胴長に短めの脚、歩くとプリプリする桃尻、キツネのような大きな立ち耳、クリクリのつぶらな瞳、口角をキュッと上げた満面の笑顔……このような特徴を持つコーギーには、癖になる可愛さがあります。
コーギーといえば、イギリスのエリザベス女王が長年ロイヤルドッグとして可愛がっていらしたことは有名ですね。
エリザベス女王は、18歳の誕生日プレゼントとして贈られたコーギー「スーザン」から、生涯で約30匹ものコーギーを愛されました。
一度コーギーの魅力の虜になると、抜け出せない中毒性のある犬種なのかもしれません。
コーギーには2つの種類があります
コーギーには2種類あり、「ウェルシュ・コーギー・ペンブローク(Welsh Corgi Pembroke)」と「ウェルシュ・コーギー・カーディガン(Cardigan Welsh Corgi)」が存在します。
日本で飼われてるコーギーのほとんどがペンブローク。
この記事では、ペンブロークについて紹介します。
ペンブローグ
断尾されているので尻尾がない、もしくは短いコーギーは「ペンブローグ」になります。
カーディガンよりコンパクトなボディで、最も一般的なのは被毛の色はレッドで、それ以外にはセーブル・フォーン・ブラック&タンなどの色があります。
カーディガン
カーディガンの方が骨は太く、耳も大きく、全体的にがっちりとした体つきです。また、断尾をしていないので、狐のようにふさふさで長い尻尾が特徴です。
カーディガンの被毛の色はブリンドルなどペンブローグではみとめられていないカラーなど毛色は豊富です。
コーギーの基本データ
原産国 | イギリス |
---|---|
サイズ | 中型犬 |
犬種グループ | 牧羊犬&牧畜犬グループ |
飼いやすさ・しつけのしやすさ | 中級 |
運動量 | 多い |
トリミング | 不要 |
ブラッシング | 必要(2〜3日に1回程度) |
お散歩 | 1日2回×30〜60分程度 |
飼育費用 | 月1〜2万(医療費別途) |
かかりやすい病気・怪我 | 椎間板ヘルニア、股関節形成不全、変性性脊髄症 |
コーギーの歴史とは?
ウェルシュ・コーギー・ペンブロークの原産は、イギリスのウェールズ地方です。その起源は諸説あるようですが、祖先は北欧のバイキングが飼っていた、胴長短足の身体、そして立ち耳を持つ「スウェーディッシュ・ヴァルフント」ではないかとされています。1107年頃、イギリスの王室属領であったチャネル諸島からウェールズに連れてこられ、その後牛追いの牧畜犬や番犬として活躍していました。
その可愛さから、初代のイングランド国王ヘンリー2世のペットともなり、12世紀から英国王室で愛育されてきた犬種なのです。その後、イギリスの繁殖家による人工交配が進み、現在のペンブロークに近い犬種が誕生します。もともとコーギーには長い尻尾があるのですが、牧畜犬として働くためには、長い尻尾を牛に踏まれたりしないようにと、生後間もなく断尾をする習慣ができました。
しかし近年、動物愛護精神の高いイギリス国民が断尾に反対し、コーギーの繁殖者が激減、イギリスケネルクラブによって「絶滅危機にある原産犬種」のリストに加えられたこともありましたが、最近はまたコーギー人気が盛り返し、リストからも外されました。日本でコーギーに注目が集まったのは1990年代です。飲料水のテレビCMに登場したことがきっかけとなりました。
コーギーの大きさは?体重は?
コーギーは中型犬に分類されます。平均体重は10~15kg、体高は25.5〜30.5cm程度です。
食パンに例えられる丸くて大きなお尻など、全体的に可愛いイメージのあるコーギーですが、実は頑健で強靭、動きがよく耐久力のあるタフなボディを持った犬種です。
コーギーの体重 | コーギーの体高 |
---|---|
10kg~15kg | 25.5〜30.5cm程度 |
コーギーの被毛は?毛色は?
被毛はふわふわですが、上毛と下毛を持つダブルコートのため、換毛期には非常に多くの抜け毛があり、毎日のブラッシングが必要です。毛色は以下の4種類が認定されていますが、脚や胸、頸の白斑はあってもなくてもよいとされています。
- レッド:赤茶色
- セーブル:レッドをベースに、黒毛が混じったもの
- フォーン:やや黄色がかった明るい赤茶色
- ブラック&タン:黒毛ベースで、眉毛、マズル、胸などに黄褐色の斑があるもの
コーギーの尻尾(しっぽ)の断尾について
コーギーは尻尾のない犬というイメージがありますが、牧牛犬だった時代に牛に尻尾を踏まれるのを避けるために断尾する習慣があったためです。これまでは断尾をするのが一般的でしたがイギリスでは断尾が禁止され、今では日本でも尾のあるタイプが主流になりつつあります。
コーギーの寿命は?人と比べた際の年齢は?
コーギーの平均寿命は12〜15歳といわれていますが、20歳まで長生きしている子もいます。
下記が、人と犬の比較年齢になりますので参考にしてください。
犬の年齢 | 人間に換算した年齢 | 成長ステージ |
---|---|---|
3か月 | 4歳 | 子犬 |
6か月 | 7歳半 | |
9か月 | 11歳 | |
1歳 | 15歳 | |
1歳半 | 19歳半 | |
2歳 | 23歳 | 成犬 |
3歳 | 28歳 | |
4歳 | 32歳 | |
5歳 | 36歳 | |
6歳 | 40歳 | シニア犬 |
7歳 | 44歳 | |
8歳 | 48歳 | |
9歳 | 52歳 | |
10歳 | 56歳 | |
11歳 | 60歳 | |
12歳 | 64歳 | |
13歳 | 68歳 | |
14歳 | 72歳 | 高齢犬 |
15歳 | 76歳 | |
16歳 | 80歳 | |
17歳 | 84歳 | |
18歳 | 88歳 | |
19歳 | 92歳 | |
20歳 | 96歳 |
コーギーがかかりやすい病気は?
短足胴長の骨格をしているため、腰や膝に負担がかかりやすく「椎間板ヘルニア」「変性性脊髄症」「股関節形成不全」などの病気になりやすいです。とくに「変性性脊髄症」は、発症すると3年以内に亡くなる可能性もある、命に関わる病気です。
フローリングは滑り、足腰へのダメージがあるので、予防のためにもカーペットや滑り止めマットなどを敷いてあげてください。
また、若い頃から「白内障」や「進行性網膜萎縮症」などの眼疾患にも注意が必要です。定期的に、動物病院の健康診断を受けると良いでしょう。
コーギーはどんな性格?
コーギーの飼いやすさ、しつけのしやすさは?
コーギーの性格は、その笑顔のとおり、天真爛漫で明るく陽気な性格です。活発で走り回ることや遊びが大好きですが、社交的な面も持ち、初めて会う人やほかのワンコともフレンドリーに接することができます。
飼い主にとても忠実なことで知られ、利口で物覚えがよく、状況判断能力にも優れているので、ジュニアステージ(約2ヶ月齢以降)から正しいトレーニングをすれば優秀なパートナーになってくれます。聴覚、臭覚、視覚に優れ、聴導犬や警察犬として活躍している子もいます。無駄吠えも少ないので、ワンコを初めて飼う人にも難易度の低い犬種でしょう。
コーギーを飼う際の注意点
お迎えしたら、すぐにしつけを始める
牧場の牛を追いかける牧畜犬としてのルーツがあり、牛のかかとに噛みついて群れを制御する役割を担っていた犬種です。ほかのワンコや小動物、動くものなどを吠えたり噛んだり、追いかけ回したりしてしまうこともあります。ジュニア期からのトレーニングがとても重要です。
賢い犬種なので、ワンコ自身に興味を持たせ、一つ一つ段階を追って学習するように導くのがコツです。飼い主さんへの忠誠心が高く従順なので、さほど難しくなく習得してくれるでしょう。
きちんと信頼関係を築く
可愛いからと甘やかすと 、わがままイタズラ放題の子に育ってしまいます。親子のような関係であると認識させ、飼い主さんとの信頼関係を築いてから、親が子に教えるように愛情を持ったトレーニングを行い、指示に従わせるようにしましょう。
毎日1〜2回散歩に行く
元牧畜犬のコーギーにはたくさんの運動量が不可欠です。毎日朝晩30分以上の散歩は欠かせません。
活発な子が多いので、しっかり遊ばせる
適度な運動と達成感を与えてあげないと、ストレスを溜め、精神的にも肉体的にも悪影響を及ぼしかねません。走ること、遊ぶことが大好きなので、ノーリードで思う存分走れるよう、定期的にドッグランに連れて行ったり、ドッグスポーツなどをさせてあげたりしましょう。
アウトドアレジャーにもついていける体力があるので、アクティブな飼い主さんのよき相棒になりますよ。
ヘルニア対策・肥満対策を!
胴が長く足が短い分、脊椎と腰椎に負担がかかりやすいため、フローリングを走り回っているときに大きな負担がかかり、痛めてしまう場合も。滑りにくい床材やカーペットなどを敷くなど足腰に配慮した環境を整えてあげましょう。
同時に、大きな段差をなくす、高いところから飛び降りをさせないなどの注意も必要です。また抱っこの時はお尻をしっかり押さえるように注意しましょう。
また、肥満も腰椎に負担がかかりますので、食欲旺盛なコーギーの食事管理はしっかりと行いましょう。
食事の量を測り肥満に気をつける
食べることが好きな犬種で、まれに「ごはんが食べられれば、遊べなくても満足」という子もいますが、だからといって食べさせすぎてしまうのはおすすめしません。
欲しがるままに与えてしまうと、わがままになって飼い主さんの言うことを聞かなくなる可能性があり、また肥満になると健康面でのリスクが高まります。
意外に抜けるコーギーの被毛、ブラッシングはこまめに!
コーギーの被毛はダブルコートなので、抜け毛が多く毛玉ができやすい特徴があります。それが皮膚炎の原因になるため、毎日のブラッシングが必要です。
毛は長くないため基本的にカットは必要ないのですが、暑さには弱い犬種なので、夏には熱や湿気がこもりにくくなるようにサマーカットをしてあげてもよいでしょう。
コーギーを家族にお迎えする方法
コーギーを家族としてお迎えする際の2つの方法と、料金の相場を紹介します。
コーギーのブリーダーさんから子犬をお迎えする
コーギー専門の優良ブリーダーをネットなどで検索してみましょう。ブリーダーから子犬をお迎えする場合は両親が明らかなので、毛色や体格、性格などがわかるメリットがあります。
また、お迎え後もブリーダーさんに困った時に相談ができたり、兄弟犬の輪が広がったりとサポートしてもらえる繋がりがもてるのも心強いポイントです。
保護犬のコーギーを探して里親になる
動物保護施設や動物愛護ボランティア団体などでは、繁殖犬を卒業して保護された子や、飼い主の事情で手放されて保護されているコーギーを見つけることができるかもしれません。サイトやSNSなどで探してみるのがおすすめです。
コーギーの子犬の値段・価格の相場は?
コーギーの子犬の平均価格は約33万円です。ドッグショーで優秀な成績を収めた親犬の子は、価格が高くなる傾向にあります。
保護施設などから里親として引き取る場合は、各施設によって定められた譲渡費用がかかります。
事前に調べたり問い合わせてみたりすると良いですよ。
まとめ
古くからイギリスで愛されてきたコーギーの魅力、伝わりましたでしょうか?表情が豊かで短い脚がチャーミングポイントのコーギーですが、牛を誘導できる賢さや俊敏さもある牧畜犬だったのは驚きですね。
その体型から、注意しなければならない病気や怪我もあるので、コーギーにとって快適な生活環境を整えてからお迎えしてあげましょう。癖になる可愛さと賢さ満載の犬種ですが、運動や遊びの量が少ないとストレスを溜めてしまいます。しっかりした運動と愛情をいっぱいに、楽しいコーギーライフを送ってくださいね。