犬は舞茸を食べても大丈夫?正しい与え方と注意点【獣医師監修】

犬は舞茸を食べても大丈夫?正しい与え方と注意点【獣医師監修】

本記事は獣医師が執筆・監修を行っております。

舞茸は日本の伝統的な食材であり、その歴史は古く、なんと今から1000年以上前の奈良時代にはすでに食用とされていたといわれています。舞茸の名前の由来には、その形状が風に舞い上がるように見えることや舞ってしまうほど美味しいということからきているなど様々ないわれがあります。

また、昔から漢方薬などに使われているほど健康に効果的な食材である舞茸ですが犬に与えても大丈夫なのでしょうか?

ANSWER 舞茸は犬に食べさせても大丈夫です。

種類が豊富なキノコ類ですが、その中でも舞茸は犬に食べさせても大丈夫だといわれています。

特に舞茸には、キノコの中でも舞茸がトップの量で含んでいる成分も存在することから愛犬の健康維持に役立つことが期待できます。

ただ、適切な与え方や与える量を守らなければ逆に悪影響を及ぼしてしまう可能性もあるため注意が必要となります。

舞茸の主な成分や栄養素

βグルカン

グルコースという小さな糖が連なった多糖体の1つであるβグルカンはキノコ類に多く含まれており、免疫の活性力を高めることでガンやアレルギーを予防するのに役立つ働きが期待されています。また、食後の急激な血糖値の上昇も抑えると考えられています。舞茸は、キノコ類の中でもこのβ-グルカンの含有量がトップクラスとなります。

ビタミンB群

舞茸にはビタミンB群も豊富に含まれています。特にビタミンB3とも呼ばれることがあり、エネルギーの産生や脂質、たんぱく質の代謝などに関わっているナイアシン並びに皮膚・粘膜の保護に役立つビタミンB2が多いことで知られています。

エルゴステロール

舞茸にはビタミンDの元となるエルゴステロールという成分が含まれており、このエルゴステロールが紫外線に当たることでビタミンDに変化します。ビタミンDの主な働きは体内でカルシウムの利用効率を高めて骨や歯の発育を促すこととなり、犬は体内でビタミンDを作ることができないため、食べ物から取り入れる必要があります。

食物繊維

食物繊維には水に溶けない不溶性食物繊維と、水に溶けやすい水溶性食物繊維に分かれます。舞茸には不溶性食物繊維がとても豊富であることから水分を吸収し、便のカサを増やすことで腸を刺激して、便通を促す効果があります。

舞茸を犬が食べた際の犬への効果・影響

ガンやアレルギーを予防する効果が期待できるβグルカンやビタミンB群が多く含まれている舞茸を与えることは、愛犬の健康維持に役立つと考えられます。また、不溶性食物繊維がとても豊富なことから、便秘を解消する効果も期待できるでしょう。

犬に与えてよい舞茸の量は?

小型犬の場合 30gまで
中型犬の場合 50gまで
大型犬の場合 90gまで
子犬の場合 与えないほうが良い
老犬の場合 与えないほうが良い

犬に舞茸を与える際の注意点
舞茸のおすすめの与え方

必ず火を通してから与えましょう

愛犬に舞茸を与える時には必ず火を通してから与える必要があります。もし生のままの舞茸を食べてしまうと、消化不良によって下痢や嘔吐などの症状を起こす危険性が高いため注意が必要となります。

出汁を捨てずに役立てましょう

舞茸に豊富に含まれているビタミンB群は水溶性のため、舞茸をゆでた後の出汁には舞茸から溶け出たビタミンB群が豊富に含まれているため、捨ててしまうとせっかくの栄養成分を役立てることができません。よって出汁は捨てずにドッグフードをふやかして風味をアップさせることに使用したり、スープとして水分補給に役立てたりすることがおすすめとなります。

細かくカットしてから与えましょう

習性として、多くの犬はあまり噛まずに飲み込む傾向が強いため舞茸を丸ごとそのままやほとんど切らずに与えてしまうと、喉につまらせたり消化不良を起こしたりする危険性があります。よって火を通した後の舞茸であっても細かくカットして与えるようにしましょう。また、ペースト状にするのもおすすめの与え方となります。

特に初めて与えるときはアレルギーに注意

犬にアレルギーを引き起こしやすい食べ物として舞茸が挙がることはあまりありませんが、個体差によっては舞茸がアレルゲンとなってしまう場合もあります。よって舞茸を初めて与えるときは飼い主さんが愛犬の様子をよく観察することができて、かつ動物病院が診療している時間帯を選ぶことをおすすめします。

また、初めてでなくても舞茸を与えた後に下痢や嘔吐、目の充血や皮膚をかくといった症状が見られた場合は与えるのをやめてすぐに動物病院を受診するようにしましょう。

こんな時は犬に舞茸を食べさせないこと

舞茸にはカリウムも含まれており、腎臓病の犬に舞茸を与えてしまうと腎機能が低下していることにより、カリウムをうまく排出しきれずに血液中にカリウムが残ってしまう「高カリウム血症」を引き起こす危険性があります。「高カリウム血症」では主に嘔吐や四肢のしびれなどが見られ、重症の場合は不整脈を起こして生命を落としてしまうという危険性があります。

よって、腎臓病の犬に舞茸は与えないようにしましょう。なお、腎臓病以外にも何かしらの持病がある犬の場合は、与える前に必ず獣医師に相談してください。

まとめ

健康効果が高い舞茸は犬が食べても多くの場合は問題なく、がんの予防などの働きも期待できる嬉しい食べ物ということができます。

しかし与えすぎたりしてしまうと体調に悪影響を及ぼしてしまう場合もあるため、ぜひ今回紹介した与え方や注意点などを参考にしてくださいね。

Supervisor

松本 千聖 Chisato Matsumoto

岐阜大学応用生物科学部獣医学課程を卒業後、3年ほど獣医師として動物愛護団体付属動物病院やペットショップ付属動物病院にて主に一次診療業務、ペット保険会社では保険金査定業務などに従事しました。
現在は、製薬関係の業務に携わり、プライベートでは個人で保護猫活動並びに保護猫達の健康管理を行っています。

松本 千聖
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