本記事は獣医師やペット栄養管理士が執筆・監修を行っております。
メロンには犬に危険な成分は含まれていないため、与え方や分量を守ることで安心して与えることができます。
そこで、今回は犬へメロンを与える場合の注意点や与える量、そして犬のメロンアレルギーなどについて解説しますので、是非参考にしてくださいね。
ANSWER
メロンは犬に食べさせても大丈夫です。
基本的に「メロン」は愛犬に食べさせても大丈夫な果物です。成分的にも犬にとって危険なものは含まれていないため、メロンに対してアレルギーを持つ犬や特定の持病がある犬でなければ食べても問題はありません。
特に、メロンは約88%が水分と、他のフルーツに比べ水分が豊富で、ミネラル類も含まれているため、暑い日や運動後の水分補給、食欲がない場合にもおすすめの果物です。
ただし、適量を超えてメロンをたくさん与えてしまうと、お腹を壊して下痢などの症状が現れるため注意しましょう。

メロンの主な成分や栄養素

食物繊維
食物繊維には、血中のコレステロールを下げる効果のある水溶性食物繊維と、腸の中で膨らみ便秘改善効果のある不溶性食物繊維があります。メロンには不溶性食物繊維が豊富で、腸の動きを活発にし、便秘解消や腸内環境の改善に役立ちます。
ただ、不溶性食物繊維を摂り過ぎると、消化不良を起こす可能性があるので注意が必要です。
βカロテン
メロンには、犬の体内でビタミンAに変換されるβカロテンが果物類の中で最も多く含まれているのです。摂取されたβカロテンは、体の中で必要な分だけビタミンAに変換され、目や皮膚の粘膜を健康に保ったり、免疫機能を正常に保ちます。
さらに、抗酸化作用もあるため皮膚だけでなく、被毛を健康に保つ効果も期待できるのです。
カリウム
カリウムはミネラルの一つで、細胞の活性を維持したり、過剰な塩分を排出して血圧を安定させる効果があります。
また、疲労回復にもカリウムは良い効果を与えてくれるのです。
ビタミンC
ビタミンCは疲労回復効果や肌の健康を維持する効果だけではなく、抗酸化作用、抗ストレス効果、免疫力アップなどの効果もあると言われています。皮膚疾患に悩んでいる愛犬や、老犬に補ってあげると良い栄養素です。
メロンを犬が食べた際の犬への効果・影響
メロンは前述したように、メロンは水分が豊富で、ミネラル類も含まれているため、水分補給に最適な果物です。
また、ミネラル類であるカリウムがスイカの3倍も多く含まれており、利尿作用が高く、余分な塩分を排出し、高血圧予防などにも効果があるといわれています。
犬に与えてよいメロンの量は?

小型犬の場合 | 体重1kg当たり最大で1日1/8等分のメロンのさらに1/4程度(25g)まで |
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中型犬の場合 | 体重1kg当たり最大で1日1/8等分のメロンのさらに1/4程度(25g)まで |
大型犬の場合 | 体重1kg当たり最大で1日1/8等分のメロンのさらに1/4程度(25g)まで |
子犬の場合 | 消化器の機能が未熟なため、一口サイズに小さくカットしたものを1~3欠片 |
老犬の場合 | 消化器の機能が衰えているため、一口サイズに小さくカットしたものを1~3欠片 |
犬にメロンを与える際の注意点
メロンのおすすめの与え方

皮、種をのぞいて果肉のみ与える
メロンの皮や種は意外と固く消化されにくいため、皮は厚めに剥き、種もていねいに取り除き、果肉部分のみ与えるようにしましょう。特に、メロンの皮は、犬の喉に詰まったり、飲み込んだとしても食道や腸に詰まったりすることがあるため危険です。
与える際は、犬の大きさや年齢、食べ方に合わせてカットしてあげましょう。子犬や高齢犬の場合には、すりつぶす必要はないですが、特に小さめにカットしてあげてください。
メロンアレルギーに注意し、様子を見ながら少量ずつ与える
メロンに対するアレルギーを持っている犬もなかにはいます。ですので、初めてメロンを与えるときは、アレルギー反応がないか確認しながら、少しずつ与えましょう。
メロンを吐いた場合はすぐ病院に相談を
犬の食物アレルギーは、食物内のタンパク質に対して免疫機構が異常に反応することにより起こるものです。メロンには少量ですが、タンパク質が含まれているため、食物アレルギーを起こしてしまう可能性があり、下痢や嘔吐、痒みなどがアレルギー症状として多く見られます。
万が一、下痢や嘔吐、痒みなどの症状が出た場合には、すぐに動物病院を受診してください。
メロンパンは極力与えない
メロンパン自体には、犬が食べて危険な成分は含まれていないので、食べても問題ありません。
ただし、ご存知の通り「人間用のメロンパン」には表面に砂糖が付いていたり、生地に大量の砂糖や塩分、バターなどが使用されており、高カロリーなため、肥満予防のためにも与えることは控えた方が良いでしょう。
こんな時は⽝に⾷べさせないこと

メロンアレルギーの犬以外にも心臓や腎臓に持病のある犬にとっても、制限が必要な果物です。
特に、腎臓病などで腎臓の働きが低下すると、メロンに含まれるカリウムを正常に排出できず、高カリウム血症などを引き起こすこともあります。また、糖分を多く含むため、糖尿病や肥満傾向の犬に与えるのは控えた方が良いでしょう。
食欲不振でメロンしか食べないなど、どうしても与えたい場合にはかかりつけの獣医師に相談してから与えるようにしてください。
まとめ

メロンはトッピングやおやつとしても最適な食材です。
しかし、愛犬にメロンを過剰に与えていると栄養バランスが崩れるため、適量を与えるようにしましょう。
正しい知識を持って、毎日の愛犬の食生活にメロンを是非取り入れてみてくださいね。
Supervisor
西岡 優子 にしおか ゆうこ
獣医師。北里大学獣医学科卒業後、香川県の動物病院に就職。結婚を機に、都内の獣医師専門書籍出版社にて勤務。現在は、パート獣医として働く傍ら、犬・猫・小動物系のライターとして活動。ペット栄養管理士としても活躍中。
