秋田犬の基本データ
原産国 | 日本 |
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サイズ | 大型犬 |
犬種グループ | 原始的な犬・スピッツグループ |
飼いやすさ・しつけのしやすさ | 上級 |
運動量 | 高 |
トリミング | 必要(月1回) |
ブラッシング | 必要(週1回程度) |
お散歩 | 1日2回×1時間程度 |
飼育費用 | 月2〜5万円程度(医療費別途) |
かかりやすい病気・怪我 | 胃拡張、股関節形成不全、緑内障、進行性網膜萎縮症、皮膚病 |
秋田犬の歴史
秋田地方で古くからマタギ犬(熊や猪を追う)として飼育されており、闘犬としても活躍していました。日本犬と呼ばれている一種で、1931年に天然記念物として指定されました。
しかしそれ以降も改良され続け、交雑が進んでしまい、1945年の終戦を機に、愛好家が外来犬の特質を除去することに努め、今の大型犬種として固定されました。忠犬ハチ公の犬種としても、世界的に知られています。
秋田犬の性格と特徴・飼いやすさ
飼い主に忠実で、愛情深く、家族を守り抜こうという意識が強いです。しかしその反面、見知らぬ人や他の犬、自分より格下だと判断した相手には攻撃的な面を見せることもあるので、幼少期からのしつけがとても重要になります。
また体格が大きく、力も強いためいざという時に飼い主の指示に従うよう、上下関係をうまく築くことも大切です。初心者には難しい犬種と言えます。運動量は非常に多く、毎日1日2回、1回1時間程度の散歩を必要とします。
また冬の寒さには非常に強い犬種ですが、夏場などの暑さにはとても弱いため、夏場の温度管理も大切になります。
秋田犬の被毛と種類
秋田犬の被毛は、極寒の地での生活に適した皮膚を保護するオーバーコート(上毛)と保温や保湿をするアンダーコート(下毛)を持つダブルコートです。皮毛の色は黒なども見かけますが、JKCで規定されているのは「赤」「虎」「白」「胡麻」の4色になります。「白」以外の色は、体の下を向いている部分や手足の先などが白い「裏白」が良いとされています。
ムク毛とは?
TVで一躍話題となった毛がもこもこの「わさお」は、秋田犬のスタンダードの短毛とは大きくことなるモサモサの長毛です。これは「ムク毛」と言って、突然変異の長毛種の秋田犬です。基本的に秋田犬のスタンダートから外れるため、市場に出回ることはあまりありません。
赤
額周り、背中、手足に赤みがかった茶色が入る毛色。秋田犬といえばこの毛色。
白
全身白で覆われている毛色。単色カラーは白の毛色のみ。
虎
全身に虎のような模様が入った毛色。色の出方により「赤虎」「黒虎」「霜降り虎」と呼ばれる。
胡麻
赤、黒、白が混ざった毛色。現在では珍しい毛色。
秋田犬の大きさ・平均体重
秋田犬は日本犬で唯一の大型犬で、頑丈な骨格で体全体にバランスの良い厚みのあるたくましい体格をしています。また筋肉は堅い体質をしています。
頑丈な骨格を持ち、体格も大きく、高い品位と威厳があります。
性別 | 秋田犬の体重 | 秋田犬の体高 |
---|---|---|
オス | 39〜59kg | 64〜71cm |
メス | 27〜50kg | 58〜64cm |
秋田犬の平均寿命と人間年齢
秋田犬の平均寿命は10〜14歳です。人間の年齢に換算すると68歳前後になります。現存する記録では、秋田犬の最高齢は17歳と言われています。日頃からストレスをためにくい飼育環境を整え、健康状態をチェックし、病気にかからないように気遣ってあげることが寿命を延ばす秘訣です。
人間に換算した場合の年齢は下記の表をご参照ください。
犬の年齢 | 人間に換算した年齢 | 成長ステージ |
---|---|---|
3か月 | 4歳 | 子犬 |
6か月 | 7歳半 | |
9か月 | 11歳 | |
1歳 | 15歳 | |
1歳半 | 19歳半 | |
2歳 | 23歳 | 成犬 |
3歳 | 28歳 | |
4歳 | 33歳 | |
5歳 | 40歳 | |
6歳 | 47歳 | シニア犬 |
7歳 | 54歳 | |
8歳 | 61歳 | |
9歳 | 68歳 | |
10歳 | 75歳 | 高齢犬 |
11歳 | 82歳 | |
12歳 | 89歳 | |
13歳 | 96歳 | |
14歳 | 113歳 | 超高齢犬 |
秋田犬がかかりやすい病気や怪我
秋田犬がかかりやすい病気や怪我 1胃拡張
胃が拡張し、ねじれを起こすことで発症します。急激にショック状態に陥るため非常に危険度が高く、迅速な処置が必要になります。胸が深いと言われている犬種によく発症し、特に大型犬や超大型犬などによく見られます。
秋田犬がかかりやすい病気や怪我 2股関節形成不全
発育の段階で股関節に異常を起こし、腰を振るように歩く、痛がる、運動しなくなるなどさまざまな症状を引き起こす病気です。大型犬や超大型犬によく見られ、成長期の際に触診やレントゲンなどで早期発見できるものです。
秋田犬がかかりやすい病気や怪我 3緑内障
目の眼圧が上がることによって、視覚障害や痛みを引き起こす病気です。元気がなくなる、目が充血しているなどの見た目の症状が出やすいので、異変がわかりやすいでしょう。緑内障は眼圧を早く下げることが非常に大事な病気なので、少しの異変でも感じたらすぐ獣医師に診てもらいましょう。
秋田犬を守るために作られた公益社団法人
1927年年5月に設立。天然記念物に指定されている秋田犬の保護繁殖や体形の固定化に力を注ぎ、秋田犬を守ってきました。現在では国内51支部と、国内8ヵ所に総支部が置かれています。
また海外にも進出しており、米国、台湾、中国、ロシア、イタリア、ウクライナに支部が置かれています。また展覧会や血統書発行などの活動もしています。
秋田犬と柴犬は似ているようで、まったく違う
秋田犬と柴犬、一見似ているように思いますよね。しかし日本犬という共通点はあるものの、実はまったく違います。
まず体格の違いです。体高が約60〜70cmある秋田犬に対して、柴犬は35〜40cm。柴犬の約2倍の体格を持っているのが秋田犬になります。
また毛の種類や、顔つき、性格なども違ってきます。どちらかと言うと、秋田犬の方が攻撃的な部分が出やすいと言われており、飼い主への忠実心も強いと認識されています。
柴犬も飼い主には従順で頭も賢いとされており、初心者の方などには柴犬の方が飼いやすいでしょう。
秋田犬の飼い方・飼う際の注意点
秋田犬の飼い方・飼う際の注意点 1幼少期からのしつけが重要
秋田犬は子犬でも結構な大きさがあります。大きくなれば、力負けしてしまうこともあるので、幼少期から飼い主の指示に従えるようしっかりしつけをしましょう。そのためには飼い主との上下関係がとても大事になるので、飼い主が上だという威厳をしっかり持ちましょう。
また飼い主や家族へは愛情深く従順ですが、それ以外には攻撃的になってしまうこともあります。なので子犬の時から環境の変化などに順応できるよう、いろいろなものに慣れさせましょう。
特に動物病院などはいざというときに診てもらえないということにならないよう、子犬の時から慣れさせておく必要があります。獣医師や看護師に触ってもらったり、おやつをあげてもらったりし、動物病院を良い印象として認識させましょう。
秋田犬の飼い方・飼う際の注意点 2散歩は毎日かかさずに
秋田犬は超大型犬に入ります。そのため運動量も非常に多く毎日の散歩はかかせません。そのため最低でも1回1時間程度、1日2回の散歩を心がけましょう。散歩以外にも、ドッグランなどで思いっきり走らせてあげるなども良いでしょう。
秋田犬は暑さに弱いため、夏場の散歩などは気温が低い早朝や夕方以降に行い、気温が高い昼間などは避けましょう。
秋田犬の飼い方・飼う際の注意点 3綺麗な被毛を保つためブラッシングをかかさずに
秋田犬の特徴の一つとして、綺麗な長毛があります。長毛なため、日々のブラッシングが必要となり、週に1回程度はブラッシングしてあげましょう。
また年に2回の換毛期などは特に毛が抜けるため、週に2〜3回程度することをおすすめします。
抜け毛を放置すると皮膚病になりやすかったり、温度管理がしにくくなったりするため、手入れを心がけましょう。またシャンプーなどは月に1回程度行うと良いでしょう。
秋田犬の飼い方・飼う際の注意点 4トイレは家中でもできるように
大型犬でよく耳にするのが家の中でトイレできないということです。子犬の時から外でしかトイレをしていないと家の中でする習慣がつかなくなります。そうなると天候によっては濡れてしまったり、我慢できなくなって粗相をしてしまうなどにつながります。
また介護が必要になった時なども家の中でできれば負担も軽減されます。なのでペットシーツの上でもできるよう、子犬の時から慣れさせましょう。
秋田犬の飼い方・飼う際の注意点 5夏場の温度管理には要注意
秋田犬は雪国育ちなため寒さには強いですが、暑さにはとても弱いです。なので夏の熱中症には特に気をつける必要があります。室内でのクーラーは必須で、外飼いは避けた方が良いでしょう。
また扇風機などは、汗をあまりかけない犬にとっては意味がありません。熱風を回すだけになるので、扇風機だけの使用は避け、クーラーとの併用などにしましょう。
秋田犬の値段・価格の相場
秋田犬の子犬の値段相場は10〜17万円ほどです。血統がよければより高額になるでしょう。
秋田犬をお迎えする方法
秋田犬を家族としてお迎えする際の2つの方法を紹介します。
ブリーダーさんからお迎えする
秋田犬専門の優良ブリーダーをネットなどで検索してみましょう。ブリーダーから子犬をお迎えする場合は両親が明らかなので、毛色や体格、性格などがわかるメリットがあります。
また、お迎え後もブリーダーさんに困った時に相談ができたり、兄弟犬の輪が広がったりとサポートしてもらえる繋がりがもてるのも心強いポイントです。
保護犬の秋田犬を探して里親になる
動物保護施設や動物愛護ボランティア団体などでは、繁殖犬を卒業して保護された子や、飼い主の事情で手放されて保護されている秋田犬を見つけることができるかもしれません。事前にサイトやSNSなどで探してみるのがおすすめです。
まとめ
日本犬の中でも人気の秋田犬ですが、その人気は日本だけでなく世界にまで広がっています。秋田犬の威厳ある見た目に反して、家族に愛情深く、忠実なその姿が人気の理由のひとつなのかもしれません。
誰でも飼いやすいというわけではありませんが、うまく上下関係を築くことができれば難しくはないでしょう。