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保護犬のために何かできないかと考えている方へ
ワンコを愛する皆さんであれば、多頭飼育崩壊やパピーミルといわれる繁殖業者など、不遇な環境で暮らしている犬たちの存在や殺処分について見聞きすると『自分にも何か出来ることはないだろうか?』と考える方は少なくないと思います。ただ、どうやって関われば良いのか分からない、寄付をする以外に今の自分にできる事はあるのだろうか?と考えている皆さんに、保護犬のためにできることを見つけていただくヒントになれば幸いです。
保護犬ボランティアを始める前に 11. まずは自己分析をしてみましょう
飼い主のいない犬や可哀想な犬を思いやれる優しい気持ちをお持ちの方であれば、ボランティアとして活動する動機をお持ちだと思います。しかし実際にボランティアに関わった後に「こんなはずじゃなかった」というミスマッチが起こってしまうことも少なくありません。そのようなミスマッチを避けるために、活動を始めるにあたってご自身のことを、一度冷静に見つめ直す時間をもってみましょう。
01自分の特技や趣味は何か振り返ってみましょう
まずはご自身の特技や趣味はなんでしょうか?
例えば、
- 自動車の運転をするのが好き
- 接客や販売が得意
- グラフィックデザインのソフトが使える
- カメラ、文章を書くことが好き
- 料理や手芸、裁縫が得意
など様々なご自身の得意なことを書き出してみてください。
必ずしもプロフェッショナルである必要はありません。自分が苦にならない、人よりも多くの時間を費やしていることとであれば構いません。
02犬に関する資格や自分の経験を振り返ってみましょう
次にご自身と犬に関することで資格や自分の経験があることを書いてみてください。
- 動物看護師やドッグトレーナーなどの資格を持っている
- 自宅で犬を洗って乾かすことができる
- 大型犬の世話、散歩ができる
- これまでに見送ってきた犬たちの犬種
などもメモしてみましょう。
03これまでに保護犬、動物保護団体などの関わりがあれば振り返ってみましょう
最後に、ご自身と保護犬、動物保護団体などとの関わりがあれば書いてみましょう。
- 友人が保護犬を飼っている
- 知人が関わる団体に寄付、寄贈をしたことがある
- 譲渡会を見に行ったことがある
- 近くで活動している団体を知っている
など、できるだけ具体的な動物保護団体の名前を思い出して書いておきます。もし思い当たる団体がない場合は、お住まいの自治体(都道府県や政令指定都市など)に登録された動物保護団体がありますので検索いただき、お住まいの地域に近そうな団体を幾つかピックアップしてみましょう。
保護犬ボランティアを始める前に 22. 自分と保護犬の関わり方を明確にしよう
保護犬のためのボランティア活動には様々な種類があります。必ずしも1つに限定する必要はありませんが、下の図でご自身がどの領域に当てはまるかを考えてみてください。
まず、活動するのはご自宅が良いか、現場へ足を運ぶのか(自宅以外が良いのか)を考えてみましょう。例えばペット不可の物件にお住まいの場合や、自宅にいるワンコが他の犬がいるとストレスを感じる場合は、1(自宅で保護犬と直接接する活動)は難しいでしょう。また犬アレルギーをお持ちの方は、犬と直接は触れ合わない活動をお選びください。
ご自身と保護犬との関わり方が見えてきたら、どんなことが必要とされているのかを見てみましょう。一例ではありますが、それぞれの領域で活動しているボランティア内容を書いてみました。
保護犬ボランティアの各領域の活動例
01自宅で保護犬を預かるフォスター(一時預かりボランティア)
大型犬や高齢犬を預かれる方は限られますし、資格や経験をお持ちであれば一般のボランティアさんが預かるのは難しい犬たちを引き受けることも出来ます。
02動物保護団体や譲渡会の運営のお手伝い
- 動物保護団体の施設(シェルター)へ行き、犬のお世話や掃除などを行う
- 自動車の運転が好きなら、保護犬の運搬を行う
- 譲渡会などの設営や運営を手伝う
03自宅で特技や資格を活かす
- グラフィックデザインのソフトが使える方は、団体のチラシやポスターなどを作成する
- ホームページの更新やSNSでの情報発信を手伝う
- 料理や手芸、裁縫が得意な方は、チャリティーグッズを制作、販売し寄付を募る
- その他に一般事務作業の経験をお持ちの方は、自宅で一部を引き受けることもが可能な場合もあります
04現場で特技や資格を活かす
- 接客や販売が得意であれば、イベントなどに参加してチャリティーグッズの販売や一般の方への活動案内を行う
- カメラ、文章を書くことが得意であれば、譲渡会や施設で取材を行い、団体のSNSや活動報告として活用いただく
- 団体の事務所などがある場合、そこでの発送業務や在庫管理などで人手が必要な場合もあります
いかがですか?皆さんがイメージした活動内容でしょうか?保護犬のための活動と考えると、直接犬と接する活動を思い浮かべる方が多いと思いますが、実は犬と触れ合わない活動にも人手が必要とされることがたくさんあります。動物保護団体の活動も会社と同様に事務作業や広報などの負担も大きいのが現実です。
あなたに向いている保護犬ボランティアは?
1で書き出した「1-1. ご自身の特技や趣味」「1-2. 犬に関する資格や経験」と2の「活動内容」を照らし合わせてみると、保護犬のためにできることが明確になるのではないでしょうか。
1-3. で名前を挙げた「動物保護団体のホームページ」を見てみましょう。多くの団体ではボランティアさんを募集しています。その中でご自身に合う活動を募集しているようであれば、ご自身が活動したい分野(自宅で犬と直接触れ合わない活動など)と、自身の特技や趣味を書いた上で、どんな形でボランティアとして関わりたいのかを動物保護団体にメールやフォームなどで送ってみましょう。やり取りする中で、どういう頻度で活動が求められるのか、自身の金銭負担がどの程度になるかなどは事前に聞いてください。いくら保護犬のためといっても、ご自身のライフスタイルを大切にした上で、納得して活動できるかどうかも重要になります。
保護犬ボランティア活動を始めたけれど、想像していたものと違うという場合は…
団体に関わり始めると実際は自分が希望していた内容と違っていたり、人間関係で悩んでしまうこともあるかと思います。その場合は、残念ながら現在のご自身とその動物保護団体との相性が合わなかったのだと考え、距離を置くことをおすすめします。同じ活動内容でも、別の動物保護団体のやり方であれば上手くいく場合もありますから、少しお休みした後に別の団体さんと連絡を取ってみるのが良いでしょう。
ただし、自宅で犬を預かる場合は、すぐに活動をやめることが出来ない場合もありますので、フォスターについては、最初は期限を区切って行う(年末年始や長期休暇など)のもおすすめです。