうめんの主な成分や栄養素
タンパク質
三大栄養素のひとつであるタンパク質は、皮膚や筋肉を作る重要な構成成分です。摂取したタンパク質はアミノ酸に分解された後吸収され、エネルギー源として効果を発揮します。不足すると健康面でさまざまな支障が起きることから、毎日継続的な摂取が欠かせない栄養素です。
糖質
糖質は、同じエネルギー源であるタンパク質や脂質よりも即効性の高いエネルギー源です。体内に糖質が乏しい状態が続くと、思考力や集中力の低下といった症状が出る可能性があります。脳の働きをサポートするためには、継続的な摂取が必要です。
ナトリウム
ビタミンのひとつであるナトリウムは、体内の水分量や細胞外液の浸透圧を調整する役割を持ちます。また、栄養素の吸収や輸送といった働きがあることも分かっています。
リン
リンは、健康を維持するうえで欠かせないミネラルの一種です。体内の約85%は、リン酸カルシウム・リン酸マグネシウムとして歯や骨に存在します。過剰摂取するとカルシウムの吸収を阻害する可能性があるため、摂取量に注意が必要です。
そうめんを犬が食べた際の犬への効果・影響
そうめんには、エネルギー源となる糖質やタンパク質が豊富に含まれています。過剰摂取は健康上良くありませんが、摂取量や与え方に気をつければ犬の健康維持をサポートしてくれる食べ物です。
犬に与えてよいそうめんの量は?
小型犬の場合 | 約22g |
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中型犬の場合 | 約35g |
大型犬の場合 | 約60g |
子犬の場合 | 少量ずつ与える |
老犬の場合 | 少量ずつ与える |
犬にそうめんを与える際の注意点
そうめんのおすすめの与え方
味付けせずそのままあげよう
私たちと同じようにめんつゆを入れて与えるのではなく、何も味付けされていないそうめんを犬に与えましょう。そうめんには塩分が多く含まれていますが、湯でて水洗いすれば85〜90%の塩分がお湯の中に溶け出すといわれています。そのため、そうめん自体に含まれる塩分量は、さほど気にする必要はありません。
ただ、めんつゆにつけてたべると、せっかく減った塩分量がまた増えてしまうことに。犬が塩分を過剰に摂取してしまうと、人間と同じように血圧の上昇や腎臓や心臓に大きな負担をかけるおそれがあります。めんつゆを入れたそうめんを与えないようにしてくださいね。食いつきが悪いようであれば、塩や砂糖などを一切足していない天然の出汁を少量かけてあげると良いですよ。
ネギなどのトッピングはNG
そうめんにめんつゆをつけて与えないのはもちろんのこと、ネギなどのトッピングもしてはいけません。ネギや玉ねぎなどには、犬の健康を害する成分が含まれているからです。少量摂取しただけでも下痢や嘔吐などの症状が出る危険性があるため、注意しましょう。
また、犬に与えても良い食べ物だったとしても、ついつい多くのせすぎてしまうことがあります。結果としてカロリーオーバーになってしまうこともあるため、なるべく何もつけず何もトッピングせずにそうめんを与えてくださいね。
犬の口や手が届かない場所に保存しよう
そうめんは、必ず愛犬の口や手が届かない扉付きの棚や蓋つきの容器に保存しましょう。茹でる前のそうめんは糊化していないため、生の米と同じ状態です。生のでんぷんは消化しづらいため、誤って食べてしまうと、嘔吐や下痢などを引き起こすおそれがあるため、注意してくださいね。
短くカットして与えよう
食べやすいように、そうめんを短くカットしてから犬に与えましょう。美味しいもの、そして食べ応えのあるものを愛犬に与えるのも大事なことですが、食事のストレスを最小限に抑えることも、飼い主の役割です。茹でたそうめんはしっかり流水にさらし、粗熱を取ってから与えるのも忘れないでくださいね。
こんな時は犬にそうめんを食べさせないこと
そうめんの主な原料は小麦です。小麦アレルギーがある愛犬には、食べさせてはいけません。もしも誤って与えてしまった場合は、愛犬の様子をじっくり観察し、何か異変があればすぐ獣医師に相談しましょう。
そうめんは、アレルギー症状が出やすい食材といわれています。初めてそうめんを食べさせるときは、少量ずつ様子を見ながら与えてくださいね。
まとめ
そうめんは、犬に与えても良い食材です。犬にとって害となる成分が含まれておらず、暑い夏でも食べやすいのが特徴なので、そうめんが好きな愛犬であれば正しい量を守って与えてみてください。
ただ、めんつゆにつけたり薬味をトッピングしたりすると、体に悪い影響がでるおそれがあるので、なるべくなにもつけずにそのまま食べさせましょう。
Adviser
ペットフーディスト 佐々木なるみ
愛犬の偏食をきっかけに資格を取得。これまでに4匹のわんちゃんと暮らしてきた。動物愛護に関心を寄せ、犬を含む多くの動物が幸せに暮らせる日本を目指している。