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飼い主さん愛犬食育検定シリーズ:基礎編

飼い主さん愛犬食育検定シリーズ:基礎編

本記事は獣医師やペット栄養管理士が執筆・監修を行っております。

犬を飼う上で必要なのは、しつけはもちろん、愛犬のことを知り、しっかり健康管理をしてあげることなどもあります。

中でも健康管理というのは、不調にいち早く気づき、適切な対処をすることだけではありません。たとえば、ごはん。毎日のことですし、ワンコの体を作り上げていく基本となるものです。

そこで今回は、ワンコの食事に関する基本的クイズにチャレンジしていただこうと思います!間違えていたところは、この機会に正しい知識にアップデートして、愛犬の食事に活かしてくださいね!  


クイズ1 お散歩の前にごはんは済ませた方が良い?お散歩の後にごはんの方が良い?

お散歩の後にごはんを食べさせるようにしましょう。
食後に散歩(運動)をすると、胃に負担がかかってしまい、嘔吐や胃捻転、胃拡張など命に関わる危険があるからです。

「食べた後にゆっくりしていたら太りやすいのでは?」「食べた後のお腹いっぱいのときに行った方が、拾い食いをしない」なんて意見の方もいますし、たしかにその意見は一理ある面もあるのですが、胃捻転や消化不良による不調のリスクを考えると、まったくメリットにはなりません。食後は運動は避け、運動(ドッグランや散歩)をするのであれば、食後、少なくとも2時間、できれば3時間は時間を空けるようにしましょう。

クイズ2 ごはんは毎日ピッタリ同じ時間に食べさせるようにした方が良い?

消化サイクルを安定させるために、「おおよその時間帯」をざっくり決めておくのはOKですが、「必ず◯時」というように、固定する必要はありません。

そもそも、理想の給餌のサイクルは、

  • 1日2回の場合は12時間おきのサイクル 1回目:朝7時、2回目:晩7時
  • 1日3回の場合は7~8時間サイクル 1回目:朝7時、2回目:昼2時、3回目:夜9時

というような、ある程度一定のサイクルと言われています。
ただし、「だいたい6時から7時の間くらい」というように、目安の時刻の前後1時間ほどの余白を持っておくとなおよしです。

毎日同じ固定された時間に食べていると、「そろそろごはんの時間だな」と犬もわかるようになってきます。
しかし、何かしらの理由から遅くなることがあった場合、時間になってもごはんがないことが原因で吠えたり暴れたり、ストレスを感じたりと、問題行動に繋がりかねません。日ごろから、完全に固定された時間ではないサイクルで食べていたら、このような問題行動のリスクは軽減できます。

また、季節によって散歩に行く時間が変動するという方も多いと思います。特に、昨今の猛暑から、夏はふだんとはまったくことなる時間帯の散歩になってきますよね?

そんな場合でも、このように前後1時間ほどの余白を持った給餌サイクルにしておくことで、愛犬の胃腸に負担をかけることなく、ごはんの時間を散歩の時間に合わせて徐々にずらしていくこともできますよ。

クイズ3 フードを食べる時、フードボウルは床に直置きの方が良い?

できれば、床に直置きするのではなく、少し高さがあるほうがよいでしょう。

フードボウルの理想の高さは、ワンコが少し頭を下げたら届く程度(目安は体高から10㎝ほど下)の高さが理想です。一部、成犬期までは直置きでも大丈夫ともいう説もありますが、あまりおすすめしません。

というのも、直置きの場合は、前のめりになって食べているため、胃腸や関節への負担、食べづらさや誤嚥などもの原因になることもあるからです。
そのため、関節が弱ってきている老犬(シニア犬)や、短頭種(鼻ぺちゃ犬種)を飼われている方は、特に注意しておきましょう。

クイズ4 避妊・去勢手術をした後は、体重が増えやすくなる?

成犬期になってからの手術の場合には、増えやすくなります。そのため、これまでと同じ量のフードを食べていると、太りやすくなるので注意が必要です。

ただし、太りやすさは手術を受けた月齢も関係していて、避妊・去勢を早く終えている場合には(6ヶ月から成犬期までの間)、これに限りません。

とはいえ、臓器を摘出するわけですし、代謝は術前よりは幾分は低下します。普段の運動量にも関係しますが、体型を気にしながら給餌量は調整してあげましょう。

クイズ5 歯に良いサプリ(パウダー)や歯みがきガムを食べさせていたら、歯みがきは不要?

「歯に良い」とされているサプリや歯みがきガムだけでは、歯磨きは十分とはいえません。

ブラシを使って磨いたり、歯磨きシートなどを使ったりしながら、しっかり「歯」を磨くようにしましょう。ガムやサプリは、磨いた上でのプラスアルファのアイテムだとお考えください。

そもそも、歯磨きサプリはプラークを取るものではありません。歯周病の原因となる腸内菌を安定させる目的のものが多く、あくまで「歯周病菌を増殖させない役割」のものが大半です。
実質的に歯を磨いていることにはなりません。

整腸作用により口臭が軽減されることはあっても、歯や歯茎に詰まっている食べかすには、サプリを摂取しているだけでは歯のケアができていることにならないですし、歯みがきガムも、片方の歯や同じ歯ばかりで噛んでいたら、歯みがきしたとは言えないのですよね。

歯みがきを嫌いなワンコは多いものですが、嫌がるから・させてくれないからとしないでいたり、歯みがきアイテム任せたりにしていると、老犬になった時に愛犬が苦しむ羽目になります。

また短頭種など、マズルの形状から歯周病になりやすい犬種もいますので、そういった犬種を飼っている場合は、一層歯のケアには注意してあげましょう。

クイズ6 ドッグフードをこれまでと違うものに替える時は、前のフードが完全になくなってからの方が良い?

ドッグフードを切り替える時は、今まで食べていたフード(Aとします)と、これから与える新しいフード(Bとします)をブレンドして様子を見ながら切り替えていきましょう。理想としては2~3週間かけて新しいフードに移行していくことをおすすめします。

ある日突然、AからBの新しいフードに替えてしまうと、胃腸が弱いワンコの場合、急に食べ慣れないものを食べたことでお腹を壊してしまう危険があるからです。
手間に思うかもしれませんが、

  • Aを9割:Bを1割でブレンドして、2~3日与える
    →愛犬にトラブルが起きていないか確認して、問題がなければ・・・
  • Aを8割:Bを2割でブレンドして、2~3日与える
    →愛犬にトラブルが起きていないか確認して、問題がなければ・・・
  • Aを7割:Bを3割でブレンドして、2~3日与える
    →愛犬にトラブルが起きていないか確認して、問題がなければ・・・



このサイクルを繰り返して



完全に10割新しいフードに切り替え

というように、逐一ワンコの様子を見て行くようにしましょう。ゆっくり新しいフードに胃腸がフィットしていく流れです。

また、この途中で、「あれ?ちょっと愛犬の便がおかしいかも?」など、なにか異変があったら、一段階前の配分に戻して再度試してみてください。
例)4:6にしたら、少し、便に異変があったのであれば、一度5:5の配分に戻してみる

クイズ7 犬には人間レベルの味覚がある?

人間レベルの味覚はありません。犬は味よりも、香りで食べ物を判断しています。 犬にも味覚はありますが、味を感じる味蕾が人間の1/5しかありません。しかも、旨みに対する感覚は犬はほぼないんです! 

人間は犬よりも複雑な味付けになっているものを「おいしい」と感じるようになっているため、味が濃いもの(塩分・糖分・脂質)が多くなっています。そのため、人間がおいしいと感じるものを犬に与えてしまうと、犬にとっては栄養過多になってしまい、健康を害する危険があります。

 おいしいものを愛犬と一緒にシェアしたい気持ちはわかりますが、愛犬の健康のためには、人間の食べ物は極力与えないようにしましょう。

クイズ8 フードを食べ残したとしても、いつかは食べるので置いておく方が良い?

食わず嫌いや食べむらから、残してしまったフードは、30分ほど経ったら引き上げましょう。

いつか食べるだろうからと置きっぱなしにするのはおすすめしません。

理由は、

  • いつでも食べられるからと安心して、ごはんを食べなくなる
  • 一度口をつけたフードを置いておくと、フードに雑菌が繁殖してしまう
  • フードが乾燥したり、湿気を含んだりして傷んでしまう

からです。心苦しいかもしれませんが、一度口をつけて、残したフードは再度与えることのないように注意してください。

クイズ9 犬は水道水よりもミネラル分の多い硬水やミネラルウォーターを与えた方が良い?

水道水で十分です。一説では、別にミネラルウォーターを与えてもさほど問題はないといわれることもありますが、日本の水道水はミネラル分も少なく、飲める軟水ですので、安心してワンコに与えることができます。

ミネラルウォーターを聞くと「体に良いもの」と感じる方もいるかもしれっませんが、犬にとってはミネラル分の過剰摂取から結石などのなるリスクがあるため、わざわざ意図的に与える必要はありません。
特に、特性的に、膀胱・腎臓などに疾患が出やすい犬種の場合には、注意しましょう。

クイズ10 犬のごはんの回数は朝晩2回が当たり前?

成犬の場合は、理想としては2回がよいとはされていますが、絶対に2回じゃないといけない、2回が当たり前というわけではありません。

代謝には個体差があるので、回数は2回じゃなくたっていいのですよ。消化器官の状態によっては3回にわけた方が良い子もいます。

それに、パピー期は胃腸が不安定な時期ですし、シニア期になると消化器が弱ってくる時期ですので、3~5回に分けて食べた方が安定することもあるため、絶対的に2回じゃないといけないということではありません。

極論ですが、1日に必要なカロリー数さえ食事で摂取できていることが優先です。そのためもし、「朝は全然食べない…」とお悩みだとしても、晩のごはんで1日に必要なカロリー数を食べていればいいので、食事の回数に振り回されないで、摂取量にフォーカスしておきましょう。

最後に

食事って毎日のことですので、慣れてしまい、基本を忘れてしまうことがあります。
もしかしたら、漠然としか知らなかったこと、知っていたけど「うちの子は大丈夫」と、面倒で気にしていなかったことなどあったかもしれません。

しかし、その「うちの子は大丈夫」という油断の積み重ねが、将来的に愛犬の健康を害することにつながる危険もあります。
今回のクイズを参考に、愛犬の健康的な食生活をサポートしていってくださいね。

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