「将来動物や犬に関わる仕事に就きたい」「愛犬のために学びたい」「犬が好きなので犬に関わる資格をとってみたい」という犬好きなみなさんに、今回は犬に関わる仕事をご紹介します。
犬に関わる国家資格はあるの?愛犬との生活に役立つ資格はあるの?その資格があるとどんなことができるの?そんな疑問にお答えします。
犬に関わる国家資格
犬に関わる国家資格獣医師
獣医師は、犬だけでなく、猫やハムスター、牛、馬、豚などの家畜動物など、専門知識を活かして人間と動物の健康を守る仕事で、犬に関わる最も有名な国家資格です。
獣医師になるためには、獣医学科が設置された大学に入学する必要があり、大学では獣医学の基礎・応用・臨床を6年間かけて履修します。大学で必要な単位を修めると、農林水産省が実施する獣医師国家試験の受験資格を取得することができます。試験は年に一度、2月にのみ行われます。試験に合格し、免許申請すると、獣医師名簿に登録され、獣医師免許が取得できます。
大学に入学しなければ取得できない資格のため、習得するのには時間もかかりますが、犬だけでなく、様々な動物に関する知識を身につけることができます。
犬に関わる国家資格愛玩動物看護師
愛玩動物看護師は、人間でいう看護師の動物バージョンです。以前は動物看護に必須な資格はありませんでしたが、2022年5月に施行された愛玩動物看護師法により、国家資格化されました。国家資格となったことで、獣医師だけに認められていたマイクロチップの挿入や採血、投薬など診療行為の一部を、獣医師の指示のもと行えるようになりました。
愛玩動物看護師養成所に入学し、3年以上の就学を経て、養成所や大学が指定するカリキュラムを修了したのち国家試験を受験するという流れを踏むことで資格を取得することができます。動物病院で勤務したいと考えている方にぴったりな国家資格です。
犬に関わるトレーニングの資格
犬に関わるトレーニングの資格CPDT
CPDTは、ペットドッグトレーナーズ資格認定協会CCPDT(Certification Council for Professional Dog Trainers)がプロのペットドッグトレーナーを対象とする国際試験及び資格認定プログラムです。日本で唯一の、世界基準ドッグトレーナー資格となっています。300時間以上のドッグトレーニング経験があることと、推薦状を提出しなければ試験を受けることができません。ドッグトレーニング経験のうち225時間(75%)は主任トレーナーまたはインストラクターとして実際の教授 (クラス指導・個人指導)を行っていることが必要で、残りの75時間(25%)は、シェルターでの仕事やクラスのアシスタント、動物病院スタッフやグルーミング (シャンプー担当は不可)等のその他の関連業務に従事していてもよいこととなっています。試験は、3時間180問というコンピューターによるテストとなっていて、厳しい試験内容となっています。
しっかりと世界基準のトレーニング試験を受けたい方におすすめしたい資格ですが、実務経験が必要となるため、受験資格を取得するのが難しい資格です。
- 公式サイト
- https://japdt.com/
犬に関わるトレーニングの資格盲導犬訓練士・盲導犬歩行指導員
盲導犬訓練士は、日本盲導犬協会の盲導犬訓練士学校に所属して働きながら学び、その後取得できる資格です。さらに訓練士として定められた回数の共同訓練(盲導犬ユーザーとなる方と盲導犬との歩行訓練)を経験した後、試験に合格すれば盲導犬歩行指導員の資格を得ることができます。犬の訓練を行い盲導犬を育成するのが盲導犬訓練士の仕事で、盲導犬歩行指導員は盲導犬の訓練だけではなく、目の見えない・見えにくい人に「歩行」という技術的な指導、さらにその方が盲導犬と一緒に新しい生活を始めるという人生の節目に立ち会い、その後もずっと見守るというのが仕事です。犬を指導するだけでなく、視覚障害者の自立に寄り添うことができる資格で、高校卒業以上であれば誰でもチャレンジすることができます。
犬の飼育に関わる資格
犬の飼育に関わる資格愛犬飼育管理士
愛犬飼育管理士は、一般社団法人ジャパンケネルクラブが設けている「動物の愛護及び管理に関する法律」の理念に基づく資格制度です。理念に基づいて作成されたテキストを使用した講習会を受講し、講習会に続いて同日に行う筆記試験に合格すれば取得することができます。犬を飼っている方であれば知っておきたいワクチンや食事を含む飼育管理、動物愛護管理法についてなどを学ぶことができます。講習会・試験後、約3週間以内に合否通知が届きますが、合格していた場合には資格登録のために愛犬クラブへの入会が必要です。
愛犬飼育管理士は、多くの自治体で動物取扱業の登録要件のひとつとして認められています。動物の販売、保管、貸出し、訓練、展示、競りあっせん、譲受飼養を業として行う場合に必要な資格となっています。
- 公式サイト
- https://www.jkc.or.jp/
犬の飼育に関わる資格ペットセーバー
ペットセーバーは、ペット(犬・猫)の命、日々の健康と安全を守るための救命救急法・救急疾患対応・健康生活支援講習の知識と技術を身につけることのできる講習・資格です。日本初上陸のペットの救命救急法で、元国際レスキュー隊員、アメリカのペット救急法指導団体 Pet Techの「ペットの救命救急法」のインストラクターが主催しています。対象となるペットは犬と猫で、一般向けペットセーバー講習会、トリマー、動物看護師など向けの事業者向けペットセーバー講習会、終末ケア・祝別ケア・命のケアを行うトライアングルケア講習会、災害救助犬用ペットセーバー講習会などの種類があり、自分に合った講習を選ぶことができます。
- 公式サイト
- https://petsaver.jp/
犬のお手入れに関わる資格
犬のお手入れに関わる資格公認トリマー
(C級・B級・A級・教士・師範)
トリマーとは、犬の美容師のことです。毛、皮膚、爪、耳などの手入れを行うことを目的としています。犬の手入れ全般のことを「グルーミング=grooming」と呼びますが、日本においてはグルーミングの中の一分野である「トリミング(トリム = 毛を刈り込んで整えること)」から発生した「トリマー」という呼び名が定着しました。
一般社団法人ジャパンケネルクラブでは、技術と経験のレベルによって、「C級」「B級」「A級」「教士」「師範」という5種類の公認トリマー資格を発行しています。資格を取るためには公認の養成機関に入学し、所定の課程を修了した後、卒業試験に合格すればC級資格を取得することができます。その後も引き続き1年間在学し、所定の課程を修了すると、B級を取得、さらに2年間在学し、所定の課程を修了するとA級取得となっています。学科から実科まで必要なことが幅広く学べるため、多くの人が公認のトリマー養成機関に入学しています。
年齢満18歳以上で、2年間以上の本会会員歴が必要ですが独学で取得することも可能です。資格取得試験は、毎年JKCの全国 14ブロックで行われているので、この試験に合格すれば、C級トリマーとなります。
- 公式サイト
- https://www.jkc.or.jp/
犬に関わる食事の資格
犬に関わる食事の資格ペットフーディスト
ペットフーディストは、食事を通して、「犬や猫と暮らす喜び、健康、笑顔」を届けることのできる、日本アニマルウェルネス協会の認定資格です。犬や猫の食性、栄養学、さまざまな食事スタイルのメリット・デメリット、オーナーに寄り添い、必要な情報を適切に伝える方法などを学ぶことができます。講座で学んだ知識、資格を活かしてセミナーの開催や執筆活動、ペットフード選びのカウンセリング、手作り食レシピのアドバイス、自身の愛犬のパートナーの食事改善にも役立ちます。病気と食事管理についてや介護期の食事、薬膳基礎知識などについても学ぶことができ、最短半年ほどで資格を取得できます。
犬に関わる食事の資格ペット管理栄養士
ペット管理栄養士は、日本ペット栄養学会がペットの栄養に関する知識の普及と指導に必要な人材を育成し、ペットの健康維持向上を図り、もって動物の愛護に寄与する目的で2002年に設けた資格制度です。ペット栄養管理士認定試験に合格し、学会の会員、管理士名簿に登録するすることでペット栄養管理士を取得することができます。ペット栄養管理士認定試験には受験資格があり、講習会の全ての教程(A・B・Cの3教程)を修了すること、もしくは大学において獣医学(獣医学科、獣医保健学科等)、畜産学(応用動物学・ 資源動物学・動物生産学・応用生命科学・応用生物科学・生物機能科学・ 生物資源科学等)、農芸化学(バイオサイエンス学科等)のいずれかの課程を修めること、認定委員会が先述と同等、もしくはそれ以上の資格を有すると認定した者が対象者となります。
ペットフード総論、ペット基礎栄養学、ペット臨床栄養学(衛生学含む)についてを細かく学ぶことができる犬の食に関わる資格となっています。
- 公式サイト
- https://www.jspan.net/
犬に関わる食事の資格犬の管理栄養士マスター(犬の管理栄養士・犬の管理栄養士アドバンス)
犬の管理栄養士マスターは、一般社団法人 全日本動物専門教育協会(Japan Society for Animal Specialty Education)が主催する犬の食事に関する資格です。犬の管理栄養士と犬の管理栄養士アドバンスの資格を取得することで、犬の管理栄養士マスターの資格を取得することができます。
犬の管理栄養士は自由採食できない愛犬が健やかに生きていくために、最も必要な食事、栄養の知識を学ぶ講座で、犬の体を構成している栄養素やドッグフード、手作りフードに関するを身につけることができます。犬の管理栄養士アドバンスは基礎的な栄養学を押さえ、各栄養素が含まれる食材とその与え方、成長ステージに適した栄養、患う病気に対する栄養管理や食事療法を学ぶことができます。どちらだけの講座でも犬の食事について学ぶことはできますが、二つの資格を取得することでより深く知識を身につけることができます。
ペットロスケアに関わる資格
ペットロスケアに関わる資格動物医療グリーフケアアドバイザー
動物医療グリーフケアアドバイザーは、グリーフカウンセリングを学び、動物医療グリーフケアを実践するリーダーを育成する認定試験です。グリーフケアとは家族や友人、恋人などの大切な人との死別を経験して、深く悲しんでいる人に寄り添い、心のケアや回復の支援などを行うことを指します。
現代動物医療も進歩し様々な病気の治療が可能となってきましたが、愛犬との別れは必ずやってきてしまいます。そんなとき、飼い主さんに寄り添い、ケアを行うことができるようになる資格です。飼い主の心の声に耳を傾け、一緒にその大切な命に向き合い、個々の家族のスタイルに合った「良い看取り」に導いていきたいと思っている方に学んで欲しい資格です。
- 公式サイト
- https://grief-care.net/
まとめ
ここで紹介したもの以外にも犬に関わる資格は他にもたくさんあります。愛犬との生活をより豊かにするために、正しい情報を身につけ、普段の生活に役立てられるといいですね。