シベリアンハスキーの基本データ
原産国 | アメリカ |
---|---|
サイズ | 大型犬 |
犬種グループ | 原始的な犬 |
飼いやすさ・しつけのしやすさ | しつけは初心者には難しい犬種 |
運動量 | 高 |
トリミング |
不要
※日頃からブラッシングやシャンプーといったケアは必要 |
ブラッシング | 毎日 |
お散歩 | 1日2回×1時間程度 |
飼育費用 | 月3〜4万(医療費別途) |
かかりやすい病気・怪我 | 股関節形成不全、胃拡張・胃捻転症候群、白内障 |
シベリアンハスキーの歴史
シベリアンハスキーの起源は、シベリア北東にあるチェルスキー山脈一帯を原産地とする犬種といわれています。古くからそのあたりに住んでいる人々によって、そり引き犬や、猟犬などとして何百年にもわたって飼育されてきました。
1900年代に入るとアラスカに輸入され、使役犬やレース犬として用いられるようになります。その後は欧米へと渡って、北極探検や南極探検にも同行し、また第二次大戦中は救助犬としても活躍しました。
日本でも、1900年代後半頃にとある少女漫画によって一時期人気が急上昇しました。
シベリアンハスキーの性格と特徴・飼いやすさ
シベリアンハスキーは、いわゆる「家で可愛がるため」用に改良された犬種ではなく、そりを引いたり探検に同行するなどの目的を持って飼育されてきたという歴史があります。よって、責任感が強く頑固で不器用な面を見せることもあるため、他の犬種と比べて、しつけのハードルは高いでしょう。
ただ、明るく前向きでめげない面があり、また集団生活を行っていたことから社会性が高く賢い犬種ですので、根気よく長い時間をかけて関係を築いていけば信頼できるパートナーとなります。
体が大きくて用心深いという一面もありますが、他者をを攻撃するという行動に慣れていないため、番犬として迎えることは避けましょう。
シベリアンハスキーの被毛と種類
シベリアンハスキーの毛色には黒、黒青色、茶褐色、白と様々な色が存在しており、全身真っ白のハスキーの場合は「ホワイト・ハスキー」と呼ばれることもあるようです。ただ、どのような毛色であってもお腹だけは白いことが多いといわれています。
被毛は密なアンダーコートと長いオーバーコートから成る、ふさふさで柔らかいダブルコートとなり、抜け毛が多いため毎日のブラッシングが必要となります。
シベリアンハスキーの大きさ・体高・体重
大型犬サイズに分類されており、骨格や筋肉もがっしりとしています。また、寒冷地に起源があるため寒さに耐えることができるよう、ある程度の皮下脂肪も貯えています。
性別 | シベリアンハスキーの体重 | シベリアンハスキーの体高 |
---|---|---|
オス | 20.5~28kg | 53.5~60cm |
メス | 15.5~23kg | 50.5~56cm |
シベリアンハスキーの平均寿命と人間年齢
シベリアンハスキーの平均寿命は、およそ12〜14歳といわれています。これは人間年齢に換算すると89歳~103歳に該当し、大型犬の中では長寿な犬種となります。
人間に換算した場合の年齢は下記の表をご参照ください。
犬の年齢 | 人間に換算した年齢 | 成長ステージ |
---|---|---|
3か月 | 4歳 | 子犬 |
6か月 | 7歳半 | |
9か月 | 11歳 | |
1歳 | 15歳 | |
1歳半 | 19歳半 | |
2歳 | 23歳 | 成犬 |
3歳 | 28歳 | |
4歳 | 33歳 | |
5歳 | 40歳 | |
6歳 | 47歳 | シニア犬 |
7歳 | 54歳 | |
8歳 | 61歳 | |
9歳 | 68歳 | |
10歳 | 75歳 | 高齢犬 |
11歳 | 82歳 | |
12歳 | 89歳 | |
13歳 | 96歳 | |
14歳 | 113歳 | 超高齢犬 |
シベリアンハスキーのかかりやすい病気
シベリアンハスキーのかかりやすい病気 1股関節形成不全
大型犬種や超大型犬種に多く、主に遺伝性の整形外科疾患です。生後3ヶ月位の成長期に、後ろ足の付け根の関節で骨盤と大腿骨をつなぐ働きがある股関節のかみ合わせがうまくいかないという状態が発生します。その結果、「モンローウォーク」と呼ばれる腰を振って歩く独特の歩き方や足腰への痛みなどが見られます。
歩き方などに少し違和感が見られたら、早めに通院してあげましょう。
シベリアンハスキーのかかりやすい病気 2胃拡張・胃捻転症候群
主に大型犬に起こりやすく、食後に運動を行ったり一気に早食いすることなどによって、胃軸が捻転して胃が異常に拡張してしまいます。その結果、強い痛みや全身性のショックなどが生じる、非常に死亡率が高い疾患です。
食後の散歩や遊びは避けたり、ご飯は数回に分けて与えることをおすすめします。
シベリアンハスキーのかかりやすい病気 3白内障
白内障は加齢による老化現象の一つとして見られることがありますが、シベリアンハスキーの場合は遺伝的に若齢のうちから病気として発症するリスクがあります。
失明につながる可能性もあるため、健康診断の際などに眼の検査も追加で行い早期発見できるようにしましょう。
シベリアンハスキーにはなぜオッドアイが多いの?
左右の眼の色が異なることを「オッドアイ」と呼びますが、正式名称は「虹彩異色症(こうさいいしょくしょう)」といい、角膜 と 水晶体 の間にある「虹彩」の色が異なっている状態です。
虹彩の色はメラニン色素の量で決まっていて、多ければ茶色や黒、少なければ青や灰色になります。
シベリアンハスキーは、元々は日光の少ない極寒の地域で暮らしていたため、メラニン色素が少なく、青い目をした個体が主流でした。その後、アメリカや日本などに渡って日照時間が長い土地で暮らすようになると、メラニン色素が増えて、目の色が茶色などに変化するようになりました。
そのなかで、日光照射の変化によるメラニン色素の増加に片目だけ対応した場合、オッドアイの個体が誕生するようになったと考えられています。
シベリアンハスキーの飼い方・飼う際の注意点
シベリアンハスキーの飼い方・飼う際の注意点 1しつけの前に適切な信頼関係と主従関係を結びましょう
シベリアンハスキーは社会性が高く賢い犬種ですが、社会性が強いため他の犬種と比較しても狼に近い傾向があります。よって、子犬のときから適切なしつけを行わないと自分が家族の中でもボスだと思ってしまい、多くの問題行動に繋がる可能性があります。
よって、お家に迎えたその日から、可能ならば子犬の時からまずは信頼関係と主従関係を結ぶことからスタートしましょう。
シベリアンハスキーの飼い方・飼う際の注意点 2食事の回数と量に注意
シベリアンハスキーは大型犬であり、胃拡張・胃捻転症候群への注意が必要となります。そのためには、一度に大量のご飯を与えるのではなく、体格に合った適切な量の食事を数回に分けて与えましょう。
また、早食いすると、食事とともに空気を飲み込んでしまい胃が膨張しやすくなるため早食い防止用の食器などの使用もおすすめです。
シベリアンハスキーの飼い方・飼う際の注意点 3長時間の散歩や運動を行ってあげましょう
シベリアンハスキーはそり引き犬や、猟犬、レース犬などとして活躍してきたという歴史があるため、運動量が不足するとストレスがたまってしまいます。
よって、少なくとも朝と晩の1日2回に、それぞれ1時間程度の散歩を行ってあげることが必要となります。
また、室内でもロープの引っ張りっこやボールを持ってくる遊びなどで、満足するまでたっぷり遊んであげる時間を取りましょう。
シベリアンハスキーの飼い方・飼う際の注意点 4暑さに要注意!
極寒の地域に起源があるため、シベリアンハスキーは暑さに特に弱いという傾向があります。そのため、夏は特に室内の温度と湿度には注意をはらってあげることが大切です。
また、お散歩の際の熱中症にも要注意。状況に応じて室内のドッグラン利用なども検討しましょう。
シベリアンハスキーの飼い方・飼う際の注意点 5ブラッシングで適切なお手入れを
特別なトリミングカットなどは不要ですが、シベリアンハスキーはダブルコートのため、特に春と秋の換毛期は抜け毛が多くなります。
よって、コームのような小さなブラシではなく、被毛の根元までしっかりと梳かせることのできるスリッカーブラシにて、週3回~毎日の頻度にてブラッシングでお手入れをしてあげましょう。
シベリアンハスキーをお迎えする方法
シベリアンハスキーのブリーダーさんからお迎えする
シベリアンハスキー専門の優良ブリーダーをネットなどで検索してみましょう。ブリーダーから子犬をお迎えする場合は両親が明らかなので、毛色や体格、性格などがわかるメリットがあります。
また、お迎え後もブリーダーさんに困った時に相談ができたり、兄弟犬の輪が広がったりとサポートしてもらえる繋がりがもてるのも心強いポイントです。
保護犬のシベリアンハスキーを探して里親になる
動物保護施設や動物愛護ボランティア団体などでは、繁殖犬を卒業して保護された子や、飼い主の事情で手放されて保護されているシベリアンハスキーを見つけられるかもしれません。事前にサイトやSNSなどで探してみてくださいね。
シベリアンハスキーの値段・価格の相場
シベリアンハスキーの子犬の販売価格は15~30万円です。 ただ、血統によって価格に開きがあり、良血の個体になると30万円以上の値段で取引されることもあります。
ハスキーの子犬の値段
まとめ
初心者には難しいといわれるシベリアンハスキーですが、賢くて社会性もあることから愛情深くお世話をすることによって信頼関係を結ぶことができれば、最高のパートナーとなってくれるでしょう。
ただ、長時間の運動量が必要であったり、大型犬のため一般的な小型犬と比較してフードの量やフィラリア症予防薬の投与量などは多くなり、その分お世話する費用も高額となります。
どの犬種にも言えることですが、ご自分のライフスタイルなどをよく考えて大丈夫と思ったら、家族の一員として迎えてあげてくださいね。