おうちでの上手な愛犬のグルーミングのやり方をレクチャーするこのシリーズ、今回は気になるパーツの部分カットです。マズル・お尻周り(肛門周り)、足裏の毛は意外と伸びるのが早い!
特にトイプードルのように早く伸びてしまう犬種や、チワワのように小型の犬種だと、お尻カットやマズル部分だけでもおうちでカットをしてあげたいと思いますよね。次のトリミングまでまだ時間があるけどここだけどうにかしたいという方のために、家庭でもできる簡単な部分カットのやり方を解説していきます。
犬のマズルケアマズル(口周り)のカットのやり方
マズル全体のカットはなんだか難しそう・・・
だけど部分ごとに少しづつやっていけば大丈夫!今回はトイプードルを例にマズルの簡単なカットの方法を説明していきます。
こちらの口周りもふもふさんを
こちらのように整った口周りにする手順を説明していきます♪
用意するものは下記の2つのアイテム。
- セニングシザー(スキバサミ)
- コーム
スキバサミではなく普通のハサミでも良いのですが、今回は切り過ぎや失敗やケガを防ぐため、スキバサミを使っていきます。
01目にかかる毛をカットする
正面から見たときに、目に被さってしまう毛を切っていきます。
まずは目にかかっている部分の毛をコームで伸ばします。
このとき、コームは鼻の方から外側へ行くように動かしていきます。
するとこのように、目にかかる毛が立ちますので、ここを切っていきます。
立ち上げた毛をスキバサミの先で少しづつ切っていきます。
立ち上げた毛をスキバサミの先で少しづつ切っていきます。
正面から見たときに、目に毛がかからなくなるまで、コームで毛を立ち上げてから少しづつカットをするという工程を繰り返します。
このように、目に毛がかからなくなればOKです♪
02マズルの輪郭を整える
次に、マズルの形をバランス良く整えていきます。まずはサイドから切っていきましょう!
この子でいうと、ここのあたりになります。
このような飛び出ている毛をカットして周りの毛の長さと合わせることで、ある程度マズルの輪郭が整います。
丸みを帯びたフォルムにするために、下から上へ(上から下でも良いです)角度を変えながら、飛び出ている毛をカットしていきます。
ハサミの先で少しづつ切るという事を心がけながら切っていきましょう♪
飛び出ている毛がないか少し離れた所から見て、バランスを確認し、気になる所があればその部分をカットします。
切り過ぎや失敗を防ぐため、キリの良い所で終わりにしておきましょう♪
03お口の中に入ってしまう毛をカットする
口と鼻の間の毛が伸びると口の中に毛が入ってしまうので、短く切っていきます。
まずはコームを使い、伸びている毛を引き出します。
このとき、頬の方から鼻先の方へコームを動かし、口に入ってしまう毛を浮かせます。
わんちゃんが嫌がってしまうようでしたら指で毛を出してみましょう!
引き出した毛をハサミの先で切っていきます。
このとき、ハサミがわんちゃんの鼻に向いていると鼻にケガをさせてしまう恐れがあるので、ハサミの先は鼻の外側(ご自身の顔の方)を向くようにしてカットしてください。
また、わんちゃんが舌を出したり顔を動かしたりする場合があるので、愛犬が嫌がらない程度にマズルをしっかりと押さえます。
それでも力の強い子は舌を出したり顔を動かしてしまいますので、ハサミは大きく開かず小さく開くようにし、ハサミの先で少しづつカットして、ケガをさせないよう心がけましょう。
04アゴの下の毛をカットする
さいごに、アゴの下の毛を切ってマズルの形を完成させます。
コームでアゴの下の毛を伸ばします。
コームが手前に来るように動かし、アゴの下の毛を伸ばします。
すると周りよりも長い毛が出てくるので、それをカットしていきます。
だいたい形が整って、びよ~んと飛び出ている毛がなくなったら、マズルのカットは終了になります!
犬のお尻周りのケアお尻周りのカットのやり方
お尻周りの毛もあっという間に伸びますよね。
今回はトイプードルを例に肛門にかかる毛と、その周辺のお尻周りのカットの簡単なやり方を説明していきます。
用意するものは下記の2つのアイテム。
- 1ミリの刃がついているバリカン
- セニングシザー(スキバサミ)
01肛門にかかる毛をカットしよう
肛門にかかる毛をカットするときはハサミを使うと少々危険ですので、小型のバリカンを使って毛をカットしていきます。
今回使うのは小型のバリカンで、1ミリの刃がついています。
バリカンの中で一番小さめのミリ数になっており、刃と刃の間に皮膚が入りにくいため、ケガの心配が最小限に抑えられます。
肛門にバリカンの刃が当たるとケガの原因になってしまうため、外側に向かってバリカンを動かし、肛門にかかる毛を刈り取っていきます。
このとき、毛の根元からバリカンをかけると肛門周りの毛が無くなってしまい、肛門のサイズが大きく見えてしまう仕上がりになってしまうので、肛門にかかる毛の毛先を狙うように、サっと浮かせるような感じで毛をカットしていきましょう!
このように、肛門にかかる毛がなくなったらOKです♪
02お尻周りの毛をカットしよう
肛門周りがスッキリしたら、今度はその周りの毛が気になりますね。
その場合はスキバサミを使って、気になる部分をカットしていきましょう!
ここが長いかな?と思う部分の毛先を少しづつカットしていき、周辺の毛の長さとうまくなじむように毛の長さを調節していきます。
このとき、ハサミの先が肛門の方に向いているとケガの原因になりますので、刃は必ず肛門の外側に向くように気を付けましょう。
お尻周りカットの注意点
肛門付近は敏感なので、バリカンの振動や、ハサミでカットする感触に驚いていきなり座ってしまう事があます。
そうなるとバリカンの刃やハサミが肛門に当たり、思わぬケガの原因になってしまいます。
カットする際は尻尾をしっかり持つ、または、股の間に手を入れてしっかり立たせ、犬がいきなり座らないように支えながらの作業を心がけましょう。
犬の足裏のケア足裏カットのやり方
用意するものは下記のアイテム。
- 1ミリの刃がついているバリカン
足の裏は肉球や爪などの細かい部分があり、ハサミでカットとなるとケガの恐れがありますので、今回は初心者でもやりやすいよう、バリカンでのカットのやり方を書いていきます。
01肉球にかかっている毛をチェックする
足裏カットでは、基本的に肉球にかかっている毛をカットしていきます。
ですので、肉球にはどのくらい毛がかかっているか、それがどこから生えているのかをチェックしておきます。
予めチェックしておく事により、バリカンをかけるときにどこからかけるかの判断がしやすくなり、時短にもなります◎
肉球に毛がたくさん覆いかぶさっていますね。
この被さっている毛をカットしていきましょう!
02毛の生えている方向とは逆の方向にバリカンをかける
バリカンを体にかけるときは毛並に沿ってかけていきますが、足裏のようにツルっと仕上げたい場合には、毛並みとは逆の方向に向かってバリカンを動かしていきます。
足裏の毛はかかとから足先に向かって生えているので、足裏にバリカンをかけるときは、足先からかかとに向かってかけていくのが綺麗に刈り取れるコツになります。
肉球と肉球の間の飛び出ている毛も刈っていきます。
03肉球にかかる毛がなくなったかチェックする
一通りバリカンをかけたら一度バリカンを置き、肉球にかかっている毛が無くなったか足の裏全体よくチェックします。
気になる所があれば再度バリカンをかけてみましょう。
このように、肉球にかかる毛がなくなったら足裏バリカンはおしまいです!
バリカンを使うのが怖い・愛犬の足が小さくてやりにくいという方は、この小型バリカンよりも更に小型のバリカンがあるので、それを使ってみるのも良いですね!
(小型の小型バリカンとはこのようなものになります)
足裏カットの3つの注意点
- 何度も同じ所にバリカンをかけ続けてしまうとバリカン負けといって、皮膚が赤くなってしまう事があります。
同じ所を何度もかけ続けないという事を心がけながらバリカンをかけていきましょう。 - 肌が弱い子にはバリカンの振動が刺激になってしまう事があるので、バリカンと皮膚があまり触れないように少し浮かせながらかけてあげると良いでしょう。
- 足の裏にバリカンを当てたとき、振動に驚いて足を蹴り上げたり動かしてしまう場合があります。
その衝撃でバリカンを落としてしまう事があるので、愛犬の足とバリカンをしっかり持ち、いつ足が動いても大丈夫なよう心の準備をしておくと良いでしょう。
さいごに
マズル・お尻・足裏は敏感な部位になります。
もし愛犬が嫌がってしまうようでしたら無理に続けずに、一度休憩をしたり後日もう一度チャレンジしたりと小分けにしてやってみましょう!
嫌がる中続けていると、愛犬がトリミングを嫌いになってしまうかもしれませんし、飼い主さんも疲れてしまいます。
お互いに無理のないようにトリミングをしていく事が大切です♪
それでも嫌がってしまう場合はトリミングサロンへ行って、実際にトリミングをしている姿を見せてもらったり、嫌がる場合はどうしたら良いのかなど、アドバイスをしてもらうのも良いですね◎
おうちでのグルーミングがわんちゃんと飼い主さんにとって素敵な時間になりますよう願っております。
nowa writer
pomu
愛犬 / ぽてちちゃん&とちぎちゃん
小さな頃から動物(特に犬)が大好き!トリミングスクール卒業後はドッグカフェ併設のトリミングサロンのカフェスタッフ兼トリマー兼ペットホテルスタッフとして、犬に囲まれながらお仕事をしてきました。在学中はペットショップでのアルバイトもしていました。出産のため仕事は辞めてしまいましたが、それでも犬に関する何かがしたかったので羊毛フェルトで犬を作ったりしていました。現在は二頭のトイプードルと二人の息子に囲まれ、ワンワンギャーギャーと賑やかな毎日を過ごしています。家庭でできるグルーミング、豆知識、犬用品の事など、飼い主さんと愛犬にプラスになる事を書いていけたらと思います。
※愛犬は二匹。写真の左が「ぽてち」右が「とちぎ」です!