日本スピッツの基本データ
原産国 | 日本 |
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サイズ | 小型犬 |
犬種グループ | 原始的な犬・スピッツ |
飼いやすさ・しつけのしやすさ | 個体によって飼いやすさが違う |
運動量 | 少なめ |
トリミング | 不要 |
ブラッシング | 週2〜3回以上 |
お散歩 | 1日2回×30分以上 |
飼育費用 | 月1〜2万円(医療費別途) |
かかりやすい病気・怪我 | 落葉状天疱瘡、血小板障害、膝蓋骨脱臼など |
日本スピッツの歴史
スピッツは、ドイツ語で「鋭利な」や「尖った」という意味から取られており、口が尖り耳が立った犬の系統のことを指します。日本スピッツの由来には諸説があり、はっきりしていません。
一般的には、1920年代以降、白いジャーマン・スピッツや、アメリカン・エスキモー・ドッグ等の白いスピッツ系の犬を交配して小さく改良し、純白に固定化したものといわれています。
日本スピッツは、1948年に全日本警備犬協会(後のジャパンケネルクラブ)により犬種が確立され、1977年にはイギリスのザ・ケネルクラブで公認されました。
昔の日本スピッツは、神経質で無駄吠えや噛み付くなど良くないイメージがありましたが、長い時間をかけて選択繁殖を続けた結果、無駄吠えや過度な警戒心も少なくなり、穏やかな性格の犬種となっています。
日本スピッツの性格と特徴・飼いやすさ
日本スピッツはバランスのいい体型で、豊富な純白の毛に覆われ、三角の立ち耳、尖ったマズル、アーモンドの形をした愛らしい目、フサフサの尾が特徴的な気品のある犬種です。
昔の日本スピッツは、神経質で無駄吠えや噛み付くなど良くないイメージがありましたが、長い時間をかけて選択繁殖を続けた結果、無駄吠えや過度な警戒心も少なくなり、穏やかな性格の犬種となりました。
現在のスピッツは、賢くて物覚えが良いため比較的しつけも難しくなく、人との生活に順応しやすい、陽気で遊び好きで飼いやすくなっています。
日本スピッツの被毛と種類
日本スピッツは、白いジャーマン・スピッツをルーツとし、さらに白いスピッツばかりで交配を繰り返されてきたため、被毛の色は純白のみです。
日本スピッツは、一つの毛根から一本の上毛と複数の下毛が密集して生えているダブルコートで、短く、柔らかい下毛をもち、毛量が多く、全身を光沢のある純白の長い被毛で覆われています。 特に、耳や首から前胸にかけての長い飾り毛が非常に美しく、カールしたフサフサな尾が優雅な印象です。
日本スピッツの大きさ・体高・体重
日本スピッツはバランスのよい体型をしており、手足が比較的細いのが特徴です。メスはオスよりやや小さい傾向があります。
性別 | 日本スピッツの体重 | 日本スピッツの体高 |
---|---|---|
オス | 9〜11kg | 30~38cm |
メス | 7〜10kg | 30~38cm |
日本スピッツの平均寿命と人間年齢
日本スピッツの平均寿命は12〜14歳といわれています。人間に換算した場合の年齢は下記の表をご参照ください。
犬の年齢 | 人間に換算した年齢 | 成長ステージ |
---|---|---|
3か月 | 4歳 | 子犬 |
6か月 | 7歳半 | |
9か月 | 11歳 | |
1歳 | 15歳 | |
1歳半 | 19歳半 | |
2歳 | 24歳 | 成犬 |
3歳 | 28歳 | |
4歳 | 31歳 | |
5歳 | 35歳 | |
6歳 | 38歳 | シニア犬 |
7歳 | 42歳 | |
8歳 | 45歳 | |
9歳 | 49歳 | |
10歳 | 52歳 | |
11歳 | 56歳 | |
12歳 | 59歳 | |
13歳 | 63歳 | |
14歳 | 66歳 | 高齢犬 |
15歳 | 70歳 | |
16歳 | 73歳 | |
17歳 | 77歳 | |
18歳 | 80歳 | |
19歳 | 84歳 | |
20歳 | 87歳 |
こちらの表は、
- 小型犬・中型犬「24+(犬の年齢-2)×4=人間に相当する年齢」
- 大型犬「12+(大型犬の年齢-1)×7=人間に相当する年齢」
の方式に基づいて計算しています。詳しくは、下記の記事をご覧ください。
日本スピッツのかかりやすい病気
日本スピッツのかかりやすい病気 1 落葉状天疱瘡
落葉性天疱瘡は、自己免疫疾患の一つです。本来の免疫反応では、体のなかに細菌やウイルスなどの異物(抗原)が侵入した場合、それに反応する物質(抗体)がつくられ、異物を排除しようとします。
しかし、何らかの原因で自分自身の体を攻撃してしまう病気を自己免疫疾患といいます。落葉状天疱瘡は、皮膚細胞同士を繋ぎとめている接着剤のようなものを攻撃する病気です。そうして、バラバラになった細胞から膿胞が形成されたり、犬のまぶた、耳、鼻筋などに小さな水疱ができたり、かゆみを伴うことがあります。
日本スピッツのかかりやすい病気 2 血小板減少症
人でも怪我をして出血すると、血液が固まり(凝固)かさぶたが出来て出血が止まります。血小板減少症とは、この血液を固めるための成分である血小板が減り、出血が止まりにくくなる病気です。血便、血尿、鼻血、などの症状が見られます。
日本スピッツのかかりやすい病気 3 膝蓋骨脱臼
膝蓋骨とは、膝にある皿状の骨のことで、この膝蓋骨が正しい位置から外れる(脱臼する)ことを膝蓋骨脱臼といいます。膝蓋骨は、太ももの骨である大腿骨にある溝に収まるようになっており、靭帯によって支えられています。膝蓋骨脱臼は特に小型犬で多く、生まれつきこの溝の部分が浅かったり、靭帯に異常があったりなど脱臼しやすくなっている、発育していく段階で十分に骨や筋肉が成長していない、事故などによる外傷などが原因です。膝蓋骨脱臼を起こすと、急に後肢を不自然に持ち上げたまま使おうとしない、スキップのような歩き方をする、触ると痛がるなどの症状が見られます。
日本スピッツのサマーカットとはどんなカット?やらない方がいいの?
サマーカットとは、犬の毛をバリカンやハサミで短くカットするスタイルのことです。暑さ対策にとサマーカットにすると、毛が伸びてこなくなり生えそろわない、生えてはきたものの、毛が硬くなるなど毛質が変わることもあります。
日本スピッツは、ブラッシングを行い、アンダーコートをしっかり取り除けば、通気性のいい夏毛に替わるため、あえてサマーカットにする必要はありません。
日本スピッツの飼い方・飼う際の注意点
日本スピッツの飼い方・飼う際の注意点 1 しっかりブラッシングをする
日本スピッツの光沢のある純白の長い被毛を保つためには、最低でも週2〜3回はブラッシングを行ってください。また、ダブルコートで特に換毛期には非常に大量の毛が抜け落ちます。そのため、春には抜け毛と毛玉予防、秋には発毛促進のためにブラッシングは毎日しましょう。
日本スピッツの飼い方・飼う際の注意点 2 熱中症対策をする
日本スピッツはダブルコートで大変厚い被毛に被われ、暑さに弱く、熱中症になりやすい傾向があります。暑場は、涼しい時間帯に散歩に行ったり、強い日差しが直接当たらない風通しのよい場所で遊んだり、犬が涼しいと感じる最適な室温に設定したりと熱中症対策をしましょう。
日本スピッツの飼い方・飼う際の注意点 3 警戒心や神経質な面をなくすためのトレーニングをする
だいぶ改良されたとはいえ、他の犬種と比較すると、日本スピッツは警戒心が強く神経質な一面が多少あります。落ち着かない場所では神経質になったり、警戒心からチャイムの音に吠えたりすることもあるため、成長期からさまざまな場所に連れ出して、多くの経験を積ませましょう。また、他の犬と遊ばせることも社会性を身に付けるためには大切です。
日本スピッツの飼い方・飼う際の注意点 4 毎日運動をしてストレスを解消させる
日本スピッツは毎日十分な運動をすることで、ストレスの解消に繋がり、より穏やかで飼いやすい性格になります。ですので、散歩は1日2回、1回30分以上行うようにしましょう。
日本スピッツの飼い方・飼う際の注意点 5 足の関節に負担をかけない対策をする
日本スピッツは手足が比較的細く、関節に負担がかかりやすいので、成長期までは過剰な負荷をかけないように注意しましょう。また、膝蓋骨脱臼などを発症しやすい犬種のため、フローリングなどのツルツルと滑る床は非常に危険です。そのため、滑りにくいマットなどを敷くようにして、足への負担を減らしてあげたり、肉球の周りの毛や爪が伸び過ぎて滑ることのないよう、気をつけましょう。膝蓋骨脱臼は足に大きな力が加わった時に発症しやすいため、階段の上り下りや、高いところからのジャンプは控えるようにしてください。
日本スピッツをお迎えする方法
ブリーダーさんからお迎えする
日本スピッツ専門の優良ブリーダーをネットなどで検索してみましょう。ブリーダーから子犬をお迎えする場合は両親が明らかなので、毛色や体格、性格などがわかるメリットがあります。
また、お迎え後もブリーダーさんに困った時に相談ができたり、兄弟犬の輪が広がったりとサポートしてもらえる繋がりがもてるのも心強いポイントです。
保護犬の日本スピッツを探して里親になる
動物保護施設や動物愛護ボランティア団体などでは、繁殖犬を卒業して保護された子や、飼い主の事情で手放されて保護されている日本スピッツを見つけられるかもしれません。事前にサイトやSNSなどで探してみてくださいね。
日本スピッツの値段・価格の相場
日本スピッツの子犬を購入する場合の価格相場は25万円~です。
まとめ
日本スピッツは豊富な純白の毛に覆われ、尖ったマズルにアーモンドの形をした愛らしい目が特徴的な気品のある犬種です。昔は神経質で無駄吠えや噛み付くなど良くないイメージがありましたが、現在のスピッツは、賢くて物覚えが良いため比較的しつけも難しくなく、人との生活に順応しやすい、陽気で遊び好きで飼いやすくなっています。