ラブラドールレトリーバーの寿命|平均寿命と病気

ラブラドールレトリーバーの寿命|平均寿命と病気

この記事はワンコnowa編集部が取材・監修を行っています。

人懐こく優しい性格、そして聡明であるラブラドールレトリーバーは、盲導犬や警察犬、捜索救助犬、麻薬探知犬などとして大活躍していることは、ご存知の方も多いでしょう。原産地はイギリス(歴史的にはカナダのニューファンドランド島)で、欧米では中型犬に分類されますが、日本では大型犬とされています。世界的に人気が高く、原産国のイギリスをはじめ、欧米では数十年間も飼育頭数がトップ5に入っているほどの人気犬種です。

この記事では、ラブラドールレトリーバーの平均寿命と、かかりやすい病気、健康寿命を伸ばすために今からできることをご紹介します。

ラブラドールレトリーバーの平均寿命と最高齢記録

2014年のアニコム損害保険会社が調べた「犬種別平均寿命調査」によると、ラブラドールレトリーバーの平均寿命は12.9歳です。 大型犬全体の平均が11.5歳なので、比較的長生きであることがわかります。

ラブラドールレトリーバーの平均寿命は12〜15年で、大型犬として平均的な寿命ですが、なんと27歳まで長生きした子の記録もあります。飼育環境によっても異なるので、室内飼育して適切な環境を整え、定期的に健康診断を受けることが大切です。犬にとってストレスの少ない生活環境や被毛・口腔内のケア、適度な運動、定期的な健康診断を受けさせることなどが、長生きの秘訣です。

ラブラドールレトリーバーの人間に換算した場合の年齢は下記の表をご参照ください。

犬の年齢 人間に換算した年齢 成長ステージ
3か月 4歳 子犬
6か月 7歳半
9か月 11歳
1歳 15歳
1歳半 19歳半
2歳 23歳 成犬
3歳 28歳
4歳 33歳
5歳 40歳
6歳 47歳 シニア犬
7歳 54歳
8歳 61歳
9歳 68歳
10歳 75歳 高齢犬
11歳 82歳
12歳 89歳
13歳 96歳
14歳 113歳 超高齢犬

ラブラドールレトリーバーがかかりやすい病気

ラブラドールレトリーバーがかかりやすい病気1股関節形成不全

股関節形成不全は、ラブラドールレトリーバーなどの大型犬によく見られる遺伝疾患です。これは、太ももの骨が股関節にはまらず痛みや歩行に支障が出る病気です。大型犬の場合はモンローウォークとも呼ばれるように腰を振りながら歩くことがこの病気の特徴です。重度になると歩行困難になる場合がありますが、小型犬の場合は、大型犬に比べると症状が軽く、サプリメントや痛み止めの投薬が行われます。

ラブラドールレトリーバーがかかりやすい病気2進行性網膜萎縮

進行性網膜萎縮は、網膜に異常が起こり、視力低下を引き起こす病気です。視力は徐々に失われ、最終的には失明に至ります。遺伝が原因とされており、発症すると完治することはありません。

初期症状として暗い空間で見えづらくなることから、夜の散歩や家の中などで、物にぶつかったり動かなくなったりなどの症状が見られます。進行性のため、次第に明るい空間でも見えずらくなり日中でもこういった症状が現れるようになるでしょう。少しの異変でも感じた場合はすぐに動物病院で診てもらいましょう。

ラブラドールレトリーバーがかかりやすい病気3甲状腺機能低下症

甲状腺機能低下症は、ゴールデンレトリバー、ラブラドールレトリバー、コッカースパニエル、ブルドッグ、プードル、ダックスフンドなどに多い疾患です。甲状腺が破壊され、その機能が弱まることで甲状腺ホルモ ンが分泌されなくなり、様々な症状が現れる病気です。尚、詳しい原因は不明とされています。発症すると体重増加、脱毛、無気力、寒冷不耐性などの症状が出ます。

ラブラドールレトリーバーがかかりやすい病気4喉頭麻痺

先天性喉頭麻痺は、遺伝的な要因が関与しているのではないかと考えられているラブラドールレトリーバーに好発する疾患で、喉頭の筋肉や神経に異常が起こり麻痺する病気です。呼吸時に声門がうまく開かず呼吸困難になります。ハアハアと胸を大きく動かす呼吸になり、重症化すると酸素を全身に上手く送ることができずに口の粘膜や舌がチアノーゼになります。声もかすれたようになり、呼吸時にゼーゼーと苦しそうな呼吸音がする場合があります。決定的な予防法はありませんが、肥満を避け、興奮させず、涼しい場所で生活をすると発症後の重症化を防げます。

ラブラドールレトリーバーの健康のために気をつけるべきこと

体力があり活動的。ストレスにならないよう運動させる

ラブラドールレトリーバーには体力があるため、相当の運動量が必要で、運動が足りないとストレスが溜まり、噛み癖や吠え癖などの問題行動を起こすこともあります。1日に少なくとも1時間以上の散歩2回が必須です。

賢いため、散歩だけでは退屈するかもしれません。頭を使う遊びも好きなので、室内では知育玩具などで遊ばせましょう。また、レトリーブ(回収)能力があるので、物を取ってこさせる『フェッチプレイ(Fech play)』や水遊びも大好きです。遊ばせながら運動させると良いですね。

夏の室温にはとくに気をつける

短毛ですが暑さに弱いため、夏場の温度調節に注意が必要です。散歩の時間も気温が高い時間はさけましょう。

ダイエットなど体重管理を心がけてあげよう!

ラブラドールレトリーバーは⾷欲旺盛。そこが可愛いのですが、実は肥満になると腰や股関節に疾患を抱えやすい犬種です。しっかりと食事量を見て、肥満にならないように体重管理をしっかりしてあげるようにしましょう。

滑りにくい環境を整えてあげよう!

ラブラドールレトリーバーの運動器疾患はよく見られるので、関節ケアはもちろん、体重管理や環境改善(滑りやすい床は避けるなど)は大切となります。予防はなかなか難しいですが、フローリングを走り回っているときに大きな負担がかかり、痛めてしまう場合も。滑りにくい床材やカーペットなどを敷くなど足腰に配慮した環境を整えてあげましょう。同時に、大きな段差をなくす、高いところから飛び降りをさせないなどの注意も必要です。

換毛期は毎日ブラッシングする

春と秋の換毛期には抜け毛が多くなるので、できれば毎日ブラッシングしてあげることをおすすめします。

ラブラドールレトリーバーの寿命を伸ばすためにできること

それでは最後に、ラブラドールレトリーバーにできるだけ元気で1日も長く家族のそばにいてもらえるように、私たち飼い主にできることを考えてみます。小さなことも毎日の積み重ねから。愛犬のためにできることから取り組んでみましょう。

01愛犬の健康診断にいこう!

人と一緒で、犬も病気を未然に防ぐことが大切です。健康診断をすることで、病気の早期発見、早期治療につながります。特に、犬は自分で話すことができないので、飼い主さんが、健康診断で犬の健康状態を把握しておいてあげることが重要です。また、実は、健康診断では「健康時の正常値を知る」ということがとても大事。健康な時のデータが取れていると、何か変化があった際に比較でき、正確な診断に繋がります。だいだい、5歳を過ぎたら毎年定期的に検査をするのがベストではありますが、毎年ではなくても良いので、なるべく元気な時に健康診断をしてあげましょう。

02愛犬に合ったバランスの良い食事を!

犬を健康に育てるには、人と同様やはり食事のバランスがとても大切です。ライフステージごとに愛犬に必要な栄養素が含まれているフードを選んであげるようにしましょう。またアレルギーのある子にはアレルギー用を、既存の疾患などがある子にはその子に合ったフードやサプリなどを組み合わせ、食事で健康を目指しましょう。もしフード選びに迷う際には、獣医師さんに相談し、原料・素材の良いもの、そして疾患などに対応したものを選んでいくようにしましょう。

また、犬は比較的胃が大きく、目の前にある食べ物を勢いよく食べてしまい、満腹感が得られず「もっともっと」とおねだりすることも。ただし、食べ過ぎやおやつの与えすぎは肥満やあらゆる病気につながるので気をつけましょう。
人の食べ物で、犬が食べてしまうと危険な食べ物はきちんと把握し与えないように注意しましょう!人が食べるために味付けされたものも絶対に与えないでください!

03愛犬のラブラドールレトリーバーに合った適度な量の運動を!

食事同様に、犬にも適度な運動が必要です。犬にとって散歩や運動は、心と身体の健康維持に不可欠です。特に散歩は毎日の適度な運動になるだけでなく、ストレス解消や気分転換になります。散歩の頻度は1日に2回、朝と夕方に行うのが理想的ですが、必要とされる散歩量は、体の大きさや種類、年齢、健康状態によって異なるため、愛犬に合わせて調節することが大切です。

子犬期はお散歩だけでは足りない場合もあるのでさまざまな玩具を用いて遊びながらトレーニングをしたり、シニア犬の場合も認知症予防に玩具を使った遊びや無理のない散歩、運動を取り入れることで健康寿命につながってくるでしょう。

04早めの去勢・避妊手術を!

オスの精巣、メスの卵巣や子宮を摘出する去勢・避妊手術は、望まない繁殖を防ぐだけでなく、ワンコの病気予防やストレス軽減、行動改善といったメリットがあります。愛犬の健康状態を見ながら、かかりつけ動物病院の先生と相談し、適切な年齢で去勢・避妊手術を受けることは愛犬の健康に繋がってきますので、子犬を迎えたばかりの方へ一度、動物病院で相談してみてください。

ドッグトレーナーさんが教える
ラブラドールレトリーバーと相性の良い家族

ラブラドールレトリーバーのルーツが猟師が撃った獲物を回収する猟犬ということもあり、飼い主さんから指示を出されることに喜びを覚える犬種です。基本的に人やワンコが好きで、穏やかな気質を持っています。環境への適応能力も高いので、とても飼いやすいでしょう。

そのうえで、カラーによって多少性格が変化します。ベージュ系のイエローは穏やかで、人の役に立ちたいという思いが強いため、補助犬として活躍する子も多いです。ブラックは、アグレッシブで活動的な子が多い印象。チョコレートは別の犬種と言ってもいいくらい、やんちゃな一面があります。

また、血統によっても性質が異なるところが、ラブラドールレトリーバーの特徴です。体格が大きくがっしりしているショータイプは穏やかな子が多く、小柄でしゅっとしているフィールドトライアルタイプは運動欲求が強い傾向があります。盲導犬タイプは、サイズも性質もショータイプとフィールドトライアルタイプの中間。ワンコを迎える際には、ブリーダーさんにどのようなタイプを目指して育てているか、聞いてみましょう。

基本的に運動量は多い犬種なので散歩や運動は必要ですが、ワンコと一緒に適度に楽しみたい人はショータイプや盲導犬タイプ、アジリティなどの競技に取り組みたい人はフィールドトライアルタイプを迎えると、理想の生活とマッチしやすいでしょう。

Advisor

DOG WORKS ZERO代表
西岡 裕記さん

ドッグトレーナー。高校卒業後、地元の三重県から上京し、青山ケンネルカレッジで動物について学ぶ。警察犬訓練所やトリマー、ショップの店舗管理などを経験し、フリーのドッグトレーナーとして独立。“ゆる~く楽しくHAPPYに!”をモットーに、ワンコのトレーニング法を伝えている。

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