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飼い主さん愛犬食育検定シリーズ:食材編

飼い主さん愛犬食育検定シリーズ:食材編

本記事は獣医師やペット栄養管理士が執筆・監修を行っております。

おいしいものを食べている時にふと、「これってワンコに食べさせていいのだろうか?」と気になったことはないでしょうか?

実際に、トッピングアイテムやおやつとして、あるいは手作りフードとして、茹でた野菜やお肉などを与えている方は多いものです。

しかし、食材の知識や栄養成分はもちろん、ワンコの生体について正しい知識をもっていないと、食べ物が原因で犬の健康を害してしまう危険もあります。
今回は「食材」にまつわるクイズです。愛犬の幸せな食生活のために、一緒に勉強していきましょう!


クイズ1 人間の歯にも良いキシリトール。犬にとっても良い?

犬にはキシリトールは与えないようにしてください。

犬がキシリトールを摂取すると、インスリン分泌が過剰になることが確認されています。(人間はこのような作用は起きません)インスリンとは、すい臓から分泌されるホルモンのことで、血糖値を下げる働きがあるのですが、過剰に分泌してしまうことで低血糖症を招き、運動機能の低下や痙攣、貧血、黄疸、嘔吐をはじめ、肝不全といった重篤な症状を引き起こしかねません。(摂取量にもよります)

とはいうものの、かつて、「犬にもキシリトールは良いもの」という考えがあり、キシリトールが配合されたガムやパウダーなどが販売されてました。日本では「今あるものは売ってOK、なくなり次第終わり」というルールになっているため、インターネットなどで「犬用 キシリトール」と検索すると、いまだにキシリトールを配合したオーラルケアアイテムが、購入できる状態にあります。

こういった諸事情を知らなければ、売ってるんだから大丈夫と思って犬に与えてしまいかねません。歯磨きを嫌がる子だとしても、キシリトールに頼ることのないようにしておきしょう。

クイズ2 鮮度の良い刺身であれば、生のまま犬も食べても問題ない?

人が食べる用に処理がされている刺身であれば、食べさせることはできるのですが、率先して与える必要はありません。
いくら鮮度がよくても、アニサキスなどの寄生虫が寄生していることもありますし、たとえ、アニサキスが寄生しない魚種であったとしても、

  • 生の甲殻類や貝類、淡水魚などにはチアミナーゼという酵素が多く、ビタミンB1欠乏症になり足がふらつくなどの運動機能の障害が出る危険がある
  • マグロやカツオには水銀が多く、含まれている
  • 赤身魚にはヒスタミンが多く含まれており、嘔吐や湿疹などのアレルギー症状が出る危険がある

など、与える以上のリスクがあります。(※中には過熱をしたら問題ないものもあります)
ほかにも、胃腸が弱いワンコの場合、ふだん食べ慣れていない生のお魚を食べることで、胃腸に負担がかかりお腹を壊す(下痢や嘔吐など)危険も・・・。

結論的に、どんなに鮮度が良くても、たとえワンコが食べることはできるとしても、率先して与えるのはおすすめはしません。

クイズ3 生のぶどうは犬はダメだけど、ドライにしたレーズンなら食べてもいい?

ぶどうはドライ(干しぶどう・レーズン)になっていようが、与えてはいけません。

犬がぶどうを食べてしまうと、腎不全や、無気力、嘔吐、下痢などの中毒症状が出るほか、最悪の場合、命にもかかわる危険もあります。
ぶどうの果汁配合のジュース、ぶどうの搾りかすなども与えないようにしましょう。

食べてはいけない分量は、実は正確にはわかっておらず、たった1粒でもダメな子もいますし、数粒食べても何事も起きなかった子もいるので、明言はできませんが、いずれにしても1粒でも食べないに越したことはありません。

また、マスカットや巨峰、プルーンも同じく与えてはいけませんので、今回あわせて覚えておいてくださいね。

クイズ4 玉ねぎはしっかり加熱していれば、犬が食べても大丈夫?

玉ねぎは加熱していようが、水にさらしていようが、ドライであろうが犬には与えてはいけません。
玉ねぎには「有機チオ硫酸化合物」という硫黄化合物が含まれています。人間の場合は、免疫力アップや血液サラサラにつながる作用がある成分なのですが、犬はそもそも、有機チオ硫酸化合物を消化する酵素を持ち合わせていません。

そのため、犬にとっては有機チオ硫酸化合物の作用が強すぎて、赤血球を酸化・破壊してまうことになり、貧血や嘔吐、酸素欠乏、血尿などを引き起こし、最悪の場合、命にかかわる危険があるのです。
しかも、この有機チオ硫酸化合物は、水にさらそうが加熱しようが、完全には消失しない物質ですので、火を通していたとしても、危険性は変わりません。

余談ですが、かつてはアリルプロジスルフィドが中毒の原因と考えられていましたが、研究の結果、アリルプロジスルフィドが直接的に影響を及ぼしているのではないことが判明しました。ただし、アリルプロジスルフィドが、有機チオ硫酸化合物の吸収を高めているとの考えられています。同じく、アリルプロジスルフィドも加熱しても完全分解されない成分です。

つまり、玉ねぎは、調理されていようが、どのような状態であったとしても、与えるべきではないということですね!

クイズ5 鹿肉やイノシシ肉などは愛犬を野性的にする要素がある?

鹿肉、イノシシ肉などのジビエを食べても野生的になることはありません。安心して与えていただいて大丈夫です。

鹿やイノシシなど、その野性的な生活のイメージから、「ジビエとか食べていたら、ワンコもワイルドなどう猛にしてしまわない?」「凶暴にならない?」と心配なさる方もいるのですが、そのような事実は一切ありません。

ただし、どれだけ新鮮であったとしても、ジビエは生のまま与えることはおすすめしませんし、危険ですので控えた方が良いです。

犬には生肉が一番という考えの方もいるかもしれませんが、生の鹿肉や猪肉は肝炎になる危険もありますし、寄生虫や細菌が潜んでいる危険もあります。一部の動画サイトなどで、「新鮮だから」「きれいに血抜きできているから」などといって、生食を推奨しているケースもありますが、マネしないでくださいね。

クイズ6 犬はゆで卵の殻を食べても大丈夫?

犬はゆで卵の殻を食べてもオッケーです。実際に、カルシウム源として、卵の殻を配合しているドッグフードもあります。

ただ、卵は栄養豊富ではあるものの、高栄養価ゆえに、カロリーオーバー・栄養過多になってしまうことが多く、しっかりカロリーコントロールをできないのであれば、ご家庭で率先して与える必要はありません。
与える場合であっても、

  • 殻の表面の汚れはきれいに落とす
  • 半熟ではなく完全に加熱しきった状態に茹でる
  • 食べる時には殻で口の中をケガしてしまわないように砕いて与える

などに注意してください。

また、アレルギー体質のワンコや、腎臓系のトラブルがあるワンコには、卵を与えるのはおすすめしません。
なお、生卵の卵白にはアビジンという成分があるのですが、アビジンには細胞の再生を促す働きをする「ビオチン」の吸収を妨げる作用があります。
そのため、生卵の白身だけを食べてしまうと、皮膚炎や被毛トラブルに発展することもあるので、完全に加熱して与えるようにしましょう。

クイズ7 生で食べられる野菜であれば、加熱しないで生のまま与えた方が良い?

トマト、キュウリ、大根(すりおろし)など、一部の野菜は生で食べた方がいいものもあります。残留農薬が心配な方は、しっかり洗ってから与えるようにしましょう。

しかし、そういった生で食べた方がいい野菜以外であれば、たとえ生食ができるものであっても、消化不良の原因になることもあるので、できるだけ加熱して与えるようにした方がよいでしょう。

よく、「加熱すると、栄養成分が壊れてしまって、思うような栄養を摂取できないことがある」「茹でると、栄養成分が流れ出てしまい、栄養価が下がる」なんていわれますよね?

それは事実ですが、胃腸への負担を考えると、せっかく栄養を取らせたくて生で与えたとしても、消化しきれず、思っていた栄養も吸収されることもなく、ただただお腹を壊してしまうだけです。
トッピングなどに取り入れたいのであれば、上手に加熱し、消化の負担にならないよう細かく刻むなどして与えるようにしましょう。

クイズ8 茹でたササミは高たんぱく・低脂質でヘルシーなので、たくさん食べても心配ない?

鶏ササミは、高たんぱく・低脂質なのは間違いありませんが、だからと言ってたくさん食べさせても良いということではありません。
「◯◯肉は〜〜だから体にいいんだよ」なんて話を聞くと、

  • そうなんだ!じゃあ、率先して与えよう!
  • 良いものだから、たくさん与えよう!
  • 与えたほうがいいんだ!

と勘違いしてしまう方もいるのですが、体に良いから・食べてもいいからといって、たくさん与えていいということではないのです。

ササミはリンやカリウムを多く含んでおり、尿路トラブル・腎疾患があるワンコや、腎機能が低下し始めるシニア犬などには、与えないに越したことはありません。
鶏肉が好きなワンコは多いのですが、「うちの子は鶏肉が好きだから」と、限度を超えた量を与えないよう注意しましょう。

クイズ9 りんごには体に良い栄養が含まれているため、皮や種、芯も与えた方が良い?

答えはノーです。
りんごの芯や種は硬くて消化しにくいですし、種にはシアン化合物の一種、「アミグダリン」が含まれています。

アミグダリンは、消化の過程で有毒なシアン化水素を発生し、呼吸困難や嘔吐、けいれんなどの中毒を引き起こす危険があるため、取り除いて与えるのが理想です。

また、りんごの皮にはペクチンやポリフェノールも含まれており、栄養はあるのですが、農薬などが付いている可能性も否めませんし、消化しにくい特徴もあります。そのため皮を食べさせる場合には、よく洗って、細かく刻むなど、消化の負担にならないようにして与えてください。

りんごは、「1日1個のりんごで医者いらず」なんて言われるほど高栄養価な食材ですが、胃腸が弱っているワンコやパピー、老犬の場合は皮は避け、また、元気な子であっても、種や芯は取って与えるようにしましょう。

クイズ10 チョコレートは犬はダメだけど、「ホワイトチョコレート」ならOK?

答えはイエスです!犬がホワイトチョコレートを食べたもしても、中毒リスクは低く、特に心配はいりません。(与えましょうということではありません。

「チョコレート」と聞くと絶対に犬に与えてはいけないという印象が強いのですが、ホワイトチョコレートの場合、「カカオバター=カカオの油脂分」のみしか使用されておらず、チョコレートに含まれるカカオ成分「テオブロミン」は含まれていません。

そのため、食べても大丈夫ということなのですが、とってもカロリーも糖質も高いので、率先して与える必要はないですし、与えていいということではないのでご注意を。

最後に

ワンコがおいしそうに食べる姿を見ていると、飼い主としても幸せに感じますよね。
ただし、

  • 美味しそうに食べるから
  • 好きそうにしているから
  • いい成分が入っているから

といって、ドッグフード以外のものをたくさん与えるのは良いことではありませんし、「犬に与えることができる・与えてもいい」というのは、「与えるのがいいこと」という意味でもありません。
おやつやトッピングは、1日に必要な総カロリーの10~20%以内の量に抑えることが理想です。
おやつは別腹という考えや、食べてもいい食材だからと与え過ぎることのないよう、上手に取り入れてあげましょう。

○ フード90%、おやつ10%(総合してカロリーが1日分の必要カロリー)
×  フード100%+おやつは別途10%(ごはんはごはん、おやつは別腹という考え方)

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