本記事は獣医師が執筆・監修を行っております。
オリーブオイルは人では美容効果などで注目されていますが、犬にとっても身体に良い油です。
しかし、犬によっては下痢や嘔吐などの症状が現れることがありますので、適切な与え方や分量を守るようにしましょう。
愛犬にオリーブオイルを与える際には、ぜひ今回紹介した与え方や注意点を参考にしてくださいね。
ANSWER オリーブオイルは犬に食べさせても大丈夫です。
オリーブオイルには犬に危険な成分は含まれていないため、与え方や分量を守ることで安心して与えることができます。
さらに、オリーブオイルに含まれる成分は、犬にとって多くの良い影響があるといわれており、他の油類に比べて健康的です。

オリーブオイルの主な成分や栄養素
オレイン酸(オメガ-9脂肪酸)
オレイン酸は抗炎症作用があり、関節炎や慢性疾患の症状を和らげる効果が期待されています。
また、コレステロール値を調整することで心血管系の健康をサポートしたり、皮膚の乾燥を防いで被毛をつややかに保つ効果がある成分です。
ビタミンE
ビタミンEは強力な抗酸化作用があり、細胞を酸化ストレスから保護し、免疫力を高め、感染症や老化の進行を遅らせる効果が期待できます。
また、皮膚の健康を維持し、炎症やかゆみを軽減してくれる作用がある成分です。
ポリフェノール
ポリフェノールには強い抗酸化作用があり、細胞の老化を防ぐ効果が期待できます。
また、炎症を抑える働きがあり、慢性疾患のリスクを低減したり、生活習慣病予防、皮膚の健康維持効果のある成分です。
オリーブオイルを犬が食べた際の犬への効果・影響
オリーブオイルは犬にとって、コレステロール値を抑えることで動脈硬化・高血圧を予防する効果が期待されています。
また、皮膚や被毛の健康を保ったり、便秘を改善したり、活性酵素を体から排出することによりガンを予防する効果があるともいわれているのです。
犬に与えてよいオリーブオイルの量は?
小型犬の場合 | 小さじ1/4~1/2杯 |
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中型犬の場合 | 1/2~1杯 |
大型犬の場合 | 小さじ1~1.5杯 |
子犬の場合 | 体重1kgあたり約0.1ml程度- 子犬は脂肪分の摂取過多は避けるべきです。少量から始め、便の状態を観察しましょう。 |
老犬の場合 | 体重1kgあたり約0.05~0.1ml - 消化機能が低下している可能性があるため、少量を週に1~2回与える形で体調を見ながら調整します。 |
犬にオリーブオイルを与える際の注意点
オリーブオイルのおすすめの与え方

加熱せずに食事に混ぜる形で与える
空腹時にオリーブオイル単体で与えると胃腸に負担をかけることがあります。そのため、ドライフードやウェットフードに軽く混ぜるようにしましょう。
また、オリーブオイルは加熱せずに与えた方が、これらの栄養成分を最大限に活用することができます。
様子を見ながら、少量ずつ与える
オリーブオイルに対するアレルギーを持っている犬もなかにはいます。
ですので、初めてオリーブオイルを与えるときは、アレルギー反応がないか確認しながら、少しずつ与えましょう。万が一、下痢や嘔吐、皮膚のかゆみなどのアレルギー症状が出た場合は、すぐに動物病院を受診してください。
適量を与える
オリーブオイルは高カロリー食品なため、肥満にならないように適量を与えるようにしましょう。
また、犬によっては下痢などの消化器症状が現れる場合もあります。
高品質なオリーブオイルを選ぶ
低温圧搾で無添加のエクストラバージンオリーブオイルが最適です。
加熱されたものや加工品は避けてください。
こんな時は犬にオリーブオイルを食べさせないこと
オリーブオイルは高カロリー食品なため、肥満傾向の犬には適していません。また、胃腸が弱い犬、胆のうや膵臓に疾患がある犬には、油分が負担になることがあります。

まとめ
オリーブオイルは犬の健康に役立つ安全な食品です。しかし、与えすぎるとカロリー過多や消化不良を引き起こす可能性があるため、少量をフードに混ぜる形で取り入れ、犬の体調を観察しながら活用しましょう。
正しい知識を持って、毎日の愛犬の食生活にささみを是非取り入れてみてくださいね。
Supervisor
西岡 優子 にしおか ゆうこ
獣医師。北里大学獣医学科卒業後、香川県の動物病院に就職。結婚を機に、都内の獣医師専門書籍出版社にて勤務。現在は、パート獣医として働く傍ら、犬・猫・小動物系のライターとして活動。ペット栄養管理士としても活躍中。
