【犬の犬見知り・人見知り】犬が怖い!人が怖い!犬が怖がる心理・原因と対策

【犬の犬見知り・人見知り】犬が怖い!人が怖い!犬が怖がる心理・原因と対策

犬の犬見知り・人見知りって何?

「犬見知り」「人見知り」は家族や友達と、それ以外を区別する能力が備わった証拠です。

人見知りとは、人間の赤ちゃんの場合、記憶や視力、感情などが発達して、いつもそばにいる人と別の人との違いに反応して現れる行動のことです。家族と他人の違いを認識できている表れなので、成長過程で必要なことだとも言われています。しかし、人見知りが激しくて、家族以外の人が近づくと、毎回号泣するといった行動に困っているお母さんも多いそうですね。

では、ワンコの場合はどうでしょう。飼い主さん以外の人を警戒する、お友達になっていないワンコを警戒するのは、ちゃんと人の違い、犬の違いを認識できている証拠になるので、正常な反応だと考えられます。ただし、飼い主さんと他の人の違いや、友達ワンコとそれ以外の犬との違いがちゃんとわかっていても、吠えたり、逃げたりする困った行動がなければ、気が付かない飼い主さんも多いようですよ。

「犬見知り」「人見知り」の原因は、社会化不足?
それとも刺激過多?

犬が見慣れない存在を警戒するのは当然。もともとの怖がりな性格や環境なども影響します。

犬見知り・人見知りの強いワンコは、一般的に子犬の頃の社会化不足が原因だと言われています。社会化とは、社会に対する順応能力のこと。ワンコは、生後3カ月半頃までに体験したことに順応しやすい傾向があり、そのころまでに世の中のいろんな環境、音や人とのふれあい、他の犬などと接する機会を作っておくと、それらに対する順応能力がアップするのです。その期間を過ぎると、見慣れない存在を警戒する傾向が強くなってきます。そのため、子犬のうちに、いろんな年齢層の人、いろんな服装の人から、おやつをもらったり、なでてももらうことや、パピーパーティやパピークラス、犬の保育園などで、他のワンコと遊ぶ機会を多く作っておくと、犬見知り、人見知りしにくいワンコに育ちます。
ただし、社会化を促進させようと多くの刺激にさらすことが、ワンコによっては刺激過多になり、それがきっかけで怖がるようになる場合もあるので、注意が必要です。接触の刺激が強すぎると、相手を警戒し始めて、犬見知り・人見知りの原因になることがあります。

嫌な経験が犬見知り・人見知りを強くする

ワンコが逃げられない状態での接触は、避けて!

一般的に警戒心の強いワンコは、犬見知り・人見知りが強くなります。警戒心は、犬種によっても、強弱がありますが、同じ家庭で育つ同じ犬種であっても差があるので、もって生まれた性質も考えられます。また、子犬の時期に社会化のために、たくさんの人になでてもらっていたのに、人見知りするようになるワンコもいます。特にその子の自由意志ではなく、抱っこなど逃げられない状態で、知らない人から、頭をなでられるなどのさわられた経験が多いと、人の手を怖がるようになる子もいます。人見知りにしないように育てるには、ワンコに負担のない接し方を相手にきちんと伝えて、その接し方でふれあってもらうことが大事です。
また、犬同士の接触も、パピーパーティのように、同世代の子犬ばかりが集まる場合は、それほどトラブルがありませんが、成犬になってからの接触は、注意が必要です。他の犬との接触で嫌な経験があると、その犬と同じ犬種全体に「イヤなヤツ」というレッテルを貼ったり、「大型犬が怖い」「黒い犬は苦手」といった、その犬と似たタイプ全体を避ける傾向が出てきます。

人見知りワンコの対策

ワンコに負担のない接し方をお願いしましょう!

では、具体的にワンコに負担のない接し方の例をお伝えします。

01.ワンコの自由意志で触れられること

ワンコも触られたくない時もあります。そのボディサインを見極めてから、人との挨拶をしましょう。抱っこやカートの中、リードが張った状態の時は、そのワンコの意思がわかりにくいのでやめておきましょう。

02.ワンコに触ってもよいか確かめる時間を与えよう

ワンコのリードが緩んでいる落ち着いている状態で、相手に卵を握ったようなふんわりとしたグーの手をワンコの鼻の少し下に出してもらいます。ワンコが自分の意志で鼻を近づけてその手を匂ったら、さわってもいい合図です。もしも、手に近づかず鼻を背けたり、後ずさりや逃げようとする場合はさわってもらうのはやめましょう。また、そのワンコと慣れていない人は、ワンコの顔を見つめないように伝えましょう。威嚇していると捉えるワンコもいるからです。

03.ワンコの好きなところから少しずつ

さわってもいい合図が出たら、首や背中など、そのワンコの好むところを伝えて、少しなでてもらいましょう。好きなおやつを手から与えてもらうのもオススメです。ただし、頭の上は、ワンコの視界から人の手が見えにくく、覆いかぶさり、恐怖を感じる子も多いようなので避けてもらうようにしましょう。

成犬になってからも、上記のようなマナーを守って接する人が増えると、人見知りも緩和してくるでしょう。なでてもらっている時やその後によく褒めることも忘れずに。もしも、接触を拒否しても、絶対に叱らないことも大事です。

犬見知りワンコの対策

お尻の匂いを嗅ぎ合うのがワンコ同士の挨拶です!

犬の同士の挨拶にもマナーがあるので、そのマナーが守れる犬同士で接触させるようにしてください。嫌な経験が1回でも強く残ると、同タイプの犬を避けるようになることがあり、それが犬見知りにつながります。子犬の場合は、多少マナーか悪くても許されるところがあるようですが、すでに成犬の場合は、マナー上手な犬とだけ、挨拶させる方が安心です。

01.相手のワンコから、1m以上離れたところで、
挨拶をさせて良いか確認

1m以上離れたところでお互いのワンコの様子を観察。リードを少し緩めた時に、近づこうとしているのか、避けようとしているのか、じっとしているのかよく見ておきましょう。また、お互いのワンコが目をじっと見つめ合っていたり、背中の毛が立っていたり、低い唸り声を出している時は、挨拶をさせることをあきらめて離れましょう。

02.お互いのワンコが落ち着いている状態でリードを緩める

お互いのワンコが落ち着いている状態を確認して、近づくことも逃げることもできる状態になるようリードを少し緩めます。お互いが近づき、犬同士のどちらかが顔を背けたら、挨拶をしてもいい合図です。

03.お尻の匂いを嗅ぎ合い、挨拶完了!

顔をそむける合図が出たら、さらにリードを緩めて様子をみましょう。多分、そのまま相手のワンコのお尻の方に近づいて、匂い嗅ぎをはじめるでしょう。お互いにそれができたら、挨拶完了です。お尻の匂いから、相手のワンコのプロフィールや心理状態もわかるので、安心して接することができます。その後相手の顔をなめたり、遊びを誘ったりという行動に出ることもあり、友達になる第一歩に繋がります。

ちゃんと犬同士の挨拶ができたら、よくほめてあげましょう。犬見知りのワンコは、この犬同士の挨拶があまりできていないことが考えられます。相性が良く、マナー上手な相手を選んでこのような挨拶の機会を増やすようにしましょう。また、苦手なタイプのワンコとは、無理に挨拶させようとせず、飼い主さんに集中させて、やり過ごすようにするトレーニングをしておくといいでしょう。

Writer

山ノ上 ゆき子さん

風鈴犬のこころ研究室代表。行動分析学、学習心理学、動物心理学などを学び、ワンコと飼い主の心理や行動を研究。学会発表や、“犬のこころ”に着目した飼い主さんへの指導やアドバイス、執筆活動を行い、ヒトとワンコが共にハッピーに暮らせる社会づくりを目指す。元保護犬2頭と暮らし、アニマルセラピー活動も行う。JAHA CAPP活動チームリーダー。千葉県動物愛護推進員。

山ノ上ゆき子さん
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