この記事はワンコnowa編集部が監修・執筆を行っています。
この記事はワンコnowa編集部が取材・監修を行っています。
長い身体と短い脚がチャーミングポイントのダックスフンド。長い鼻とつぶらな瞳も魅力で、一度虜になってしまうと抜け出せない可愛さのある人気の犬種です。
原産国はドイツで、ドイツ語でアナグマを意味する「ダックス」と、犬を意味する「フンド」に由来すると言われています。19世紀になり「ミニチュア・ダックスフンド」が誕生するとその可愛らしさからペットとしても愛されるようになりました。JKC(ジャパンケネルクラブ)が毎年発表している「2023年犬種別犬籍登録頭数」より、小型犬で登録頭数の多い犬種では堂々の3位にランクインするほどの人気があります。
この記事では、人気のダックスフンドの平均寿命と、かかりやすい病気、健康寿命を伸ばすために今からできることをご紹介します。
ダックスフンドの平均寿命と最高齢記録

2014年のアニコム損害保険会社が調べた「犬種別平均寿命調査」によると、日本で飼育されるダックスフンドの平均寿命は14.7歳でした。ダックスフンドの平均寿命は全犬種の中でもイタリアン・グレーハウンドに次ぎ、2位となっています。
遺伝子的持病がなく、病気にかかりにくい丈夫な体を持つダックスフンドの平均寿命は12〜15歳といわれていて、比較的長生きできる犬種です。ミニチュア・ダックスフンドの平均寿命は14.7歳ですが、これは人間の75歳くらいです。しかし、ギネス最高記録では21歳114日まで長生きしたミニチュア・ダックスフンドもいます。
日頃からストレスをためにくい飼育環境を整え、健康状態をチェックし、病気にかからないように気遣ってあげることが寿命を延ばす秘訣です。
ダックスフンドの人間に換算した場合の年齢は下記の表をご参照ください。
犬の年齢 | 人間に換算した年齢 | 成長ステージ |
---|---|---|
3か月 | 4歳 | 子犬 |
6か月 | 7歳半 | |
9か月 | 11歳 | |
1歳 | 17歳 | |
1歳半 | 19歳半 | |
2歳 | 23歳 | 成犬 |
3歳 | 28歳 | |
4歳 | 32歳 | |
5歳 | 36歳 | |
6歳 | 40歳 | シニア犬 |
7歳 | 44歳 | |
8歳 | 48歳 | |
9歳 | 52歳 | |
10歳 | 56歳 | |
11歳 | 60歳 | |
12歳 | 64歳 | |
13歳 | 68歳 | |
14歳 | 72歳 | 高齢犬 |
15歳 | 76歳 | |
16歳 | 80歳 | |
17歳 | 84歳 | |
18歳 | 88歳 | |
19歳 | 92歳 | |
20歳 | 96歳 |
ダックスフンドがかかりやすい病気

ダックスフンドがかかりやすい病気1椎間板ヘルニア
ダックスフンドは胴長の体型のため腰に負担がかかりやすく、椎間板ヘルニアが起きる可能性が高いです。前足の脇だけを持って抱っこしたり、仰向けにしたりすると腰に大きな負担がかかり、椎間板ヘルニアを起こす原因となることがあります。抱っこする際は細心の注意を払いましょう。
ダックスフンドがかかりやすい病気2糖尿病・肥満
糖尿病はダックスフンドに多い病気の一つで、血糖値を下げるインスリンというホルモンの不足や欠乏によって起こります。症状はたくさん水を飲み、たくさんおしっこをします。さらにご飯を食べる量が増えるにも関わらず体重が減少していきます。予防方法はバランスの良い食事と適度な運動を心がけることがとても重要です。治療方法は血糖値を下げ一定に保つ必要があるので毎回の食事の後に血糖値を下げる働きをするインスリンを注射し血糖値をコントロールします。
また、ダックスフンドは太ると足腰に負担がかかり、肥満体型になると短足のためにお腹が地面に接触するような場合もあるので、適度な運動と正しいカロリーコントロールが大切です。
ダックスフンドがかかりやすい病気3進行性網膜萎縮
ダックスフンドは目の疾患も多い犬種です。眼疾患は、常に涙が出て涙やけをする「流涙症」や、失明の危険性もある「進行性網膜萎縮」などがあります。
進行性網膜萎縮は、網膜に異常が起こり、視力低下を引き起こす病気です。視力は徐々に失われ、最終的には失明に至ります。遺伝が原因とされており、発症すると完治することはありません。
初期症状として暗い空間で見えづらくなることから、夜の散歩や家の中などで、物にぶつかったり動かなくなったりなどの症状が見られます。進行性のため、次第に明るい空間でも見えずらくなり日中でもこういった症状が現れるようになるでしょう。少しの異変でも感じた場合はすぐに動物病院で診てもらいましょう。
ダックスフンドがかかりやすい病気4クッシング症候群(副腎皮質機能亢進症)
クッシング症候群は5歳以上の犬に高確率で発症し、トイプードルやダックスフンド、ポメラニアンが特に罹りやすいと言われています。
副腎という臓器から作られるホルモンが過剰に分泌してしまう病気です。
原因は様々ありホルモンの司令塔である脳の一部が腫瘍化して調節がおかしくなってしまったり、副腎自体が腫瘍化して指令を無視して過剰に分泌してしまっている場合もあります。
また、ステロイド剤を長期的に投与したことによって起こることもあります。
特に犬ではヒトや猫よりも圧倒的に発症率が高い重要な内分泌疾患です。主な症状は水をたくさん飲み、たくさんおしっこをする、お腹が常に張っている、全身の皮膚が薄くなり左右対照的に脱毛したり荒れてしまうことなどが挙げられます。
予防方法は現時点で見つかっていません。治療方法は原因によって異なります。基本的にはお薬での治療となります。場合によっては放射線治療や外科手術を選択する場合もあります。どの方法も一長一短であるので獣医師によく相談し、治療方法を決めることが大切です。
ダックスフンドの健康のために気をつけるべきこと

骨折や、椎間板へルニアに注意し、環境を整えてあげましょう!
高いところから飛び降りたり走ったり、ジャンプしたりする際、滑りやすい床材の場合は椎間板へルニアの原因になることもあります。カーペットを敷いたり、滑りにくい材質の床にしたりして生活環境に配慮が必要です。
ダックスフンドでも散歩は1日2回、30分程度を目安に
ダックスフンドも運動が大好きな犬種です。散歩はトイレや運動のためだけではなく、社会性を身につけさせる、気分転換をしてストレスを発散させるなどの理由で必須です。毎日朝夕の2回、30分程度連れて行きましょう。休日にはドッグランなどで思いっきり走らせてあげましょう。
歯磨きや耳掃除に慣れさせる
ミニチュア・ダックスフンドは垂れ耳で、外耳道がL字型に折れ曲がっているためのため、湿気がこもり耳に汚れが溜まりやすいです。そのため、外耳炎になりやすいとされています。定期的な耳掃除(月に1~2回が目安)がとても大切です。
また、歯周病予防のためにも毎日の歯磨きは必須です。しかし、嫌がる場合は決して無理をしてはいけません。普段からスキンシップをして、リラックスしているときに耳を触ったり、口周りを撫でたり、歯ブラシで遊ばせたりするなどの工夫をして慣れさせましょう。
ダックスフンドの寿命を伸ばすためにできること

それでは最後に、ダックスフンドにできるだけ元気で1日も長く家族のそばにいてもらえるように、私たち飼い主にできることを考えてみます。小さなことも毎日の積み重ねから。愛犬のためにできることから取り組んでみましょう。
01愛犬の健康診断にいこう!
人と一緒で、犬も病気を未然に防ぐことが大切です。健康診断をすることで、病気の早期発見、早期治療につながります。特に、犬は自分で話すことができないので、飼い主さんが、健康診断で犬の健康状態を把握しておいてあげることが重要です。また、実は、健康診断では「健康時の正常値を知る」ということがとても大事。健康な時のデータが取れていると、何か変化があった際に比較でき、正確な診断に繋がります。だいだい、5歳を過ぎたら毎年定期的に検査をするのがベストではありますが、毎年ではなくても良いので、なるべく元気な時に健康診断をしてあげましょう。
02愛犬に合ったバランスの良い食事を!
犬を健康に育てるには、人と同様やはり食事のバランスがとても大切です。ライフステージごとに愛犬に必要な栄養素が含まれているフードを選んであげるようにしましょう。またアレルギーのある子には、アレルギー用を、既存の疾患などがある子にはその子に合ったフードやサプリなどを組み合わせ、食事で健康を目指しましょう。もしフード選びに迷う際には、獣医師さんに相談し、原料・素材の良いもの、そして疾患などに対応したものを選んでいくようにしましょう。
また、犬は比較的胃が大きく、目の前にある食べ物を勢いよく食べてしまい、満腹感が得られず「もっともっと」とおねだりすることも。ただし、食べ過ぎやおやつの与えすぎは肥満やあらゆる病気につながるので気をつけましょう。
人の食べ物で、犬が食べてしまうと危険な食べ物はきちんと把握し与えないように注意しましょう!人が食べるために味付けされたものも絶対に与えないでください!
03愛犬のダックスフンドに合った適度な量の運動を!
食事同様に、犬にも適度な運動が必要です。犬にとって散歩や運動は、心と身体の健康維持に不可欠です。特に散歩は毎日の適度な運動になるだけでなく、ストレス解消や気分転換になります。散歩の頻度は1日に2回、朝と夕方に行うのが理想的ですが、必要とされる散歩量は、体の大きさや種類、年齢、健康状態によって異なるため、愛犬に合わせて調節することが大切です。
子犬期はお散歩だけでは足りない場合もあるのでさまざまな玩具を用いて遊びながらトレーニングをしたり、シニア犬の場合も認知症予防に玩具を使った遊びや無理のない散歩、運動を取り入れることで健康寿命につながってくるでしょう。
04早めの去勢・避妊手術を!
オスの精巣、メスの卵巣や子宮を摘出する去勢・避妊手術は、望まない繁殖を防ぐだけでなく、ワンコの病気予防やストレス軽減、行動改善といったメリットがあります。愛犬の健康状態を見ながら、かかりつけ動物病院の先生と相談し、適切な年齢で去勢・避妊手術を受けることは愛犬の健康に繋がってきますので、子犬を迎えたばかりの方へ一度、動物病院で相談してみてください。
Writers
ワンコnowa 編集部
愛犬飼育管理士/ペットセーバー/犬の管理栄養士の資格を有し、自らもワンコと暮らすワンコnowa編集部ライターチームが執筆を行なっています。
チワワのような小型犬からゴールデンレトリーバーのような大型犬まで、幅広い犬種と暮らす編集部スタッフたちが、それぞれの得意分野を生かし飼い主視点でわかりやすい記事を目指しています。
