シェパードの基本データ
原産国 | ドイツ |
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サイズ | 大型犬 |
犬種グループ | 牧畜犬・牧羊犬 |
飼いやすさ・しつけのしやすさ | 上級 |
運動量 | 高 |
トリミング | 不要 |
ブラッシング | 週1回程度 |
お散歩 | 1日2回×1回1時間程度 |
飼育費用 | 月1〜3万円程度(医療費別途) |
かかりやすい病気・怪我 | 胃捻転、関節炎、股関節形成不全 |
シェパードの歴史
19世紀後半、ドイツ陸軍がドイツの山岳地方にいた牧羊犬を改良し作られました。主に牧羊犬や軍用犬として活躍していましたが、現在では家庭犬、警察犬、盲導犬、災害救助犬などさまざまな場で活躍しています。
1899年にジャーマン・シェパード・ドッグ協会が最初の総会でスタンダードを作成し、その後も何度か改正され最終的に1991年に見直されました。
シェパードの性格と特徴・飼いやすさ
警戒心が非常に強い犬種と言われていますが、飼い主との信頼関係がうまく築ければ従順で愛情深く接してくれます。
逆に見知らぬ人や犬に対しては攻撃的になってしまうこともありますが、子犬の時からさまざまなものに慣らしておくことと、しつけをしっかりしていればうまく対応できるようになります。頭は賢く、訓練されることを好むのでしつけはそれほど難しくはないでしょう。
シェパードの被毛と種類
子犬の頃はほとんど黒い毛色で生まれてきますが、その後成長するにつれ、タンの部分の茶色がでてきます。
また毛質にも“シュトックハール”という直毛で短めの被毛と“ラングシュトックハール”という尻尾やたてがみに飾り毛があり長めの被毛の2種類存在します。2種とも毛質はやや硬めでダブルコートになります。
ブラック&タン
黒と茶が分かれて入っている毛色。一番ポピュラーで人気が高いのがこの毛色になります。
ウルフ
黒と茶が混ざり合った毛色。狼を連想させると言われているこの毛色は、グレーのように見えることもあります。
オールブラック
黒一色の毛色。シェパードの中では珍しくあまり見かけないかもしれません。
シェパードの大きさ・体高・体重
シェパードは、横から見た時に腰が下がっているのが特徴的です。力強く筋肉質な体格を持っていますが、軽々とした身のこなしをします。
体格は筋肉質でがっしりしており、体長が体高より長いのが特徴です。
性別 | シェパードの体重 | シェパードの体高 |
---|---|---|
オス | 30〜40kg | 60〜65cm |
メス | 22〜32kg | 55〜60cm |
シェパードの平均寿命と人間年齢
シェパードの平均寿命は9〜13歳と言われており人間で換算すると82歳前後になります。
大型犬は小型犬に比べると短命とされていますが、飼い主が健康管理に気を配り、病気の早期発見やストレスの与えない生活を送らせるなど飼育環境次第で寿命は変化すると言われています。
人間に換算した場合の年齢は下記の表をご参照ください。
犬の年齢 | 人間に換算した年齢 | 成長ステージ |
---|---|---|
3か月 | 4歳 | 子犬 |
6か月 | 7歳半 | |
9か月 | 11歳 | |
1歳 | 15歳 | |
1歳半 | 19歳半 | |
2歳 | 23歳 | 成犬 |
3歳 | 28歳 | |
4歳 | 33歳 | |
5歳 | 40歳 | |
6歳 | 47歳 | シニア犬 |
7歳 | 54歳 | |
8歳 | 61歳 | |
9歳 | 68歳 | |
10歳 | 75歳 | 高齢犬 |
11歳 | 82歳 | |
12歳 | 89歳 | |
13歳 | 96歳 | |
14歳 | 113歳 | 超高齢犬 |
シェパードのかかりやすい病気
シェパードのかかりやすい病気 1胃捻転
胃がねじれることでガスが溜まりショック状態に陥る病気です。大型犬での発症が多く、特に胸が深い犬種に多発すると言われています。
症状はよだれ、お腹の膨張、空ゲップ、元気消失などが見られ、迅速な処置が必要になります。最悪命に関わる大変怖い病気なので気をつけましょう。
食後の運動やご飯の一気食べ、水のガブ飲みなどが原因とされているため、食後1時間は安静にし、早食い防止用の器に変えるなどの対策を行いましょう。
シェパードのかかりやすい病気 2関節炎
大型犬は体が大きいため関節に負荷がかかりやすいです。中でもシェパードは後脚がカーブしているため関節炎になりやすいと言われています。びっこを引く、運動するのを拒む、痛がるなどの症状が見られた場合は病院で診てもらいましょう。
関節炎の完治は難しいですが、体重管理などを行い関節への負担を軽減することで症状も緩和されます。
シェパードのかかりやすい病気 3股関節形成不全
子犬から成犬への成長時に股関節に異常が起こってしまう病気です。
生後7〜9ヶ月頃の発症が多いと言われており、発症すると座り方が変だったり、腰を左右に振るような歩き方をします。重度になれば痛みもでてくるので、痛みから元気消失や食欲不振などの症状も出ることがあります。
定期的に検査やレントゲンなどを行い、少しでも異変を感じた場合はすぐに病院で診てもらいましょう。
シェパードは本当は甘えん坊?
シェパードは一見、凛々しくたくましい存在で少し怖いイメージを持ってる方も多いのではないでしょうか。
そんな見た目はしていますが、実はすごく甘えん坊な性格をしています。実際シェパードを飼ってみるとその見た目とのギャップにびっくりされる方もいます。家の中にいる時は飼い主にぴったりくっついていたり、常についてきたり、片時も離れたくない子が多いようです。
甘えん坊気質な子に心配なのが分離不安症。飼い主と離れることが不安で問題行動を起こしてしまうことです。子犬の頃から留守番のトレーニングなどを行い慣らしておくと良いでしょう。甘えん坊な子ほど分離不安症を起こしやすいです。
警察犬にシェパードが多いのはなぜ?
シェパードは訓練されることを好む上、訓練されればされるほど従順になりやすい犬種です。
そのため信頼関係を築いた相手からの指示などは忠実に従います。警察犬では危険な現場や犯人との接触などがあり命に関わるため、そういった忠実な精神を持っていないと危険にさらすことになります。
また知能や運動能力も兼ね備えているため、警察犬に最適な犬種と言われています。警察犬の中でもさまざまな仕事がありシェパードが主に活躍しているものは足跡追跡、臭気選別、捜索活動、警部活動などです。他にも警察犬として活躍している犬種がいますが、それぞれの能力を活かした仕事をしています。
シェパードの飼い方・飼う際の注意点
シェパードの飼い方・飼う際の注意点 1子犬の時期からしつけをしましょう
大型犬のため、成犬になると体も大きく力も強くなります。そのため子犬の頃からしつけをし、引っ張り癖や飛びつき癖がつかないようにしましょう。
またシェパードは飼い主への忠実心がとても高い犬種なため、子犬の頃からのしつけや一緒に生活していく中で信頼関係をうまく築くことが大切です。
しつけはしつけ、遊びは遊びなどしっかりオンオフを作り、メリハリをつけましょう。
しつけが難しいと感じた場合はプロのトレーナーに相談してみるのも良いでしょう。
シェパードの飼い方・飼う際の注意点 1運動量は非常に多い
運動量が非常に多く毎日の散歩は欠かせません。それに加えノーリードで全力疾走できるドックランや、夏場はプールなど利用し、たくさん運動させてあげましょう。
またシェパードの知能や能力を活かせるアジリティなどもおすすめです。雨などで散歩に行けない時などは知育トイなどで遊ばせてあげると良いでしょう。
シェパードの飼い方・飼う際の注意点 1ブラッシングは週1回を目安に
ダブルコートなため抜け毛は非常に多いです。週1回はブラッシングを行い換毛期などは週2〜3回行うことをおすすめします。ブラッシングはコミュニケーションやボディチェック、皮膚のマッサージにもなりこまめに行うと良いでしょう。ブラッシングを怠ると毛玉ができたり、抜け毛が原因で皮膚病になってしまうこともあるので注意が必要です。
またシャンプーは月1回が目安になります。シャンプーをしてすぐに汚れてしまったり、1ヶ月間隔があいていない場合はボディタオルや水のいらないシャンプーなどで汚れを取りましょう。シャンプーのしすぎは必要な油分まで取ってしまい皮膚のトラブルにつながるので要注意です。
シェパードの飼い方・飼う際の注意点 1広い飼育スペースを
体が大きい分、広いスペースの確保が必要になります。狭いところでの生活ではストレスが溜まり問題行動などにつながる可能性があるため、十分なスペースを確保できない方には飼うことをおすすめできません。
今の時代、大きさに関係なく屋内飼育が推奨されています。そのため屋内での十分な飼育スペースを確保し、ストレスを与えないよう環境を整える必要があるでしょう。
シェパードの飼い方・飼う際の注意点 1夏場の熱中症に要注意
シェパードはダブルコートの被毛を持っているため寒さには強いですが、暑さには非常に弱いです。そのため夏場などはクーラーで気温を下げてあげる必要があります。
よくクーラーなどを使わずに扇風機などを使用している方がいますが、汗をかきにくい犬にはほぼ意味がありません。暑い空気を循環させているだけというイメージです。なので夏場でのクーラーは必須で、散歩なども比較的涼しい早朝や日が暮れてから行きましょう。
シェパードをお迎えする方法
シェパードのブリーダーさんからお迎えする
シェパード専門の優良ブリーダーをネットなどで検索してみましょう。ブリーダーから子犬をお迎えする場合は両親が明らかなので、毛色や体格、性格などがわかるメリットがあります。
また、お迎え後もブリーダーさんに困った時に相談ができたり、兄弟犬の輪が広がったりとサポートしてもらえる繋がりがもてるのも心強いポイントです。
保護犬のシェパードを探して里親になる
動物保護施設や動物愛護ボランティア団体などでは、繁殖犬を卒業して保護された子や、飼い主の事情で手放されて保護されているシェパードを見つけられるかもしれません。事前にサイトやSNSなどで探してみてくださいね。
シェパードの値段・価格の相場
シェパードの子犬の値段相場は約8〜15万円前後です。オールブラックの子犬は珍しいため高額になる傾向があります。
まとめ
一見怖いイメージがあるシェパードですが、優しく甘えん坊な性格で家族を癒してくれます。体が大きいのでしつけを怠るとトラブルにつながる可能性もあるため、しつけはしっかり行いましょう。
これからシェパードを飼ってみたいという方は、まず自分自身がシェパードの特性やしつけなどの勉強を行い、それなりの知識を得てから迎えると良いでしょう。