長い身体と短い脚がチャーミングポイントのミニチュア・ダックスフンドは、人気犬種ランキング上位に入る、不動の人気を誇る犬種です。ミニチュア・ダックスフンドを家族に迎えてみたいと思う方も多いのではないでしょうか。
そんな根強い人気のミニチュア・ダックスフンドの歴史や性格、飼い方などについて詳しく解説し、ミニチュア・ダックスフンドの魅力をお伝えします!
ミニチュア・ダックスフンドの基本データ
原産国 | ドイツ |
---|---|
サイズ | 小型犬~中型犬 |
犬種グループ | ダックスフンド(地面の穴に住むアナグマや兎用の猟犬4G) |
飼いやすさ・しつけのしやすさ | 初級~中級 |
運動量 | 中程度 |
トリミング | 不要 |
ブラッシング | 2〜3日に1回程度 |
お散歩 | 1日2回×30分〜1時間程度 |
飼育費用 | 月1.5〜2万(医療費別途) |
かかりやすい病気・怪我 | 椎間板ヘルニア、外耳炎、クッシング症候群、進行性網膜萎縮 |
ミニチュア・ダックスフンドの歴史とは?
ダックスフンドの原産国はドイツで、ドイツ語でアナグマを意味する「ダックス」と、犬を意味する「フンド」に由来すると言われています。
中世の頃からヨーロッパでは地下の狭い巣穴に住むアナグマなどの狩猟が行われていましたが、その狩猟対象の大きさに合わせて、ダックスフンドの体型と大きさも徐々に改良されていきました。
19世紀になり「ミニチュア・ダックスフンド」が誕生するとその可愛らしさからペットとしても愛されるようになりましたが、現在でも狩猟犬として人気があり、世界中で活躍しています。
ミニチュア・ダックスフンドの大きさは?体重は?
ダックスフンドのサイズは「スタンダード」「ミニチュア」「カニーンヘン」の3種類です。
ミニチュア・ダックスフンドは「スタンダード」と「カニーンヘン」の中間の大きさで小型犬に分類されます。
胴長短足が特徴的ですが、体高は21~24cm、胸囲は男の子が32〜37cm以下、女の子が30~35cm以下、平均体重は3.5〜5kgくらいです。
ダックスフンドの種類 | ダックスフンドの体重 | ダックスフンドの体高 |
---|---|---|
スタンダード | 6.5〜11.5kg | 24~27cm |
ミニチュア | 3.5〜5kg | 21~24cm |
カニーンヘン | 3.5kg未満 | 18~21cm |
ミニチュア・ダックスフンドの種類は?毛色は?
「スムースヘアード」「ロングヘアード」「ワイアーヘアード」の3種のタイプがあります。
毛色は、スムースヘアードとロングヘアードは共通で、ワイヤーヘアードのみ「マルチカラー」のバリエーションがあります。
ただし、どのタイプも、珍しい毛色が希少とされがちですが、ダックスフンドは遺伝性疾患が発生しやすく、認められない毛色も多数あるため、信頼できるブリーダーに相談することが大切です。
スムースヘアード
滑らかで光沢のある短毛です。
単色 | レッド |
---|---|
2色 | 濃いブラックまたはブラウンに、目の上、マズル及び唇の側面、耳の内縁、前胸、脚の内側及び後ろ側、足、肛門回りとそこから尾の下側3分の1もしくは半分に「タン(褐色)マーキング」が入っている「ブラック&タン」「ブラウン(チョコレート)&タン」。 |
ダップル (マール) |
黒やグレーの斑が不規則に入る大理石のような模様。 地色は「濃いブラック」または「ブラウン」。 |
ブリンドル | ベースのカラーよりも濃い縞が入る。地色はレッド。 |
ロングヘアード
長くて細く、緩やかなウェーブがかかっていて、耳に生えた長い飾り毛も特徴的です。
単色 | レッド |
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2色 | 濃いブラックまたはブラウンに、目の上、マズル及び唇の側面、耳の内縁、前胸、脚の内側及び後ろ側、足、肛門回りとそこから尾の下側3分の1もしくは半分に「タン(褐色)マーキング」が入っている「ブラック&タン」「ブラウン(チョコレート)&タン」。 |
ダップル (マール) |
黒やグレーの斑が不規則に入る大理石のような模様。 地色は「濃いブラック」または「ブラウン」。 |
ブリンドル | ベースのカラーよりも濃い縞が入る。地色はレッド。 |
ワイヤーヘアード
短くてゴワゴワとした毛質で、立派な眉毛とあごひげをたくわえ、凛々しい印象があります。
単色 | レッド |
---|---|
マルチカラー | 「ワイルドボア」イノシシ色 「ブラウン・ワイルド・ボア」、「ブラック・アンド・タン」、「ブラウン・アンド・タン」 |
ダップル (マール) |
黒やグレーの斑が不規則に入る大理石のような模様。 地色は「ワイルド・ボア」、「ブラック」または「ブラウン」。 |
ブリンドル | ベースのカラーよりも濃い縞が入る。地色はレッド。 |
ミニチュア・ダックスフンドの寿命は?人と比べた際の年齢は?
ミニチュア・ダックスフンドの平均寿命は14.9歳ですが、これは人間の75歳くらいです。しかし、ギネス最高記録では21歳114日まで長生きしたミニチュア・ダックスフンドもいます。
日頃からストレスをためにくい飼育環境を整え、毎日を健康に過ごせるよう気を配れば、寿命以上に長生きできるかもしれませんね。下記が、人と犬の比較年齢になりますので参考にしてください。
犬の年齢 | 人間に換算した年齢 | 成長ステージ |
---|---|---|
3か月 | 4歳 | 子犬 |
6か月 | 7歳半 | |
9か月 | 11歳 | |
1歳 | 17歳 | |
1歳半 | 19歳半 | |
2歳 | 23歳 | 成犬 |
3歳 | 28歳 | |
4歳 | 32歳 | |
5歳 | 36歳 | |
6歳 | 40歳 | シニア犬 |
7歳 | 44歳 | |
8歳 | 48歳 | |
9歳 | 52歳 | |
10歳 | 56歳 | |
11歳 | 60歳 | |
12歳 | 64歳 | |
13歳 | 68歳 | |
14歳 | 72歳 | 高齢犬 |
15歳 | 76歳 | |
16歳 | 80歳 | |
17歳 | 84歳 | |
18歳 | 88歳 | |
19歳 | 92歳 | |
20歳 | 96歳 |
ミニチュア・ダックスフンドがかかりやすい病気は?
椎間板ヘルニア
胴長の体型のため腰に負担がかかりやすく、椎間板ヘルニアが起きる可能性が高いです。前足の脇だけを持って抱っこしたり、仰向けにしたりすると腰に大きな負担がかかり、椎間板ヘルニアを起こす原因となることがあります。抱っこする際は細心の注意を払いましょう。
肥満
太ると足腰に負担がかかり、肥満体型になると短足のためにお腹が地面に接触するような場合もあるので、適度な運動と正しいカロリーコントロールが大切です。
ミニチュア・ダックスフンドはどんな性格?
飼いやすさ、しつけのしやすさは?
ミニチュア・ダックスフンドは明るく、遊ぶことが好きです。飼い主さんに対して強い愛着を示し、非常に従順で、自分で考えて行動するほど頭も良いので飼いやすい犬種です。
褒められることが大好きなので、おやつや玩具などのご褒美を使って、褒めながらしつけをすると良いでしょう。協調性と社会性にすぐれているため、多頭飼いもしやすいです。
また、猟本能があるため、物を投げたりして一緒に遊んであげられる余裕のある人に向いています。聞き慣れない物音や見知らぬ人に警戒し吠える習性があるため、番犬としても活躍するでしょう。
そして面白いことに、毛質によって性格に違いがあります。スムースヘアードの子は頑固で負けず嫌い、ロングヘアードの子は明るく友好的、ワイヤーヘアードの子は協調性が高い性格が多いとされています。
ミニチュア・ダックスフンドの飼い方・飼う際の注意点
ミニチュア・ダックスフンドは飼いやすい犬種ですが、飼育には注意するポイントもありますのでチェックしておきましょう。
散歩は1日2回、30分程度を目安に
散歩はトイレや運動のためだけではなく、社会性を身につけさせる、気分転換をしてストレスを発散させるなどの理由で必須です。毎日朝夕の2回、30分程度連れて行きましょう。
床を滑りにくくする
高いところから飛び降りたり走ったり、ジャンプしたりする際、滑りやすい床材の場合は椎間板へルニアの原因になることもあります。カーペットを敷いたり、滑りにくい材質の床にしたりして生活環境に配慮が必要です。
定期的にブラッシング
被毛はダブルコートのため抜け毛が多く、また、ロングヘアードとワイアーヘアードの場合は毛玉ができやすいので定期的なブラッシングが必要です。ワイアーヘアードは絡まりやすいので、スリッカーブラシやピンブラシでしっかりと毛をとかします。
歯磨きや耳掃除に慣れさせる
ミニチュア・ダックスフンドは垂れ耳で、外耳道がL字型に折れ曲がっているためのため、湿気がこもり耳に汚れが溜まりやすいです。そのため、外耳炎になりやすいとされています。定期的な耳掃除(月に1~2回が目安)がとても大切です。
また、歯周病予防のためにも毎日の歯磨きは必須です。しかし、嫌がる場合は決して無理をしてはいけません。普段からスキンシップをして、リラックスしているときに耳を触ったり、口周りを撫でたり、歯ブラシで遊ばせたりするなどの工夫をして慣れさせましょう。
ダックスフンドのダップル(マール)の毛色について
ダップルは、「マール遺伝子」によって、大理石のような班模様がはいる柄のことをいいます。
メラニン細胞が正しく分布しないよう働きかける遺伝子で、これが毛色に影響しますが、メラニン細胞が正しく分布しない可能性は、毛色以外の遺伝子にも及ぶため、たとえば、それが耳の場合は難聴を、目の場合は視力の低下や失明、また、他にも心臓疾患や、内臓疾患などを引き起こす確率が高く、寿命も短いという傾向があることを知っておいてください。
ミニチュア・ダックスフンドはトリミング必要?
ダックスフンドの被毛は一定の長さまで伸びたらそれ以上は伸びないので、基本的にトリミングは必要ありません。
しかし、ある程度伸びた場合は、足先周りを整えたり、汚れやすい箇所の毛を短くしたりして、清潔を保つ程度のカットはしても良いでしょう。
ミニチュア・ダックスフンドを家族にお迎えする方法
ミニチュア・ダックスフンドを家族としてお迎えする際の、2つの方法と料金の相場を紹介します。
ミニチュア・ダックスフンドのブリーダーさんから子犬をお迎えする
優良なブリーダーさんからお迎えする場合は血統が確かなため、健康状態や性格がわかり、子犬の場合は大人になってからの身体の大きさなども予想しやすいメリットがあります。
また、お迎え後もブリーダーさんに困った時に相談ができたり、兄弟犬の輪が広がったりとサポートしてもらえる繋がりがもてるのも心強いポイントです。
保護犬のミニチュア・ダックスフンドを探して里親になる
動物保護施設や動物愛護ボランティア団体などには、繁殖犬を卒業して保護された子や、飼い主の事情で手放されて保護されているミニチュア・ダックスフンドも多くいます。気に入った子の里親になって、家族にお迎えすることが可能です。
ミニチュア・ダックスフンドの子犬の値段・価格の相場は?
ミニチュア・ダックスフンドの平均価格は約33万円で、女の子の平均価格は約 35万円、男の子は約31万円です(2022年)。保護施設などから里親として引き取る場合は、各施設によって定められた譲渡費用がかかります。事前に問い合わせておきましょう。
まとめ
いつも人気犬種ランキング上位に入り、不動の人気を誇るミニチュア・ダックスフンド。クリッとしたつぶらな瞳がかわいいですが、元は狩猟犬だったという一面もあります。
明るく従順で頭も良いため、飼いやすいでしょう。また、サイズや毛色の違いだけでなく、毛質によって性格が異なるのが面白いですね。
ミニチュア・ダックスフンドならではの病気にも気をつけながら、愛情をいっぱい注いであげましょう。家族に迎える際は、ぜひこの記事を参考にしてみてくださいね。