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引っ越しや出産、生活環境の変化|愛犬にストレスを与えない対応方法

引っ越しや出産、生活環境の変化|愛犬にストレスを与えない対応方法

東京農業大学教授の増田先生と一緒にお届けする、ワンコともっと良い関係を築くためのヒント。ワンコから見えるモノゴト、ワンコの考え方、感じ方など、ワンコたちに見えている世界を私たちにも見せてくれる増田先生シリーズ「ワンコno世界」。

進学・進級・部署異動などで引越しが多くなる春。せっかくなので新しい水飲みやケージにして愛犬も気分一新!と思いきや、思わぬ不調に遭遇してしまった場合の疑問についてです。環境が変わることの多い季節によく聞く疑問を増田先生に伺ってみました。

Advisor

増田 宏司教授

東京農業大学 農学部 動物科学科 教授。東京大学大学院を修了後、同大学院で学術研究支援員を務め、2006年から東京農業大学で研究と学生への指導を行う。研究だけでなく、飼い主向けのカウンセリングやワンコのしつけに使えるグッズの開発など、ワンコと飼い主が幸せに暮らせる社会を築くため、幅広く取り組んでいる。

引っ越しをしたら愛犬が室内でトイレをしなくなってしまいました。新しい家にストレスを感じているのでしょうか?

ストレスを感じているかもしれませんし、あるいは新しい環境に対して「どうしすればいいか」がいまいちわかっていない状況なのかもしれません。

ただ、引っ越す前は室内のトイレで出来ていたわけで、言い換えると室内のトイレで排泄することを覚えている一方で、新しい場所ではどうすればいいかわからず、混乱しているのでしょう。

こんなとき、ワンちゃんの状態は分かっているので、対策はシンプルです。トイレの再トレーニングをしますが、特に、以前(引っ越し前)のトイレ環境に近づけることを意識してください。

例えば以前、サークルの隣にトイレが置いてあったのであれば、新しい場所でも、まずはサークルの隣にトイレを置きます。

そして以前のようにできるようになったら、新居に思い描いた新しい生活スタイルや家具の配置に合わせて、必要であれば徐々にトイレの位置やワンちゃんの家具の位置関係を再配備していきます。楽しく工夫してみてください。

進学で自宅を離れます。いつも一緒にいたので急にいなくなると寂しいのでは?と心配しています。離れる前にしてあげられることはありませんか?

春は旅立ちや出会いなど、多くのことが起こる節目の時期です。進学で家を離れる場合、どうしても愛犬と別々の生活を送らなければならないこともあるでしょう。

でも、よく考えてみてください。進学前、すなわち受験生の1年間は、あなたとあなたの愛犬の日常の1年間とは大きく違っていたはずです。

そしておそらく、進学先が決まってからの期間のあなたの生活は、あなたの愛犬にとって、いつも通りの大好きな日常に戻っていたはずです。

いつもの生活を、離れる前にあなたが一緒に送ってくれたことは、十分に、あなたが愛犬に「してあげた」ことになっていますよ。

そして春は特に、新しいものを目にする機会が多い時期でもあります。今後は、離れたところに住んでいるあなたが、愛犬にしてあげられることを考えましょう。

離れているからこそ、してあげられることを考え、犬を幸せにする実力をまた一つ、手に入れてください。愛犬のためなら、出来るものです。

古いケージを捨てて新しいものにしたら、愛犬がケージに寄り付かなくなってしまいました。警戒している様子なのですが、どうしてあげたらいいでしょうか?

私の周りではよくあるケースの困りごとです。こんなとき私が飼い主さんに言うのは、古いケージがかつて新しかったときを思い出して、再度新しいケージにチャレンジしてみましょう、ということと、あなたが愛犬と積み上げてきたものは、そんなに軽くない。

かつてを思い出せば良いだけ、ということです。かつて出来たことなら、今のあなたと愛犬なら、もっとうまくやれます。で、新しいケージに慣れるコツですが、基本は「ここ(新しいケージ)で良いことが起きる」を、ケージの中でおやつをあげるなどして、愛犬に提供します。

具体的には「ここで毎回、良いことが起きる」をしばらく続け(連続強化といいます)、新しいケージに慣れたら、たまに良いことが起きるようにして(変動強化といいます)いきます。

こうすることで「いつ良いことが起きるか分からないけれど、今度こそはもらえるはずだから、ここにいよう」という状況になることが期待できます。

出産を控えていますが、愛犬がどんな反応をするのか不安です。今後の生活についてアドバイスをください。

犬は「いろんな生き物と仲良くなれる動物」ですが、だからといって必ず最初から仲良くなれるとは限りません。

一方で、あなたの愛犬はすでに、あなたという人間と仲良くできています。もしかすると、弟か妹が生まれて、一緒に生活をし始める、くらいの感覚になってくれるかもしれませんし、生まれ来る赤ちゃんに対して、あなたが大切にしている存在なら、自分にとっても大切な存在、と考えてくれるかもしれません。

しかしそれでも犬は犬なので、赤ちゃんに多いに戸惑うこともあるでしょう。大切なのは、出会うきっかけをどうするか、で、実際に会う前に産着などについた赤ちゃんの匂いを嗅がせておく、録画しておいた動画などを見せて、特に泣き声に慣らせておくなどの工夫ができます。

また一緒に生活を始めた時のために、普段から犬が出すストレスサインに気を配っておく、犬だけでくつろげる場所(ハウスなど)の環境を整えておくことをおススメします。

Message for dog owners

例年になく寒さを感じる冬が終わり、ようやく春になりました。

1月は行く、2月は逃げる、3月は去ると言います。師も走る12月を加えて、ただでさえ慌ただしい年度末が終わったにもかかわらず、春もまた、なにか気持ちが落ち着かないものです。

新年度という厄介なイベントに翻弄されてしまわないよう、この時期には私はいつも、慌てずに日々の生活を送るための「myコツ」を確認するようにしています。

それは「1日に出来ることは、どう頑張っても3つまで。最低1つ、普通で2つ、3つ出来たら大したもんだ」という、かつて指導していた、頑張りすぎてよく体調を崩していた大学院生に向けて送った言葉を思い出すことです。

この時期はどうしても、連休を、出来るだけ目の前の仕事を片付けてから迎えようと頑張ってしまいがちですが、我を忘れて、下ばかり向いて余裕なく何かに必死に取り組むだけでは、春を知らせてくれる花や木々、そして生き物たちに感動する、豊かな時間を無くしてしまいます。

慌ただしい季節ではありますが、隣でうれしそうにしてくれている愛犬とぜひ、春になったことの喜びを分かち合ってほしいと思います。ま、狂犬病予防接種の時期でもあるのですが笑。

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